アーカイブ:1月2023

実験
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.01.29

昨日インスタに載せた、湯の素による温泉燻しです。これ面白いかも。

以前に使った銀黒とは別に、硫黄系の燻液も売っていますけど、温泉燻しの方が簡単にムラが出て、茶色や青色のグラデーションを付加できる気がします。確かにこのムラが、真っ黒にならずに茶色や青色で止まる感じが自然です。あれこれ燻して飽きたら、風呂に入れて本来の楽しみ方に還れば良いですしね。

サーモントもやり直してみました。

 

湯温をあげて、まさにお風呂くらいにしつつ、薬品の量を少なめにしたらこんな感じ。茶色〜金色みたいな、不思議な色合いになりました。私自身は元々エイジングガチ勢(真っ新から薬品を使わずに燻す派)でしたけど、この二つの感じはカッコいいと思いました。通常の使用では、まずこういった変化にはならないので、これはこれで銀無垢ならではの表現として良い感じですね。

いずれも定着の仕方は普通で、指で10回くらいゴシゴシすると落ち始めます。

デカめ銀無垢パッドは、金型は出来ているみたいなので、おそらくもうすぐです。

ずっとレイアウト変更をしていました
雑記

23.01.25

店のレイアウト変えようブームがきていました。ここに移って以来、初めてデカい水屋箪笥を一つ動かしました。

大きいものを一つでも動かすと、結構雰囲気が変わるものですね。自動的に中くらいのものも小さいものも、連鎖して細かく変える必要が出てくるので。何から何まで気になってしまって、ひさびさに自分の店を隅々まで見た気分です。

一昨年くらい前から、棚の移動は考えていました。動かすならもう一つ二つ理由があると効果が高いだろうなあと、それの方が単なる自分の思いつきに留まらないからより良いだろうなあと、思いついたタイミングで、とりあえずは動かさないことを正当化した結果、今の今までレイアウト変更が先延ばしになりました。もっと早くやるべきでしたね。ちなみに最後は、お客さんとの会話がきっかけで変えました。現代のヘビー論みたいな。

物の見え方も、動線もいい感じです。おかげで、他のお店みたいに綺麗にメガネが撮れるようになりました。

レイアウト変更に時間を割いていまして、ブログの一番上が算数のまま1週間以上経ってましたね。念のため、メガネ屋です。

50パーセントオフ、50パーセント増量
雑記

23.01.17

月一回、50%オフセールをやるお店が、来月から値段を下げずに月一回50パーセント増量キャンペーンをしますと。そういう上手い躱し方もあるんですね、妙に感心してしまいました。ストリートでとんちに出くわしました。

元々が半額セールなので微妙にバレていて、後継のキャンペーンが二倍増量じゃ無いから、半額よりかはお値打ちじゃ無いのは分かる。でも後継は何割引きなんだ???とりあえず値上げなんだろうなみたいな雰囲気が漂っていました。この切り返しは、パッとどれくらい値上がりするのか分かりにくいのも、なかなか優れています。

元々が30%オフで、後継キャンペーンが30%増量とかだったら、全く気づかれ無かったかもですね。

隙間とは
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.01.16

肝はここの処理でした。テンプルと眉毛パーツの処理です。上の画像をみて、結果から申しますとほぼヴィンテージと同じ処理になりました。

ヴィンテージの蝶番部分を貼っておきます。

日本の美意識みたいなところで判断すると、この未処理の段差と言いますか眉とテンプルの切断は許しがたい部分になると思います。設計の段階でフロントからテンプルに向けて滑らかに繋がるように改編して、そのつなぎ目を合わせて精緻にきっちり仕上げるはずです。

今までは、そういう日本的な美しさに注目をし、一個智の美しさや面のあった美しさを味わうのも良いですなぁみたいな感じで、銀無垢のフレームやサンプラチナのメガネを紹介していたと思います。今回は一歩踏み込んでいます。もし先のように改編した場合に、得られる良さもあるんでしょうけれど、失われる良さもありますよねと。何なら失われる良さにフォーカスを当てて開発しましょうというのが個人的な狙いです。スローガンとしてはヴィンテージの再現、銀無垢でのアップデートなんですけどね。

