アーカイブ:4月2018

大きい四角の眼鏡
ヴィンテージのメガネ

18.04.30

イギリスから、30本くらいフレームが届いております。ようやくレストアに着手です。

まずは、自分が気になる一本から。レンズサイズからすると、70年代に入っているかもしれませんが、作りからすると60年中頃の線もあります。フランス製です。薄い青を入れました。

テンプルは芯なしです。この年代でシューティングが入っていないのは、久しぶりか初めて見たかもしれません。綺麗ですが、フィッティングは苦労します。

精緻さはありませんが、粗雑さが良い方に働く場合もあります。蝶番のカクカクした感じは、野暮ったさを消していて良いです。

時代が進み、どんどんデコラティブになると、その極みがカザールという感じでしょうね。607のレジェンドと比較すると、蝶番のカクカク具合や、形状に近さを感じます。

大きいスクエアフレームは、全く流行る兆しがありませんが、結構好きで集めています。それこそ、カザールまでいくとやり過ぎと感じてしまう場合は、このフレームならしっくりくると思います。ツーブリッジのメガネに類似した、ナードな感じが演出できます。

特注染色
目のことレンズのこと

18.04.29

業界では特注のレンズ染めを見本染色と言います。通常、レンズに色を入れる場合は、各社共通の色味(アリアーテトレス)か、それぞれ独自で開発した色から選択します。

しかし主に以下の場合は、特注で染色をしなくてはなりません。

①どのカラー見本にも無い、オリジナルの色で染色したい

②違うレンズメーカーの色で、発注したレンズ生地に染色したい

①も②も、工場に目的となる色の見本を送ることで、特別に染色していただけます。見本染色自体は、おおよそどのレンズメーカーも受けてくれているはずです。この文化は日本だけなのかは分かりかねますが、レンズの色を最大限楽しむには見本染色をするといいと思います。

前回ブログに載せたのは②に該当します。今回の見本染色は、①です。①で、しかも見本とする色をレンズではなくて、プラスチック片で指定しました。

鼻パッドの黄色が、スパーキー過ぎず野暮ったくもなく、絶妙というところで、まさかの黄ばんだ鼻パッドを見本にするという無茶振りをメーカーにしました。染色の後、ゴールドミラーを掛けております。

ミラーによる補色の関係で、見る方向や照らす光の色の影響を受けます。条件によってはグレーっぽい青のレンズに見えます。ミラーが無ければ、ほぼ色味は一致するはずです。ちなみに、アリアーテトレスでスパーキーイエローがあります。それは蛍光イエローっぽいです。

染色の技術はすごいです。ホヤのリンクを貼りますので、お時間あればどうぞ。

https://www.vc.hoya.co.jp/tetsugaku/20160205-1.html

休まず営業の予定です
営業案内

18.04.28

5月4日の木曜日も、休まず営業します。その予定です。

ゴールデンウィークだからといって、特に何もありません。平時が、さらさらと流れています。

特に何もやらない理由としては二つあって、その一つは理由の95%を占めておりますが、そもそも友達がいない、即ち何かを臨時で実行できる人が自分の電話帳に載っていないという理由です。もう一つ、残りの5%としましては、ゴールデンウィークしか来れない人にも、いつもと同じプロセスを提供したいという理由です。カッコつけるとそんな感じです。

 

在庫品
ヴィンテージのメガネ

18.04.25

初期レンズが紫色で、妖艶過ぎましたので変えました。グレーの濃度50%、ハードコートです。ミラーでは無いです。

やや濃度を落とす代わりに、レンズ形状をフラットにして不気味さが残るようにしております。ただ、昨今の細長いサングラス(レンズは目が見えないくらい濃い)の潮流からしますと、レイバンG-15の濃い緑を用いまして、それなりに怪しくしても良かったなと思いました。後悔はしておりませんが、それくらいのすり寄せはしてみても良かったかもしれません。

ちょっとふにゃふにゃが過ぎます
修理とメンテ

18.04.25

第二次世界大戦以前だと思います。金属の鍛えが足りなくて、ふにゃふにゃです。

お持ち込みのフレームです。普段であれば、入荷に紛れていればディスプレイで使います。お店によりますが、ブルバキでは販売しません。ただし、今回のように、ひいおじいちゃんのメガネを自分用に掛けてみたい等々のご要望であれば、出来る限りは叶うように尽力します。

型崩れが著しいです。

カシメの鼻パッドを交換しました。パッド面を大きくして、とにかく少しでも掛け心地を改善します。フレーム側もパッド側の金属ブロックも共に切削をし、取り付け箇所の大きさを整えることで何とか取り付けることが出来ました。カシメを行う際に、衝撃でロー離れしないかヒヤヒヤします。

CR -39でデモレンズを作り、一旦嵌めてみました。ガタガタです。特殊かつ簡素な作りでして、セルのリム部分を金属部品で4カ所握っているだけです。ねじ止めしておりませんから、レンズを入れて内側から圧をかけても多少フレーム全体がうねります。ヤットコで摘んで握りを強くするくらいの対処にとどまっています。

ロー離れ、リム切れに注意して型直しを行うと、トップの写真のあれになります。何だかんだ相当時間を費やしました。後は度付きのレンズが来るだけでして、ここまでが下処理です。

