アーカイブ:12月2019

日曜日15時オープン
営業案内

19.12.07

例によって、検眼で籠っています。15時ごろ、一般開放します。

銀無垢はまだです。もうしばらくお待ちください。

金曜日休みます
営業案内

19.12.06

体調不良のため、今日は休みます。

明日は、昼くらいから健康診断のため、14時にあけます。

素材と形状
雑記

19.12.02

本鼈甲です。上が上トロ甲で、下が白甲です。鼈甲は、柄が曖昧になればなるほど良いとされるので、それってフランスのヴィンテージみたいですね、このケースでは特に下の白甲が強いです。これがオール白だとどうでしょうか。まず3桁は越えますかね。これはそこまでいかないんでしょうけど、ワナワナ震えるような、どえらい物です。

唯一、強いて言うならの抜け感演出ポイントは、蝶番がSPMということでしょう。個人的には、金無垢よりも堅牢ですし、金無垢みたいに透き通っていますから、遜色なく、ピリッとしていると、抜け感無しと感じます。けど、おそらくこのパターンの基本は、金無垢の蝶番な気がしますので抜け感として、書き留めておきます。

鼈甲と言えども様々で、透かしてよーーーく見てみると、柄が途切れていたり、連続かつ滑らかではない部分があったりするもんです。パーツを少しずつ切り出して、最後に圧着させて1本を作りますし。

柄が続いているので、大きい部分から贅沢に切りだしていそうです。バラフとトロ甲の作り方が違うのかもしれません。それは、これを観察することで初めて認識しました。

調光のブラウンのレンズを入れました。迷った挙句、プラの調光です。まだどっかのメーカーで、ガラス調光の度付き出来るはずなんですけど、やっぱり枠入れが怖くてやめました。

鼻パッド無いんです。白甲で盛ると、いくらなんでしょうね。怖いです。

ただし、素材の持ち味を加味して考えることが大事です。鼈甲は、クスんでくるのを磨きながら使っていき、光沢を維持するとか、柄が良く見えるようにとか、あれこれあって大体太いフレームが世に出回ります。しかも、プラスチックの1/3くらいの重さなので、テンプルを太くしても平気とか、接地面を広くすることで摩擦がより生まれるとか、美観もフィッティングもフレームの維持も考えて、恐らく太いです。太さにものすごく意味が詰まっています。

そして、使い込むと分かりますが、亀の成長とともに大きくなった甲羅の層が表面に浮き出てきますが、それがプラスチックには無い、強烈な摩擦を生みます。ですから、通常のプラやメタルのときのフィッティングで重視される、テンプルの鮮明な曲げ点が無くても、止まります。鼻パッド無しでかけてみましたが、鼻の部分にドシッと乗っていない、浮きかかって鼻をかすめる感じがします。1日使用しても、赤く鬱血することはありませんでした。

そういう時代だったということもあるんでしょうけど、ウェリントンが多いのも、何となくフィッティングをすると分かります。例えば現在であれば、ボストン型なら良いのになぁと、まず言われると、予想がつきます。蝶番の位置、つまりフロントの全幅を稼ごうと思うと、ウェリントンの方がデザインしやすいでしょうね。これも、ボクシングで48□22.5でフロント全幅が140ミリちょっとです。わりと全幅が稼げていますから、蝶番の開きも少なく済み、フレームが顔を包み込むようにフィッティングさせることが可能です。

銀にしてもSPMにしても、素材によって実現不可能なデザインや構造があって、それが興味をそそったり、逆にもどかしかったりします。そして、まさに「していい」と「許される」の違いなんですけど、特に許されるとして、何かでカバー出来るのか?というのは凄く考えるようになりました。

ちなみに、「していい」のときは、私はしないです。それをしなかった先人の選択を尊重します。きっと私よりも先に試したはずなので。そして、遺っていないことを重んじます。

鼈甲は、より素材がもたらすデザインの制約が多そうですね。制約が多いほど、デザインは難しく研ぎ澄まされるはずなので、面白いなと体感しながら、しばらく使ってみようと思っています。

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