アーカイブ:3月2017

レンズでの変化
ヴィンテージのメガネ

17.03.31

ヴィンテージのジバンシイのメガネに、ちょっと変わったレンズを入れてみました。上下をカットオフです。黒柳徹子さんのサングラスを見て、真似てみました。

例えば初めからデモレンズが入っており、機械でトレース出来れば楽です。今回は何も無いところからのオリジナルです。手作業で上下をカットオフします。結構大変です。

まずは、通常通りレンズを機械で作ります。

上下をカット。水平を出すのが難しいです。

マルジェラとカトラーのサングラス、確か “Wrong Size” というサングラスだったと思いますが、あれのようなもう少しクレイジーなレンズも挑戦してみようと思います。

商品画像
ヴィンテージのメガネ

17.03.31

写真が綺麗に載せられない原因が掴めました。直せたっぽいので、ぼちぼち商品も載せようと考えております。

個人的には
雑記

17.03.29

値札の話の続き。骨董的な言い値は不安を煽るので、ブルバキでは、そういう感じは排除しております。ちゃんと値は固定されています。

とは言いつつも、その世界はその世界なりに、面白かったりもしますけどね。昨日の骨董市での収穫品。相手の提示する値段が良いとこ突いてきますと急激に欲しくなります。あのドキドキ感がたまらんです。

ただし、私もメガネ以外の骨董は素人なので、上限金額を設けて楽しんでおります。ということはいずれにしましても、金額の呪縛から逃れて価値の判断をすることは不可能なのかもしれません。明らかにその上限を越えそうな物は、始めから排除して見ている可能性が高いですからね。

値札外しました
ヴィンテージのメガネ

17.03.29

私事ですが、この度値札を外すことになりました。結局、意地悪っぽくなりますが、そうではなくて外すことの理由はあります。自分で話してしまいますと、若干台無し感が出てしまいそうですが、やはりブログにてそれなりにご説明いたします。

値段が先に目に入ってしまいますと、その値段をもとに物を判断してしまいがちです。着けて、見て、触って、話して、さあ欲しくなりました、どうしましょう?という時に、値段の問題を考えて欲しいというのがあります。

そういう私も、開業してぼちぼちな財布事情でありまして、無意識的に買える範疇の金額の物しか見なくなってきているのは事実です。だからこそ、自分の店くらいは、一旦気にせず見られる、着けられる環境を用意しようと考えた末、外しました。

ただ、骨董的な言い値になってしまっては、皆さんに不安を与えてしまいます。かと言って、あまりにザックリな管理ではこちらの問題として不具合が出ますでしょうから、長らく悩んでいました。骨董と、通常の小売のフォーマットの中間を作るのに苦心しました。

ちゃんと、お客さんに尋ねられる前に固定した値をこちら側が持っており、商品と1対1対応させることが可能です。ですから、安心してお越しくださいませ。

 

ヴィンテージメガネの枠入れ
ヴィンテージのメガネ

17.03.24

お持ち込みフレーム。上は80年代、IVY LEAGERです。作りはイギリスのUKオプティカルです。アルガ(ALGHA)とかヒルトンクラシックと同じ製造メーカーの出所です。

下は、メーカー不明です。推定で20年代のアメリカです。

レンズを入れるだけでしたら、何処でも出来ると思います。ヴィンテージという響きだけで断られる可能性もありますが、削るだけでしたら、機械がトレースして機械が削るので、みんな出来ると思います。

ただ、時代や国ごとにフレームの癖があるので、綺麗に仕上げようと思うと、それなりの工夫が要ります。昨今は「出来る」という言葉のハードルが下がっていますので、削りさえ出来れば、「加工出来る」と言えるのですが、本来は綺麗に仕上がっているというのを「出来る」と、定めないといかんでしょうね。お金が発生していますからね。

下の20年代のフレームなんかは、右と左のレンズの大きさが違います。今の日本のフレームの場合は、誤差0.05ミリ以下でしょう。古いメガネはリムの精度が出ていないので大抵違います。0.1ミリ〜0.2ミリくらいですけどね。私のところ以外で枠入れしたメガネを見ますと、左右同じ大きさで削ってしまい、サイズが合わない方に溝セルを埋めて、サイズ調節しているのを見かけます。その処置も業界的にはミスでは無いですけどね。

あとは、円形のレンズの場合は、レンズが型崩れしていますので、直してから枠入れします。それか、綺麗な方をトレースして、左右反転させて枠入れします。

金無垢のメガネを作る人の話では、円が一番難しいと仰っておりました。誤魔化しがきかない為です。それを鑑みますと、20年代当時で、機械の精度もそんなに無いでしょうから、型崩れというよりも左右非対称で当たり前っぽいですが、一応、ぱっと見て分からないくらいには非対称性を直してレンズを入れます。

あとは、レンズの素材の違いで手で行う最終処理が変わってきます。そんなことをしながらレンズを入れております。

新旧の比較
ヴィンテージのメガネ

17.03.23

左:1920年代 合金の金張り

右:現行 サンプラチナのメガネ

左はお客さんのお預かり品。デッドではないので、やはり爪智は爪がやられています。爪が残っていれば、ハンマーで叩いて伸ばすという修理もできますが、全く無い場合は、さすがに何とも出来ないので残念です。