先日の日報
雑記

18.04.24

先週の土曜日は、休んですみませんでした。おかげさまで、勉強出来ました。

数学における普遍性の変遷を辿る回でしたが、それは数学に関わらず当てはまるなと思いました。普遍性が時の流れとともに変わるというのも、何だか馴染みにくい話ではありますが、言われてみれば確かにそうだなあと気づきます。

また、店でメガネから話が逸れたら、その辺のことも喋ります。上手くここでかけるくらいに、自分でもしっかりと理解が出来ているわけではありません。ちょうど、自分の店に対してそんなようなことを考えている最中でしたので、納得が出来ていないだけかもしれません。

 

良い感じでした
ヴィンテージのメガネ

18.04.23

度付きのサングラスです。

カラーは、度なしレンズ専門メーカーから取り寄せた色を元に、レンズ工場で特注しました。業界では見本染色と言いますが、割と普通なことです。プラスチック片でも、それに準ずるものであれば、近似色を作り出せます。

通常の度付きレンズで実現可能な青の色味ですと、濃度50パーセントが限界です。薄っすら目が透けて見えます。今回のオーダーは、ポータークラシックさんが打ち出している感じで、小さいレンズの丸いメガネに、目が寄って見えるくらいの濃い色という事でした。透かすと薄く見えますが、これで大体濃度80パーセント以上です。

明日21日の土曜日は休みます
営業案内

18.04.20

すみません、明日21日の土曜日は臨時休業します。以前聴講した数学の講演が、まさかの続きモノでした。どうせなら最後まで聴き切ってやろうという所存です。ご迷惑をお掛けします。

メガネも数学も、他でも何でもいいと思っています。必ず何かしら共通の考え方みたいなものがあって、最終的には全部似ていると考えています。

なので言い訳としましては、メガネのために聴いてきます。研修扱いです。

22日の日曜日は通常営業です。21日と22日は、東別院でアンティークマーケットもあるみたいです。ぜひ名古屋へお越しください。

アブアブ
雑記

18.04.20

何故か、アニメ版の弱虫ペダルは見ています。自転車モノをです。漫画は読んだことが無いです。根気よく見続けたアニメはピンポンとそれくらいです。

久しぶりに、昨日は家で2ヶ月分くらいの撮りためたものを見ていました。とにかく凄かったです。様々な角度から。

登場人物の名前は覚えていませんが、ライバル校の主将がスプリントで興奮すると「アブアブ」言います。私のアブアブを聞きたいか?的なセリフもあったはずなので、卓球でいう「サーっ!!」的な、自覚のある掛け声なんだと思います。この時点でキャラ設定が際立っています。

その主将の回想シーン、まだキャプテンになりたての頃が映し出されます。チームをまとめる責務を負い、それをそつなくこなしていたところで、つぎのような感じで述懐します。

「最近アブアブ言って無いな…」

はじめは、そのシーンでかなり笑いました。アブアブが足りている足りていないがあるんだ…という引き気味の驚き混じりです。ただ、よくよく考えますと、このシーンはズシリと重い何かがあります。特に、このブルバキに当てはめますと、それは相当な重さです。ブルバキにとってのアブアブとは何か、そしてアブアブ言えているのかどうか…。

ちゃんと自分の主導権を自らが握り、その上で自己実現に向かって全力が出せているか、もしくはその機会が作れているかどうか。アブアブという響きの強烈さで隠れていましたが、そのセリフの構造自体は真理を突いている気がしました。そういう、ハッとする場面がちらほらあって、それで見続けているのだと思います。

トムフォードの鼻盛り
修理とメンテ

18.04.20

今月は、新品・現行のメガネを触っている時間の方が長いです。もちろん、古いのも新しいのも原理は同じですから、私でよければ見ます。

トムフォードのお持ち込みです。ラインが細くて、なかなか綺麗なフレームです。先頭の写真は、鼻盛り、磨き後の状態です。

4年くらい前のものということで、おそらくアジア用の鼻盛りになる前のトムフォードです。フレームの鼻幅が15ミリですが、ほとんど高さを出しておらず、まつ毛に当たったり頬に乗っかります。

はじめの状態ですが。全体のくすみもありますので、鼻盛りで磨いた後に、他の部分の磨きも一気に行います。

磨くと、茶色の赤っぽさが復活しました。鼻盛りは乗せたらこんな感じです。乗せる土台が細く小さいので、はみ出す部分を削り、磨きこんでいます。

レンズサイズの再調整も行なっております。右が0.2ミリ、左が0.4ミリ大きかったです。大体です。リムが細く、プラスチックのレンズであれば温めずに簡単に枠入れ可能なフレームです。今後も長く使うことも考えて、砥石でジャストを狙って削りました。

また、全体を美しく見せる為、レンズの縁の面取りを増やしました。はじめの段階で、手で面取りを行った形跡があり、そういうメガネは久々でした。いまの主流は面取りを施さないか、オートでチョロチョロと角を取っているくらいです。フレームやレンズの大きさ、度数に合わせて面取りを行うことで、レンズが薄く見え綺麗に仕上がるんですけどね。

最後は、バネ切れ起こさないように注油して終わりです。色々なメガネを並列して使うのは、楽しいことですし、その手伝いが出来れば幸いです。

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