アーカイブ:11月2018

ご連絡ください
修理とメンテ

18.11.30

バネ蝶番の修理から戻ってきました。今回はネジ穴が切れていますから、箱ごと交換です。かなりの大仕事だったと思います。

熱を加えたり、カッターの刃を長い時間当てすぎると、熱で周囲のセルが融けるはずです。それをせずにバネの箱だけを綺麗に取り除き、新しい箱を取り付けております。セルの磨きはこちらで行なっています。

これから鼻盛りと、レンズの交換の予定です。

そして、やはり電話が1コールで切れます。繋がりません。見ていたら連絡ください。その後に、上記の行程を進めます。

よろしくお願い致します。

特に上手く出来た
修理とメンテ

18.11.30

相変わらず眼鏡の鼻盛りです。もはやルーチンワークです。何かしら盛っています。

特に上手く出来ました。ここ3年くらいの手法を反省して、自分の手順の中でダメっぽい癖を直したところ、途端に調子が良いです。

引っ越し云々で店をかなり休みましたが、眼鏡にとって良い側面もありました。

外蝶番
修理とメンテ

18.11.30

ボストンの、可愛らしい小粒なメガネ。蝶番金具が外付けです。それも含めて、60年代ごろと推定されるフレームです。

写真は修理後です。外付け蝶番の場合は、以前も書きましたが、緩みやすいガタつきやすいという欠点があります。また、よくあるパターンが、蝶番にホコリが入り、開閉が硬い状態で無理やりテンプルを曲げると、金具が曲がります。今みたいにステンレスではなく真鍮で、少々柔らかいのかピンが打ってある箇所から外側にかけて曲がっている場合が見受けられます。今回もそんな感じです。

とりあえず、限りなく薄くしたクリアのセル板を突っ込み、溶剤を流し込みます。

ピンを外し、金具を新しいものに変え、一回り大きいピンで打ち直す方法もあります。これは、一回り大きいというところがポイントでして、それ故に打ち直した時に穴に亀裂が入る可能性もあります。今回はそれをパスして、思いつきを試してみました。

あとは、一晩寝かせてくっついたら、腕とフロントが合わさる部分を綺麗にヤスリがけしておしまいです。割と分からないくらいまで綺麗になっています。

ヌーヴォー
雑記

18.11.30

新栄町の駅から直結で行けるヤマザキマザック美術館ですが、そういえば行ったことなかったので、昨日行ってきました。

 

ヤマザキマザック所蔵の、アール・ヌーヴォーの家具類が凄すぎます。浅井忠とリンクさせて展示しているはずですが、ヌーヴォーが強すぎて、感想は全部ヌーヴォーに持ってかれます。個人的には、ヌーヴォーが前に出過ぎ感も少々ありましたが、そうは見られるものではないはずなので、満足しました。

2.5メートルくらいある食器棚とか、どうやって運んだのか、送料だけでも相当でしょうね。そりゃ、ぐいぐい見せたくもなるでしょう。今まで他所でもガラス細工や標準的なサイズの棚は見たことがありましたが、ダイニングの部屋丸ごととかは初めてでした。圧倒されて腰抜かしました。

何となくですが、アール・ヌーヴォーのイメージは有機的で親和性が高くて柔らかい雰囲気がある等々でしたが、本気のヌーヴォーは、ちょっと尊大な感じで畏怖を覚えます。

日々の諸々
雑記

18.11.27

価値観の話になりましたが、確かにと思ったのは、選ぶものが一緒だからといって、同じ価値観とは限らないということですね。ものは考えようで、選ぶものとか具体的な表現があまり一致しなくても気にすることは無いってことにも繋がりますから、ある意味それは救いです。

 

珍奇眼鏡
ヴィンテージのメガネ

18.11.27

今回の入荷分より。八角形の、程よくレトロでいい感じのフレームの上部に謎のバーがくっついています。ツーブリッジとサーモント眼鏡を合体させたような、謎の塊が上に乗っかっています。

ネジが見当たりません。おそらく接着剤か樹脂で固定でしょう。眼鏡好きな方なら、何となく伝わると思いますが、ウォルフガングプロクシュ感が強くてカッコいいと感じてはいます。ただ、あまりにも唐突に、フレームの華奢さを搔き消す塊が乗っかっているというところが、カッコイイだけでは終わらせない、面白さも含んだ、いい眼鏡だなと感じております。

