アーカイブ:12月2018

押し出し
修理とメンテ

18.12.14

ネジ抜き。

買ってすぐ転んでしまい、蝶番部分で壊れたみたいです。元のお店に持っていったときに、直らないか超高いか工場が…みたいなことで濁されて、直せず温存していた様です。まあ、でも、使えないとしょうがないですしね、まずは形にしないと。ということで修理です。

蝶番コマの歪みは、折れない様にゆっくり力を加えて形を整えていきます。これは簡単なので、お客さんの前で戻してしまい、写真がありません。

写真は、ネジ抜きを行った後です。合金のネジであれば、ドリルを突っ込んで抜きますが、今回はチタンのネジでして、ドリルが全然進んで行きません。固い。ということで、ニードルで押し出します。ニードルの先がネジの真ん中を外すと、力を強めたときに蝶番がはち切れるので、そこだけ注意です。

上のゴマ粒みたいなものが、折れて詰まっていたネジです。無事に直りました。フレーム捨てなくて良かったですね。

マスカットのような酸味とか云々
雑記

18.12.14

ブルバキから徒歩2分程の場所に、コーヒーの焙煎所があります。にわかに信じがたいと思いますが、ファミリーマートを越えて左折し、久遠寺で右に曲がるとあります。入り口のガラスから奥を覗きますと、デカイ焙煎機が見えます。

個人にも販売をしてくださるので、初めて買ってみました。袋がいい感じです。コーヒーまみれなので、店の匂いもいい感じです。土日休みでした。

 

「どんな味が好み?」

みたいに、まず聞いて下さりました。初心者に優しいお店です。この時点でリピート確定です。酸っぱいより苦いと答えて、おそらくブレンド?を買いました。

そもそものきっかけは、このミルを頂いたからです。扶桑軽金属のもの。明治村の帝国ホテルっぽくてカッコいい。メーカー名もゴツくてカッコいい。一回バラして、サビ取りだけしました。刃の調整とかあるんですかね。とりあえず、形として元には戻っています。絶妙なバランスが崩れたかもしれませんが、もう遅いです。

そういえば今年の骨董市では、ヴィンテージのミルを販売している方もいらっしゃいました。その時に、こういうのもヴィンテージの世界があるんだなと、感心した記憶が残っていたのも、きっかけとしてあります。そんな話を他人に言いまくっていたら、自分の元に偶然来たので使ってみます。

コーヒーの味はそこまで詳細に識別出来ないので、とりあえずいつも通り物から入ります。私が、大地の香りとマスカットの様な酸味が…みたいなことを言ったときは、大体分かってないです。

開き過ぎているフレーム
ヴィンテージのメガネ

18.12.11

持ち込み品の枠入れ。小豆色っぽい茶色です。貼り合わせで表面はクリアで光沢が綺麗です。水羊羹に近い表面です。

困ったことに、初めの段階では、腕が開き過ぎています。側頭幅170ミリ以上、尚且つ左腕のみが異常に開いています。

今回は、フロントに着目しまして、リムが0カーブ(ほぼ平ら)であることを利用し、枠入れと同時に型直しを行います。

特別なことではなくて、ただ球面レンズを枠入れするだけです。この方はガラスを所望しておりまして、度数が低いことから屈折率1.52のガラスを選択しました。この条件でのレンズカーブが5カーブでして、それであればリムを削ったレンズに沿わせることで、丸まる様にテンプルも閉じていきます。

右レンズのみ入れた状態です。向かって左です。理想的に閉じています。

5カーブのレンズ。レンズ自体は特別なものではありません。フレームとレンズカーブが著しく異なる為、枠入れはやや大変です。

枠入れ後。レンズに沿って、リムにカーブがついています。ガラスレンズであれば、レンズごと温めても表面のコーティングの割れが起こりません。一緒にヒーターに当てて、しっかりと両者のカーブを合わせています。それに伴って、テンプルの開きがしっかりと抑えられます。

完成しました。側頭幅150ミリまで、自然に閉じました。このお客さんは、これくらいの幅なのでたまたまピッタリです。とりあえず、何とかかけられる状態にまで戻せました。

リムにカーブが既についている場合は、蝶番部分にセルを貼り付けて開き量を調節します。それはそれで良いですが、あまり弄らずに直せる場合は、まずその方法を優先しています。

