カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

ローデンストックのカットリム
ヴィンテージのメガネ

25.06.20

ローデンストックのエクスクルーシブです。ローダフレックスというバネ蝶番のモデルです。

片側だけに刻印というところに美学を感じます。どっかのタイミングで、それ以降は左右両方に“RODAFLEX”と刻印が入ることになります。

レンズサイズは左側裏面にこっそり。この感じもカッコ良いです。

 

このフレームに関しては、エクスクルーシブだから即ち良いという要素も含みつつ、綺麗なカットリムであるという点が素晴らしいです。

カットリムということで、ただレンズ周りに幅を持たせている訳ではありません。断面に造詣を加えています。紡錘型に角で収束をさせています。ちゃんと角の位置で断面の収束がくるように削ってあります。この作業は相当難しいと思われます。不良率ヤバそうです。

おっちゃん型のフレーム且つカットリムで、重たい雰囲気に重たい雰囲気をさらに加えているわけですが、正面以外にはちゃんと軽やかな抜けを作っておりまして、絶妙なバランスがとられています。

ローデンストックのカットリムの他のモデルでも見たことがありますが、光沢有り無しの違いを正面に同居させています。それによって、ややサーモントフレームっぽい雰囲気も足せています。

在庫が数本、まとまってありましてシールや台紙やデモレンズが無いものを載せてみます。なぜ”RODAFLEX”が片側なのか、何となくメガネを畳むと予測がつきます。必要最低限の記載で畳んだ姿も静かに美しくということで、ローデンストックに宿るミニマルな美意識がここに垣間見えます。

今日は休みになってしまいました
ヴィンテージのメガネ

25.06.16

今日は急遽休みなってしまいました。

 

ヴィンテージの入荷がざっくり100本くらいありまして、そのうちペルソールが10本くらいあるのが嬉しいです。ある程度まとまった量のペルソールが入るのは初めてです。

取り急ぎ掲載したのは、ペルソールの中では小ぶりな、ウェリントンのような、タレ目感の少ないティアドロップにも見えるフレームです。

有名なペルソールとなりますと、Steve McQueen 着用の649が挙げられます。あれはレンズサイズが54ミリの鼻幅20ミリです。これはレンズサイズ51ミリの鼻幅20ミリなので、あれで何だか大きいなあと諦めた方にもおすすめです。

 

洗浄で剥がれたシールは保存してあります。

修正時の手応えやデッドストックで出くわした時の状態を踏まえますと、ガラスレンズの枠入れがキツいのか、セルの縮みが著しいのか、はたまたその両方なのか。ペルソールはとにかく変形が大きく、初めのレンズ外しがやや難儀な印象です。

他もだいたいこんな感じです。これで歪みが少ない方だと思います。

ペルソールのデザインの良さとして、リムの太い細いの緩急の付け方が激しいところが、理由としてひとつあるなと思っています。それゆえ迫力があるのに軽快だったり、エレガントさとラフさが両立出来ていたりするのでしょうが、その細い部分からリム切れしていることも多々です。今回の入荷は、今のところ全てリム切れしていないです。とりあえずこの調子でガラスレンズのリサイズだけでも早急に着手する予定です。(ちなみに手応えとしましては、ガラス素材であの力加減でグルッと2〜3周砥石に当ててちょうど良い感じとなりますと、横幅で0.3ミリ〜0.5ミリくらいレンズが大きい感じがします。)

今のところ5本修正が終わって、あと半分です。残り半分は、太セルの怒った雰囲気のフレームです。個人的にはそういうペルソールが好きなので、後にとっております。

Nikon
ヴィンテージのメガネ

25.05.26

ニコンのフレームです。

ニコンのフレームは数あれど、これは一味違いました。カットリムです。カットリムの組み込み方がオシャレです。リムの中で太さの緩急をつけることで、ブリッジの聳え立つ感じを引き立てています。目の動きを逆に辿れば、力強いブリッジからリムの下端にかけて素早く軽やかに抜ける感じを受けます。どうして古いメガネはこんなにも健やかでカッコいいんでしょうね。

ヨロイタイプの蝶番です。ビシッと合わさって綺麗です。そこにシャーリングが入っています。先セルのクリアグレーが今っぽいです。フロントはブリッジ下段のトップ面のみシャーリング加工がしてあります。光沢有無のさじ加減も最高です。

いつもこんなようなことを言ってしまっているかもですが、ここ最近のツーブリッジのメガネで、一番カッコよかったです。

開眼
ヴィンテージのメガネ

25.05.26

物の良し悪しに関係無いかもですが、まず名前が良いです。サードアイ。掛けたら第三の目、開眼するかもしれません。

本体に THIRD EYE の刻印のみ。置きの姿がゴチャついていなくて良い感じ。製造国不明です。

素材は程よく弾力性もあって良さそうです。ただし、全体的に仕上げが甘かったりします。マイナス査定で2.5眼って感じです。あと0.5眼回復するべく、使用にあたって問題となる箇所を修正していきます。

一番苦労したのがここです。鼻パッドのアームの先端取り付け位置にご注目ください。高さ2ミリくらい違います。現代では、ピンからキリまで全てのメガネでクリア出来ていることだったりします。これもヴィンテージということで、一興です。アームの可動域が少ないので苦労しましたが、なんとか修正しました。

