アーカイブ:4月2017

偶然の一致
雑記

17.04.12

2ヶ月に一回くらい来てくださるお客さんの話。推定50代の方です。お客さんといっても、1年間で未だ買って頂いたことは無いのですが…。話が面白いので、若干楽しみにしています。

たまたま本の話になりました。自分はまだ読んでいない本の話です。その方が、

「これは本物だよ。」

と言いました。おそらくそうなんだろうな、と思いましたが、その方は何をもって本物と判定しているのか気になりました。それを質問してみました。ひょっとしたら、嫌味な質問と捉えられる場合もありますが、純粋な興味ということを汲んでいただいただき、即答をしてくれました。

「20年経っても読まれていたらじゃない?」

この回答というのは、自分自身に尺度のない回答にも思われますが、きっとそうでは無いのだろうなと感じました。

私のメガネの師匠も、

「今、この自分だけで、良いか悪いか判断するなんて恐れ多い」

みたいなことを仰っていました。だから古い物が好きなんだよねとも。年齢を重ねていくごとに、謙虚さを積み重ねていく姿勢が似ていまして、そのお客さんの回答にも深く感動をした訳です。

そんなこと言い始めますと、いま目の前にある物を良いとも悪いとも言えないし、古い物しか評価出来ないのでは?ということになります。

なので、そこまで厳密に判断基準として当てはめなくとも、今目の前にあるもので、何が20年後に残っているのか?ということは、常に考えるようにしております。

視力至上主義
目のことレンズのこと

17.04.10

例えばですが、ある人が居て、その人は学生のときに勉強が出来た(=テストの点数が高かった)とします。それだけで、その人を素晴らしい人間と直ちに判断出来ますでしょうか?おそらく出来ないと思います。

世間では、「社会に出たら勉強なんて関係ない。学力よりむしろ人間力。」的なワードが飛び交っています。点数や数値では測れない何かを認めているわけです。

眼も同じだと思います。視力の数値が高い低いだけが、眼の良し悪しの全てを表現出来ているわけではありません。

いかんせん、人間ドックですら遠くの視力が高い低いのチェックだけで終始しているようなので、視力が高い=眼が良いというイメージを覆すのには、相当な時間がかかるのだろうなと思います。それか、マジョリティは変わらないかもしれません。

様々な機器を駆使するようになり、より一層、近方を長時間見続ける状況に晒されるようになりました。メガネの立ち位置も、視力矯正というより、視機能改善というふうになっていくのだと思います。ですから、店頭では若干冗談気味にお伝えしますが、全員度数のあるメガネを掛けさせたいというのは、割と本気です。何らかの改善を与える物としての役割に移行するように、ブルバキも頑張る所存です。

 

3年ぶりに判明したこと
ヴィンテージのメガネ

17.04.07

アメリカかと思ったら、おそらくドイツだったというだけの話です。

先日販売した眼鏡です。個人のコレクションで持っていたものです。40◻︎20-125(レンズ横幅40ミリ、鼻幅20ミリ、テンプル長125ミリ)くらいしか無いので、相当小さいです。今のメガネのサイズに当てはめますと、小学生用のメガネと同じくらいのサイズ感でしょうね。

元々、古着屋さんにころがっていた物を直して所持していました。金張り(1/10 12KGF)で、金の状態はそこそこ良かったのですが、鼻パッドのアームの破損と、先セルの劣化があり、悩んだ末にまあまあの値段で買いました。3年以上前の話です。鼻パッドのアームは、現行のメッキのパーツをレーザー溶接で付けています。先セルも新品の透明に替えました。リムにもプレスで彫金が入った、綺麗なメガネです。

直してまで所持しようと思った理由としては様々あったわけですが、一番の理由はノミネジが搭載されていたことです。この雰囲気のメガネですと、スパルタ智が圧倒的に多いのですが、これは珍しく一個智でした。その一個智に、さらにノミネジ(レンズどめネジを横から止める役割の、非常に小さなネジ)が搭載されている物は、この雰囲気の物で見たことがなく、妙に惹かれたのを記憶しております。メガネのサイズは、自分の顔面ですと装用には小さすぎて、本当にただ持っているだけの3年でした。

