カテゴリー:雑記

補足
雑記

23.05.31

一個前の、銀無垢のサーモントで補足といいますか余談です。

物だけを考えれば、あそこまで開発に力を注ぎ込んだのであれば、鼻パッドまで含めて全て銀無垢という考えが自然だと思います。鼻パッドを無垢にすると、何でもカッコ良さがマシますし。

自分の店に当てはめますと、例えばヴィンテージのゴルチエは特にそうだと感じていまして、鼻パッドをクリアのプラスチックからチタン素材に替えるだけで、見違えるほどカッコよくなったりします。そういう感覚は私だけではなさそうでして、その徴候として巷の現行のフレームを眺めましても、チタンパッドが予め付いているメガネが増えてきていると感じます。

ところがどっこい、なぜか分からないんですけど、この銀無垢のサーモントは違う気もしています。すみません。

掛けたときに、他者の目線がどう動くかの話になるんですけど、やっぱり眉毛の銀塊にまず目線がいって欲しいんですよね。そして、それだけで充分な気がします。脇目も振らず、凝視して欲しいわけです。それか少し欲張って、眉毛からテンプルのヤゲンに沿って、耳まで目線が動いて、もういちど眉毛にクギズケになって欲しいわけです。

そうなりますと、鼻パッドの存在は消したいということになりまして、普通のプラスチックのクリアが良いかな、せめての変化球で黄色かなと感じてしまっています。

私の経験の範囲で言えば、コム・デ・ギャルソンの服にもそういうことがありませんか。この服のこの生地で、ボタンこれ??みたいなことが。いまそれが、すこし理解できた気がしております。

 

先に開発した、ヨーロッパ型の銀無垢のサーモント(眉毛パーツがプラスチック素材)のときは、そんな気が全く起こらなかったです。銀無垢の鼻パッドが付いている方が、物を単体で見たときにカッコいいですし、掛けたときも銀無垢の鼻パッドの方が良いと感じたんですけどね。そもそも図面の段階でプラスチックの鼻パッドが付いていたので、すみません無垢パッドに…とお願いしたくらいですから。

サーモントタイプのフレームと一口に言っても、全然形が違いますし狙いも違うので当然なんでしょうけど。プラ眉毛のサーモントは、眉毛以外が銀無垢であることで、眉毛の軽やかさを際立たせて質量の落差で魅せることを目指しましたから。

何かしらのブレークスルーで、鼻パッド(特大)が出来たらもちろん嬉しいですし、速攻で銀無垢のサーモントに取り付けますけどね。目線が〜とか、ごにょごにょとカッコつけて言いましたけど、やっぱり全部銀無垢が一番カッコいいわぁとか前言撤回で恥ずかし気も無く言うでしょうね。

今はそんなこんなで、銀無垢の鼻パッド(大)の完成を喜びつつ、あれこれ取り替えが可能なので、組み上がりの一体感を重視するのか、更なる装用感の向上でプラスチックを使うのか、はたまた眉毛を目立たせるために積極的な手段としてクリアや黄色のプラスチック素材のパッドを用いるのか、どれが一番良いのかなあと悩んでいる感じです。

 

おじさんの日々
雑記

23.05.10

4月からランニングを再開するにあたり、ちゃんとしたプロセスで靴を買ってみようと思いまして、陸上競技専門店で買ってみたんですよね。それまでは量販店で何となく柔らかくてそこそこ安い物を購入していましたけど。

それで初めて幅まで計測して頂きました。そのときに幅も甲の高さもめっちゃありますねみたいなことを言われました。その時は、まあそうなんだなぁくらいで終わり、いつもの普通の幅の靴をいつも通りのサイズ感で買いました。

結局のところ幅がわかったところで、幅を合わせる概念があんまり無いですよね。メガネでいうブリッジ幅みたいな感じでしょうけど。

 

それからしばらく経って、アシックスのオンラインで足の計測が出来るので、昨日ちょいとやってみました。自分で足の写真を撮るんですけど、それがこのあいだの実測値となかなか近くて驚きました。誤差5ミリ以内だったはずです。

幅の値も出るんですけど、「あなたの足の幅は平均よりとても広めです」という診断が出て、やっぱり「とても」なんだなと実感しました。

アシックスは幅も選べるモデルが何種類かありまして、ちなみにエクストラワイドでいつものスニーカーサイズよりマイナス1.5センチの診断が出ました。そんなん言われたら、それを履いてみたいなーってなりますね。