ヨロイ部分のバリがリムに掛かっています。引っ掛けるとレンズが傷つくため、処理しました。同じくどのゾーンのメガネでも、こういう処理甘めなものは、現代では商品として流れてくることは無いです。

リム側のネジがダメになっていたので泣く泣く変えました。一個智でネジも綺麗に収まっているので勿体無いところですが、仕方がないですね。

現行のマイナスネジの頭が大きくて収まらなかったので、頭を削って無理やり収めています。サンドのマット加工は出来ないので、紙やすりでネジ頭の光沢を消しています。

右は生きていました。素材不明ですが、風合いと軽さでアルミっぽいです。

塗装の感じがおしゃれでした。ツーブリッジにおいて、この塗り分け良いですね。

現代からすれば、処理が甘めでしたがそれらは全て除去出来ました。こういう名無しのメガネがやっぱり面白いなと、改めて思わせてくれる良いメガネでした。

INTERNATIONAL OPTICAL MANUFACTURING COMPANY LIMITED
ヴィンテージのメガネ

25.05.21

天地浅くて玉型がカクカクしていて、めっちゃカッコいいです。

テンプルの凸も、ただの凸ではなくて、凸の側面に凹の処理がしてあります。これ、なるほどなぁと思いました。とても良いです。

ブリッジも粗野で良い感じ。

このロゴマークの謎がやっと解けました。

このロゴの謎がちょっと解明。ICM?と思いきや、IOMでした。ロゴが超カッコいいです。ストーンアイランド感。

金張で14K 1/25の表記ありです。以前から在庫しているもう一本が、なんちゃってカールトン(ローデンストックの)デザインで、ブリッジ等々の表現と作りも含めてドイツっぽいなぁと。ただ、産地の表記がフレームに無いんですよね。今回のペーパースリーブにも表記が無いです。この時代で産地表記が無いのはもしや…ということでざっくり調べて、どうやら香港の製造メーカーでした。

進化
ヴィンテージのメガネ

25.05.21

甲丸のテンプル側面が良いです。なおかつ甲丸のテンプル側面を自然にうけるために、フロントにほんのり段落ちみたいな削りが入っています。

例えばこういうフレームからの、自然な進化を感じます。

正面にアクセントで、先ほどより多くの削り込みがしてあります。それをテンプルが平面的にそのまま受けています。

レンズ特殊加工
ヴィンテージのメガネ

25.04.27

お持ち込みでした。

似たような感じでレンズの特殊加工を再現してみました。ツーポレンズの飾り加工。

側面に互い違いに削りを入れるシンプルな構成で、ゴージャス感マダム感が控えめ。確かにこれなら男性でも掛けられそう。

一個一個溝を削るのも大変ですけど、その後に一個一個の溝を磨かないといけないのでそれも大変でした。

例題1
ヴィンテージのメガネ

25.02.11

ローデンストックなんですけど、商品説明のときに色々「あっ!?あっ!?」となりました。それは金張の表示が異なるからでした。

本体は『1/20 10K』の刻印で、台紙は『20/000』の印字です。説明のときに、「1/20を千分率で〜」みたいなことを言おうとして「…(1/20は50/000だよなぁ?)」と沈黙し、そののち冒頭のプチパニックでした。

そういえばこうです。70年代のHOYAの会報から。

まさに例題通り。この変換は、この年代のあるあるだったということでしょう。

見た目からは想像がつかない
ヴィンテージのメガネ

25.02.11

この見た目で、なぜかフレーム名?ブランド名?は“ROGUE-LOOK”ということで、ならず者でした。

いまの日本であれば、おじいちゃんみたいなメガネと言われると思います。大きめのツートンのセルは、確かにそんなイメージなんですけど。これは一味も二味も違う、いやもっと隠し味だらけで、最早べつの料理レベルでした。それはまさに、優しいおじいちゃんの裏の顔が、それはそれは恐ろしいならず者というくらいに。

レンズの形やリムの処理がカクカクしていてカッコいいとか他にもあれこれありますが、美意識高い最大の隠し味ポイントが垣間見えるのはここかなと思いました。フロントとテンプルの接合部分です。フロント側で、微妙にテンプルとの合口が綺麗に揃うように調節されています。

畳むとよくわかります。底辺が2ミリくらいの、謎の直角三角形が現れました。

正面やちょい斜めからみたときに、智が斜めに上がっているように見えます。ややつり目っぽい感じの演出が入っています。そして、智もテンプルに向かって斜めに削ってあり、フロントから目線がビュンっと上に、さらに奥に気持ちよく抜けるようになっています。普通は鈍重な印象になりがちなフレームに、キャットアイフレーム的な軽快感が加わっています。そういうあれこれを智に込めますと、水平や直角でない智とテンプルとの接合をどうしようかという問題がよく生じます。そこで帳尻合わせとして、あの直角三角形が生まれています。

帳尻合わせが出てくるのであれば、製造のしやすさのことを考えまして、例えば智のつり目感を諦めようという風になりそうですが、それをしなかったことが素晴らしいと思います。全部やっちゃっている、そんなフレームです。

くちびるみたいな
ヴィンテージのメガネ

25.02.04

レンズのカーブと、リム上端の分厚い部分のカーブが同じくらいなので、枠入れしたら見違えました。トゥルントゥルンで生命感が強まりました。

テンプルの作りも気が利いていますよね。フロントのトゥルントゥルンを、太極拳的な感じで自然に流している気がします。

これもすごい良かったですね。

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