アーカイブ:11月2019

見てきました
雑記

19.11.09

国立新美術館の、カルティエのあれ、見てきました。そういえば、95年に日本で初めて回顧展をやった時の図録も何故か頂いて持っています。両方店に置いておきます。

今週の木曜日に、前々からお伝えしていたVT(ビジョントレーニング)の話を聞いてきました。眼鏡店に絞った内容で、輻輳不全に限っています。

トレーニングのレベルが上がると、個人では手に入りにくい機材(価格ではなく、医療道具扱いで税関で没収)があるのですが、結構なレベルまで今の道具でこなせることと、そこまで到達出来ると、とりあえず実感は得られるとのことだったので、有志にはお伝えします。

まずは、いつも通り、自分で人体実験です。まだ3日目ですけど、どういう変化があったのかは、また店頭でお伝えします。

そういえば、今週のNHKのクロ現で、近視特集がやっていました。その辺も合わせて、何か疑問があれば、わかる範囲でこたえます。個人的には、近視も遠視も同等に持ち上げて、単純な眼が悪い=近視という等式を棄却することから始めないと、と思いましたけどね。言い換えれば、視力1.0以上ならば、無条件で眼が良いわけではない、という事なんですけど。

程度や、テレビでも言っていたいつ頃からか?とか、あれこれ複合して悪いかどうか判断します。失明とか認知症というワードで不安を誘うから、ねぇ。だったら遠視との関連も話した方が良くて、この前の+3.00を遠方処方した方もそうですが、50歳くらいまで視力1.5くらいあったんでしょうけど、65歳を過ぎてピント調節力が弱まってきて、“遠くも”近くも鮮明に見えない訳です。そして、どちらの不鮮明さにも負担がかかっています。近視であれば、例えばs-3.00であれば、手元33センチにピントが合っているので、新聞はぼちぼち鮮明に見えます。そのとき、ピント調節は要らず、寄り目だけが介入します。

眼軸が伸びるということは、身体が社会に沿わせようとしているという側面もあります。視力を出すことに躍起になりますと、結局、眼とレンズを合わせた系で遠視ということもあり得ますから、正しい眼というのは本当に難しい、なにか数値というもので固定できるようなものではないということだけが、何となく今になって分かってきたというのが自論です。

勝手にしやがれ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.06

サンプラチナのツーポ、お渡し完了しました。こっちは玉型変更です。海外の俳優さんの名前を忘れましたが、とにかく、掛けた時に顔の各パーツにスポッと収まるように、レンズの形を変えるというお題でした。

良さそうなフランスの古いフレームからレンズの形を取り、サイズを変更して、尚且つそのままだと目尻が上がりすぎなので、少し垂れ目にさせてこんな仕上がりです。ちなみに男性が掛けます。

しかも、ちょっとリッチに調光レンズ入っていますので、例えば外で掛けた雰囲気としては標題のように「勝手にしやがれ」みたいな、amorをサングラスでかける感じになります。

ティアドロップフレームのような、荒々しい感じもあり、キャットアイフレームのような妖艶さもあって、まさにこのブリッジが様々なイメージを内包していることとぴったり合わさりました。オーバルも良かった、これもとても良かった。来年、在庫持てたら用意しておきます。

宿敵、レッドドットちゃん
修理とメンテ

19.11.04

お客さんに、レッドドットちゃんの抜き方を教えてもらいました。ホントだ!感激。ついにバラせましたね。当時の広告から、抜けることは掴めていましたが、それに適した道具が見つかりました。

こうなれば無抵抗ですから、隅の隅までスベスベのトロトロにしてやろうという気概が生まれます。

ちなみに、レッドドットちゃんと個人的に呼んでいるのは、当時のAOのレッドドットの広告に、レッドドットネジに顔がついたキャラが描かれているからです。手足が短くてめちゃカワイイです。50年代後半から60年代をまたがって、新機構として広告で紹介されています。

掛けて帰りますと言われると嬉しいです
メガネのはなし

19.11.03

バネ修理と、レンズ交換でした。バネは交換が出来ず、レーザー溶接でガチガチに固めてもらって、普通の蝶番に改良してしまいました。まあしょうがないですね。

レンズ交換ということで、

・遠視

・老眼になってからメガネを掛け始めた

・65歳くらい

これだけでも、数値がどうあれ考えられることと、お客さんの主訴とメガネへ期待することから、何を選択して何を犠牲にするかが頭を巡ります。もちろん、ブルバキでも累進レンズを処方することはちゃんとあります。ですが物理的に解決できない、ある要求を満足させることが出来ないということもありまして、必ず何が犠牲になるかはお伝えします。

