アーカイブ:11月2022

入荷その1
ヴィンテージのメガネ

22.11.18

久々に、海外の業者から仕入れてみました。手直ししながら、順次載せていきます。

ティファニーです。いまもありますけど、昔のティファニーのメガネの方が力んでいる気がします。ロゴのプリントとか、そういう感じではなくて、全体を隈なくデザインしています。この感じが好きです。

カルティエのメガネの勃興と同時期かと、推測です。さらに同じ時期のフレッドとかあの辺と同じように、ちょい高級なメッキフレームという位置付けだったのかなと思います。これも23Kの貴金属メッキです。テンプルのどこにもCEマークがないので、93年以前かと。ゴージャスで力んだ感じの同じようなティファニーでも、テンプルにCEマークが付いている場合があります。それらと比べると、割と初期のモデルなのかもしれません。

逆ナイロールのラウンドです。サイズは36□30ミリです。デザイン的には、リーディンググラス用によくある、鼻の下の方で掛けて通常の目線ではレンズが視界から外れるタイプかと思いきや、自然に掛けてレンズの上3〜4割あたりに目が入ります。近視系で普通に遠用で使うこと可能です。むしろ日本で販売するならそれの方が助かります。

このあとにもう一つティファニーを載せますが、それもこれもレンズが小さめでとてもクラシックなデザインです。80年代後半から90年代頭となれば、バブリーな時代でメガネもそれを反映して、レンズはめちゃデカイことが常です。同時期のカルティエもフレッドも、基本はレンズがデカイです。その為、作りや装飾やメッキ処理の力みと合わさると、ひとによってはtoo muchだったりします。

ということでこの感じであれば、今の日本のメガネの流れに沿いながら、でも実はちょっと外れているみたいなことが力まずに出来そうです。現代の感覚では、色はベージュとかオリーブとか暗めの中間色で、質感ならキラキラよりちょっとカサついていたりマットが喜ばれる時代なんでしょうけど。どこかしら1点だけ、そこを裏切るくらいが良いのかなと思いまして、キラキラなメガネを入れました。

ワールドワイド
雑記

22.11.16

うんうん間違いない、この味はワールドワイドだなと食べて確信です。昨日、海外のお客さんにレストランとして紹介をして、どーかなぁーとか夜も考えてしまって。万国共通にうまい、ユウゼンのあんかけパスタです。新しいメニューでカルボナーラにあんかけという、ナイキ×サカイみたいな、パスタ界もダブルネームでした。

今日は眼鏡作成技能士の合格発表の日で、無事に1級になれました。ということでユウゼンで、ということで追加トッピングの赤ウィンナーです。ひさびさに昼飯で1,000円越えていまして、少々調子をこいてしまいました。

完成しました
修理とメンテ

22.11.15

鼻盛りの完成です。

これが、昨日の段階です。本当は4・5時間で固まるはずですが、念のため一晩寝かせて固まってから磨きます。今回は幅をさらに狭めたかったので、内側ギリに設置しています。その関係上、透明がはみ出しています。このアングルから覗かれることもないので、このまま磨いても良いのですが、物としてはあと一息欲しいところなので、はみ出した透明を削ってから磨きます。

無事に仕上がりました。良い感じに出来たので、今日もドクター・キャピタルを1つ見て気分よく眠れそうです。

実践
雑記

22.11.15

ひさびさに海外からお客さんが来てくれて、往来が復活していることを実感しました。

僕の中のニューホライズンがホライズンすることなく、フルジャパニーズでした。ノーホライズンでフィニッシュです。でもオロオロすることはありませんでした。ちょうど2週間くらい前に、岡本太郎の本を数冊読み返していまして、ニコニコしていたら国際交流だ!的なことが書いてありましたし、フルイングリッシュに対してフルジャパニーズでも、抑揚とか強弱とか表情で何となく伝えられんかなと思って、バカならバカでバカを突き出したら良いんだ(これも岡本太郎的表現)と思ってハッスルしたら、たくさんメガネを見てもらえました。英語できたらもっと良いんでしょうけど。

ご購入のあとに、どっかレストランがあるか?と尋ねられてそこでパニックに。色々な要素を含むとよく分からなくなって、結局いつも通りユウゼンさんをオススメしました。パスタだからというのが安直過ぎたかなと今になって不安です。オンリー名古屋で、日本の中でも特殊な食べ物でした。

