カザールのお持ち込み。鼻盛りと枠入れ。西ドイツ時代。シルエットやOGにもありそうな、柔らかい雰囲気のカザールです。はじめて見ました。
切り替え時期等、どのタイミングでどのフレームとか分からないですが、たまに鼻盛りパッドがくっ付かない樹脂が用いてある場合もあります。今回はいけました。リムの幅が細くて接地面が少なくて苦労しました。はみ出した鼻パッドを削ることで、滑らかに仕上げています。
19.07.03
カザールのお持ち込み。鼻盛りと枠入れ。西ドイツ時代。シルエットやOGにもありそうな、柔らかい雰囲気のカザールです。はじめて見ました。
切り替え時期等、どのタイミングでどのフレームとか分からないですが、たまに鼻盛りパッドがくっ付かない樹脂が用いてある場合もあります。今回はいけました。リムの幅が細くて接地面が少なくて苦労しました。はみ出した鼻パッドを削ることで、滑らかに仕上げています。
19.06.30
明日7/1月曜日は15時から開けます。遠方より銀無垢のオーダーをしてくださる方がいて、来店予告をして下さったので閉めます。
明後日、火曜日は休みます。協会が開く講演会を昼から聞いてきます。とくに円錐角膜の講義が楽しみですね。これは割とお医者さんの領域の話なんですけど、眼鏡屋もケラトなり何なりでその疑いに気づくことも出来ます。処方はハードコンタクトになるはず。
早期発見して、まずはお医者さんに行ってもらうよう促すためにも、知れることは全部知っとこうという感じです。
19.06.30
銀無垢のテンプルの偏平な箇所全てと、ブリッジに全部彫金(巷にある、プレスの模様じゃなくて、ちゃんと手でゴリゴリしたやつ)を施してみました。圧巻でした。眩しくて、目がくらみます。
私も3年ほど使ってきまして、彫金に関しては、彫れば彫るほど良くなっていくことに気づきました。例えば同じ唐草といえど、職人さんの構図の良さや、フレームの流れを生かしたパターンの選択の最適さが、量が多ければ多いほど如実です。
大きい画像を載せてみました。スマホで見るとページ構成が崩れていると思うので、パソコンかタブレットでご覧ください。私のかけている物ですが、渦巻きを一単位とし、それが9個彫ってあります。ペルソールをイメージし矢じりっぽくなるよう彫る箇所を指定して、模様はお任せした覚えがあります。これはこれで美しいです。
全彫の側面です。同じ唐草での指定をかけましたが、構成が異なります。まずは主旋律をリムの付け根からエンドにかけてニョロニョロ彫ってあります。そのニョロニョロの周期は、フレームのパーツのそれぞれの起伏や幅に合わせてあります。そのニョロニョロとフレームの隙間を埋め尽くすように、唐草が生い茂っています。唐草の位置は互い違いに上下し、リムからテンプル終端までニョロニョロが突き抜けていますから、美しさにプラス、ダイナミックな動きがあって、より強い生命みたいな何かを感じます。
カッコいいかどうかは分からないです。丁度いいアンファッション具合かどうかも知らんです。一旦そういうことは、これを見たらどうでも良くなっちゃって、美しいなと思ったそのままを身につける、美しいなと思ったその強い感情を、毎日掛ける瞬間や外した瞬間に想起できることの方が、私にとっては大事だったりします。
なのでこの周辺を掛けていて、カッコいいとか言ってもらえるのは割とレアで、大体値段だけ聞かれて「高っ!」だけで終わると思います。褒められるのは、ラッキースケベくらいな頻度です。機会としては稀有なんですけど、だからこそ、その褒めてくれた人とは深く仲良くなれそうな、より確かな温かい実感が得られます。
19.06.26
特にこの時期だからといって、いつも通り何もしないんですけどね。
日頃のご愛顧に感謝して、彫金のサンプルを、またご用意しました。どの箇所に、どういう風合いで彫金が施されるのか、ご参考になれば幸いです。
ブリッジのカクッと曲がるピークの部分と、模様のピークとなるところを一致させて、違和感なく蔦がびっしりと這うようなデザインになっているところが乙です。「彫金をして下さい」というオーダーだけで、ここまでバランスよく完璧に装飾を施して頂いております。
テンプルも相変わらず美しいです。
19.06.24
