アーカイブ:3月2017

遠視について
目のことレンズのこと

17.03.15

視力表を載せてみました。

例えば近視(遠くが見えない)の場合。視力0.2くらいの人は、おおよそ S-1.50 くらいの度数が入ります。視力0.2の場合は、間違いなく生活に支障が出ますので、メガネかコンタクトの着用をされていると思います。

では逆に、遠視というものを考えます。近視の逆になりますので、近くが見づらいひとです。

人間は、筋肉を使って近くにピントを合わせることが出来ますので、遠視の「近くが見づらい」という症状は、潜伏しがちです。特に若いうちは筋肉がフレッシュなので、筋肉が衰え始めた老視の訴えの時に、結果遠視でしたという発見が多いです。

遠視の場合、例えば先の例と比較出来るように S+1.50 の遠視は、どのように風景が見えるかと言いますと、年齢や様々な条件にもよりますが、基本は視力1.0以上は見えると思います。ハッキリとしたクリアっぽい視界でしょう。同じパワーの近視は、風景がぼやけて不安を覚えますが、遠視の場合は遠くもクッキリ見えていて、近くも若ければ見えていますから、裸眼で生活していることが多いと思います。メガネなんて考えたことが無いかもしれません。

視力の数値が高ければ高いほど良いという風潮の中では、遠視なのか正常な眼なのか、簡単な検眼では消去されがちです。あれこれ見えておりますし、メガネにも慣れにくいというのもありますので、結局老眼で近くが見えなくなるまで放置されがちです。ただ、自律神経は働きっぱなしですので、種々の身体への影響はあるでしょう。そこが怖いところです。

あとは、遠視は潜伏しがちです。簡単に言いますと、弱く値が出ます。検眼の方法や被検者の緊張の有無等々で、値が +1.00 くらい多めに振れることもあります。

とりあえず、眼が良いと思っている方も検眼をお待ちしておりますよ、という話でした。軽めの遠視のような、昔は問題無かった眼の屈折状態でも、電子機器の長時間の使用・固視によって支障が出始めそう・出始めた、ということでしょうね。

フレームは古いですが、最新の検眼の理論が乗っかるというのが、良いなあと感じて日々過ごしております。

検眼について
目のことレンズのこと

17.03.13

何度目かのご来店。安めのメガネ屋さんで買った、手元用のレンズが使えないのを直したのがきっかけです。

今回は2回目の検眼です。

「メガネは使いやすくなったが、酒に酔いやすくなった」

とのことでした。遠視の方は筋肉が弛緩して自律神経も緩むので、酒が効きやすくなったのかもしれません。ただ、悪酔いするようになったとのことでしたので、再検査です。私から申し出ました。休みを使って来てくれたので有難いです。

1回目の検眼のときも、そこで出た数値をそのまま仮枠で試して実際のメガネにするわけではありません。メガネへの慣れや年齢、度数を加味して加減します。今回は、加減の操作による未矯正分の度数を足すのでは無く、初めから検眼しました。

検眼への緊張、店への緊張が解けてきていると思われましたので、数値が大幅に変わりそうな予想がついた為です。実際に遠視の検眼(主訴は、老眼鏡:手元が見えない)をしましたが、潜伏していた遠視が前回に比べて4ポイントも出てきました。そうしますと、乱視の検眼の回答もハッキリしますので、矯正が上手くいきます。

もちろん、検者である私のスキルにも依存します。加えて、被検者の緊張具合とか検眼への慣れも加わります。回数を重ねるとわかることは多々です。気楽に検眼にお越しください。また、経過観測は大事なことですので、ご購入して頂いたお客さんもボチボチ時間のあるときは来ていただけると助かります。

リムの種類
メガネのはなし

17.03.11

細かい話。1920年代のメガネの写真です。ヴィンテージメガネの好きな方は、掘りまくると、この辺りに大体たどり着きます。

正面から見た感じだと分かりませんが、一番上と三番目のメガネは、カットリムと呼ばれるリムの形状です。昨今のメガネで、敢えてカットリムをすることが無いので、多くの方は新品でも見たことが無いかもしれません。

そもそもですが、リムとはレンズを囲む部分を指します。通常は、内側がレンズを止めるために薬研型に凹み、外側は平らです。

ですが、カットリムの場合は、リムの外側も薬研型に尖っています。リム自体に厚みがあります。もちろん、デザインの為でもあるのでしょう。ですが、強度枠という呼び方もありまして、強い度数のレンズの、ふち厚が目立ちにくいようにする為に誕生したとも考えられます。

通常のリムを引くのと違い、形を作ってから内側の薬研を切削する(カット)します。作るのに手間がかかりますので、あんまり見ないです。写真を撮りたかったですが、私のストックにもカットリムはありませんでした。

メガネ屋さんを覗くときは、よければ気にしてみてください。なかなか綺麗です。

ローダフレックス
メガネのはなし

17.03.08

ローデンストックのネタ続き。

ローダフレックスというバネ蝶番があります。スライド式のバネ蝶番でして、バネのテンションのかかり方がしなやかです。テンプル開閉の時、特に閉じる時ですが、バネの力が一気に抜けないので、パチンと閉じません。おかげでバネ切れもしにくい、良い蝶番です。

スライドバネ蝶番ですが、昨今は海外製のメガネにもついております。ですが、スライドするケース部分に高い精度がいるため、海外製でも、スライドバネ蝶番部分のパーツ供給は日本です。

一般的にバネ蝶番となりますと、箱バネが多いですが、そんなに見ごたえのあるものではないでしょうね。ローダフレックスのようなスライドバネ蝶番の場合は、日本の技術が込められているので嬉しくなります。

今日も磨いております
修理とメンテ

17.03.08

現行のローデンストック。私がメガネ業界に入る前に買った物を、今は父が使っております。

さすがに4年くらい使用しており、こまめに洗浄をしていないので白化が進んでおります。

スライドバネ蝶番のローダフレックスも固着しております。

磨きと、超音波洗浄で、ほぼ元どおりになりました。

自分の仕事を、直接家族や親戚に届けることが出来るのはいいもんだなと思い始めました。

入荷しております
ヴィンテージのメガネ

17.03.04

ドイツのヴィンテージメガネが入荷しました。写真は、マルヴィッツのサーモントフレームです。

サーモントやブローのレストアは、中々大変です。眉部分を外しての磨きとなります。また、眉の生地が縮むので、一旦ネジを外して分解した際に、フロントのネジ穴の位置と眉の部分にある穴の位置が合わなくなります。ですから、多くの場合は、眉の方の穴をドリルで広げて、ネジが通るようにします。1本あたり、1時間くらいはなんだかんだメンテで時間かかります。

写真は、眉を外した画像です。透けて見えることを考慮して、智の部分にプレスで彫金入っています。凝ってますね。また70年代ドイツフレームあるあるの、ノミネジです。レンズを止めるネジが外れないように、横からノミネジと呼ばれる小さいネジを通しております。凄いです。

知れば知るほど、ガッカリするポイントがないと言いますか、むしろメガネの深みにハマりそうになる、良いメガネですね。

臨時休業
営業案内

17.03.01

明日、3月2日(木)は休業します。また、眼の勉強をしてきます。ご迷惑をおかけしますが、何卒よろしくお願いいたします。

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