雑記
雑記

23.04.10

この2週間くらい、店頭でしっかりとメガネの話をしていました。その反動で、雑記の中の雑記というものを書きたい衝動が。

30代の真ん中になりますと、たしかに味覚といいますか嗜好が変わりますね。若い時には信じられなかったことが現実に起こります。

年齢的にちょっとその変化が訪れるのが早いかもですけど、ご飯のおかずは冷奴があれば最高ですね。もはやそれさえあれば。気温が高かろうが低かろうが、キンキンに冷えた冷奴はいつでも安定して美味いです。ちょっと前までは、冷奴はおかずにカウントしないという、ご飯の準備をしてくださる方全てを敵に回すような危険な思想を持っていたんですけど。回心しました。

スライスしたトマトが入っている形式のハンバーガーがありますよね。あれはどう思いますか?今までは生のトマトが好きではなかったので、外すまではしなくとも要らんなぁって思っていました。それもここ最近変わりまして、あった方が美味しいから入れるんだなと、ようやく理解できました。

それって結局、のどごしが良い方に嗜好が流れているかと思いきやそうでもないようです。チロルチョコのアソートがありますよね。小さいときからあれのミルクが好きで、コーヒーヌガーはちょっと苦手でした。いまは逆で、コーヒーヌガーが一番で、ミルクは1個あれば十分という感じです。

変化しないことには超人的として憧れますし、変化し続けないとダメというのも納得で、そうなりますと、その都度自分の心が落ち着く方に陣取れば良いと思うんですけどね。そうは言ってもとにかく変化しなくてはと焦るときもあります。意外にも内側を探すと他人からしたら屁みたいな変化かもですけど、生きてる以上なにかしら変わっていることがあるものですね。

おじさんの味覚の変化ということで、本当にしょうもない情報だったんですけど、自分としては特にトマトが入っている形式のハンバーガーが好きになったことはかなり大きな変化でして、久々に発見の鋭い喜びを得ました。

美の呪力を読み終えました
雑記

23.04.10

美の呪力 岡本太郎著 より抜粋。

 

あとがきによると原稿の執筆が1969年とのことで、万博の準備と並走してこの内容の本を仕上げていることに驚きました。やはり超人です。

これまで私も、名言集くらいしか本は読んでいませんし、芸術は爆発だ!的なイメージからくるような、トンデモない感じで面白い人という認識だったんですけど。文章からくるイメージは、トンデモないキレ者でした。

タローマン等々の、まず爆発だ!的な雰囲気にフォーカスが当たっているからこそ、この手の読み物の冷静にずっしりと語りかけてくる感じが一層重みを増しているように感じます。まさに岡本太郎の目指していた、弁証法的な対立の衝突を感じます。

デュシャン以降は、芸術は美を追求しないみたいなことを何かしらで読んで、そう言うもんですかと、納得したふりをして今まで生きてきました。岡本太郎がタイトルに「美」を使っていたという事実だけで、読む前からちょっとホッとしました。

こっちが割れた
雑記

23.03.17

90年代頭くらいのマウンテンバイクに乗っていまして、毎日往復で1時間半ほど自転車を漕いでいます。古いサドルのままだったというのもありますが、最後はプラスチックの芯が疲労で割れました。お尻の方が割れるとか、シートポストが突き刺さるとかではなくて良かったですね。

国産のサドルメーカーさんがあることに感動をして、カシマックスの新品に交換しました。ウレタン厚くてフカフカでいい感じです。

2周目
雑記

23.03.17

2周目の楽しさから判断しますと、1周目はほとんど理解出来ていなかったのでは無いかと、そういえば1周目の読了時点でも面白かったと言っていた自分を疑うほどに、2周目は面白かったです。

『中動態の世界』を1周目で読み終えた頃は、まだ三島由紀夫の『金閣寺』に触れていなかった(金閣寺クライシスと個人的経験に名前をつけています)と思っていますけど、そのあたりの時系列はぐちゃぐちゃです。この2〜3年、ちょうどコロナ禍くらいの期間に色々ありました。ブルバキの掴んでいる隙間は一緒なんですけど、それの捉え方や考え方はブルバキの黎明期と比べて、真逆までいかなくとも、割と変わりました。

音楽のグループで、新アルバムの発表でガラッと曲の雰囲気を変えることがあると思うんですけど、あれが身をもって分かった気分です。掴んでいるものは一緒なんですけど、掴み直すと言えば良いんでしょうか?同じ掴み方ではなんだかなぁということで変えるんでしょうね。摘む程度ではなくて、ガシッといきたいよねって感じですね。

それか登山でよく例えられますが、登山していないので恐縮ですけど、頂上が一緒でルートが違うという表現ですね。それでもって、その頂上を“物自体”として捉えてみると、頂上だと思ったものが実は頂上ではなかったのか、はたまたいつも登頂に失敗しているのか、そういう挑戦と失敗の連続を生きているということになるわけですね。ここまで書くと、これは本が違いますし(『現代思想入門 千葉雅也著』に詳しく)、失敗がベースということで岡本太郎にも繋がりそうな考え方だと睨んでいますが、この辺で止めておきます。

