カテゴリー:メガネのはなし

オール甲へのガラス枠入れ
メガネのはなし

21.04.27

2年くらい前に手に入れた、オール甲のフレームです。ちゃんと使っていたのは、実質1ヶ月ほどで、あとはぼちぼちでした。自分は、無垢の手彫りのピッカピカや、面白い系の眼鏡がやっぱり好きなんですね。

ところが年度が変わり、いわゆる普通の眼鏡が要るようになりました。一旦、普通とは何か?とかそういうのは置いておいて。普通のが。そこでさらに突っぱねることも出来たんでしょうけど。前出の二村ヒトシさんの本でいうところの「心の穴」を想うと、普通も要るなとなりまして、この4月からはよく使っています。タイミングが合えば、皆さんにべっ甲の経年変化を見て頂けるかもしれませんね。

それで、せっかくなので初めてオール甲のフレームに、ガラスレンズの枠入れをしてみました。そもそもの件数が少ない上に、リム切れ等々が怖いのが重なり、さすがにべっ甲にガラスの枠入れは実績0でした。ということで、自分ので実験です。

どちらの素材も、全然弾力性が無いのでやっぱり怖いですね。思ったよりは、スルッと入りました。

オレンジもとってみました
メガネのはなし

21.04.19

この前の木枠のコレクションボックスです。注文頂いたので、オレンジもとってみました。

エルメス的な、パキッとしたオレンジを想像しておりましたが、そうではなくて落ち着いたレンガ色みたいな感じです。良い感じでした。

ケースその3
メガネのはなし

21.04.04

ケース問題、あれこれブルバキ的な回答が見つかったのでメーカーさんありがたいなぁという気分なんですが、もう一つ実は、その1・その2以上の難問が解決出来ております。それは、

《ケーブルテンプル(巻きつる)のフレームが綺麗にしまえるケース(ハードタイプ)が無い問題》

です。ヴィンテージ眼鏡あるあるかもしれません。やや大げさに書きましたが、うんうんと頷いている方も多いのではないでしょうか。古いアメリカ物で、ケーブルテンプルは頻出ですからね。その時代ですら、ぺったんこで幅の狭いスチールのケースに、ケーブルをぎゅうぎゅうに詰め込んでしまっている状態です。頻出の時代にケースが無いんです。ですから、ケーブルテンプルを作るメーカーが少ない現代で、それに合わせたメガネケースが出ることも無いだろうなと諦めていました。

相変わらず前置きが長いなと。トップの画像がそれを解決できるケースなんだろと。そうです、そうなんです。驚くべきことに普通の見た目のあのケースが、まさにそうなんです。

ではどうぞ、ご覧ください。

画像を見て頂ければ、それが全てです。言葉なんて野暮です。

ウソですご説明します。当店のサンプラチナのツーポを収めてみました。テンプル全長170ミリのケーブルが、全く干渉せず収まっています。ブリッジでグワんとなっていません。テンプルがバッテンになっていません。それが干渉していないことの証です。まさかこんなことが可能になるとは!大げさに言えば、私の見たかった風景が、いまそこに広がっています。結構本気で感動しました。凄いですよね!あれ、もう知ってましたか?

そこまでゴツくなく、そして幅を取るわけでもありません。定規の余白が下に5ミリ程あるので、大体高さは2.5センチですね。ケーブルをうまく収納できるミソは、横を見ると分かります。これはデザインの天才がいますね。天才の閃きです。本当に感謝です。天才さんありがとうです。

茶色もあります。フレームご購入の方にはサービスで添えられるような価格帯の物なので、それも最高なんですよね。今まで皆さん、ご不便をお掛けしてすみませんでした。これでもう大丈夫です。

ケースその1
メガネのはなし

21.04.03

オリジナルでケースとなると、布やらなんやらの持つ量が凄まじいし型代もあるしという金銭面での難しさと、あとはこっちの方がドンズバの理由ですけど、いい感じの小物をプロデュースするのは、めちゃくちゃ難しいという理由で避けてました。いつも、感じの良い雑貨屋さんで感じの良いものを買ってくださいとお伝えしていたと思います。

ブルバキを始めて5年以上経ちましたが、ようやく自分が欲しいの見つかったということで、仕入れしてみました。木のケースです。価格がなかなかで雑貨屋さんは避けると思うので置いてみます。よくあるゴージャス感を出す為の外装の桐箱とは違って、メガネ本体を収納するケースです。お出かけ用です。

テンプル長145ミリの銀無垢のラウンドを入れてみました。合わさると一層感じが良いです。無垢物の付属品として、セットにしてしまうという手もあるんですけど、それはしないことにします。眼鏡1本だけ所持でそれを掛けっぱなしで、尚且つサングラスを使わない人にはとって眼鏡ケースは外出時に不要なものです。要らないからその分値下げしてって感覚じゃないですかね。なのでセットはしない方向です。

