アーカイブ:10月2019

フレアー
ヴィンテージのメガネ

19.10.13

フレアー(Flair)のヴィンテージに、初めて出会いました。改めて調べてみると、結構歴史は深いです。

現代もブランドはあります。高級フレームです。かなり見た目は違いますけど、雰囲気は似ていると思います。まさに、flair という単語が創作力や天賦の才能、優美な様式を表す語の通り、フレームも一貫してそれを表現しようとしているのが伝わります。

透かすと綺麗なのがよく分かります。クリアブラウンでした。

ネジ周りは、かなり時間をかけて磨きました。全部錆びて真っ茶色でしたので。ネジの溝まで磨きこみました。開閉もスムーズに直っています。

これが最初の状態。こういうののレストアは、一番悩むかもです。向かって左、業界では(右眼のためのレンズだから)右レンズと呼びますが、こっちが型崩れです。テンプルの角度からも、そういえます。そして反対側、左レンズは元の状態を保っているといえそうです。

こういう場合は、左レンズのみトレースし、左右反転させて右にも左と同じ形のレンズを入れることで、型直しをします。今回も冒頭の写真の通り、そのような修正をしております。ただし、何が難しいかと申しますと、レストア前の右レンズの形が、とてもよく見えてしまって、こちらを基準にしても面白そうだなという葛藤が生じ、どちらかに決めることが難しくなります。台形型の、絶妙なレンズの垂れ具合です。偶然出来た形を愛でるというのも、耳触りとして悪くありませんから、これを無くすのも勿体ない気がしてしまいます。

でも今回は、正統派な方にしました。バブアーみたいな物に合わせたら、ガチハンティングみたいな、ややコスプレ感出しつつ、やっぱり優美さが勝って全体としては都市感が残らないかなと。

休み
営業案内

19.10.12

告知忘れていました。社会的に、台風来たら出来るだけ休みましょうのムードが醸成されつつあるので、それに沿って自然に休むつもりでした。

日曜日は通常営業の予定です。

訳あり品
ヴィンテージのメガネ

19.10.11

一応NOSでイギリスから届いているんですけど、今回ばかりは確実に中古でした。リム周りはガラスのレンズを外した跡がくっきりと。レンズ周囲が削れまくりで、尚且つ両テンプルのガタつきが酷い状態でした。工場で修理依頼をしたところ、そもそも埋め込みのテンプルに、無理やりカシメのピンを打っている状態でした。尚且つそのピンを貫通させていないから緩んでいるとのことで、またか、という感じです。

基本は、未使用デッドストックのみの販売なので、NOSでは無いとの確証が得られたタイミングで、すぐに在庫から弾きまして、パーツ取りか廃棄にします。今回、このフロントが良すぎて在庫化しました。販売時には、ちゃんと毎回アナウンスするので許して下さい。

カットの施し方と、赤茶の生地の色の綺麗さが抜群でした。これは磨き後の写真ですが、そもそもの磨き前も白くかすんでいる部分やクラックは無かったので、殆ど使用していないと判断できたのも在庫化に踏み切った理由です。

カシメの打ち直し、樹脂盛りによる固定をダブルで施して頂きました。頑丈に、使用に問題ないレベルに戻しております。

ただ、カシメのピンを打ち直して貫通させる際に、一箇所のみ亀裂が入ってしまったので、それに対して更に埋め戻しを行なっております。経年変化で柔らかさが失われた生地に対して、ちょっとスパルタな修理であったようです。目立たないようには処理してあります。

フロントに向けて白い筋があります

フロント幅130、FPD68、テンプル長145です。それも良かったんですよ。大人の男がバシッと窮屈な感じを出さずに掛けられる大きさです。

横の美しさが異常です。

蝶番ネジは、交換して、花型ナットで共締めしました。ネジの径が今の規格と合わないので、レガシーから必死こいて探しましたよ。しかも、こうなったら最後まで完璧に、左右とも同じ物が見つかったので交換しております。根性です。

