アーカイブ:11月2018

70’s フランス
ヴィンテージのメガネ

18.11.06

おそらく、以前もご紹介したかもです。もう一回します。販売となりましたので、記念に。

生地の透明感が、大きめなレンズの存在感を和らげています。少々歪な作りも、カッチリとしたスーツみたいな雰囲気を出さないことに貢献しております。同じような生地のとか、安っぽくならない歪さとか、狙って出せる風合いではありません。偶然の産物でしょう。それこそ、いつの日かオリジナルで作りたいとも考えました。しかし、おそらくそれらの要素は再現不能でしょうし、下手すればのっぺりとした、ただ大きくて四角いフレームが出来上がる予感がしましたので、ヴィンテージ品をそのまま販売しました。レンズはブラウンの15パーセントです。

レンズの形も大変良いです。ただの四角です。ブリッジの厚み、それに対比してリムの細さ。何だかんだ色々計算され尽くした感があります。良いメガネでした。

フラット25
目のことレンズのこと

18.11.06

ジュリウスタートのお持ち込み。レンズ枠入れ。

ガラスと迷っていましたが、色とコーティングの反射を重視するという話になりまして、プラスチックのフラットレンズ、ネイビー25%の全面染色にて承りました。ハードコートです。正面の反射は、ミラーにも負けないかもしれないですね。

元々、フレームカーブが0付近でフレームが作られております。レンズの薬研を調整するのみです。

鼻盛りしています。高い低いの他に、細いというパターンもあります。結構メガネが下がりどまらないので大変です。

白に当てるとこんな感じです。パステル調の青だと今っぽすぎるので、灰色っぽい青にしました。落ち着いた感じです。

アーネル系のフレームは、レンズの選択で割と見栄えが変わります。フレームのインパクトが抑えめな分、レンズの異質感が目立つのでしょうね。

透明で大きいボストン
ヴィンテージのメガネ

18.11.05

好きなんで、ひたすら集めています。どの年代も満遍なく売れている感じはしていますが、ピンポイントで、ここはあんまりかもしれません。女の子はぼちぼちですが、男性は皆無かもしれません。

サイズ52〜56までの、80年代前後の大きめのボストンです。

一応、こんな感じいいなあというイメージはありまして、2016年の雑誌ポパイ40周年記念号の中に載っています。

(831号 p.116~p.117)

海外の方に多い気がしますが、厳つく屈強な感じとオタクっぽい弱さの混在ですね。なんかカッコいいです。タトゥー入れなくても、ゴツいアクセサリーで何とかそのバランスを実現させてみたい気がします。

流行り廃りもあるでしょうけど、何よりも文化の違いを感じます。そこをビシビシ感じていますが、好きなんで体力あるうちは、仕入れは出来る限りする所存です。

amor
メガネのはなし

18.11.05

アモールの切り抜き。詳細な年代が分かるポイントが無いのが残念です。50年〜60年代と推定。

アモールといいますと、だいたい状態が悪くて使えないか、小さすぎて使えないというお決まりのパターンがありまして、誰がこんなに小さいメガネ掛けてたんだろ?と、思っていました。ようやく解決です。アモールジュニアと記載がありました。

メガネを掛けたら成績アップ的な絵がかわいいです。

男女、年齢問わずということは、メガネのスタンダードが此処の時代があったということでしょうね。スタンダードが可変ということは、メガネのスタンダードとは何なんでしょうね。

鼻パッド取り付け
修理とメンテ

18.11.05

セルフレームに対して鼻盛りではなくて、鼻パッドの取り付けも行えます。

はじめはこんな感じでした。セルフレームです。現行のフレームで鼻パッドをフレームと同じ生地から作っているのは、それなりに少数派だと思います。勿体ない気もしますが、1番大事にすべきことはキレイに掛けられるようにすることですから、取っちゃいます。

蝶番にワッシャーが噛ましてありました。磨耗していたので、ついでに交換です。テンプルのガタつきの原因です。

完了するとこんな感じ。チタンの鼻パッドの供給がない時は、足の取り付けを嫌がられたりしましたが、チタンパッドが手に入るようになってからは、割と仕上がりに対して迎合ムードです。何だかんだ、その辺は今の流行りに寄せています。美観だけではなくて、使用上パッドの色が変わらなく、清潔感が保てるところも良いです。

紫檀
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.02

早くも、先週の展示会注文分が届きました。

腕が紫檀の削り出しです。ローズウッドです。滑らかで、ただただ美しいです。フロントはSPMです。蝶番は一個智のタイプです。相変わらず、面の合わせが綺麗です。木のフレームだと一般的なバネは搭載しておらず、そのおかげで蝶番の作りがミニマルです。正面から見たゴツさがありません。結果として威圧感の無い、上品なフレームになっています。サイズは46□22です。この手のフレームにしては、レンズも小さめなのが良いです。

オーバルのレンズシェイプにローズウッドのテンプルということで、組み合わせとしてはカルティエのバガテルではなくて、オーバルのあれです、あれ。あれは50□21のサイズで、今回の紫檀のフレームよりも2サイズ大きいです。あれの名前が思い出せない…。品名違えど、ヴィンテージカルティエのウッドシリーズに関しては、テンプルは一緒です。例えばバガテルで調べてみると面白いです。それらが存在した時代も良く、まさにゴージャスの極みです。それしか表現のしようがなく、それがまた最高で傑作です。