セルもそれなりの大きさまで入ります。

素材は山桜です。大体こういうのはウォルナットで決まりやろ的な現代の風潮の中、敢えての山桜でした。個人的にはここにも惹かれていまして、本居宣長が好きだったらしいと、小林秀雄が仰っておりました。それは桜の花についてなんでしょうけど。つまり山桜も色々と良いことづくめで素敵な素材です。

手垢でコテコテにしたら、かなりカッコ良さそうですね。

綺麗に合わさっています。

正月のあれこれ
メガネのはなし

21.01.15

ヴィンテージでは無いですね。チタンの雄、シャルマンのラインアートです。いまもホームページに掲載されているモデルでした。廃業店舗の引き取りで、ずっと保持していました。正月のあれこれの中に、親戚への販売が含まれていまして、そこでの販売分です。

これを紹介しておこうと思ったのは、自戒も込みなんですけど、プロダクトデザインとはこういうことなんだなと。じんわり染みたからです。ブルバキもどうたらこうたら講釈垂れておりますが、あくまでもファッションプロダクトデザインだぞと。カジュアルプロダクトデザインだぞと、そういう話です。さっきの表現を用いれば、柔らかいプロダクトデザインだぞと、そういうことです。

まずフロント。一口にチタンといっても、処理なのか配合なのか様々な味付けがありまして、これはフロントが硬質なチタン、テンプルはエクセレンスチタンと名乗っていますが、バネ性を帯びたチタンです。フロントで見どころなのは、ブリッジと智の太さですね。特に智はレンズ留めからテンプルまで一体形成ですから、ここまで大きいと切削で作るんですかね?とにかく堅牢さというものが形となっています。ちなみに、鼻パッドのアームは程よく柔らかく、フィッティングの為の操作がしやすいです。たまに異常に堅く、堅牢なのは良いけど顔に合わせられない…というフレームもあります。

そして、光学的にも素晴らしいのが、テンプルの反りに対してフロントがビクともしないことです。素材をかえていることと、そのゴツさが効いています。つまり、どなたが掛けようが、レンズ面は眼球に対して正しくセッティング出来ます。お持ち込みのフレームの中で困るのが、フロントからテンプルまで同じ素材で、全部同じくらいビヨンビヨンなフレームです。ビヨンビヨンなフレームの場合、ある程度顔にしっかりと保持するために側頭幅の開きを少なめにします。しかしそうしますとかけた時に、ブリッジとテンプルの弾力性が同じ場合、同じように共に反ります。その反りが時として厄介で、強度数や累進レンズに時に見え具合の違和感に繋がります。特に遠方視で違和感が出るでしょうね。

試しに140ミリ→180ミリくらいまで広げています。フロント面は逆反りしていません。このとき、フィッティングする側が気になるのは、赤の矢印のように先セルが戻せるかどうかです。開いてこめかみへの干渉を逃した分、閉じないといけません。

認定眼鏡士の「フィッティングどうしてます?」立ち話あるあるですが、形状記憶性の高いフレームの場合、耳への添わせが問題になります。結局、フレームがどんなに柔らかく、掛け心地が良かろうが、耳に沿って接地されていなければ顔から落ちます。眼鏡は摩擦で顔に踏みとどまっている為です。

上の写真を確認しますと、先セル部分で素材が変わっています。多分ここも普通のチタンです。形状記憶性が抑えめにしてあり、耳への添わせ、曲げ、耳の裏の凹みに合わせた形状への変更がしやすい配慮がしてあります。触れば触るほど唸ります。

テンプルが平打ちの線を縦に3本束ねているのもミソですね。上からの力に強くて、フレームが上下に捻れにくくなっています。人間は左右の眼球運動は得意ですが、上下は苦手ですし、そもそも片方が上、もう片方が下というようには動きません。眼鏡が上下に捻れるということは、そういう無理な眼球運動を要求することに繋がります。度数が強い方は、ちょっと眼鏡を捻ると眼が追いつかず像が分離することが確認出来ます。上下はそれくらい弱いです。

ざっと、こんな感じです。どんな顔幅だろうが、どんな度数だろうが、どんなタイプのレンズだろうがへっちゃらで、こちら側もフィッティングの操作で困ることが無くて、チタンの質感と堅牢さがそのまま見た目に表現されていてカッコいいという、プロダクトデザインとはこういうことです!の塊のような眼鏡でした。感動しました。でもヴィンテージと無垢を売ります。