The 雑記
雑記

22.11.14

えっ!今さら!とか言われそうで怖いんですけど、YouTubeってあるじゃないですか、さすがにそれは視聴済みでして、その中でドクター・キャピタルという番組にハマりました。私はギターを含めて、音楽を一切演奏しないので、むしろそのおかげでめちゃくちゃ面白いです。少しでも楽器をやれると、自分なりの解釈とかそれとのズレも生じてそれも一興なんでしょうけど、無の状態で見ると完全受動の学ぶだけな学校のときの自分に戻れて、かなり爽快です。

たまたまドクター・キャピタル「くるり ばらの花」がオススメで出てきまして、そこキッカケなんですけど。刺さりました。青春が補完された感じがします。

にょっ
雑記

22.11.14

なにをきっかけに『にょっ記』を読み返さなくてはと思い至ったのか忘れましたが、読みました。

半分本当で半分創作なのか、日記ではなくてにょっ記なのでイマイチ掴めませんが、日を置いて読み返すと確かに自分に置き換えたときにグサると言いますか、自分もいっしょに揺らぐことが書いてあります。

しばらくにょっ記クライシスで勝手にうなだれていましたけど、この前の情熱大陸を見ていたら立ち直れました。あるかもしれないよ!

いまこんな感じです
修理とメンテ

22.11.14

近所で新築を建てている人がいるんですけど、毎週か隔週末くらいな感じで現場を見に来ていて、そうだよなぁ家となると不安だよなぁと思っていました。

今回、一回ほかで鼻盛りしたけどあれこれということで、鼻盛りのご依頼を頂きました。ここに載せずにスッと終わらせようかなと思っていましたけど、その新築のひとが頭に浮かんで、透明性だなぁとか開示だなぁとか思っていたタイミングなので、載せます。

とりあえずあたらしい鼻パッドを乗せたところです。もう一回、水平面を作って乗せます。乗せるときに、どこかを基準点にする場合もあるんですけど、この場合だと画像からも何となく分かるように、キーホールをキーホール然とさせるキュッとしてパッとする部分と(すみません言語化しにくいです)そこにパッドの先を揃えたくなります。それでオッケーな場合もあるんですけど、今回は違いました。

上の写真は、フロントの顔側から写した写真です。本物のキーホールブリッジの為、表から裏にかけて末広がりな削りが施してあり、鼻がキツイということを緩和しようとしています。日本人では鼻がキツイということは起こりにくいんですけど、海外のフレームなのでちゃんとスムースな処理がしてあります。

そこで、もう一度上の写真をみます。キーホールの左右のアーチとかそのキュッとしてパッとする部分を観察しますと、左右の高さが違うことがわかります。多分1ミリくらいなんですけど、キュッとしてパッの部分も細かく削りが施してあります。よく観察しますと、左右差もあって、なおかつキュッの先端付近は曖昧ということで、ここをパッド取り付けの基準点とするのは、基準たる安定性を満たしていないです。擁護するわけでは無いんですけど、ここで左右のパッドがズレたんだと思います。

ちなみに表からみると、キーホールのキュッとしてパッとする部分は左右対称です。つまり、裏側にかけて末広がりに削って鼻への当たりをマイルドにするという作業で裏面に左右差が出来ています。この辺の話は長くなるのでまたいつかにしますが、「こんな感じになるようにこんな風で…」みたいな指示があると思うんですけど、人に依存すること(こんな感じのこんなの部分の解釈のズレ、技量)とか、素材もアセテートかセルロイドか柔らかくて削れやすくて、切削や磨く作業を重ねるとズレやすい場合、数値化できないことは指示書に載せられないこともあると思います。そこは工業製品としてどうすべきかと葛藤を生み出しやすい部分でもありつつ、なんだかんだメガネは他のプロダクトよりもエイっとやってしまうことも多くて、これはエイっと調子をとることが多めなプロダクトかもしれません。それは全体にも波及するので、今回は鼻の部分、キーホールブリッジを端緒に大らかな雰囲気が垣間見えました。実際そういうフレームは、今回はお客さんがフレームを出して頂いたときに一瞬でも「ヴィンテージかな」とか頭の中でよぎります。全体が優しいんですよね。

明日からは、はみ出した透明な部分を削り落として磨きます。

冷静な意見
雑記

22.11.13

昨日の店での雑談から。

私よりも10いかないくらいの若い人にビジョメガネとメガネ男子を見てもらって、「比べると、いまはかなりメガネの男女差が埋まっていますね」と冷静な分析が。なるほどと思いました。2010年から2020年の間で、メガネの(デザインの)ユニセックス化は完了したかもです。

