カテゴリー:目のことレンズのこと

ツインカラー
目のことレンズのこと

21.09.24

久々のツインカラーでした。色の組み合わせは、アリアーテの前身であるアキュートカラーから。ほわほわ感があるんですけど、いまのアリアーテトレスと違うのは、色の違いをしっかり感じるのに、やっぱりなんだかほわほわしているところでしょうか。

染色見本を2つ送り、ツインカラーの指示を出すと出来ます。あくまでも近似ということですが、パッと見で同じくらいで仕上がってきます。

今回のご要望は仕上がりで上の黄色部分が多めで、ということでした。ツインカラーをそのまま注文すると、光学中心がレンズの真ん中に(幾何中心)あり、色の切り替えポイントもその辺に位置します。一般に遠用メガネをツインカラーで作りますと、ツインカラーの下側に指定した色が多めに表現されることになります。

ツインカラーの上側多めとなりますと、操作が入ります。アイポイントをある程度上下に動かすこともあるでしょう。あまりにもレンズとフレームのレイアウトが崩れるような配分になりそうなときは、注文時に始めからハーフラインの指定をします。

一応7:3で指定した生地がこちらです。6:4にも見えなくないですが、そこまで厳密にはいかないのであしからず。微調整は、枠入れのレイアウトでカバーです。

トップ画像よりも、色の移り変わりが分かりやすそうなので載せます。仕上がりで、上の黄色が7くらいで下の青が3くらいになりました。 この色の組み合わせ良いですね。

雑談
目のことレンズのこと

21.09.19

話のついでに、不同視について。

定義が曖昧で、具体的にどれくらいの左右の度数差を不同視と呼ぶのかがはっきりしていませんが、だいたい絶対値の差で、(2.00〜2.50)離れるとそう呼ばれます。なので、お客さんから検眼前に「私って左右の視力に差があるんだー」的なジャブを頂くことがちょくちょくありますが、基本的にはこの不同視と呼ばれるくらいまで差があるケースに当たることはあんまり無いですね。例えば、人間の顔面も完全な左右対称では無いように、目もそんな感じに多少の差はあるのでしょう。

不同視は、とにかく考えることが増えます。理論をそのまま形に出来ないケースが何パターンもありまして、点の答えが得られないときが多々だからです。領域を示すことで解の存在を述べることは出来ますが、具体的な表示は得られないわけです。絶対的な答えが消失します。この辺にあんな感じのがあるわーというくらいまでしか言い切れない、ここにコレがあるとまでは言い切れないという感じです。

度数に応じて、像の拡大縮小効果の大小があります。プラスレンズであれば拡大効果が、マイナスレンズであれば縮小効果があり、共に数値が大きければ、それぞれの効果も大きくなります。近視の矯正にはマイナスレンズが使われており、程度の差はあれ、目ん玉が小さく見えてしまうことが避けられないのはその為です。

それでですね、他にもまだ考えることはありますが、この拡大縮小効果を取り上げてみます。この効果も、不同視においては数値通りの眼鏡製作で良いかどうかに一石を投じます。

例えば、右s+2.00・左s+5.00として、像の拡大率を計算してみます。初等の光学では、理想的な状態のみを扱って理論を習うことが多いです。薄レンズとして厚みを無視できるものとして習いますが、実際のレンズはもちろん厚みがあり、もう少し複雑です。

レンズの前面カーブの値が要るので、その仮定次第で拡大縮小率も変動しますが、大体右で5パーセント、左で12パーセントくらいの拡大率となりました。この拡大率の差が、今回では7パーセントくらいありますが、大きいのか小さいのかが問題です。大きければ、それは人間が頑張って慣れて、埋めようと努力しても埋まらない差となりますから、度数を矯正しようとして別の問題に直面することとなります。