せっかくなので比較しておきました
メガネのはなし

20.12.22

柄まで確認出来ないかもです。ちょうど、お持込でAOがあったので載せておきます。菱松模様は、アレに似てるよね〜のアレです。インスタの方が分かりやすいかも。上の写真のレンズカラーはフェアオークルの15%です。黄金糖っぽくて綺麗です。とろみが出ました。

3・5・8
メガネのはなし

20.07.27

新しいCRの手が増えました。カラーバリエーションも32色あってそれだけで十分良いのですが、加えて安価で、さらに3・5・8カーブからレンズカーブが選択出来ます。ちゃんと、8カーブはプリズム入ってますし。痒いところに手が届きすぎて、もう痒いを通り越して気持ちよくなってしまうくらいです。素晴らしいですね。

試しに、5カーブで32色全部を一つずつ頼んでみました。

緑系が特に良かったなと。濃度30%〜40%の程よい濃さで尚且つ、アリアーテのパステル感が弱めなのがポイントです。ミリタリー物の緑という感じで、荒々しい屈強な緑が選択肢に加わりました。要は、うっすい#3とかG15とか、そんな感じです。

案内の印刷物だと、けろけろけろっぴの緑のような雰囲気でした。それこそこの前ゴルチエに積んだバイカラーの緑の部分に近い色味だったらどうしようかなと届くまで悩んでいました。キャラクターはかわいくなるけど、眼鏡はかわいすぎると使いづらいなと。そんな不安は吹き飛びまして、これならむしろアリアーテよりも落ち着いた感じなので、見本染色で度付きも積極採用かなと思っています。

あと、赤系も豊富で良かったです。

ちょっと前のモデルらしいです
メガネのはなし

20.06.13

お持ち込み。サンシーのメガネです。ちょっと前のやつらしいです。ホームページ見てみましたけど、多分2018年だと。これに、クリップオンも付属します。

とても良かったので載せました。意図が漏れ漏れで良いです。間違った意図の汲み取り方かもしれませんが、汲み取れたつもりで書きます。

サイズが49□23くらいです。大きめのボストン型なんですけど、ちゃんと見るとティアドロップぽくもあり、かわいいのに怪しいです。また、80年代のヴィンテージにあるような54□18のサイズのフレームを掛けた時の、あの独特のギュッと詰まった感じの鈍臭さは無いのに、ゆるっとふわっとしています。ブリッジは広めで、50年代のアメリカ物やフランス物を掛けたときのような大らかさもあります。さまざまな年代の要素を兼ね備えているのに、掛けた感じはどの年代にも当てはまらない感じです。

もしこれが本当に2018年だとすれば、先見ですね。2018年はブルバキが名古屋に移って初めの年でよく覚えています。レンズが小さければ小さいほど良くて、生地が厚ければ厚いほど良いみたいなムードがあったはずです。それぞれ服の感じも、醸し出したい雰囲気も違うのに、なぜ日本のファッションはカッコいい眼鏡の規格がほぼ同一なんだと訝しく思っていましたが、やっぱりファッションの真っ只中で同じようなことを感じている方もいらっしゃるのだなと安心しました。

47の22
メガネのはなし

20.05.26

上が52□22で、ウェイファーラーの標準サイズ。これ自体は80年代の日本製のウェイファーラーもどきです。サイズの比較対象として、BICのボールペンと共に置いておきます。

そして、表題の47□22のサイズの本物のウェイファーラーが真ん中に鎮座しております。鼻盛りの依頼でお預かり中です。現行のウェイファーラーを調べますと、レンズサイズ52と54が出てきます。いつの間にかこの47ミリは終わっていたようです。それか調べ方が悪くて本当は継続品だったらごめんなさい。

数字だけ目で追えば、色無しで眼鏡で掛けたり薄いレンズカラーで掛けるなら、男性でもこれくらいのサイズで良いなあと思います。現代ならそのように思っちゃいます。そうなんですけど、何故かウェイファーラーの52サイズが普通という認識が投影されてしまうのか、コレに関しては妙に小さいようにも見えます。例えば、タートの類は44□22が至高とされていますが、数字上はコレよりも小さいです。あれらは小さく見えないのに。

結局は、フレームの色、リム等の細さ、フロントの全幅、テンプルのデザイン…あれこれあって、全体として小さく見える・見えないがあるんでしょうね。それはそうですし、これも何度もここでも書いていますが、顔幅や身長に対してどうなんだとか、そもそも得たい雰囲気に対してどうなんだというのも、実際は眼鏡のサイズが関係してきますから、最終的にその眼鏡のサイズが私にとって大きいのか小さいのかは、掛けてみないと分からないってことですね。

