2ヶ月に一回くらい来てくださるお客さんの話。推定50代の方です。お客さんといっても、1年間で未だ買って頂いたことは無いのですが…。話が面白いので、若干楽しみにしています。
たまたま本の話になりました。自分はまだ読んでいない本の話です。その方が、
「これは本物だよ。」
と言いました。おそらくそうなんだろうな、と思いましたが、その方は何をもって本物と判定しているのか気になりました。それを質問してみました。ひょっとしたら、嫌味な質問と捉えられる場合もありますが、純粋な興味ということを汲んでいただいただき、即答をしてくれました。
「20年経っても読まれていたらじゃない?」
この回答というのは、自分自身に尺度のない回答にも思われますが、きっとそうでは無いのだろうなと感じました。
私のメガネの師匠も、
「今、この自分だけで、良いか悪いか判断するなんて恐れ多い」
みたいなことを仰っていました。だから古い物が好きなんだよねとも。年齢を重ねていくごとに、謙虚さを積み重ねていく姿勢が似ていまして、そのお客さんの回答にも深く感動をした訳です。
そんなこと言い始めますと、いま目の前にある物を良いとも悪いとも言えないし、古い物しか評価出来ないのでは?ということになります。
なので、そこまで厳密に判断基準として当てはめなくとも、今目の前にあるもので、何が20年後に残っているのか?ということは、常に考えるようにしております。