アーカイブ:9月2024

裏テーマ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.09.25

テンプル裏に手彫りをしましたが、狙いは他にもありました。それがこれです。

テンプル裏に手彫りをする際に消えた、レーザー刻印を表側に再度施しております。

最後の最後で、もう一度工芸品からプロダクトに引き戻しております。本来は裏側にあるものが表にあるだけで強烈な違和感です。さらに違和感を高めるために、手彫りを裏面に施したというのも一理あります。

レーザー刻印が鮮明になるように画像を撮りました。実際はまあまあ分からないです。離れて見たらほとんど分からないと思います。その分かるわからないの具合も最適だなと思いまして、レーザー刻印を表に出してみました。

 

以前、工場に見学に行った際にレーザー刻印の説明を伺いました。そこでは、銀は光の反射率が高いため、レーザーの熱が入っていかない云々ということで、刻印ひとつ取っても難しいと伺いました。

難しいのであれば、せっかくだから前面に出したいよなぁとは考えていました。手彫り、プレス模様とは異なる第3の表現として、レーザー刻印による何かしらカッコいい装飾というものを模索していました。ヴィンテージにはあり得ない表現を会得するチャンスですしね。

そんなこんなで過ごしておりましたところ、昨年だったかフラグメントデザインとオークリーのコラボで、フロッグスキンが発売されました。それはテンプルの表にレンズサイズ等々の印字が施されておりました。ヴァージル・アブローの3%プロセスを彷彿させる、プロトタイプだったりプロダクト感を強調した格好良さが付加されておりました。

ファッションとしましては、やり過ぎない方がカッコいいのは重々承知の上で、私としてはちょっと物足りなさを覚えました。それは、上の画像のような検眼用のメガネの存在が頭の片隅にあったのかもしれません。カッコいいんだけど、この“NOT TO BE USED AS SUNGLASSES” はむしろ off-white 的でむしろめっちゃカッコいいんだけど。いずれにしても、メガネの印字をテンプル表に出すという、模様をデザインしないというデザインを施すとして、もう一捻り加えて何とかしたいなぁというところで、この着地となりました。

手彫りを後ろに下げるためにレーザー刻印を前に立たせたとも言えますし、レーザー刻印を際立たせるために手彫りをしたとも言えますし、それらの逆も言えそうです。いい感じに手工芸と工業製品が混じり合ったのではないでしょうか。

手彫り
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.09.25

畳みの姿を最大限に美しくするということで、テンプルの裏側に手彫りをしてみました。

フレームの要所要所が、割とシンプルな幾何図形で構成されています。半円のレンズ、半円のブリッジ、ピラミッドスタッズ(四角錐)等々。それに合わせて、模様は三角形とそれを埋め尽くす放射状に延びる線で構成された模様にしました。

モンドリアンパターンは、直線による分割と色と云々あるのでそれとこれとは本当は異なりますが、このメガネと手彫りの組み合わせではそれの実現を狙いました。フレームの構造と、あの柄が合わさったときに、あのような見ていて軽快な気分になるような、思わずリズムを口ずさんでしまうような感じに仕上がっていると思います。思って頂けるととても嬉しいのですが。

そして白々しく三角形と放射状…模様と書いておりますが、従来の模様で指定して手彫りをしています。この模様の名称は菱松模様です。言葉の響きや文字の力は凄まじくて、和の伝統的な柄という観念が擦り込まれていましたが、柄だけ眺めたときに結構ポップな感じだなと、つい最近気づきまして、今回テンプルの裏に彫って頂きました。何を組み合わせるかで意味が変わってくるというのは、今読んでいるラカンの本からの応用なんですけど、それはまた気が向いたら書きます。

今までのブルバキでしたら、テンプルの表に手彫りを施すところでした。ですが、このピラミッドスタッズのフレームの完成時に書いたブログの通り、このフレームでは「職場でバレずに掛ける」ということを目指しておりました。オフィスでは腕はスマートウォッチで控えめだけど、メガネは実はジュエリー寄りみたいな。そしてさらに、より一層のスリルとこっそり感を楽しむということで、手彫りで工芸品の要素を足しました。足すのですが、こっそり感の死守のため、裏側に秘めております。

