お持ち込みフレーム。上は80年代、IVY LEAGERです。作りはイギリスのUKオプティカルです。アルガ(ALGHA)とかヒルトンクラシックと同じ製造メーカーの出所です。
下は、メーカー不明です。推定で20年代のアメリカです。
レンズを入れるだけでしたら、何処でも出来ると思います。ヴィンテージという響きだけで断られる可能性もありますが、削るだけでしたら、機械がトレースして機械が削るので、みんな出来ると思います。
ただ、時代や国ごとにフレームの癖があるので、綺麗に仕上げようと思うと、それなりの工夫が要ります。昨今は「出来る」という言葉のハードルが下がっていますので、削りさえ出来れば、「加工出来る」と言えるのですが、本来は綺麗に仕上がっているというのを「出来る」と、定めないといかんでしょうね。お金が発生していますからね。
下の20年代のフレームなんかは、右と左のレンズの大きさが違います。今の日本のフレームの場合は、誤差0.05ミリ以下でしょう。古いメガネはリムの精度が出ていないので大抵違います。0.1ミリ〜0.2ミリくらいですけどね。私のところ以外で枠入れしたメガネを見ますと、左右同じ大きさで削ってしまい、サイズが合わない方に溝セルを埋めて、サイズ調節しているのを見かけます。その処置も業界的にはミスでは無いですけどね。
あとは、円形のレンズの場合は、レンズが型崩れしていますので、直してから枠入れします。それか、綺麗な方をトレースして、左右反転させて枠入れします。
金無垢のメガネを作る人の話では、円が一番難しいと仰っておりました。誤魔化しがきかない為です。それを鑑みますと、20年代当時で、機械の精度もそんなに無いでしょうから、型崩れというよりも左右非対称で当たり前っぽいですが、一応、ぱっと見て分からないくらいには非対称性を直してレンズを入れます。
あとは、レンズの素材の違いで手で行う最終処理が変わってきます。そんなことをしながらレンズを入れております。