完全なオリジナルと自由意志が近い関係なんですね。完全なオリジナルも自由意志も、連続の切断という点において非常に近い関係です。自由意志があるのか無いのか、完全なオリジナルつまりは独立した個性があるのか無いのかはとりあえず置いておくにしても、現実問題としてオマージュとパロディと模倣の問題は立ちこめてきますよね。

なるほどヴァージル・アブローは中動態でした。

15年ぶり
雑記

23.03.10

おそらく、それくらいぶりに自転車でコケました。歩道にあるポールに気づかずに、ハンドルをぶつけて倒れただけなんですけど。栄のど真ん中なので、かなり恥ずかしかったですね。

ちなみに、リアルダメージ加工をしてしまった元のジーパンは、去年のリーバイスの商品です。新品で買った、90’S 501というシリーズの、品名『MAD LOVE』です。レディースなんですけど、品名込みでめちゃくちゃ気に入ってました。

リーバイスのネットを見ていましたら、ダメージ加工で片方の膝だけ破けている商品って多いですね。初めから破けているジーパンを買ったことが無いので不安でしたけど、片方だけで良いんですね。コケて凹んでいましたけど、なんだか元気が出てきました。

 

みました
雑記

23.03.10

この前の木曜日に岡本太郎展に行きました。もうすぐ終わっちゃいますからね。

愛知県の美術館で、平日にしては珍しい混み具合でした。平日でこんな感じなら土日はもっともっと凄いことになるんでしょうね。最後の土日も並びそうですね。

物販で、本をジャケ買いしました。そろそろジャケ買いという言葉も死語になりそうな予感です。

本はいつでも買えそうですけど、いつでも買えそうな物も、そのときに買わないと実は買う機会を逃したり名前を忘れたりで、実はいつでも買えなかったりするので、本だけ買いました。

愛知県美術館は、木村定三コレクションで熊谷守一がたくさんあります。今回の常設は一部屋の全作品、熊谷守一だけという部屋がありまして、それが望外の喜びでしたね。

 

 

ジョギング用
雑記

23.02.25

ということでさっきのフレームですけど、緑の25パーセントのレンズを入れて作ってみました。製造番号消したのは、そういうことでした。

銀無垢のサーモントのレンズは緑の35パーセントなんですけど、クリアグレーに緑がやっぱり好きです。サーモントも、ピンクから緑に戻してしまいました。ヘビーよりライトな時代と分かりつつ、直せないものはやはり直せないもんです。どうしてもヘビーが好きです。アメリカのミリタリーっぽい感じで、ヘビーに戻しました。

ようやく来年度からジョギングが復活出来そうでして、このTR90のメガネで白のラインソックスにアシックスの靴で走っていたら、僕の妄想上のニューヨーカーっぽいのかなと思いまして。ニューヨークに行ったこと無いんですけど。めっちゃポパイかなって。今から楽しみです。

特別スポーティーな構造のメガネでは無くても、TR90でバネ性があって軽ければ、けっこう激しく動いてみてもメガネ落ちないですね。

さっきあれだけ書いといてなんですけど、僕もTR 90やウルテム素材のメガネを今まで掛けたことがありませんでした。無垢とヴィンテージのメガネ屋をやるくらい、それが好きですからね。

一旦メガネを離れてみると、ウールも着るけどナイロンも着るし、革靴も履くけどスニーカーも履くし、手巻きの機械時計もするけどクオーツの時計もするよなと。ということで、銀のメガネも掛けるし、ヴィンテージのおもしろメガネも掛けるけど、スポーティーでアクティブな現代のメガネも掛けても良いよねってことで作りました。

最新の樹脂フレーム事情
雑記

23.02.24

すごいのが世にこっそり出ていましたね。

月例の眼科さん出張のときのフレームとしてですが、思わず取り寄せてしまいました。これからどんどんメガネは、年齢や性差を飛び超えてくるでしょうし、現代のヴィンテージメガネの観点からになりますけど、どんどんみんながカッコ良くなってきますね。

TR90という素材です。いまのメガネ店で主流のビヨンビヨンな素材です。踏んでも壊れないとかいうあれなんですけど、蝶番とかブリッジとか、硬く作らないといけない箇所は流石に踏むと折れますし、壊れます。ほかの特徴をあげると、かなり軽いです。その素材で作られた、アーネルなのかレムトッシュなのかジャズなのか、まさかのそれです。

これは5年位前の、別のインジェクションフレームです。この時代は、セルロイドの黒とかデミブラウンに似せないといけない、という使命感があったのか、デミの模様も塗装だったりしました。さすがにこれは…と思って月日が流れていき、気づくと2023年は凄いことになってました。