別に悪いことしているわけでは無いんですけどね。何から隠れているのか、一瞬分からなくなるときがあります。お家に帰ってメガネを外して畳んだときに、その美しさが最大となる瞬間が訪れるようにしてみました。

日月と休みます
営業案内

24.09.20

明後日9月22日(日)と9月23日(月)は休みます。

明日9月21日(土)は営業します。

30過ぎたら皆んな同い年と信じる
雑記

24.09.20

なんとなく存じ上げていて、カリスマという認識でした。本は今回初めて購入しました。

今週この本があることを知って、衝撃を受けました。読んでさらに衝撃。大袈裟かもしれませんが、時代が完全に変わった合図なのかなと。つまりはポストゆるいの時代が始まったのかと。

『シェアハウスという水槽 p.92より』

私が店を始めたのは、この歪みをどうのこうのを意識していたわけでは無いのですが、直近のブログにも重なるように、それでしか無い気もしています。私の歪みに付き合って下さり、ありがとうございます。じわじわと感じています。

この引用の前の、91ページ後半が凄くてすごくて。

 

期間延長
雑記

24.09.18

初めてメガネを掛けたのが小4なので、さっきの期間は少なくとも小4ですね。私以外の誰にとっても意味のない訂正をします。

思い出せば、はじめてのメガネは金のオーバルでした。金といっても黄色味が弱いシャンパンゴールドで、そういえば梨地でした。まさにiPhone16proのあれみたいな色と梨地の感じです。

なぜかメガネを掛けたくてしょうがなかったです。やっと手に入れたはじめてのメガネは、それはそれは嬉しく且つ、得られる明瞭さに感動しました。記憶が蘇ってきました。そもそもその頃から、自分の顔面に期待をしていませんでしたから、顔になにかを乗せることは別に嫌じゃ無かったです。ですからポジティブにメガネ選びに関わって、あの金の梨地のオーバルを選んだはずです。

現在、銀無垢のメガネ等々で光沢を推していましたが、原初は艶無しの梨地でした。光沢推しとなる何かきっかけが他にもありますね。

原始ナイロン
雑記

24.09.18

先週買いました。

新品の販売のお店なはずですが、めっちゃ古そうなナイロンでした。ペラペラで、織りが密ではない感じが堪らんです。

すぐ破れてしまうかも。値段はお手頃価格だったので、破れたとて諦めがつきますが、めっちゃ好きなので大事に長く使えるように努めます。

タグの感じも良いです。いまのプロダクトっぽい雰囲気が一切無いのですが、新品の販売のお店で買いましたし、やっぱり現代の製品なんですかね。それか古い物の未使用新品か。はてさて何者なんでしょうね。

ちょうど千葉雅也の『現代思想入門』を、3度目か4度目読み終えたタイミングもあり、精神分析的なことを書いてみます。おそらくこの手のナイロンが好きなことを遡ると、ナイロンにまつわる一番古い記憶では幼稚園のときのミッキーのリュックに繋がります。遠足のときにそのリュックが使えることがとても嬉しく感じていたと、そういえば思い出しました。あれ好きだったなぁ。

この手の風合いのナイロンの記憶だと、あとは小学校のときに乗っていたマウンテンバイクの、フレームについていた小さい三角形のカバンですね。あれが付いているから、全体がカッコよく見えていました。ママチャリには小さいカバンが付かないですからね。

店をはじめたときはアラサーで、いまはアラフォーの入り口にそういえば立っていました。店をはじめて8年半、名古屋では7年が経っています。自分の所属する世代が移りゆくことによる危機はいつも覚えています。それであれこれ趣向が変わったとか変えたとか、むしろ変えなきゃくらいな意気込みで焦っていたこともありました。結果、変わってない部分もありますし変わった部分もあるんでしょうけど、好きの根っこは変わらず大体あの辺に在るということに気づきました。焦ったとて、原始好きは変えようが無いんですね。好きの泉となる、人生におけるある決まった幅がありそうです。それが高校生くらいまでを幅とした泉で、音楽とか映画とかが好きの根源になっているとイケてるんでしょうけど。おそらく私の場合は小学校3年までって感じです。長く期間を取っても小6ってとこでしょう。

