アーカイブ:11月2019

わからないです
ヴィンテージのメガネ

19.11.16

上がお持ち込みで、下がうちの在庫でした。尋ねられたこととしましては、上のこれが本当にO.G.なのか?ということなんですけど、まあ分からないですね。フロントと腕に注目して、カシメのコマが水平に組み合わさらず微妙に斜めなので、多分キメラなのかなと。全部推測の域を越えないですし、古い物は信じるしか無いんですけどね。

ちなみにアメリカのヴィンテージであれば、AOの博物館が当時の広告を公開しているので裏を取りやすいです。

下のはポラロイドのフレームで、イギリス製です。このポラロイドが先なのか、O.G.と言われているものが先なのか、もっと他にオリジナルが存在するのか分かりませんが、似たような時代、産地で似たようなデザインが出るのは今も昔も変わりません。ヴィンテージで言えば、ローデンのリチャードもどき、カールトンもどきなんて沢山あって、それぞれにいい味が出ています。

なので、せっかく他所でも買った物ですし、援護射撃してあげられることと言えば、年代と産地はあっていそうなので、そういう空気は含んでいるでしょうねということです。

今週末
雑記

19.11.12

そう言えば今週末は、東別院のアンティークマーケットですね。あとは、鶴舞の古書市です。

店を休むとかでは無くて、そのアナウンスでした。ちゃんと開ける予定です。

色レンズ投入
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.12

色レンズ入れてみました。SPMフレームのツーブリッジ。ツーブリッジというよりも、ネタ元はエックスブリッジの1900年あたりの丸メガネな気がします。

あの辺りは、ブリッジが日本人向けに設計されておらず、鼻にかからないです。これは、エックスブリッジ(日本の図鑑では撫松葉とか書いてあります)の現実的なデザインという感じです。

ナイロール
ヴィンテージのメガネ

19.11.12

デモレンズが無かったので、ようやく作って入れ直しました。エッセルのARC。

一度、ドイツから入れたことがあったので懐かしいです。これは日本の倉庫から出ています。記憶を頼りに、手で成型です。

たしか、眉のラインとレンズ下端が平行に近く、割とそれが特徴的だったはずなので、そのようにしました。横に視線が伸びるような、そんなレンズです。レンズサイズは変えず、51ミリです。

再メッキ
修理とメンテ

19.11.11

カザール、再メッキです。マットブラックの、ハンドペイント部分の剥離が目立つとのことで、綺麗に直しました。

工程としましては、一旦全て剥がして再メッキをし、その後マットブラックでペイントです。ここまで復活するとは思っていなかったです。とても良いです。

テンプルは、ロゴがあるので何も行いませんでした。メッキの金の色味に差が生じてしまいましたが、かなり近い色でメッキをして頂いたおかげで、ほとんどその差は分からないと思います。

久しぶりに在庫化
ヴィンテージのメガネ

19.11.11

おそらく、イギリスから届いて1ヶ月ほど何も出来ずに寝かしておいて、今月も新規の入荷があったので、2回分まとめてレストアし始めました。熟成しています。

色々あるんですけど、これかなと。まず載せるなら。ローデンのロッコ風。ロッコ風というのがポイントで、限りなくロッコ感あるんですけど、ローデンでは無いからロッコ風ということになります。ブランド刻印なし、産地刻印もなし。作りとレンズサイズから、同じ時代に似せて作られたものでしょうね。

カトラーのキングスマンモデルのような、マスク感があります。ブリッジに凹凸をつけていないからでしょうね。それが良いです。

フロント上部の処理が秀逸でした。曲線が優美です。

厳密の果て
雑記

19.11.11

私の左眼の話です。左眼に、プリズムを入れるという話なんですけど、特注指定でプリズムを処方するのではなく、レンズの平行移動で、同等の作用を出すというを目指します。別にこれは、特別な話ではないですし、理論と精密に形にすることとのギャップが垣間見れるので書いておきます。

s-4.50 c-1.00 ax165というのが、私の度数です。左眼の。ざっくり、横は -4.50の近視、縦は-5.50の近視という感じです。それが正確には、15度ずつ傾いています。

それで、いつもはそこまで影響無いだろうとおもい、(1.00/4.50)*10=2.22㎜ 瞳孔よりも外側にレンズを平行移動して、プリズムを処方しています。そういうもんなんです。ですが、本当は15度傾いているので、本当にそれでいいのかなと、一回くらい計算してみました。

ほぼ、三角比の定義を当てはめるだけなので、特に難しいということではありません。作図で言えば、O’の位置が第2象限の方が正しかったですね。ごめんなさい。それに、いまは特注でプリズムをレンズに組み込む方が一般的なので、やらなくても良さそうな気がだんだんとしてきました。

結果は、177.6度方向に2.21㎜偏心でした。はぁ?という感じです。ちなみに、

cos(177.6度)=-0.99912283…

sin(177.6度)=0.041875653…

です。ざっくり、先ほどの177.6度方向に2.21㎜の移動を縦と横の移動に言い換えますと、

縦に0.093㎜移動し横に2.208㎜移動する、と表現出来ます。横だけではなく、縦にもおよそ0.1㎜の移動が要ることが分かりました。横の移動も連動して減っています。この0.1㎜は、どう捉えたらいいでしょうかね。

