パーツ選定から感じることvintage

17.07.21

久々に、メガネのことを書きます。

レンズカラーが分かりやすいように、セーム革の上にのせてみました。フレームカーブを0にして、フラット(プラ)のグリーンを入れました。レンズサイズが大きいので、メガネ用に製造されていたとは思いますが、少し濃いめのレンズカラーにしてサングラスにすることで全体の印象を締め、バランスを取ってみました。鼻パッドは、チタンパッドに変更することで、ちょっとだけ今っぽい感じにしております。

80年後半から、90年頭にかけてのフレームです。

講釈垂れていますが、私的な見所は、写真の上から3枚目〜5枚目です。クラシックな感じを追求するために、智(テンプルの可動部)の作りが大事になってくるわけですが、スパルタ智が採用されることが大半のなか、これは一個智です。レンズ留めとテンプル留めのネジが別です。テンプルの開閉で、リムネジ(レンズ留めネジ)が緩まないようになっています。

この一個智をもう少し詳しく見たのが、4枚目と5枚目です。テンプルの開閉に関わる部分であり、パッと上から見える部分は、マイナスネジで綺麗に見えるようにしてあります。また、マイナスネジは、締め上げる時にドライバーが舐めるので締めにくい欠点があります。一方、ネジ頭のブロックが1/2と大きくなるため、プラスネジよりも潰れにくい利点があります。テンプルは、メガネを使っていけばどうしても緩みます。その都度ネジを締めますが、美観と耐久性を考慮したネジのチョイスが良いです。

それとは対照的に、5枚目のリムネジですがプラスネジが入っています。テンプルネジとリムネジがプラスとマイナスで使い分けているのは、今まででこのフレームとこれの玉型違いだけです。

リムネジは開閉しやすさを考慮して、ドライバーが滑ってレンズを傷つけないようにプラスネジが選ばれているのだと思います。ネジの頭は、プラスネジは1/4ブロックずつになるので、舐めると潰れやすいですが、レンズ交換の頻度は高くないため、ドライバーが滑りにくいプラスのネジを採用してある方が、こちらとしては大変助かります。

メガネの良さは様々にありますが、今回はパーツの選定から込められた意図を、妄想してみました。美観と耐久性と、加工のしやすさの3点かなと、個人的には思っています。個性を打ち出すというよりも、配慮に重きを置いている感じが、古い物には多い気がしています。

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