訂正と訂正925silver

24.07.16

銀無垢のサーモントの改造で2つ訂正。

一つ目はシープホーンではありませんでした。あまりにも柄が無くてツルッと綺麗で、メーカーさんも私もバッファローホーンで頼んだけどなぁ…みたいなっていましたが、これもバッファローホーンでした。

最初ヒビ割れが起こりにくいシープホーンで話を進めていましたが、最後にやっぱりバッファローホーンでって決め方をしてしまったので、思い返せば私がいかんかったですし、シープホーンもまじまじと見たことが無かったので、それもまあ良いかと思っていたところでした。本日、職人さんに連絡がつきまして、これもバッファローホーンとのことでした。

前回、恥ずかしくも光沢云々書いちゃいましたね。ただ、光沢と関係無いかもですが、バッファローホーンでも黒っぽい柄の多い箇所と今回のつるんと乳白色の柄なしの箇所ではヒビ割れの起こり方が異なるようです。今回のつるんと乳白色の方がヒビ割れが少ないらしく、お気遣いで良い方を使って頂いたみたいです。それがさらに功を奏しまして、題材としたヴィンテージにますます似る結果に繋がっております。

緑のレンズにしたら、先セルや鼻パッドがベークライトっぽく見え始めてきまして、さらにヴィンテージの見た目ですね。ということでつるんと白いバッファローホーンも大変良かったんですけど次こそは、出来るだけ黒かつまだらな“ザ・バッファローホーン”も見たいところです。

シープホーンで一旦検討したのにも関わらずバッファローホーンに変更したのも、逆手にとらえてヒビが入れば入るほど摩擦が強くなってメガネが下がりにくくなるという実用面と、ピカピカの銀とボロボロのホーンとの対比が最終的に美しいのでは無いかという美観の面と、両方で良いことづくしじゃんって思い直したのがきっかけです。

 

いつも来て頂いているお客さんのフレームで、リガースのバッファローホーンで10年以上使用フレームを拝見したことがあります。これは何度も当店でレンズ交換をして、今年の1月末にも交換した際の写真です。

ヒビは多いですし、リムはレンズに沿って裂けている箇所もあります。ただ、変な表現ですが裂け切らない、割れ切らないので、使おうと思えばどこまでも使えるんだなぁと、このとき思ったんですよね。

これは私の、13年くらいほぼ毎日使っているベルトです。年間300日以上は着用していると思いますが、13*300で3,900日くらい使ってこんな感じです。

まぁその、自分以外はきったねーで終わるものなんですけど。朽ちる寸前で粘る革と、いつまでも型崩れせず光る銀の対比が美しいなぁと思っていまして。ふと、これをメガネで出来ないかなと思い、バッファローホーンを選択しております。

 

訂正二つ目は、パッドの取り付け向きが逆でした。本来は下が幅広です。

バッファローホーンで鼻パッドを作る前に、プラスチックで何とかしようとした歴史があります。上のパッドが、汎用品の大きめのパッドなんですけど、どれもパッド下が細くてシュッとしているんですよね。この銀無垢のサーモントを夏にも掛けこなすには、超しっかりとした土台を作る必要がありました。これらパッドではイマイチでした。

70年代のHOYAニュースから。度数s-6.00のガラス1.80の重さ(理論値)で31.2グラムとあります。凹レンズであれば、加工して一番厚い部分から削れていきますから、例えば重さが半分くらいになったとしても、組みで30グラムかそれ以上を着用することになります。そういう時代があったというのは励みになりました。パッドおよび先セルを大きく作れれば、とりあえず解決出来そうだと。まさに銀無垢のサーモントの眉部分の重さが、左右ペアでそれくらいの重さです。

そこであれこれ調べていただきましたが、プラスチックで鼻パッドを新規で作るのであれば、金型+ロット(4桁)ということで、さすがに高すぎて一旦頓挫します。

たまたまプラスチックでの製作の値段が分かったタイミングくらいで木のフレームを扱うことになり、木の摩擦とメガネの掛け心地の良さに度肝を抜かれ、天然素材の良さを実感します。そして、いっそ高いなら天然素材でオーダーで改造をしようということになりました。

元ネタとほぼ同じ大きさです。縦幅が21ミリで、汎用品のマックスが19ミリですから、超デカイです。尚且つ下が広いです。

あれこれフィッティングの向上のために改造しましたけど、見た目がさらに良くなったことが一番嬉しいです。フィッティングの安定感も鑑みて、これでようやく製品になった気もします。

銀無垢のサーモントはかなり高額であったため、参考上代からディスカウント入れて販売しておりましたが、改造を入れて元のそれくらいの値段になりました。

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