木のフレームを“やる・やらない”と、しばらく悩んでおりました。お客さんによっては、やらないと申し上げた方もいらっしゃるでしょうし、やるかもくらいに申し上げた方もいらっしゃると思います。結果、良いものが目の前に差し出されましたので、やることにしました。

ちなみに、なぜ逡巡をしていたかといいますと、

①フィッティングの問題

②レンズ枠入れの構造

この二つを気にかけていたからです。つまり、この二つが上手く解決されていることから、取り扱いをはじめた次第です。

 

①に関して。木でもバッファローホーンでも、装用感(フィッティングとは異なります)の向上の為、蝶番にバネを積むのが一般的です。カルティエのバガテル等々もそうでした。先日枠入れした、リガースなんかもそうです。実際には、あれがフィッティングを損なわせているケースもあります。

どの様なケースに於いてそれが起こるか。それは、こめかみが張っている場合です。フロントの全幅(メガネ正面からみて端から端まで)は、レンズ幅50ミリくらいのもので約140ミリです。日本人男性の側頭幅の平均は160ミリです。頭部形状が卵型で、顔面から見たときに緩やかに耳までアールがついていれば問題ありません。しかし、こめかみが張っている頭部の場合はテンプルが当たります。テンプルの前部から真ん中あたりで顔に当たり、干渉します。この干渉は、バネがあっても解決出来ません。窮屈さを緩和する程度です。むしろ可変で蝶番が外に開いたときに、テンプルの先が耳の後ろから離れると摩擦が失われますから、メガネが下がりやすくなります。

フレームデザインを重視し、テンプルが真っ直ぐ棒状であり、その先が先細りですと、こめかみで当たってバネが開き、テンプルエンドが耳の裏から逃げやすいです。そして木では、フィッティング向上の為の何かを施しようが無いです。

例えば鼈甲であれば、熱で曲げが出来ますから、テンプルエンドの沿わせ角を増やすことで耳の裏に当てて解決します。バッファローホーンも、実は熱を加えると微かながら曲げることが可能であり、同様に対処します。木の場合は全く曲がりません。テンプル製作時の削り出し方が大変重要になってきます。

今回のフレームに関しては、テンプルエンドが蝶番から1センチ以上内側に入り込んでいます。耳の裏にテンプルエンドが一番最初に当たり、こめかみ部分に干渉しづらくなっています。摩擦も強く生じていることを実感できます。また、アールをつけるために真ん中にかけて3ミリほど細く絞ってあり、干渉時の不快さに対して、さらなる配慮が伺えます。

実際、側頭幅160ミリ、ややこめかみが張り気味の私がかけても、テンプルは耳のうら以外、当たっていませんでした。デザイン・カッコよさ等々を比較すると、もちろんブランドの品に軍配が上がりますが、メガネとしての本質的な美しさに於いては、こちらに分があるんじゃないかなと思います。私ごときがそんなこと言って恐れ多いですけどね。

②に関しては、木の全枠も存在しています。ただし、ブリッジ真ん中に磁石を埋め込んであったり、木のフロントにナイロール枠を取り付けているタイプが多く、レンズをしっかりと保持し、尚且つ出来ればガラスのレンズを搭載したい、となりますと難しいです。そこが気掛かりでした。

今回の様にフロントが金属であれば、レンズ枠入れに関しては悩む必要はありません。素材選択にも影響を及ぼしません。フロントをセル枠の様な雰囲気に変えたい場合は、セル巻き加工をする手も残っています。とにかく、ガラスが枠入れ出来ることが私にとっては大きいですね。

 

つい長くなりましたが、要は、木なんですけど、ある程度ちゃんとしているメガネがありましたよ、ということです。装飾が一切無く、素朴過ぎるかもしれませんね。そこを上品で美しいと捉えて貰えるのか、物足りないとなってしまうのか、それだけです。

新たなる収集目標
雑記

18.11.01

最近のささやかな楽しみです。保谷クリスタル収集です。これらと、あとは載せていない大きなボウルがもう一つあります。今度は花瓶とか欲しいですね。

謳い文句がかなり良いです。豊かな家族の食事の風景が浮かびます。想像を湧かせ、ワクワクさせます。勉強になります。

「フルーツ皿としてなじみ深いガラスのお皿です。でも、あなたは、自由にお使いになるでしょう。あなたの演出が、楽しい場をつくるでしょう。」

個人的には、フルーツ皿と無縁な家族で育ちましたから、何乗せて食べたら良いのか思いつかないまま買ってます。メガネのディスプレイで使うかもしれません。

ネットの力を使わずとも、まだまだ店頭だけで楽しく集められますし、“HOYA”というメガネにも繋がる部分がありますので、とりあえず始めてみました。けっこう透明度が高く、トロッと感もしっかりあって綺麗だなと感じております。歴史は長く、1945年から2009年まで作っていました。ちゃんとホームページの沿革で書いてあります。ヤマハの家具的な位置付けですね。そういえば今まで調べたことが無く、初めて沿革をきっちり拝見しました。

鉄でもガラスでも、塊が好きっぽいですね。私は、そういう傾向にあります。店を初めて、つくづく感じます。

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