この前の古書市にて。


この本に関しては、古かろうが新しかろうが、私にとってはあんまり関係ないかもしれません。模様について、ずっと追い続けていないので。
会場に雑多に置いてあって、たまたま目に入り、買いました。1968年の本です。本当に、日本の模様についてだけ書いてあります。
これに関連して、無垢のメガネに対し、彫金を入れて販売したケースは少ないです。一番のネックは価格だと思います。そもそも彫金という言葉が界隈で乱用されていますが、辞書的な意味では手彫りのみを指しています。一般に出回っているメガネは、基本、彫金風のプレス模様です。近い例ですと、鼈甲と鼈甲柄のセルが挙げられます。もし本鼈甲なら桁が一つ違います。手彫りもそんな感じです。どの分野でも、なんでもそうなんでしょうけど、日本人が頑張って一つ一つ面倒見始めたら、ああいう価格帯では難しいです。
カッコいい・カッコよくない、そういう観点で捉えようとしますと、おそらく彫らない方がカッコいいです。プレーンが程よいです。
好きなもの、好きな服、好きなメガネ等々を訊ねると、多くの方が「シンプルなもの」という返答をします。シンプルという言葉は素朴さと結びついており、何もない素朴が一番カッコいい時代であることは確かだと思われます。
そういう時代ですから、敢えて高いお金を払ってまで、時代にそぐわないカッコ悪さを手に入れるような行為をするということが、稀有なのは仕方がないことでしょうね。ただ、カッコいい・カッコ良くないだけでは物足りない気がするのは、何となく皆さまも同じだと思っています。