アーカイブ:2月2024

明日は休みます
営業案内

24.02.12

眼科さん出張があるので、明日の2月13日(火)は店を休みます。年明けから、第二火曜日になってますね。

ハーフミラー
ヴィンテージのメガネ

24.02.09

ハーフミラー(シルバー)がカッコいいので、どうしようかなと思いまして、敢えて天地浅めのフレームに枠入れしてみました。ほぼミラーで、赤チラ見せくらいに設定してみました。

ポルタロマーナというメガネで、元ネタはカルティエです。これは言い逃れ出来ないレベルです。

オリジンではない方、にせものの方がカッコよくなってしまうことは往々にしてあります。その辺を愛せるようになると、そのゾーンの通みたいな風潮もありますしね。個人的には、オリジンと同じ方向に持っていくとずっと二番手のイメージが付き纏うので、別方向に持っていくとカッコ良くなりやすいのかなと考えております。

オリジンより智の作りがゴツくて、この玉型でウッドテンプルというのが愛すべきポイントです。作りの点で推せるポイントが十分にあります。あとは醸し出せる雰囲気が違えば、胸張ってこれが好きと言えるかなと思いまして、レンズでちょい足ししました。

ゴージャス路線はオリジンの特権ですから、ミラーでスポーツ感を足してみて2000年頭くらいの軽快な感じに振ってみました。天地が浅いので、レンズ変えるだけでイメージが激変しました。例えるなら、スニーカーの白メッシュで銀みたいな雰囲気になった感じです。

明日は休みます
営業案内

24.02.02

2月3日(土)は休みます。

軌跡
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.02.02

木は、まず二型でいこうかなと考えています。一つが年末にご紹介した向かって左側の、べっ甲のフレームみたいにツートンになっている“凛之十七”というモデルです。向かって右が、オリジナルのモデルです。どちらも工房樹製です。

前回のブログに書いた通り、30年代あたりのイギリスのフレームを元ネタに作ったと書きましたが、作ることの狙いみたいなことを書き残しておきます。

もちろん復刻とか保存出来る状態に変換するとか、ヴィンテージの店が新品を作る際に大事にするところは抑えております。ただそれは私がやりたいだけのことであって、作る方は特に興味が無いかもしれません。しかも、そもそも東海圏も他で取り扱いはもちろんあります。お客さんも、ヴィンテージとかレトロなテイストが好きで無ければ、「で??」で終わってしまうかもしれません。そして少なくとも私が工房樹を知ってから10年以上経っていましてその間の実績もあるでしょうから、私がいまさら始める必要も無いかもしれません。確か始めて知ったのは、大学生のときにクレイドルさんで頂いたリーフレットだった記憶があります。

そういう状況で、ヴィンテージの復刻でブルバキオリジナルということでは要素が足りないなと感じました。特に、お客さんに対してのアレが少ない気がしたんですよね。

そこで、今回はヴィンテージの再現を木でしながら、実は木の質感を極力出さない方向にしてみようと試みました。なぜ“実は”かと申しますと、もちろん作る際にどこにも共有していないからです。ある程度関係があればその方針の共有もありでしょうけど、初めましてでそれを伝えたら、じゃあオリジナルの製作をやめますシャッターガラガラとなりかねません。

もちろん木で再現するわけですから、木の質感の否定ではありません。メガネに限らず様々なジャンルにおいて木が好きであることは前提です。先に仕入れした、“凛之十七”のように、木の良さが剥き出しのフレームがあるのであれば、木の良さが垣間見えるくらいのフレームがあっても良いかなと思ったんですよね。垣間見えるというのは、高校古文程度の知識ですけど日本的な感覚ですし。木の素材の強さ(雰囲気てきな意味で)は凄まじいですから、隠したところで漏れ出ちゃうと予想されます。そのどうしても滲み出るくらいを作り、木の良さが前面のものと並列させることで幅が生まれるのかなと考えまして、裏テーマとして木の質感を出来る限り隠すということをしてみました。

木の可能性の幅もそうですし、それはお客さんにとって選択の幅が広がるということも含みます。木の良さの露出度の上限があったとして、オリジナル製作でその下限を用意してみました。これにより、凛之十七をいま黒柿で店頭に用意しておりますが、“私は質量は欲しいけどテクスチャーは控えめで、凛之十七で黒檀にする”という間が生まれます。また、“質量は抑えて、木のテクスチャーは前面に欲しいです”ということでしたら、オリジナルを黒柿等々で作る、みたいな間も存在します。

ちなみに、方針の共有が否定という誤解を招く可能性がこの段階で微かでもある以上、畏れ多くも具体的な指示によって物を作っていただく必要がありました。こんなに長々と文を書く人間ですが、それは苦手だったりします。よく“手を離して目を離さず”とか言いますけど、手も目も離したいタイプです。

図面は、ヴィンテージの元ネタを原寸でトレースして、自明な問題である

・ブリッジが狭いので広げる

・フロントの幅が狭いので智を延ばす

を先に解決して頂いた状態で私の元に届きました。

ゆったり感を出すために鼻幅24ミリにしましたが、これは選べるようになりました。

智はコンパクトであればあるほどレトロでカッコいいメガネになりますが、顔に合わせるなら横方向への延長は仕方がないことです。しかも今回は蝶番金具を安定して固定させるために上から見ると厚みが加わってきますから、このままだと智の全体のボリュームがそこそこになってしまうと予想されます。こうなると、さすがに仕方がないだけで見過ごすことは許されません。

そこで横が拡がるなら縦を縮めようという最単純な思考で智の縦幅を1ミリ削り、調子を取るためにテンプルも1ミリ削りました。図面上は、2ミリ削っても良いかなとか迷いましたが、完成を見て、1ミリで十分存在感を抑えられたのではないかなと感じております。

あとは、下限を作るということですから具体的な数値で示さずに、フロントを薄く出来る限界までということでお願いして以上ですね。そんな感じで出来上がっております。対面とか隣同士で座って話すくらいの関係性なら、それくらいの距離かつ顔付近を見る関係なら、“そのメガネって木なの?”くらいに気づかれるかもですね。これくらいの主張なら、営業の仕事でも着けて頂けるのでは無いでしょうか?

余談ですが、図面にしてもらって、ようやくこのメガネが好きな理由が紐解けました。要はこのイギリスのフレームなんですけど、アーネルの兄弟みたいですね。智の部分を連続的に動かしてレンズの真ん中よりも上にあるものを想像してみてください。アーネルとか、ああいうウェリントンですよね。腕の位置で、四角のメガネにも丸のメガネにも見える、絶妙な玉型ということなんでしょう。

 

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