利益還元祭その2925silver

19.06.30

銀無垢のテンプルの偏平な箇所全てと、ブリッジに全部彫金(巷にある、プレスの模様じゃなくて、ちゃんと手でゴリゴリしたやつ)を施してみました。圧巻でした。眩しくて、目がくらみます。

私も3年ほど使ってきまして、彫金に関しては、彫れば彫るほど良くなっていくことに気づきました。例えば同じ唐草といえど、職人さんの構図の良さや、フレームの流れを生かしたパターンの選択の最適さが、量が多ければ多いほど如実です。

大きい画像を載せてみました。スマホで見るとページ構成が崩れていると思うので、パソコンかタブレットでご覧ください。私のかけている物ですが、渦巻きを一単位とし、それが9個彫ってあります。ペルソールをイメージし矢じりっぽくなるよう彫る箇所を指定して、模様はお任せした覚えがあります。これはこれで美しいです。

全彫の側面です。同じ唐草での指定をかけましたが、構成が異なります。まずは主旋律をリムの付け根からエンドにかけてニョロニョロ彫ってあります。そのニョロニョロの周期は、フレームのパーツのそれぞれの起伏や幅に合わせてあります。そのニョロニョロとフレームの隙間を埋め尽くすように、唐草が生い茂っています。唐草の位置は互い違いに上下し、リムからテンプル終端までニョロニョロが突き抜けていますから、美しさにプラス、ダイナミックな動きがあって、より強い生命みたいな何かを感じます。

カッコいいかどうかは分からないです。丁度いいアンファッション具合かどうかも知らんです。一旦そういうことは、これを見たらどうでも良くなっちゃって、美しいなと思ったそのままを身につける、美しいなと思ったその強い感情を、毎日掛ける瞬間や外した瞬間に想起できることの方が、私にとっては大事だったりします。

なのでこの周辺を掛けていて、カッコいいとか言ってもらえるのは割とレアで、大体値段だけ聞かれて「高っ!」だけで終わると思います。褒められるのは、ラッキースケベくらいな頻度です。機会としては稀有なんですけど、だからこそ、その褒めてくれた人とは深く仲良くなれそうな、より確かな温かい実感が得られます。

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