無数の候補たち

眼鏡屋の休日
雑記

19.10.10

意外と、皆さん興味があるようですね。ぼちぼち聞かれます。期待されてもなかなか困るんですけど、普通です。店を構えてからは、研究開発費に生活を顧みないほど資金を投じている状況なので、身動き取れずに本を読んで終わることが多いです。時間を潰すのに、本は手っ取り早い、安い、面白い、そういうことです。

これは色んなお客さんと意見が一致していることですが、それ以外に楽しいことがあるんだったら、本も映画も美術館も、ファッションと絡めて嗜むべきみたいな感じで語られることも多いんですけど、別に要らない気もします。そもそもあの三つが、何で特別に崇められているんだっけ?みたいな素朴な疑問も、自分の中では解決出来ていなかったりします。よく聞くカルチャーも、その基本は連続性が大事じゃないですか。数学では更に、滑らかさを大事にするんですけど、それは実際の生活でもそうだなと、しみじみ思います。自分にとって連続かつ滑らかに、要は無理して合わせなくても、ということです。

本当は、朝から展示会(今のメガネ、新品のメガネの展示会)に行く予定でしたが、前出のブログで書いた通り、火曜日に行ってしまったので、正月ぶり位に1日ずっと、朝から晩まで何もない日でした。昨日の夕方から何をしようかソワソワしたものの、結局ジュンク堂とブックオフ行って買い込んで、本読んで終わりです。あとは、昼にホットケーキを焼いています。機転を利かすというのは難しいですね。

先日、初めて店に来てくれた大学生の子に、何を勉強しているのか?と尋ねたところ、フッサールと返ってきました。私にとってのフッサールは、高校の倫理でその名前と現象学というキーワードを詰め込んだだけでして、要は真っさらな状態でしたから、非常に興味が湧きました。なぜフッサールか、そもそもフッサールとは、フッサールっていつの時代のひと?、フッサールが現象学を新たに拵えた背景は?、フッサールと今を生きる若い子に何が関係しているのか?、それは自分の抱える悩みと直結しているのか?とか色々。

お気付きの通り、いつもの悪い癖で、初対面でまあまあの質問責めにしてしまいました。もう、多分、一切を見ていないと思うんですけど、申し訳無かったです。

そのような状態で上手く回答ができる訳も無いんですけど、私のフッサール欲が満足されないということがありましたので、折角なので齧ることにしております。いつも頼りにしている講談社現代新書から読みやすそうなものを選んで読み始めました。講談社現代新書は字がでかいのと、本がパリッと殊更清潔感に溢れてカッコイイので選んでいます。

まだ1/3程度読んだところでこれを書いていますが、メガネの売れ行きには関係なさそうですね。残念、何となく読む前から分かっていたけど。

ただ、例えばメガネを道具として含むファッションに対して、ファッションを本当に味わうとは?みたいなことを考えるときに、フワッと手助けしてくれそうな予感がします。

本日は失礼しました
雑記

19.10.08

帰りの新幹線の中で書いております。大井町のブルドックで、お腹がパンパンで脳がつーんとする程ご飯を食べてしまったので、夕方展示会が終わってから、メガネ店、服、美術館、何も見ずに滞在4時間ほどで東京を離れております。

メガネの展示会のまえに、日本橋高島屋には寄っていまして、池田晃将さんの個展を先に見てきました。この展示が本日最終日であったため、急遽メガネの展示会の出席も本日にしました。

すごく頑張ったら買えるぞ!と思える価格でした。美しさに心底感動しましたし、それが買えそう、車をパスしたらいける価格ということに、闘志が湧いてきました。人生の指針と言いますか、あれを手に入れたいという夢が出来ました。自分の店も、ああいう美しさを内包するメガネを作りたいですね。そうそう、まずは銀のフレームですね。益々楽しみになってきました。一応、年末が完成目標だそうです。年越したらごめんなさいだそうです。