以下は、かなりの余談です。

多分10年以上前なんですけど、テレビでルーズソックスの解明をしていました。何故女子はルーズソックスを履くのかと。その時すでに過去形で、あのとき履いたのか?だったかもしれないです。

そこでは、足が細く見えるから履いているという女の子のヒアリング基に調査をしていました。調査は、同じ女性の写真が2枚で行われ、一方はやや腿が出るくらいのミニスカートにぴったりとした靴下。もう一方は同じミニスカートにルーズソックスでした。そして、男女何人かに聞き込みをし、どちらが足が細く見えるかを調べていました。その記憶が強烈に残っていまして、そのお陰で現在コレが書けています。

男性は、足首にかけてキュッとなっている、ピッタリソックスの方が足が細く見えるという意見が多く、女性は足首から腿にかけて真っ直ぐに見える方が、足が細く見えるという意見が多かったです。

コレがまんま今の眼鏡のサイズの観点に、そしてその男女差に通ずるなと、急に思い出した次第です。男性は一点突破で、眼とフレームの関係に重点を置いて、そこでジャッジする場合が多々です。よりジャストの方が、FPD=PDに近い方が小顔に見えるから、とかは気にしていなそうですけどね。女性はフレームの全幅と顔幅を比較して顔が小さく見えるかとか、姿見で確認して、逆に眼鏡がデカすぎないかとかをアレコレしてジャッジしている気配がします。

そういえば販売実績を振り返っても、FPD=PDとなるケースが男性は多く、女性はFPD≧PDとなるケースが多いですね。男性の結果は点で、女性の結果は線(領域)です。

ここまで考えますと、じゃあ今の女子高校生はどうなんだ?という疑問が湧いてきまして、おじさんである私が、街で変なサングラスを掛けて積極的に観察をしてしまいますと、いろんな意味が変わってきてしまいますから、視界に入ってきた方をフワッと目視をするわけですけど、、あんまり書くと余計に怪しいですね。まあ普通に地下鉄の駅で見ますと、スカートは膝上なのは同じで、靴下が違います。踝くらいか、素足っぽいやつでローファーな訳で、今までの議論を汲めば、アレ?って感じです。細く見せたい云々ではないのかも知れませんが、なぜ今度は靴下の存在を減らす方にシフトしたんでしょうね。眼鏡もそうですが、 その認識とか感覚というのは、時代に影響されているなとつくづく思います。

ブラッシュアップ終了
メガネのはなし

20.05.08

ブルバキオリジナルのセルフレームです。今年も懲りずにテレビフレームにて。新色でクリアのブルーグレーです。

自分で使って、都度改良して、その結果もフィードバックしております。それで、もうこれはレンズカーブを6カーブ指定するべきですし、それ以外不可だなということで、今回はフロントにもカーブを初めからつけております。この前のブログで、テンプルを弄って前傾角を増やしたと書きましたが、これで更に完成がイメージしやすいかと思います。

テンプルの処理は、ほぼ前回同様です。前回との違いは、フロントの接合部分から滑りを演出してみました。

比較するとこんな感じです。

生産は前回同様イギリスで、変な言い方ですけど総ハンドメイドです。

これも毎回言いますが、個人的には手造りだけではあまりピンとこないタイプです。それは分析の結果であるべきですからね。加えるなら、様々な界隈で“おじいちゃん”というのがキラーワードになりがちですが、それもあまりピンとこずです。良いなと感じたもの、それが若人のマシーンメイドということもあり得ます。それは、従事する若人にとっての救いにもならないかなと思うんです。もちろん、機械では作れない手仕事の美しさ、熟練の技による美しさに惹かれないことは無いですよ。銀無垢等々の、無垢ものの手彫りはまさにそれですから。

ということで大事なのは、それでしか作れない良さなのか?でして、それは自分のオリジナルフレームにも厳しく適用すべき判断基準となります。今回もイギリスから届いた物を見て、値段も考慮に入れて、結果、かなり自ら手を加えております。修正には合計3日かかりました。

とにかく、真っ直ぐな光の反射をどの角度からも無くせるように、あり得ないことですが流体がそのまま纏まって空間に存在しているような感じを目指しました。ただその為にひたすら頑張りました。それが何だと言われると困りますが、見て気分良くて掛けて気分良さそうなのでくらいしか考えてないです。

音で伝えるならば、トロトロのヌルヌルです。トップの画像から伝われば嬉しいですね。実物は、もう少し表面に水を帯びた感じになって綺麗です。

最後、簡潔にまとめますとこのフレームはブルバキオリジナルのセルフレームです。そしてもう少し詳しく述べれば、30代前半をどのように捉えるかに依りますが日本のおじさんによる手仕上げの製品です。…やっぱり、おじいちゃんの手造りの方が響き良いですね。

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