実践編syuuri

20.03.16

今も昔も、ウェイファーラーの角度どうする?問題というのがありまして、この度、失敗覚悟で傾斜を目一杯取ることにチェレンジしてみました。そのご報告です。一応成功はしております。

アジアンフィットやら極東モデルやら、角度や鼻幅を気にかけたタイプも販売しておりますが、何だかんだ通常の15度くらい傾斜のついたタイプもちゃんと見かけます。通常タイプのこの角度が良いんだよね的なことも分かりますけど、おそらくその方は頬に乗っかることが気にならないひとだと思われます。それが気になる、掛け心地も美観も含めてとなりますと、やはり傾斜は取り除かなくてはなりません。

一般的なアプローチとしましては、温めて蝶番を起こすことで、傾斜を減らします。ただ、これが思った以上に起き上がってきません。温め過ぎると、蝶番がガタつきますから、温め不足になりがちです。その結果レンズカーブに従って、元に戻りやすいです。

ということで通常の欧州ウェイファーラーに、不可逆な極東の魂を注入していきます。それが、今回の新ネタです。

手前:術前 奥:術後

先に結果の写真を。レンズ周辺、蝶番周辺を温めずに、大体10度くらいはテンプルを起こせたと思います。奥のテンプルの印字が露わです。それくらい起こせました。

物理的な、単純なイメージから出発するだけです。金具から矢印のように捻りの操作を施して、コマを水平近くに起こします。

順調と思いきや、フロントとテンプルを合わせたときに不具合が生じます。コマが同軸では無くなり、ネジが奥まで締まっていかないという問題です。写真の赤丸のなか、特に最後のコマが外れやすいです。

なので、ここからが新ネタです。ネジ穴切り直してみました。そうすれば、コマパーツは揃っていなくても、ネジ穴はしっかりと締め上げられます。コマがはち切れることもなく、無事に貫通しております。樹脂ネジで、ガタつきも防げました。

角度の除去は成功しましたが、蝶番の合わせがやや不安です。上の半分のみで接するようになりますから、割れやすいかもです。こればっかりは仕方がありません。コマを整え全面で当たるようにすれば、側頭幅が開き過ぎてしまいます。

畳みで比較すると、判然とします。

金属部分を曲げています。これなら時間経過で傾斜が戻ることも無く、ある程度の装用感の向上が期待できそうです。

後はレンズを取るんですけど、毎度毎度あまりにもパツパツで外れず。指が火傷気味なので明日にします。

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