そういえばメガネベストドレッサー賞も、そのお披露目会の時間帯にちょうど居たので、折角なので拝見してきました。朝も昼も夕方も志らくさんを見ることになって、不思議な気分です。

遠方視力0.7〜0.9あたり、弛緩させるような度数のメガネしか持って行かなかった自分を責めました。この時ばかりは、半年間温存させた眼筋を解放させて、一瞬でもいいので視力1.5くらいにして、田中みな実さんを遠方5メートルからでも高精細に捉えたかったですね。

明日休みます
営業案内

19.10.07

急遽、決めました。明日休みます。展示会に行きます。

ということで
ヴィンテージのメガネ

19.10.05

本日の在庫化は、シルバーカラーのティアドロップのでした。割と影響されやすいタイプです。

ナイロールのティアドロップというのがみそです。今は、ほとんど無いのでは?あるとすれば、マイキータやマルクスTのような、ヨーロッパのシートメタルを多用するメーカーが、過去と未来を合体させた感じで出しているはずです。あれもすごく良いですよね。当時は、これらのナイロールのティアドロップが、最新だったんでしょう。

鉄の棒のね、重なり具合とその立体感が、堪らんです。

掛けたときの美観も実際には良くて、フルリムのティアドロップを断念した方にも、再度挑戦して頂きたいと感じています。頬っぺたにフレームが乗らないと、途端にツーブリッジの類の、あの違和感が無くなります。

これのみ、やや残念なのがネジが無くなっていて、間に合わせでプラスが差してあることと、ネジ頭がスッキリ収まっていないことです。もし販売になりましたら、他の在庫とネジを差し替えますね。この前の入荷の段階で、緑青浮いてダメになったフレームからパーツ採りをしておけば…。今ごろ産廃でしょうね。

一周のはやさ
雑記

19.10.05

先日の時効警察、わたしも見てました。そもそもの12年前にやっていたやつは、大学生の時期と重なるので、私からしても、ついこの前みたいな感じです。ちょっと前に深夜でやっていたやつだよね?みたいな。

ついこの前が、一周回った扱いでリバイバルされるというのが、恐怖でしかないということを実感しました。ぐるっと1世代というと、30年と言われています。辞書でも、そう出るはずです。英単語のgeneration でも、そう出るものがあったはずです。体感としては、もはや、ひと世代15年くらいなのかもしれません。早すぎます。

ドラマで、主人公のオダギリジョーさんがアメリカから帰ってきたときの格好が良いです。アルミジップのM65に、銀のティアドロップにヒゲでした。男臭過ぎる格好なんですけど、顔が涼しいので差し引きで爽やかなのがズルかったです。

着用している時計も相変わらずで、カシオの電卓付きの時計の金色、とても懐かしかったなぁ。そのときも流行ったなと。自分もガサゴソ過去をほじくり返していたら、出てきました。完全に真似せず、やや違うものを狙うというひねくれ具合も相変わらずです。

シチズンのアナデジテンプ。ごちゃごちゃしたもの、カクカクしたもの、相変わらず好きですね。

古書市にて
雑記

19.10.04

そういえば、先週の古書市に行ってます。これ買いました。

メガネを掛けているひと目当てだったんですけど、ほとんど載っていないですね。ブルバキの商品たちは、まさにこの年代だったりするので、実際を見たかったです。それは無くとも、かなり楽しい本でした。

定価より、やや高くなっていました。まあでも、お祭りって事で、お値打ちプライスなのかなと思って買ってみました。自分が出店者だったら、ラッキーだったときのあの高揚感を味わってもらうためにそうするなぁと思って。

プレ値ついた本を買うのは人生初でした。

さっそくのパール
ヴィンテージのメガネ

19.10.04

ヴィーナスガードコートのパールの例です。クリアレンズではなく、ブルーの15パーセントに対して、上記のコーティングをかけています。

普通のレンズのような、緑の反射がカラーの上に乗らない為、青がはっきりと、且つより透き通って出ています。

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