アーカイブ:4月2018

タート枠入れ
ヴィンテージのメガネ

18.04.18

無事に完了しました。クラウンガラス、ノンコート、クリアです。3プリズムずつベースインしております。内側が相当分厚いので、多めに面取りを施し、チップが入らないように、また美観を損なわないようにしております。鼻盛り済みです。

 

一応、デスク作業メイン用です。

近方の輻輳不全でした。AC/A比が1.5△/+1.00ですから、ピント調節に伴う目の寄せが全然起こりません。それだけではありませんが、あれこれ重なって目が寄らない、調節反応が弱いという症状です。遠方も遠視性倒乱視ですから、調節が頻発して疲れやすいタイプです。

測定と、理論と、仮枠での実感から、思い切ってレンズに組み込める最大のプリズムの値を処方です。こういう方は、遠近両用となるとフランクリンバイフォーカルの出番です。累進レンズが難しいタイプの方です。

お持ち込みのタートでした。半世紀以上前のタートに、最新の光学理論が詰め込まれているというのが堪りません。やりきった感があります。

生命の弾み
雑記

18.04.17

お客さんから、クルミを頂きました。初めて、硬いまんまのクルミを手に取りました。

割る器械が無いので、電動カッターで切削しました。脆く無いのでカッターの刃が中々通らずに苦労します。割ってからも、ご覧の構造ですから、スルンっと取り出せることもなく、どこまでも中の実を守る構造になっており、感動します。これからは、クルミを大事に食べることになるでしょう。

ちょっと前に読んだ、ベルグソンの「創造的進化」における、生命の弾みの考え方が、何となくこのクルミのおかげで分かってきました。

いきなりクルミが誕生したわけではなく、何かから進化したその結果として今のクルミが存在するならば、その過程の初めから終わりまで、ずーっと表面を硬く中身を取り出しにくくすることを目指して進化し続けてきた訳です。硬かったり柔らかかったりを世代ごとに交互に繰り返しちゃって、中途半端になっていないですし、そのリレーはよくよく考えれば凄いことですね。

そこまで考えますと、次はメガネ全体の弾みがどのように方向付けられているのか気になります。ブームともちょっと違いますね。メガネの理想は何だ?みたいな話ですから。

代替品
修理とメンテ

18.04.17

ネジを変えました。正確には、テンプルを止めるネジ4本のうち、3本が無かったので、新たに作りました。ただ、同じ条件のものが供給品から見つけられず、近い物から作っています。

頭径と、ネジの径は一致しました。プラスネジは嫌だったので、妥協して六角です。長さは、長すぎます。ただ、これは変更出来ます。

元々は、ツーポイントフレームのレンズ留めネジです。長すぎです。

ニッパーで切った後です。

ネジ先面取りをしながら、欲しい長さに切削します。分かりづらいですが、カットしたネジ先の角が取れています。これでスムーズに入ります。

チューリップみたいな、内側がギザギザなこれで面取りをします。特別難しい作業ではありません。当てるだけです。

カザールのこのテンプルの作りは、相当あります。そして、大体ネジが緩んでいるか、既に紛失しています。おそらく生地が縮み、ネジと隙間ができて、緩んで抜けちゃうのでしょうね。流石に3個無いのは珍しいですが、1個無いとかよくあることです。

開き調整
ヴィンテージのメガネ

18.04.14

タートのお持ち込み。店では取り扱い無いです。そう言う意味では専門外ですけど、メガネとしては専門なので承ります。

上の写真は、ヤスリを入れて開きを増やした後です。フロント幅140ミリ程度ですから、少なくとも日本人、男性の平均で160ミリはテンプルの開きを増やさないといけません。

左蝶番の開き前です。写真は小さくてわかりにくいですが、テンプルの先しかフロントに当たっていません。そもそも当時は綺麗に仕上げてはいませんし、そこが復刻と当時物の構造としての大きな違いです。掛けたときの粗野だけど収まりの良い柔らかな雰囲気が醸し出される秘訣だったりします。

蝶番の左右が変わってしまっていますが、右の開き後です。あとは、熱を加えて適宜テンプルにアールを付け、掛け心地をさらに良くします。

開くと同時に、開閉部分が面で当たるようには修正します。元々の状態が、テンプル先だけでフロントと接しており、開閉を繰り返すとテンプル側のプラスチックが欠ける可能性がある為です。ただし、前述の荒々しい良さみたいな要素は残さないといけませんから、そこも配慮しています。

自分のメガネ
雑記

18.04.14

この前の、薄いミラーがカッコ良かったので真似してみました。

いつもは、レンズで茶色を提案するときはフェアブラウンと呼ばれる、グレーっぽい茶色を選択します。今回はフェアマロンの15%にシルバーミラーをかけています。マロンは同じく茶色ですが、結構赤が強いです。想像以上に赤いなという感想ですが、フレームの縁取りもそんな感じの茶色なので、今回は色合わせでたまたま良かったです。

ミラーの苦手意識がありましたが、これなら程よくギラついて良いと思います。カザールにミラーのレンズを入れたら、服とかでどう頑張っても凄い怖いひとになってしまうのかなと不安もありました。実際はミラーが薄ければ問題なくいけますね。

ピンクミラーも気になります。見た目もそうですし、理論的には、ピンクミラーだと暗いところで明るさを認識しやすくなるはずです。ゆくゆくはその辺も含めて試してみたいと考えています。レンズメーカーですと、ニコンがその辺を積極的に打ち出して販売しています。