体感8年
雑記

24.09.13

店を始めたときくらいかなと思って買ってみましたが、発行が2011年でした。もう13年前でした。

眉の新色
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

24.09.13

作ってみました。銀無垢のサーモントの新色です。眉が黒マットです。

いまのマットブームにさらに乗ってみました。ただ、銀にしてもサンプラチナにしても、金属の肌理と光沢がやっぱり好きなんだよねってことで、まだまだ金属部分を積極的にマットな質感にするのは私には躊躇いがあります。この前のテレビの『マツコの知らない世界』における金特集も、ピカピカの光沢があるものが多かったですしね。貴金属のマックス光沢の、あの目が吸い込まれる感じが堪らないんですよね。

そんなこんなで、スッとそのまま波に乗らないのがブルバキです。ということで眉だけにしました。眉はプラスチックなので。砂うち加工でマット仕上げに。

現代的なラグジュアリー感がめっちゃ足されました。モノリシックな存在感が出ました。これはこれでめっちゃ良いですね。

 

自転車で通勤しておりまして、行き帰りの往復でジープの四角い車や、ベンツの四角いごっついのをぼちぼち見かけます。気にすれば確かに、あれはカスタムなのか純正カラーなのか、黒マットを見かけます。本当に全てがマットな場合もありますが、金具やらなんやら光沢を残しているバージョンを見かけまして、特にその光沢とのコンビネーションを何台か眺めたときに、黒マットが高級に見えるということが真に納得出来たんですよね。それでメガネも、もっとやってみようと思い立ちました。

直近のインスタの時計もそうですが、基本的には私はスコーンっと軽快にしたいタイプです。ミニ四駆は肉抜きしてなんぼの世代です。そして今回は自分の趣向とは逆をやってみようとしております。ちなみに、この銀無垢のサーモントの初披露時は、慣例通りの黒(光沢あり)と異例なクリアグレーを作りました。軽快さを目指したクリアグレーです。重厚感と軽快感で対比させて、実際にはクリアグレーの軽快感が強く打ち出されるようにしました。

クリアグレーと黒(光沢あり)。

参考にしたのはゴツい四駆でしたが、眉のカッティングが効いているのでメガネ全体としては現代のスーパーカーっぽい雰囲気になったと思っています。重厚感があり存在感強めですが軽快さが全て失われたということもなく、良い感じです。

2年ほど着用したフレームにも、黒マットの眉を乗せました。黒マットにするとあれですね、眉のカッティングのラインが際立ちますね。スッと左右に延びるのがよく分かります。それでスーパーカーみたいに見えるのかも。クリアや光沢ありのときは、ここまで正面視での眉のラインに目が向いていませんでした。

全部重くても軽くても良いですし、どこかを重くどこかを軽くでも良いですし、ぜひお好きにどうぞ。それこそ、上の2年着用のメガネは、眉がクリアグレーのときはライトブラウンのレンズでカッコいいなぁと思えたんですけど。黒マットにした途端、個人的には鮮やかな青とかで軽快さを足したいなと、結局バランス取りたいなぁとか思いはじめています。

 

はじめまして
ヴィンテージのメガネ

24.09.11

こんな感じのフレームをはじめて拝見しました。生地の中にピラミッドスタッズです。表面は平らです。ベースの黒が凸にピラミッドで、上からクリアが貼り合わせてあります。

断面が。黒とクリアの境界が波線になっています。

生地を作る段階で、めっちゃ手間をかけていますね。これには感動しました。

明日は休みます
営業案内

24.09.09

明日9月10日(火)は月例の眼科さん出張の為、店は休みです。

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