まきつるタイプなので、開き切っても顔に乗りますし、気にせず使って頂く予定です。

現行品もピンキリですが、扱っているサンプラチナに関しては、爪ももちろん硬いので早々ダメにはなりません。

新入荷
雑記

17.03.23

ブルータスの古いのが入りました。店内閲覧用です。83年のアフリカ特集です。ネットのある今の時代よりも、情報が詰まっています。文字から熱量が伝わるいい雑誌です。是非ご覧ください。

 

最近自問しておりますのは、このような先進国以外の文化とか道具とか織物を鑑賞するときに、日本の尺度を用いて眺めていないかということです。

それもこれも、小林秀雄さんの影響でしょうね。歴史について、正確ではないですが、こんな感じで仰っていた記憶があります。歴史を学ぶということは、現代からその歴史上の出来事を眺めるのではなく、あなた自身の意識もその年代に向かわせて、そのときに何が見えるのか云々…というニュアンスでした。批判と批評の違いについて説明される時も、同じようなことを仰っていました。意識ごとタイムスリップしろ、という感じだったと思います。

つまり、アフリカとかの道具の話題に戻りますと、日本のものに比べて下手ウマな感じが良いとか、欧米のものに比べて粗野な感じが良いとかよりも、もっと他に、その土地に根ざした尺度やら何やらがあって、その測り方による良さがあるはずです。今迄わたしは、それこそ下手ウマとか粗野だから良いと判断しておりました。それも良さなんでしょうが、現代のプロダクトと比較して行われた価値判断でした。それを反省している最中です。

私の扱うメガネもそうです。いまと比べて面白いというのもそうですが、その時代はそれがイケてるわけなので、その時代なりのイケてる理由をそれぞれに発見して、皆さまにお伝えしなくてはいけないですね。

日本人のメガネ
雑記

17.03.19

70年代の市井の人のメガネを調べていたら、たまたま見つけました。大阪万博の図鑑より。大阪万博中に、世界中の民芸を集めて骨董市が開かれていたみたいです。面白そうで羨ましい。

やはりこの時代は、セル枠が圧倒的ですね。ちょっとお金ありそうな年配の方が、ローデンストック系の質実剛健なブロータイプのメガネをかけています。セルが多数派です。

私にメガネの加工を教えてくれた現在66歳の方も、業界入りたてのときのメガネの様子を聞いてみたところ、「セル枠ばっかりだった」みたいなことを仰っていたので、やっぱりそんな感じだったんだなと、改めて納得しております。

日本のフレームは今よりも全然仕上がりが綺麗ではないです。特にメタルフレームは、今でもデッドストックで出ますが、さすがに…という仕上がりの物もあります。同時代のローデンストックやマルヴィッツやツァイスのメタルフレームや、フランスのモレルに比べると、やや劣ります。

だからこそおそらく70年代までは、良いメガネ=ドイツみたいな認識が、日本にあったわけです。古いメガネ屋さんの看板には、大体「ローデンストック」の文字が入っています。

そして、81年に日本が世界初のチタンフレームの開発し、じわじわ盛り返していくのでしょうね。

自分で試しています
目のことレンズのこと

17.03.16

ヴィンテージのメガネに対して、今回はレンズの質感とか見た目ではなくて、性能を重視してレンズを選びました。

上の眉毛のメガネは、70年代のドイツ、ローデンストックのフレームに被写界深度が深くなる単焦点レンズを搭載しました。また、夏場のサングラスとしても使いたいので、青色光カットの第1世代である、短波長吸収のカラーレンズを搭載しました。

下のツーブリッジのメガネは、同じ年代のフランス製です。メーカーはホヤで、この時代ですと製造がフランスのエッセルです。レンズは目線から10ミリ下に、手元をアシストする度数がちょっとだけ入ったレンズです。単焦点ぽく紹介されることもありますが厳密には累進レンズです。420ナノメートルの波長をカットする素材を染み込ませていますので、若干グレーのレンズです。

上も下も、短波長吸収カラーを入れたり420ナノの短波長をカットする素材で、チラツキを軽減しております。それにより遠くがパキッと見えるようになります。手元は、被写界深度を上げてピント調節がしやすくするのか、はたまたサポートする度数を入れるのか、という違いです。いずれにしましても、普通の単焦点レンズに比べて手元も楽になることを意図して選びました。

今のところの実感です。上は、やはりパンフォーカス気味になるのか、遠くも近くも綺麗な感じがします。空間が迫ってくるような感覚があります。手元よりも遠くが鮮明になったのを強く感じます。

下は、手元の作業が今はあまり無いので実感はありませんが、揺れや歪みが無いので、確かにほぼ単焦点と変わらない使い心地で、累進の入門としても進めやすいなぁという感想です。左右上下の視線移動も滑らかな気がします。本は読みやすいかもという感じです。特に、今は室内灯が全てLEDの所為か、420ナノの楽さはちょっと有るかもしれません。

私の場合は、どちらも夜になった時の目のしょぼつきが軽減出来ておりますので、それなりに効果はありそうです。しばらく続けます。もう少ししましたら、度なしの体感キットみたいなのが出来るはずですので、お店で試してみて下さい。今のメガネや裸眼にかざすだけお試しできるキットを作ります。

新レンズの到着
目のことレンズのこと

17.03.16

420ナノのレンズがようやく届きました。一番右です。

(左は通常、真ん中は白コートのレンズ、右は420ナノ)

短波長とか青色光とかあれこれ聞きますが、420ナノメートルの波長は可視光となります。可視光を遮っていますので、色味が出ます。グレーぽいです。茶色っぽいメーカーさんもあります。

自分の度数なので、厚めです。

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