この差が大きいかどうかは、不同視が絶対値の差で2.00〜2.50以上を指す場合が多いことを鑑みますと、経験的にそして一般的に大きいんでしょうね。一般的には大きいんでしょうけど、当たり前ではありますが個々人にとって大きいものであるかどうかは、分からないと言う方が正確だと思います。科学というものは、どこまで分かってどこから分からないのかを明瞭にすることを目的としますから、ちゃんと科学的なステップを踏んで、分からないに到達すること自体はネガティブで落ち込むようなことでもなかったりします。ですが、最後は物として販売する以上、分からないままは許されません。許されないと言いますか、分からないままどれかの方針に決定をし、アウトプットをしなければなりません。また、例えば臨界期というような不可逆な時期であるというような条件が加われば、その決定の重みは増します。重みが増すので、慎重になって考えれば考えるほど分からないが増えますし、それぞれの方針が対立してきてしまい、製作者は迷宮にはまります。

不同視をキーに、雑談してみました。デザインと葛藤みたいな話もあると思いますが、科学とか医学とかの領域の、それこそ絶対的っぽい度数にもありますよというだけの話でした。

参考値
目のことレンズのこと

21.05.21

もう何年も前に、ガラスレンズは各屈折率で比重が異なってくるので、レンズの選定はむずかしいですなぁみたいなことを書いた気がします。例えば屈折率をあげたことで縁厚が削れますが、比重を加味しますと本当に軽くなったんかな問題が立ち込めてきます。しかも盲点なのが、凹レンズの中心厚(一番薄いところ)が要素として入ってきます。度数によっては屈折率を上げた時に、縁厚は薄くなっても設計上中心厚は増すなんて事も起こり得るからです。さてさて。

ブルバキさんの目がテン!ということで、実際に擦り分けてみました。ガラスの球面設計で、1.70と1.52です。

  • FPD70(48□22) 天地38.5ミリ
  • PD 右:35.0ミリ 左:34.0ミリ
  • 高さ 右:中心より2ミリアップ 左:中心より3ミリアップ
  • 度数 右:s-5.25 c-0.75 ax180 左:s-4.50 c-1.00 ax165

ざっくりどういう状況かと説明します。度数は、そこそこ強めです。ピントが20センチくらいで合っている眼です。たとえば、風呂は眼鏡なくても入れる程度の近視です。それぞれのお店でどういう方針かは分からないですが、どうなんですかね、セット料金からちょっと増額してプラスチックの屈折率1.67とか1.74とかの薄型レンズを勧めるお店もあるんじゃ無いでしょうか?そういう度数です。

FPDとかPDとかは、フレームの右目も左目も(特に右目側)それぞれ真ん中付近にレンズの焦点があることが読み取れます。加工するとぐるっとレンズの厚い部分が都合よくカットされて、割とそもそも縁は薄く、つまり軽く出来るセッティングであるということを意味します。

今回、屈折率1.70は比重(2.99)です。屈折率1.52は比重(2.41)でした。プラスチックレンズは、だいたいどの屈折率も比重は(1.30)付近でして、ガラスはプラスチックの2倍くらい重いというのはここからきているのだと思います。

右レンズ同士、向かって左が屈折率1.70で右が1.52です。写真上が、ともに右耳側の縁です。FPDとPDの関係から、仕上がりが自然に薄くなることが読み取れますが、実際に比較するとこれくらいの厚みでこれくらいの差です。だいたい、面取りのさじ加減もあるのでなんとも言えませんが、1.70で3.2ミリ1.52で4.2ミリでした。さぁ、ここで重さを比較してみます。

1.70の右レンズ
1.70の左レンズ
1.52の右レンズ
1.52の左レンズ

私の予想は、1.52が2割くらい軽いかなと思っていました。そこまでの差は生じませんでしたが、やはりペアで1.52のほうが軽い結果となりました!!縁の厚いレンズの方が軽いという結果です!!左レンズだけで比べると、もちろん1.70の方が縁は薄いのですが、重さは色々あって一緒なんですね。右は、これも色々あって1.52の方が中心厚が薄いとかその辺もおそらく合わさって、軽かったです。

