2024年のシンプルvintage

24.04.19

ロゴドンのサングラスが、けっこう小気味よい今日この頃です。ブルバキではプチブームで、お持ち込み増えています。

私が店を始めた頃は、シンプルで研ぎ澄まされたデザインブームだった気がします。その頃から続けている、当店の銀無垢フレームに手彫りの彫金を施すことですら、そういうことじゃないんだよなぁなんて反応が多々ありました。

研ぐということは、身に厚みがあることが前提です。削ぎ落とすみたいな表現も同様です。そこであの時代には、まず加えることありきですかなぁみたいなことを、ここで書いた記憶があります。また無理に削いで、何もないのにうるさいみたいな物も存在して、つまりそれはそれでマイナスの装飾ですよみたいなことも書いた記憶があります。結局、シンプルで研ぎ澄まされたデザインって難しいですし、それって何だったんでしょうね。

それでいまリバウンド期に突入したのか、メガネは装飾・加飾ブームがきている気がします。考えるときの前提条件がガラリと変わった感覚を、とくに昨年末くらいから覚えます。

そのときに、何が一番カッコいい装飾なのか?みたいなことを考えると、答えの一つとしてブランドロゴがあがってきます。ロゴのバランスとか、それ自体がカッコいいと認識される理由もあるんでしょうけど。それより何よりブルバキみたいな新参者が絶対埋められない、歴史がそこに詰まっていますもんね。時間の厚みがぎゅっとそこに。それって凄いことですよね。

ロゴドンとはシンプルで研ぎ澄まされたデザインの対極でもあり(と、思われている)、よくよく考えればロゴだけをうまく取り入れているという点で、シンプルで研ぎ澄まされているともいえます。例えばここにロゴドンとそれの装飾がないメガネがあったとして、何も装飾がない方がシンプルで研ぎ澄まされているかどうかは、装飾しないということがマイナスの装飾になり得ることもあわせて考えますと一概に判断出来ず、ロゴドンの方がシンプルなこともありそうです。あれこれ難しく書きましたが、いまの(メガネの)リバウンド期において、ロゴドンはけっこう面白い手だなと思っています。おそらくロゴドンってやや悪口なニュアンスを含んでいそうですけど、だったらそこも逆手にとって、ドーンって感じを活かして勢いで楽しく掛けたいですよね。

ちょっと前に、グッチで同じような黒セルの横が金のロゴドンで、それに度付きのグリーングレー(G15)みたいなカラーをいれたんですよね。それがけっこう良かったので、今回のお持ち込みのシャネルにも適用してみました。本来なら要素にないアメリカ感が入ることで、基本はタクシー移動ですみたいな都会っぽいスマートさが減って、bmx?スケボー?っぽいアクティブな雰囲気が足されて良いです。それに、本来のシャネルは黒セルにはほぼグレーのレンズが入ります。このレンズの組み合わせによって、微妙にニセモノ感が足されるのも良かったりします。

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