おめでとうございます。無事明けました。
年末に、見ることや物の価値についてスタッフの方と話す機会がありました。それに近いことが書いてあったので、新年早々いいスタートだなと感じております。
小林秀雄著 人生について 中公文庫 p.33
「…自分の新しい一片の感覚にも、自分の古い全過去があると言うであろう。」
例えばこんな経験は、誰にでもあるのでは無いでしょうか。買ってみたものの、家で見たら結構派手で着なくなった服を、5年ぶりに見たら、かなり良いなと感じて着てみるですとか。逆も然りですが、逆の場合は流行という外的要因が多く占める場合があるので、はじめの方がより的確だと思います。流行に侵食されることも含めて感覚とすべきかもしれませんけどね。
つまり、これは救いのような言葉であって、すべての経験は無駄になっていないということです。物でも何でも選択する際には、人生の全てが物に投影されていくという感じでしょうね。
ここからが昨日盛り上がった話でして、ですからこの言葉を自分に厳しく捉えるのであれば、物を見てそれを良いと感じないのであれば、物の良し悪しを問うのではなく、自分を問うてみるということでしょう。少なくとも、その余地はあるはずです。
モノよりコトと言いますが、モノも人間の感性に問いかけています。ですから、提供する側の人間としては気が抜けないですね。ものすごく誇張して言えば、人生を変えるきっかけ位にはなる訳ですので。