特殊な事例syuuri

18.08.28

鼻盛り。O.P.です。

まつ毛が当たるとのことでしたので、高さの出るもので盛ってみました。上の麿みたいな金属は、元々の鼻パッドの足です。

切り取りました。外すと穴がぽっかり空いてしまいますから、根元は残しました。

このメタル足は、鼻パッドの高さ変更の幅がそこまで無いタイプです。取り付けてある抱きかかえのパッドは、見た目はクラシックで良いです。ただし、シリコンに変えるなどパッドの素材や圧を分散させるためにパッド面を変える手立てがあまり無いです。箱蝶なら沢山手数はあります。

今回はs-6.00くらいの強度数でレンズが重めなので、がっしりした土台を作るために、セル片でしっかりと鼻盛りをしました。裏からの見た目は犠牲にしましたが、逆に正面からの見た目はスッキリセル枠風になりますから、綺麗だと思います。

 

もともとのご相談はフィッティングがどうしても上手くいかないというご相談でした。今回、特に気を張っているのは、「フィッティングが合わなくて、頭が痛い、肩がこる」という問い合わせがあったからです。

度数を調べますと、

R:s-5.50 c-1.00 ax180

L:s-6.75 c-1.50 ax180

です。球面値が-1.25の違いなので、不同視では無いと安心していたらダメなタイプです。上下に関しては-1.75の開きがあります。また、光学中心に印点を打ち、顔に掛けてもらったところ、光学中心は下眼瞼やや上に掛かるところにありました。そうしますと、それは瞳孔の中心からおよそ6ミリ下に光学中心があることになります。この時、両目の高さが同じだと仮定して(本来はここを考慮して、レンズの高さを変えてある事が望ましいです)、遠方視で発生する上下プリズム量をざっくり考えてみますと、およそ1.1△です。常用視線で0.5△です。人間が違和感を覚えない上下プリズム量は0.5△くらいまでと言われています。計算上も、メガネが原因で頭痛がするということが値として示されました。

買ったばっかりで使えないのでは残念ですから、取り敢えずやれるだけやってみた感じです。一般的に、そもそも多くのお客さんにとって眼鏡屋に行く事が楽しいイベントでは無い以上、頭が痛くなる等々の訴えは、基本は真実です。修正は頼みにくいし、出来たら行きたく無いですし、行ってもササっと終わらせたい場合が殆どでしょうから、わざわざ事を大きくするという事は考えにくいです。ですから、まずは主訴からスタートして、それを分析し、分析に対して具体的にアプローチするということが必要になってきます。

最近は、ヴィンテージのメガネよりも現代のメガネに触れています。悩みです。

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