14時くらいには整います
営業案内

18.12.08

12月9日の日曜日は、14時ごろにはちゃんと開きます。開店と同時に、検眼の予約が入っております。そちらに専念します。

暇な休日
雑記

18.12.07

新しい生活のリズムに慣れてきまして、昨日の休日は、念願の暇を手に入れました。午前中からずっと家で本を読んでいました。

それが、写真の『暇と退屈の倫理学』です。本屋さんで見かけて、まず題名でグッと来て買いましたが、多分お客さんに教えて頂いた本だったなと、書いていて思い出しました。

まず序章、〈「好きなこと」とは何か?〉という章題で、すでに読んでみたくなった方がいらっしゃるはずです。とにかく、通読しないと意味がありませんし、私のような浅学な者が掻い摘んで要約など拵えることは到底出来ない内容でした。ただし、今年で一番、いや読んできたものを思い返してみても、近年稀にみる感動を覚えた本でした。自分にとって大事な一冊になったと思います。

お店を構えて1年あまり、定常状態が実現されつつあります。そこに不安を感じていた時期です。居候の豊橋時代を含めて3年、荒波しかない毎日でしたから。その先に訪れる平静、まさにそれが本に出てくるハイデカーの退屈の分類に当てはまりました。退屈の第三形式です。何となく退屈というやつです。

そして、本に書いてあるダメな解決例、まさに大きな決断をするべきか、それともしないべきか考えているところでした。決断をしたところで、またその決断をベースとした定常状態が訪れるわけですから、長い目で見れば繰り返しているだけです。その永遠に終わらない循環によって疲弊し、自己喪失するところでした。

この本の題名は緻密でして、倫理学となっています。つまり、何を為すべきか、暇と退屈に対して、人間としてどういう態度で接していくのか?みたいなものがふんわりと提示されています。このふんわりさがミソだと思っています。通読すると分かります。

ブルバキのサイズ感
ヴィンテージのメガネ

18.12.05

リスト上は、みんなNOSだったりするんですけどね。まあ、古物なので想定内です。泣きながら全部弾きます。

割れとか欠けとか、そもそも使用済み等々あります。全部ボツ。

新品の店と違って、ここが興奮と落胆を生みます。もっと大きい店だったり、勢いのある店であれば、安定して供給があるのでしょうけど、まあそこは、この形態を崩さずに出来るかどうかにも大きく関わりますので、今のところは現状維持です。

ジェネシス
雑記

18.12.04

『事物起源辞典 和田健次著 京文社書店 1936年』

先日、一年を締めくくる吹上の骨董市がありまして、例のごとく行ってきました。メガネ以外の古い物を見ないといけないな、という仕事の感覚です。特に骨董市は、年末は気合が入っていますから、私が拾えるようなものが少なかったりします。ただ、清濁合わさった中で、ギラついた目線を掻い潜りながらアレコレ見るのは楽しいです。

凄いものしかないとは言いつつ、基本的には出かければ何かを手にして帰ることを心がけています。あの吹上ホールに、山盛り物があるわけです。そこにまみれて、帰るときに手ぶらだとすれば、見つけれなかった自分の目を疑うようにしています。とりあえず何かあるはず。

その何かというものが2,3年前は、ちまこました民藝品だったり、どっかのお土産だったりしたものですが、いまは買わないことが増えました。昨今は、それらを骨董市にて手にすることが、好手として定石化されつつあります。そうなればもはや、オシャレな雑貨屋さんでかわいらしい物を買うのと、精神の構造は同じです。せっかくの骨董市ですし、そうなっちゃうと途端につまらないと感じる性格ですから、もう少し他の物を見つける努力をしています。何の為か、見失いつつはありますが。

ということで、初めて骨董市にて本を買ってみました。タイトルが良いです。創造主として、世界を掌握した気分になれます。時代的に、やや本気で、それに準ずるような意図があったかもしれません。

インスタにも載せた、眼鏡や眼鏡にまつわるエピソードも載っています。特に、蜻蛉メガネの流行に関しては、ブルバキ所蔵の組合の資料等々にも記載があり、どうやらホントにホントっぽいです。伊達メガネの歴史も中々古いというのは、眼鏡の本質を考える上で大変興味深いことです。

あれからじっくり読んでみて、「日曜日の始」の項目が、かなり衝撃的でした。

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