ガラスの特色や利点の一つとして、薄く出来るというポイントがありますが、薄く出来るということで留めなくてはなりません。これが軽くするために縁を薄くする、つまり屈折率を上げるとなると、そうならないケースがあるわけです。今回の条件では、見事にそうでした。ひょっとすると、s-8.00くらいなら(風呂入るのに眼鏡が欲しいくらいの近視)、やっぱり薄型で縁の少ない屈折率1.70の方が軽いという結果だったのかもしれません。

ということで薄くすることと軽くすることの分裂は、比重の差によって生じます。それは実際に加工してみるまで分からないということになります。

ちなみに表題を参考値としましたのは、秤が家庭用の食品用なので。金地金じゃ無いので、、まぁ、、、その辺はいつの日か設備を整えます。一応説明書見る限りは、計量精度(±0.2グラム)です。今回の差では、いずれにせよ1.52の方が軽いという結果になります。ちなみにちなみに風防無いので、閉め切って息を止めて計測しています。

復活
目のことレンズのこと

21.05.19

ガラス1.52、復活しました。ノンコートはやっぱり無いですけど、単層コートは復活です。青白い反射光です。最高です。

最近はダンヒルのツーポ推しでしたけど、ガラスの1.52が使えるのであれば銀無垢のフルリムをやっぱり推したいところです。銀とガラスだけの眼鏡って、素材の響きでもうカッコいい感じしませんか。なんかもうね、こんな嬉しいことは滅多に無いですね。

ブルバキでガラス1.52が復活し、ヒーターは謎に壊れ、星野源と新垣結衣が結婚する、感情がぐわングわんする1日でした。

ケースその2
目のことレンズのこと

21.04.04

コレクションボックスです。これまた、感じの良い物が出ていました。

日本製で、これまた値段がそれなりに高いです。でも、物はやっぱり良いです。色々コレクションボックスを見てきた中では、ダントツのぴっちりとした角が決まった作りです。各パーツの合わせ具合もぴっちりきっちりでした。

表面は東レのウルトラスエードで人工皮革です。ちなみに、いまどき木枠です。日本製で木枠のコレクションボックスという肩書きだけでも惹かれます。

ちなみにブルバキは銀無垢とサンプラチナの、ショーケースに入り切らない分の保管用に、まず買ってみました。

スタッキングした時の縦横の合わさり具合が気持ちいいです。ピシッと揃います。個人的には、高くても良いのでこういうのを探していました。

ティファニーブルーっぽいので、銀無垢を収納してみました。

紺色は、凛としたイメージなのでサンプラチナを収納してみました。他にも、アイボリーとオレンジとパープルがあるそうです。内張は全て共通でアイボリーです。

一軍の収納にどうぞ。

火曜は休み
目のことレンズのこと

20.11.09

定例の、眼科さんへの出張です。明日の火曜は休みです。

オールドスクールその2
目のことレンズのこと

20.06.02

多分、ブルバキ創成期にもブログにあげたはずです。久々に読みました。

闘うというと、闘うという部分にしっくりこないわけで、どうでも良い話なんですけど、闘いは双方に闘うことの合意か暗黙の了解が存在しているときに成立することな気がしています。お互いが、能動的に闘うということに没入することで初めてしっかりと成り立つ感じがしていまして、となると闘いたくはないなと。外らすとか、回避したいところです。

闘わないということは、一般的なルールを無視するということではないので、4月には早めに休業しましたし、継続して18時までの短縮営業にしておりますし、もちろんあれこれ回避に向けた努力はします。個人店で、あれこれの決定と変更は簡単なので嫌気も無いです。ということで最後のだいじな具体、行動は一緒なのかもしれません。でも、クドイ男なので闘うというとなあ、、という残尿感は有りです。

それで、この本です。闘うという気概が薄いからか、取り戻してやる!という気迫も薄いです。戻らないことを前提に再開しました。ただし、経営していればそんなことの連続なんですけど、速攻で矛盾しますと、戻らな過ぎるとそもそもが零細なのであっという間にぺしゃんこだから、それもアレだなと。常に頭で問題がフワフワ浮いています。