今回の銀無垢のサーモントを載せます。

眉パーツとテンプルが別個のもので独立していたとして、その接点をどうするか?という問題があります。あれこれフレームを調べて銀無垢に適した構造を探りましたが、結果的にはヴィンテージと同じように眉とテンプルを用意しつつ、違うのは眉とテンプルを一切干渉させない構造にしたところです。たしか、0.3〜0.5ミリの範囲で、眉とテンプルの隙間をあける指示になっていたと記憶しています。テンプルは、硬いパラジウム合金に接地するようになっています。

いくら狙って微小な隙間を作るとはいえ、隙間なんです。これは出来上がった物を見るまで本当に不安で仕方がない部分でした。ヴィンテージのメガネではセルが縮んだりとか、そもそもの精度のこともあって隙間は乱発していますけどね。現代において銀無垢で作ればそれなりの値段になりますから、その値段で許されることか?みたいな自問自答は出来上がってくるまでずっとありました。

色々な角度から撮りましたけど、どうでしょう?ほとんど分からないと思います。一つはメーカーさんの隙間が微小であること、もう一つは隠さずにわかりにくくする工夫をしております。

今日に至るまで、隙間の事実を言わずに結構な方に見ていただいたんですけど、誰も気づいていないっぽいので成功したと思います。

隙間を目立ちにくくする工夫を考える上で、まず

そもそも隙間とは?

隙間と、どういうときに認識するのか?

つまり隙間と認識しやすい条件とは何か?

みたいなことを考えました。辞書で調べても、物と物の間くらいにしか記載がなく、隙間にしっかりと向き合った形跡がありません。そうなると自分で考えなくてはいけません。

隙間といえばなんですけど、私は実家の居間の引き戸を思い出しました。小学生のときは閉めが甘くて、隙間があいていると親によく怒られたんですよね。

そこで引き戸を観察して分かったことは、視線と直交する同一平面上に扉も壁もあると、隙間と認識しやすいということでした。例えば壁に枠みたいな囲いがあって、扉が枠よりも1ミリでも2ミリでも内側にあると、つまり扉と枠が同一平面上にないと、途端に微小な隙間を認識しにくくなります。ぜひ色々な引き戸を観察してみてください。

そこでさっきの3枚の写真を見て頂くと分かるのですが、眉とテンプルはどこから見ても段差があるようにしています。段差があって、眉とテンプルが別体ということを強調し、ヴィンテージっぽい感じの演出に一役買っています。それに加えて、もとは隙間をわかりにくくさせる意図を込めて、段差を強調しました。

ちょっと前に、テンプルのヤゲンのラインは何となく好みで入れたとか書いたと思います。まあそうなんですけど、一応隙間を分かりにくくするための意図もあります。もう一度、同一平面状に平らな面と面が並ぶと隙間と認識しやすいです。平らな机の上に、平らな下敷きと平らな下敷きが並んでいるのを想像すると、何となくそんな気がしませんか?そこで、一つを凸に、両方でも良いんですけど平面から飛び出ているような要素があると、隙間の認識が難しくなると思います。それでテンプル側をヤゲンのように凸にして、単純な平面にしなかったというのも一理です。

のらりくらり書きましたけど。眉とテンプルの処理はヴィンテージとほぼ同等に再現出来ました。銀無垢で。眉毛とテンプルは、銀の塊と塊なので、それが衝突している様は(実際は微小な隙間)、非常にダイナミックで美しいです。メーカーさんとのやり取りでも、ひたすら迫力とか粗野な感じとかそういうのは伝えていたのですが、まさにこのヴィンテージのような一見すると単純な(実は単純じゃない)構造でしか生まれない良さが再現出来たと思います。リ・ウファンの関係項だったか、そういう作品を見たことがあるのですが、大きいものと大きいものの衝突ですよね、まずは。そういうメガネが遂に出来ました。

 

ビバノンノン
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.01.11

銀無垢のサーモントの完成連絡をうけて鯖江に伺った際に、銀の硫化ってほどほどに施すにはどうしたらいいか聞いてみました。燻用で出ている薬剤だと、黒が強いのでコントラスト強めでパキッとした感じが好きな方は結構なんでしょうけど。もう少し淡い感じの、自然な経年変化に近い風に黒ずみを起こしたいなと考えていました。

メーカーの社長さんのオススメは、やっぱり温泉だそうです。即答でした。つまり温泉の入浴剤で良いんだよと仰ったときに、なるほどなーと目から鱗が落ちました。それで買ったのが『湯の素』です。