 

鼻幅24ミリ
修理とメンテ

18.04.13

現行品だと、鼻幅24ミリといえばモスコットのレムトッシュがありましたね。ちょうど鼻盛り依頼で手元にありました。

サイズは44□24ミリです。おそらく、22ミリだったとしても、男でも下がり気味になります。ブリッジ24ミリ、要は24ミリのレンズとレンズの幅は、まず顔に乗っけるには鼻パッドに何かを施さないと難しいです。その上でさらにズレないようにするには、正しいフィッティングが必要です。

逆に店頭で良くあるのは、ブログを読んでいらしゃって、メガネが下がるので鼻盛り依頼でお越し頂きましたが、実際は鼻幅は問題ないパターンです。側頭や耳のフィッティング不良というタイプで鼻盛り不要です。色々な要素があってメガネは顔に乗っています。

まだ、磨く前です。明日以降、乾いてから磨き、完成です。

セージカラーがけっこう良いですね。初めて見ました。まじまじと観察出来て満足です。

在庫品の修正
修理とメンテ

18.04.13

イギリスから届いたフレームです。刻印無いので、国籍不明です。イギリスから届いたからイギリス産なのか、生地の色や刻印が無いことからフランスと予測するのか。イギリスであれば、NHSの刻印が無い為、それなりなちょっと良いメガネとして販売されていた物であるはずです。ただし、作りの粗雑さやフレームの特徴の無さから、どうもそれもしっくり来ない判定です。レンズサイズ、レンズの縦横比、蝶番の作りから察するに、60年代後半から70年代頭ごろかと思います。

ブリッジ幅24ミリです。目と目の距離がやや開き気味の方には、目とメガネのポジションは適すると思います。瞳孔間距離67ミリ〜69ミリくらいですかね。ただし、このままでは日本人の鼻幅には合いません。つまり、ちゃんと顔に乗りません。

在庫分ですが、時間がありましたので鼻盛りを行なっています。

これで大体20ミリくらいになりました。

かなり粗雑です。日本のフレームではまず出てこない作りですし、それがまた良いこともあります。

AO等々のアメリカ物にあるフロントとテンプルの合わせ方です。板と棒が組み合わさっただけの、工程を省いたまさにシンプルな作りです。

蝶番金具も真っ直ぐ取り付けられておらず、その為、シューティングの芯も均一にセル生地の中に入っていません。

ただ、生地の色味などが組み合わさって、何とも言えない風情があります。

マーベル展
雑記

18.04.12

名古屋市科学館のマーベル展、予想以上に良かったです。第二次世界大戦時のキャプテンアメリカのスーツが、カッコ良かったです。

なんで科学館なんだろと思っていましたが、最後の展示で分かります。それぞれのキャラの特徴を、現代の科学による分析をしたり、それの関連情報を紹介しています。

特に感動したのが、IBMの映画です。原子1個1個を完全にコントロールして映画を作っていました。題名を忘れましたが、そう言う時代なんだなと感心しきってしまい、2回見ました。撮れると言うことは、原子一つを取り出す行為が可能ということですから、電子顕微鏡の存在の時点で、その行為が可能なことは、ほぼ自明なことなのかもしれません。門外漢なので詳しくは分かりかねますが、それにしても驚いてしまいました。それに、巨大な企業の行う、本気の遊びにも改めて感心しきりでした。

最近は木曜日も休みだそうです
雑記

18.04.12

念願の、幸のカレーを食べることに成功しました。池下です。住宅街ですが、周辺にコインパーキングがちらほらありますので車でも行こうと思えば行けます。駅からも少し距離がありますから、ベストは自転車でしょうね。ブルバキから、自転車で30分くらいです。

今週は、たまたま昨日が休みだったため、本日の木曜日も開けた見たいです。2連敗するところでした。ラッキーです。

カツカレーのカツダブルが基本と噂を聞いていましたが、そうでも無いみたいです。次は大盛りに挑戦したいです。多分、盛り盛りは無理です。

YSL
ヴィンテージのメガネ

18.04.11

80年代のイヴ・サンローランです。製造は日本です。羨ましいくらいに、其処彼処にデザインが詰め込まれています。何でも形になってちゃんと売れた、80年代の良さに溢れています。デザインする人も作る人も掛ける人も、皆楽しかったんだろうなと想像出来ます。

リムのデザインも強烈です。s-1.00くらいの弱い近視であれば、ギリギリ度付きも出来そうです。レンズを外したら、爪の部分が折れそうで怖いです。

この時代によくある、ウネウネのテンプルです。ウネウネさえしていれば、とりあえずカッコいいという感覚があったのでしょうか。個人的にはかなり好きなデザインでして、例えば現代でマイキータやアイシーベルリンのような、シートメタルのフレームでウネウネしていたらちょっと欲しいと思っています。

あとは、前も書きましたが、ロゴのデザインがカッコいいです。

メタルのツーブリッジは確かに流行っている実感がありまして、男は年末から、ほとんど販売はツーブリッジです。ただ、セルとなると難しいでしょうね。

今日気づきましたが、おそらくベンジャミン・ボーナスがこれを掛けているようです。これで、絶対売れないなと観念しております。ちょうど、完成度の高さから販売するかどうか迷っていましたので、迷いが消えました。

_170831bk

pageTopLink