いい感じですzakki

21.08.20

まだ2章までしか読んでいませんが。読み始めからいい感じです。自由のための不自由論として理解していく、この始めの宣言のおかげで読み進めても目的を見失いにくいです。そして、以下の立場を取っているので、ここで紹介されている6名の方がブツ切りにカタログ的に紹介されているだけではないということが鮮明です。

p.78 第2章の終わり

(p.78 本書で取り上げる六人の哲学者はそれぞれ異なる顔をもつのだが、その立場の表面的な対立は総じて《世界のどの側面をクローズアップするのか》の観点の違いに由来する。そしてすべての立場は根本的には〈不自由〉への眼差しという点で共闘しうる。)

読んだことある割に、第1章の國分功一郎の『中動態の世界』の解説では、なるほどの連発でした。つまり、あんまり深く理解出来ていなかったのだなぁと感じました。あとは、やっぱり専門家すごいなぁってなります。

そして第2章では、前章で自由意志の存在が否定されたことを受けて、そうは言っても自由意志があるように感じてしまうこと、その整理みたいなものが付くように、青山拓央の『時間と自由意志』の紹介と解説が組まれています。オリジナルな部分の解説をしつつ、対立しているっぽく見えてしまう両者を繋げる(繋がることの説明?)流れは感動します。この辺の議論は、まさにブルバキとしても苦悶煩悶の繰り返す部分でして、読んで少し気が楽になりました。この前の時間論にも通じますが、無いと言われても、有ると思ってしまう私のこの心との折り合いがついていないんですけどみたいな部分をなだらかにしてくれます。

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