硫黄が入っている入浴剤ならということで、パッケージで湯の素にしました。カッコいい。

あとは、インスタに載せた通りです。あっちの方が画像が綺麗なので。真っ黒になるんですけど、黒よりグレーという感じです。ムラがあって、多層的です。炎で炙って青っぽくなったような箇所もでます。確かに理想的な燻のマックス状態になります。

表面は、梨子地までいかない程度にマットになります。スマホのシリコンカバーみたいな感じです。

ある程度、銀は光沢も良さですからクロスで磨いています。一発目は銀用の柔らかいもので、二発目は銀も良いけどちょっとハードやで気をつけてや、みたいなクロスで磨いております。一発目の磨きでは磨いた部分にほんのりザラつきを感じたので、二発目で面を整えた感じですね。

一発目で止めても良いですし、この辺はお好みで。

リベット付近やブリッジ付近の変化は予想通り、かなりカッコ良くなりました。予想を越えたのはテンプルで、凸の薬研がスパッと光って、面は黒ずみが落ち切らず、落ち着いたトーンになります。終端まで伸びる線が強調されて美しいです。上がりたてのピカピカも荘厳でしたけどね。

今はまだ大きめな銀無垢の鼻パッド待ちですね。微妙に自分に合わせてちょくちょく掛けてみましたが、たまたま僕ならずり落ちないけど、不快です。この感覚は、ティアドロップくらいのフレームにガラスレンズを入れた感覚に近いです。

確かに、s-6.00の60径で30グラム前後で、銀無垢の眉毛の重さが25グラムくらいだったはずです。割と近い重さでした。なので僕の銀無垢のサーモントを掛けたときの実感と、自分の度数でガラスレンズを枠入れしたティアドロップ系を掛けた実感が繋がります。あくまで主観であって、全然科学的では無いんですけどね。科学的では無いんですけど、自分すらダメだったらまず出せないよなというのはいつも考えています。

モードオプティークのno.34から拝借。今のところmaxの大きさでもVSDは出来ないと言われつつ、とりあえずプラスチックパッドのVSDを取り付けると全然イケる感覚になるので、やはりガラスレンズが主流で、なおかつレンズサイズが54とか56の時代、70年代くらいのパッドの大きさに還ることを理想にしつつ、今はとりあえず工作機械のマックスパワーでどこまで大きい無垢のパッドが出てくるのか楽しみに待っている状況です。

仕入れしてしまいました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.01.08

年明けのソフト側の諸問題を解決出来ず、ブログ本文中の画像がまた不鮮明に戻ってしまいました。色々試みて、直せないのでしょうがないですね。

週明けの、今月分の眼科さん出張が無しになったこともありまして、それだけゆとりがあるならと銀無垢のサーモントを仕入れしました。

あと、何だかんだ自分にとっても念願の銀無垢のサーモントの完成ということで、早く手元で、もっとじっくりと観察したいという欲求が高まってしまい、なんならメーカーさんのインスタにあけおめ投稿でサーモントの全貌を載せてるし!ということで、大きい銀無垢の鼻パッドの完成はまだ先ですが、メインのフレームは仕入れております。

イベント最中に書いてますけど、予想以上に僕のブースだけ暇すぎるので、この前の続きと言いますか、銀無垢のサーモントの製作に関してひとつだけ僕が決定しないとどうにも進まない部分があったと申しましたけど、その辺のことも時間があれば書いてみようと思います。推敲が長いので、更新まで出来なかったらすみません。ヴァージル・アブローの3%プロセスといったり、トムサックスの“クリエイティビティ イズ エネミー”だったり、色々な表現に置き換わって度々現れますけど、エビデンス主義という表現に化けて出てくることもあるかもです。最後の最後に、危ない橋は渡らない、デザインはしないと言いながら、エビデンスの無いところに突き当たってしまいました。エビデンス主義と責任回避みたいな話もあるので、そんなことを気にかけるとエビデンスのないことの決定というのは大変気が重かったです。その辺がスパスパッと積み重ねられるのが、デザイナーということなんだなと痛感しました。

明日は下北沢に居ます
営業案内

23.01.07

明日、1月8日(日)は下北沢にいます。イベントに呼んで頂きました。

下北沢の、ボーナストラックという場所にいます。12時から17時までです。

フレームの販売のみ行います。

銀無垢もヴィンテージも少しずつ持っていきます。

せっかくなので、年明けに仕入れしました。緑の35パーセントのレンズに入れ替えております。出来立てほやほやの銀無垢のサーモントも持っていきます。

 

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