たしかにJINSさんやZoffさんとワービーパーカーさんあたりのインスタを眺めると、確かに男女どちらが掛けても違和感の無いフレームしかないです。ユニクロさんでいうところのチラシのセグメントがないので、本当は店頭ではまだ男は青で女は赤だったりするのかもしれませんが。街の感じだと黒と茶色のボストンが圧倒的な数なので、多分店頭もユニセックスなんだろうなと察しがつきます。現代版のビジョメガネとメガネ男子を作ると、メガネは変わらずモデルが違うだけになるかもしれません。クラシックなメガネがブームとかそういう話を超えて、ノームコアといいますかポストノームコアの軸として君臨している気がします。

なんだかんだ、本を開くたびにどきどきしている場合じゃ無かったです。大事なのはそうそう分析でした。

男版
雑記

22.11.11

ビジョメガネを買ったので、バランス良くメガネ男子も買いました。

初版が2005年でした。これももうすぐ20年もの。ビジョメガネが5冊出ていることに対し、メガネ男子は1冊なので、これだから男って生き物は…と思ってしまわなくもないです。

個人的には、2005年となりますと高校生なので色々懐かしく思うんかなと期待して買いましたが、そんなこともなく。くるりと、ピンポンのスマイルくらいしか「あぁ〜!」となりませんでした。情報元がメガネ男子愛好会というmixiのコミュニティでして、サブカル寄りです。そこ詳しいひとは、懐かしいの連発で面白いかもです。メガネ男子名鑑はありますが、白黒で証明写真ほどの大きさです。ビジョメガネのときも書きましたが、旬な人にメガネをかけさせて写真集を作った方が、視覚にパッと訴えかけた方が、時が経った今になって分かることなんですけど資料としては優れている気がしました。あれこれ書くよりも、パッと写真なんですね。ブルバキとしても大いに反省です。インスタも頑張ります。

動く飾り
目のことレンズのこと

22.11.07

ゴルチエです。ヴィンテージメガネの世界に限れば、ある程度の価値が確立した存在になりましたので、カザールとかアメリカンオプティカルとかローデンストックとか、ブルバキが特に何か言わなくても既に伝わっていることが多いと言いますか、言うと逆に購買意欲下がるわーみたいなことになりかねないメガネです。

でもこれは、数あるゴルチエの中でも特に面白いので、レストアするにつれて言いたい欲が止められ無くなったので書きます。

正面は、まさに前回のビジョメガネ的なあの時代の素朴なオーバルメガネです。サイズは52□18で、メガネ界の標準オブ標準サイズです。それはつまりユニクロのMサイズみたいな感覚です。

横がゴルチエらしさ全開でゴツイです。

上から下から横から、様々に撮ってみました。針金がグルっとテンプル上のコマみたいなパーツを経由して1周しています。バネ蝶番を剥き出しの構造にした感じにみえませんか?実際は違いまして、ただテンプル上のコマが動くだけです。バネ等のメガネの機構に対して何も関与していません。純粋に飾りです。でもそれを侮ってはいけなくて、混じりっ気無いただの飾りなんですけど、これは動く飾りなんです。動く飾りは、身に付けるものでは珍しいと思いますし、その動く動力がメガネの腕を開く動作に連動しており、飾りを動かす為だけに何か特別な操作を要していません。自然な動作の中に、“で、なに?”の極みみたいな飾りがついたフレームです。そんなメガネはこれが初めてです。

もう90年代といえども20年以上は経っているわけで、ナイロン系のパーツは取っ替えです。強度もそうですけど黄ばみも気になりますからね。あとは柔軟性が無くなって硬いんです。

鼻パッド変えました。元の物もお渡しできるように保存してありますが、ちょっと表面が滑っています。デッドストックなんですけど、パッドだけが先にダメになっているケースは多いです。使えるっちゃ使えるくらいの状態でしたが外しました。あとは、チタンパッドにするだけでカッコ良さが倍増します。ゴルチエの時代にはまだチタンパッドは存在していなかったはずで、フレームの意図するところからすると、むしろチタンパッドとかの金属の塊の鼻パッドの方が統一感が出てカッコいいです。

このゴルチエはサングラスラインでした。薄い色レンズが入っていましたが、濁っていたので透明に変えております。レンズは特に何の刻印もない、汎用のCRレンズだと思います。

好みの問題ですけど、なんとなく超普通のメガネ然として佇んでいるほうが面白くてカッコいいと思ったので透明にしました。せっかくのナイロールフレームで横と下にレンズのコバが出ますから、濃さ10パーセントくらいの色レンズも良さそうです。それくらいの濃さですと、掛けても正面は普通のメガネに見えて、色が入っていると他人から認識されずらくて、横から見たときにコバが綺麗に発色して気分が良いです。

飾りの動きは、インスタに載せます。

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