(上はリムネジ。下はノミネジです。爪楊枝と比べると、相当小さいことが分かります。)

一個智にしてもノミネジにしても、工作機械の精度がいるようなパーツです。40年代ということは無いにしても、金張りの厚みとレンズサイズから60年代までの物だろうなと考えておりました。鼻パッドは、有色ですがベークライトでは無さそうというのも、判断の根拠にしております。

今日まで、金張りの記載形式などで、アメリカ物だろうなと思っていましたが、今日になってドイツと判明しました。ドイツであれば、ノミネジが搭載されているのも頷けます。

(このメガネのおかげで、ドイツと判明しました。)

お客さんのお持ち込みのメガネを、レストアしているときに偶然判明しました。店で各パーツを磨いていたのですが、鼻パッドの芯に打刻されているマークが、あのメガネの有色のパッドの裏についているマークと同じでした。真ん中が突き出したMのマークです。

結果、ドイツのマルヴィッツでした。これで自信を持ってお客さんにお渡し出来ますし、あれこれ勉強になったので良かったです。国とか年代の判断は中々難しいわけですが、ある程度の根拠の寄せ集めで判断を下す場合があります。

特注品のご紹介
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.04.06

SPMの特注品を2本作りました。

通常は、鼻パッドなしのプレーンなメガネでした。上がそれです。

ブリッジを外し、ブリッジ足を切断して高さ調整し、鼻パッドをとりつけて、仕上げに手巻きのセル巻き仕様にしてみました。手でセル巻きを作る方も、今は一人しかいらっしゃらないので、皆さまにご紹介したいなと思い、作ってみました。

特に、鼻パッドをつけましたので、女性にもオススメです。

営業案内
営業案内

17.04.05

本日4月5日(水)ですが、ちょっとだけ在廊が遅くなります。新商品レンズの説明会に行きます。13時頃には店舗に居られるようにします。

なお、アナログさんは通常通りの開店です。メガネも、通常通りご覧になれます。

以上、何卒ご容赦下さいませ。

100分で名著
雑記

17.04.03

NHKの番組「100分de名著」ですが、今日から三木清さんの人生論ノートが題材になります。ちょうど、読みたいなと考えていたところでしたので入門として、文庫本を買う前にテレビとNHKテキストを見ようと思っております。

テキストをちょっと読んでみましたが、20ページくらい読み進めた段階で、すでに実感を持って頷いてしまった箇所があります。以下に綴ります。

 

メガネでも服でもそうですが、オシャレになりたいとかカッコよくなりたいとか可愛くなりたいと思って買うと思います。メガネは、視力矯正の側面は一旦無視して、ファッションの面だけに注目します。

では、それらを買い、身につけることによってオシャレさ、カッコよさ、可愛さを手に入れたとします。それは自身にとって成功なのでしょうか?または幸福なのでしょうか?この問いは、必ずしも成功=幸福とはならない、ズレから生じています。

「あれなら自分にも出来る」と思えるのが成功であり、「各人においてオリジナルなもの」が幸福であると、テキストでは書かれています。色々な文脈をすっ飛ばして引用していますので、納得感が少ないかもしれませんね。テキストを本屋で見てみて下さい。

オリジナルということを自己満足と捉えるのか自己肯定感と捉えるのか、どちらでもいいことですが、特にオシャレという言葉の意味するところが、様々なお客さんとお話しする中で分かれている気はしていました。幸福を目指してオシャレするのか、成功を目指してオシャレするのか、という差異だった訳ですね。だとしますと、ブルバキは、、、お店で聞かれたらお答えします。

彫金の具合
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

17.04.01

銀無垢のオリジナルフレームです。使って半年ぐらいです。

たまに磨いておりますので、黒く燻された状態ではなくて、茶色の淡いくすみを保っています。

写真の質が良くなったので、手の彫金の具合もちょっと分かりやすくなったと思います。

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