例えば加工、フレームと削り終わったレンズの関係に於ける0.1㎜は大事です。レンズの径の指定は0.05㎜単位で指定します。ですから、眼鏡屋にアルチザン風味を足すのであれば、技師が0.05㎜を見極めて、最適なサイズ感でレンズを入れていますと、そういう話になります。ブルバキも黎明期はそんなことを言っていたかもしれません。まあでも、実際の手順としてはボタン一つです。

光学的にはどうか?削る前のレンズに、加工の基準点を設ける際の0.1㎜です。割と、感覚にお任せになってしまいます。例えば、毎度お馴染みの私が3年半使っている銀無垢のメガネは、レンズ径が36㎜です。

こういうフレームに対しては、枠心という一手間があって、ちょっと特殊な下拵えでレンズの加工に入ります。その際に、下の器材を用いますが、そのピッチは1.0㎜です。半分の0.5㎜とか、その半分の0.25㎜までは実現出来そうですが、そこから先は、気分次第っぽいですよね。

なので結局、今回きっちり値を出してみましたが、まんまと厳密性が最後で崩れてしまいました。縦方向は無視出来るものとして、横方向にしても、2.22㎜の平行移動が本当は2.208㎜であるということなんですけど、もはや誤差な気がします。

昔、メガネは突き詰めるだけで成り立つから良いなぁみたいなことを言われて、はあそうですかと聞き流していたことがありました。今回はレンズの話だったんですけど、例えば検眼は、もっとエクストリームの連続です。メガネだって厳密さだけでは無いし、おそらく他も全部そうなんだと思いますけど、最後は思考では敵わないというのが現れて、ボカーンと崩れたときが一番面白いなと思います。

手作り
目のことレンズのこと

19.11.10

ビジョントレーニングの器具を作りました。手の温もりってやつです。

前から、ブロックストリングスは持っていたんですけど、あれは斜視眼とか、融像力が弱い場合に使うべしということで、新たに作りました。

前回のあれでしっかりお伝えしなくてはいかんかったなというのは、VTは輻輳不全に絞っているということです。決してメガネが要らなくなるとか、そういう類ではありません。屈折異常は、成長期の眼軸の伸びが関係します。ですからある程度不可逆なことであり、戻せない近視の部分もあるということです。その戻せない部分は、メガネやコンタクトを使わないと、しょうがないです。

今回の変更点は、ビーズの小ささです。パステルカラーで女子からのカワイイを狙った訳ではありません。正直、ハッキリとした色味のビーズを探したんですけど見つからなかったので、なくなくこれにしました。ハンズの手作り工房みたいなところで買ったんですけど、店員さんもパニックでしょうね。こんなに少ないパーツで何作るんだろうと。

VTを輻輳不全に絞っていますから、ある程度融像力があることが前提です。であれば、寄り目をより鍛えるために、周辺融像で手を抜かせるのではなく、中心窩融像でシャープに鍛えることが、ビーズを小さくする事で期待できます。なるほどなと思ったので、早速真似した次第です。貸出用も潤沢にあります。

リリヤーンが商品名なのかそういう紐を呼ぶのか知りませんが、なかなかパッと見つからずに苦労しました。

緑黄赤のものが、元ネタです。大体、直径で半分くらいです。

みかんの網みたいなメガネ
ヴィンテージのメガネ

19.11.09

先に言っておこうかなと。どうせ言われるんで。それに、気に入らなければ、この青のあみあみは塗料なので、バフでつるんと落とせます。上のグレーは無理です。入荷時期が異なるんですけど、たまたま同じ品番で色違いがありました。

この前、女性のお客さんに、むしろ冬の方がこういうの掛けたくなると言っていただき、ようやくレストアする気になりました。入荷から9ヶ月くらい経ってますね…。レストア間に合ってなくて、あんまり綺麗な状態で見せれていないときがあってすみません。

おおっ!って、感動したんですよね。そういうこと言ってくれる人が居るんだなと。重たいコートに、思いっきりライトなメガネ掛けて、イメージのバランスを取りたい気持ちは、何となくあります。威厳を出し過ぎたくなくて、ちょっとハズすとかそんな感覚です。

レンズの形をいじっています。元々は、縦長の面白メガネ感満載でした。ドラえもん的な。さすがにそれはダメだなと思いまして、自分でボストン寄りに、横より縦がやや短くなるように変更しております。ブリッジが真ん中にちょこんと付いていて、めちゃくちゃかわいいですね。

元のデモレンズ。レンズ外してマスに入れたら分かったのは、縦と横の長さが一緒でした。掛けたら伸びて見えるのは、目の錯覚です。実際いまのプロダクトでも、例えば丸メガネは、やや縦を潰して正確には正円ではなく楕円にしているのも、この辺が理由です。

Torro
ヴィンテージのメガネ

19.11.09

ローデンのトロです。これに関しては、ツーブリッジのカテゴリーに入れるというよりも、トロという独立した何か、そんな気がします。その他ツーブリッジのような、かけた時の野暮ったさゼロです。なので全体で見られたときに、相手におじさんぽいね的なコメントが出てこない可能性が高いです。局所的に、ブリッジのディテールのみ知覚されると、何だか古臭いのかけているね、くらいは言われるかもしれません。

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