ヴィンテージの眼鏡というカテゴリーがまだまだ新しい為か、古ければ古いほど価値があるという尺度しか許されていない雰囲気があります。もう少し経って、それぞれの年代の面白い箇所をおさえていくことがヴィンテージの醍醐味みたいにならないかなと、たまに願っています。

とりあえず80年代は、ブランドのライセンス物が、それぞれに個性が強すぎて面白いです。

おそらく今年最後の
ヴィンテージのメガネ

18.11.27

昨日、入荷がありました。11月は碌に稼動もしておりませんでしたが、入荷をさせてしまいました。

昨日の夜と、今日の半日使ってレストアをまず一本。相当磨きに時間がかかりました。イギリスの60年代のブローです。

個人的に大好きな、挟み込んだフィルムで艶がとても強く出るタイプの生地です。ボーリングの球みたいなマーブルの光沢が特徴的で、しかも渋い茶色です。布だと、ビロードに近い風合いです。

表面に細かい筋がありましたが、ヤスリで全て削ぎ落としております。ぬるま湯につけて爪で引っ掻きましたが、セルが削がれるようなこともなく、中は健康でした。少なくとも4時間はかけましたが、ちゃんと提供できる物でした。報われました。

ちょっと残念なのが、リムにやや緑青があって、下弦にちょっとした腐食があります。とりあえずそのままお見せしますが、嫌な場合はメッキをかけて、リダン的なこともします。

鼻パッドの無いブローも、なかなかカッコいいです。レンズは横幅48ミリで、今の時代の商品と変わらないくらいの大きさです。

模様について
メガネのはなし

18.11.26

この前の古書市にて。

この本に関しては、古かろうが新しかろうが、私にとってはあんまり関係ないかもしれません。模様について、ずっと追い続けていないので。

会場に雑多に置いてあって、たまたま目に入り、買いました。1968年の本です。本当に、日本の模様についてだけ書いてあります。

 

これに関連して、無垢のメガネに対し、彫金を入れて販売したケースは少ないです。一番のネックは価格だと思います。そもそも彫金という言葉が界隈で乱用されていますが、辞書的な意味では手彫りのみを指しています。一般に出回っているメガネは、基本、彫金風のプレス模様です。近い例ですと、鼈甲と鼈甲柄のセルが挙げられます。もし本鼈甲なら桁が一つ違います。手彫りもそんな感じです。どの分野でも、なんでもそうなんでしょうけど、日本人が頑張って一つ一つ面倒見始めたら、ああいう価格帯では難しいです。

 

カッコいい・カッコよくない、そういう観点で捉えようとしますと、おそらく彫らない方がカッコいいです。プレーンが程よいです。

好きなもの、好きな服、好きなメガネ等々を訊ねると、多くの方が「シンプルなもの」という返答をします。シンプルという言葉は素朴さと結びついており、何もない素朴が一番カッコいい時代であることは確かだと思われます。

そういう時代ですから、敢えて高いお金を払ってまで、時代にそぐわないカッコ悪さを手に入れるような行為をするということが、稀有なのは仕方がないことでしょうね。ただ、カッコいい・カッコ良くないだけでは物足りない気がするのは、何となく皆さまも同じだと思っています。

木金土は休みです
営業案内

18.11.21

今週の木金土は休みです。お客さんには伝えておりましたが、あれです。通過儀礼です。

ということで、11月はまともに営業出来なくてすみません。来週からは、ようやく安定するはずのブルバキを宜しくお願い申し上げます。

レンズ形状変更
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.21

スターリングシルバーと14kのホワイトの組み合わせのメガネ。以前もご紹介しておりますが、その時と違って、レンズ形状を変更しました。レンズ色も、アンバー系にしております。あれこれ悩みに悩んで、70年代のイスラエル製のセルフレームから形をトレースして製作しております。枠無しであれば、多少奇抜な形でも、輪郭が曖昧なのでボヤけます。気づかれにくいです。

枠無しであれば、無理のない範囲でレンズ形状が変えられます。

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