「最新の累進レンズは大丈夫です」、よく言われると思います。確かにある点においてはそうなんでしょうけど、全部が大丈夫になった訳では無いです。この辺は提供する側がいかんですね。

旧処方が、大体左右同じでs+1.50 add+2.50です。ヒアリングでは60歳くらいかそれよりも前の時点での処方です。それと、オートレフでs+2.75位で値が出てくること、自然に手元を見てもらったときに、あんまり下方視出来ていないこと、念の為、実際にミラー法で視線のチェックをした時に、やっぱり下方視が足りないこと。このくらい情報があると、およその道筋が見えてきます。今回特に気になったのは、加入をしっかり体感するには無意識に下げた目線以上に、下をしっかりと見なくてはいけないことに改めて驚いていらっしゃったことですね。教則では、姿勢の指導なんでしょうけど、やめました。球面値のあたりをつけて、遠近の眼位を測り、ESOが残っていないことを確認して、他にもあれこれ逡巡して単焦点にしました。

毎回こうなるわけでは無いんですけど、色々上手く合致して、全部の距離がぼちぼち見えるわーというので掛けて帰って下さったので、嬉しかったですね。

デモレンズも旧レンズも無くて、型板から作っています。

お金で買えないもの
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.11.02

ついに、お金で買えないものが判明しました。そしてそれは、残念なことでもあります。今まで待っていてくれた方、期待させてしまった方、ごめんなさい。

お金で買えないもの、それはSPMの鼻パッドでした。とてもとても悲しいです。

今年、ついにSPMの鼻パッドの製作の話となりまして、製作会議をかけて頂けましたが、無理みたいです。硬くてプレスで抜けないって話でした。

いまの工作機械では抜けないという話なので、新しい機械の配備を待つか、私が宝くじ当てて、自前でプレスのトン数が高い機械を買うか、その2択です。組で販売価格1万円越すかなあとか、甘かったですね。突き詰めて、ついに出会えましたプライスレス。

想像の範疇外のお金がかかるか、例えそれを掛けても、出来るかどうかはまた別ということになります。現時点では、作れない、お金で買えないということの方が正しい表現ということになります。本当に悲しい。

まあ、こうなったら素材を変えるしか無いです。無垢のパッドの、あの独特な薄造りで上品な、豊かな平面を鼻にのせたいその欲求の着地を用意しないといけません。

つまりあのトップの写真は、銀無垢の鼻パッドです。特注で作りました。

見違えます。やっぱり良いですね。無垢パッドお決まりの、鼻パッドの非接地面側に「Ag925」の刻印が入ります。

めちゃくちゃ鋭い方、あれこれ見ておられる方は気付くかもしれませんが、その刻印がレーザー刻印では無く、プレスで浮き上がった文字になっています。これには理由があります。

電話で、そのSPMの鼻パッドが出来ないという報告を頂いた時に、おそらく物凄く悲しみが漏れていました。溜息とか、そんな分かりやすい落胆ではなくて、悲哀が、間で表現されていたのでしょう。

そうしましたら銀無垢はダメ?みたいな話を先方より頂くわけです。それなら在庫で有るよと。相変わらず、おかわりを欲しがるブルバキです。ただしそれは、私も前から把握をしていました。そのパッドは、パッドの接地面にメーカーのファクトリーブランドとしてロゴが、プレスで施してあります。

それがなあ…手彫りの彫金と風合いが異なるからなあ…というのを伝えたところ、それなら削り取りましょうと、先方に言わせてしまいました。メーカーの、意気地が詰まった大事なロゴを自分たちで削り落とすなんて、そんな非道をブルバキ如きがさせてしまっていいのか、罪悪感をズキズキと覚えております。なので、接地面のロゴだけ削り取って、反対側のAg925のプレスの刻印はそのまま残っています。

裏はこんな感じです。やっぱり、違いますね。やって良かったなと。と言いますか、やってくれて良かったな、というのが正しいですね。

ちなみに、腕まで総手彫りです。今回も、パターンはボシュロムの20年代のダイヤ柄にしてみました。

特注で鼻パッドは作ります。小豆二粒くらいで2万円は余裕で超えるので、高いですよね。やりたくなったらしょうがないですね。ご相談ください。

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