まず色なんですけど、アメリカンヴィンテージに近いですよね。特にUSSのくすんだ感じにそっくりです。めっちゃカッコいいです。しかも、クリアカラーが流行ったお陰で、素材に対して無理をせず、TR 90の透明感が生きて綺麗です。

あとサイズです。かなり幅広い年齢層を狙ったフレームだと思いますが、なのに46□24です。レンズサイズは好みが分かれますが、ブリッジ幅24ミリが熱いです。巷のフレームを眺めても、少ないと思います。ちなみに似たような形でイジピジは46□21ですね。

アメリカンヴィンテージのセルフレームのカッコ良さは、ブリッジの抜けにあったのだと思います。物理的に顔に鼻に合わせるとかでブリッジを最終的にどれに決定しようか?という問題が立ちこめますが、例えばかつてゴールデンサイズと呼ばれたFPD66で42□24と44□22と46□20があれば、まず物だけみれば42□24が一番カッコいいんじゃないかなと個人的に思っています。ブリッジは、広ければ広いほどアメリカンでカッコいいと。とりあえず、ブリッジ24ミリは現行品では熱いです。

ブリッジを広くした分、鼻の部分の寄せがあらかじめ最大です。パッドの真ん中から真ん中までの距離がおよそ18ミリでして、日本人の男の人の平均が18ミリくらいと資格をとるときに習うんですけど(女性で16ミリ)、ほぼその値です。なのでしっかり顔に掛かるようになっていまして、ブリッジ幅の表記24ミリでこんなにもしっかり顔に乗るものかと感動します。

TR 90は、セルロイドやアセテートと違い温めて曲げることがほとんど出来ないです。そのためテンプルエンドがあんな感じにはなります。テンプルエンドもそのままTR 90で作って、耳にかかる部分にだけ金属芯を入れたフレームも存在しますが、やはりフィッティングの手応えは薄くて、TR90でズリ落ちないようなフィッティングを実現させるとなりますと、こういう別素材で切り替える構造になると思います。そこは残念ながら。

色違いの生成りもいい感じでした。

先ほどアメリカンヴィンテージのセルフレームの良さは、ブリッジの広さだと書きました。ゆったり抜けている感じと。それも含めて、ざっくり一言でアメリカンヴィンテージの良さとは何なんだ?と、冷静になって捉え直しますと、ラフさじゃないかなと思うんです。現代の工業製品には無いと言いますか若干の許されないレベルのラフさがあります。それを取り入れることでファッションに軽さを一気に与えてくれるからこそ時代に迎合されて流行ったのかなと思っています。でも生地は光沢が強くて綺麗でドレス感もあって、結果ラフ過ぎない最高のバランスだったりしますよね。

このフレームのように、TR90素材となるとインジェクションの製法をとります。蝶番とかテンプルエンドとか、絶対に似せることの出来ないディテールも生まれるんですけど、フロントやテンプルの全体のラフさは、現代のほかのプロダクトに無いくらいヴィンテージに似ていました。そこを目指したものでは無いんでしょうけどね。向こうからしたらヴィンテージヴィンテージうるせなぁみたいな。どうあれ似ていてカッコいいです。

品番等の印刷は、バフで一瞬で消えます。掛けた時に製造番号等々が見えると嫌な場合、取り除くことが可能でした。掛けた時に表側に透け無いです。この辺で主張が一切無いのもヴィンテージに近いですよね。

顔に乗った感じも、物だけ見たときのラフさも、たまたまなんでしょうけど相当ヴィンテージの再現度が高いなと驚いています。セルロイドやアセテートによる復刻や再現フレームの方が、取れる構造やディテールの追求のおかげで、もちろん物としての近さはありますが。でもちょっとカッチリ感が入っていると思いませんか?そこで素材を変えて製造方法を変えて、インジェクションでアプローチすると、元のヴィンテージフレームに含まれていたラフでゆったりな雰囲気を、ふにゃっと感をかなり高いレベルで似せることが出来ているのではないかと感じました。となりますと、オプチル素材でアーネルとか復刻したらめっちゃ良い感じに再現出来そうですね。

店頭はあくまでヴィンテージと銀無垢のメガネの販売でして、ブルバキの本筋では無い余談とはなりましたが、再現度の高さにかなり感動したため紹介してみました。インジェクション系のフレームで、アメリカンヴィンテージに近い、雰囲気イケメンが世にこっそり出始めていました。

そもそもラフで、そこそこ気軽だったものが、しょうがないことではあるんですけど数が減ったりあれこれで価格が高騰して気軽さが失われていく中で、インジェクションのこういう再現フレームを手にしてみるというのも避けられなくなってきそうですよね。デイリーはコレで、みたいな。それに、もともとはヴィンテージ側にも黎明期に存在していた気軽に楽しめるという大事な要素がこれにはあって、なんだかとても良かったんですよね。

 

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