こういう時、自分の頭だけでは堂々巡りになるときは他人の思考を借りるべきということで、このオールドスクールその2を読んでいます。今のところ、何も浮かばないので、どうしようあはーんという気分です。

面白いだけで終わらせない
目のことレンズのこと

20.04.20

またまた映画の話。『帝一の國』観ました。

面白いなーという感想だけで終われるかと思いきや、いきなり本質突いてくるので焦ります。

菅田将暉と永野芽郁のシーンで、

「帝一くんは、何で生徒会長になりたいの?」

「総理大臣になりたいから」

「なんで総理大臣になりたいの?」

「自分の国を作りたいから」

「なんで自分の国を作りたいの?」

「…。」

「わたしは帝一くんのピアノが聴きたい」

たしか、こんな様なやりとりです。あれこれ忘れているので、多少「」内の言葉は違うと思いますが、トヨタ式の5whyみたいなものを行い、手段と目的がすり替わったことに気付かせるシーンがありました。

つい、手段は目的になりがちです。永野芽郁がつぶらな瞳で直球を投げ込んでくるのでビビりましたが、現実、コロナの影響でまずは店としては存続することが目的になってしまったとは雖も、でも、やっぱり店は手段であって、生き残りの模索の途中でも、つまり何のために生き残るんだっけ?みたいな目的が問われるのは予想がつきます。

そこで、ブルバキで言うところのそれら目的とは何だ?みたいなものが急に頭をもたげてきて、途中から笑って観れなくなりました。せっかくの休業なので、考え直してみます。

(営業再開まで、あと(未定)日)

明日は休み
目のことレンズのこと

20.02.03

4日火曜日は、月一回の外回りのため、休みます。

毎度ながら
目のことレンズのこと

20.02.02

迷う事例。

・40歳半ば、緑内障(片眼のみ)、s-4.00くらいの近視。瞳孔間距離63ミリ。

・主訴、夕方くらいに近方が見にくい

緑内障は、10年くらい前から罹患しており、現在は進行を抑えられている状況なので、眼鏡屋としては触れることも出来ない、触れなくても良いことなんですけど、検眼の手立てがかなり減るので、検眼のプランを組むのに一工夫が要ります。あとは、朝昼夜で視力が著しく変動する場合も考えられるので、とりあえずはそこを念頭にあれこれ測ります。

緑内障側の眼の、中心窩周辺の視野が失われており、抑制とかあるのかなと思って、赤レンズテストをしたところ、おぉーなるほど、というご返答。外側が赤で、中らへんが透明ということなので、抑制は起こっていないようでした。だからこそ、緑内障に気づくのは難しいんでしょうね。

精度は落ちるんでしょうけど、おもむろにクロスグリッド(#14B)をしてみたところ、(-0.75)という結果に。これが結構焦る結果でして、必要以上に力を出してピント調節するクセがついてしまっている現れでして、プラス球面処方が真っ先に思いつきます。

オートレフで-4.25や-4.50あたりで、赤緑やりながら何となく-4.00で決着をつけている感じが歴代の処方度数から伺えるわけですが、そこからさらに+0.75は確定で処方したいところです。それに、過去のメガネの光学中心の距離を測りますと、短くて60ミリくらいで制作されていました。瞳孔間距離との差異から、1.2△B.Oが発生しております。それも力を抜くことを妨げる要因です。これも取り除く必要があります。

で、ここからが迷うわけです。何にか。他の使い分ける予定のメガネ達との関係です。良くも悪くも、度数の変更がそれなりに劇的であれば、違和感や慣れるまでに頭痛を経験したりします。とくに今回は、休日用のメガネという立ち位置ですから、他のメガネ達の方が掛けている時間が長く、さらに頻度も高いです。脳は、新しい処方を毎回異物として認識しそうな気配がプンプンです。ということで、いつも着地に迷います。

理想は、まずは仕事用を変えて、慣れたタイミングで休日用にも新処方を組み込むとかですね。

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