ぱっと見、お面なんですけど、かけてもやはりお面でした。意外に構造的な無理がなく、すぽっと顔面にハマります。ただし、度付きは厳しいです。
リム回りの処理ですけど、見たことないそり返りをしていました。ナイスですね。
全体をスポーティーな雰囲気にするフレームカーブと、このモードさを引き立たせる意匠を殺さないために、レンズもちゃんと8カーブの度なし(ディセンター付)にしてあります。本気仕様です。
ブリッジもナイスですね。この曲線を思い付いたひとは天才です。何がデザインソースなのか全く見当がつきません。
何万本とメガネを見てきましたが、まだ見たことが無いフレームが続々と出てきますから、メガネって本当にいいものですよね。ずっと楽しいです。
19.06.24
ネジ抜きの依頼。
メガネの使用がハードなので、砂利とかが詰まってネジが緩まなかったみたいです。店に持っていってレンズ交換をする前に、気を利かして自分でドライバーを当てたみたいです。プラスはちゅるんと舐めますからねー。
こういう場合は、そのまま店に持っていって、超音波洗浄+温めをしてから回した方が良いです。それで大体ネジは回ります。
写真が小さくて全然分からないと思いますが、カッターで切り込みを入れて、マイナスの頭を作り直しています。あとは超音波洗浄と温めを行い、じんわりと力を垂直に込めながら回すのみです。
これで、もう一発レンズ交換いけます。
19.06.24
銀無垢、何か作りたいのがありましたら。予想以上にオーダーがあったので、7月まで延ばさずに6末で締めます。ありがとうございました。
ボストンは難しいですね。カーブを強調すると女性っぽくなりすぎるし、緩めるとオーバルやラウンドと区別がつかなくなります。
19.06.22
それまで検眼しているので、15時過ぎから一般公開です。よろしくお願い致します。
19.06.21
元々、綺麗に陳列することは諦めていました。それこそ、私がそれを行うことが苦手だったので。あとはカッコつけて言えば、物を見るということを、極力純化したいというのも理由です。
何だかんだスペースを空けて小綺麗さだけはキープしてきたつもりでしたが、もうダメです。飾りたいものが多すぎて、ギッチギチに詰め込みました。どうぞご覧ください。
19.06.21
特に、苦手なものは積極的に克服しようぜ!みたいな人間では無かったんですけど、いまは一箇所だけ、その機運です。
それというのも、村上春樹さんの小説です。あぁ、本人と元々好きだった人々ごめんなさい。ノルウェイの森の10ページくらいと、騎士団長殺しの4ページくらいを読んだことがあっただけなんですけど、あぁもうごめんなさい。謝っているんですけど、まだ好きかどうかは分かっていない状態で書いています。それはそれでごめんなさい。昨日、ハードボイルドの第一章を読んだくらいです。
いまのところ、感想を述べますと、ハードボイルドという物語の第一章と捉えなくても、街でエレベーターに乗ったときに考えたことみたいなエッセイとして成立するなと感じました。
それで、今までは「物語が全然始まらんやんっ」と、諦めていました。今はそういうことか!という捉え方です。楽しいかどうか、好きか嫌いかはまだ分かりませんが、そういうことか!という発見のほうが心の中で大きい体積を占めています。
そもそも現実に溢れているアレコレは、大体すぐに分からないことばかりですしね。なんで物語の主人公は、帯の部分、背表紙云々でバックボーンから身に起こりそうなこと、その結末の予感も含めてスタートから、あまりにもあからさまなんだと。ハードボイルドの第一章は、そういうあからさまなことに対しての展開ないし導入に全くなっておらず、本筋と全然関係なさそうな、でも関係ありありな、やや冗長な逸れ方をしています。まさに、ブルバキのブログみたいだなと。それは自分のブログを高く見積もりすぎですが。
それに、確かに小説に展開だけを求めるのもどうなんだと、自分自身にも問いかけができます。でも小説ですから、それは正当な要求だよなぁと逡巡もします。そして書く側も、小説を小説然と書かずに小説として成り立たせてやるみたいな気概がありそう、もはや勝手にあると仮定しますと、読む側は何となく持ち合わせている一般的な小説という概念を、まず捨てることが要求されます。私は、これがはじめに出来なかったから、今までは10ページ程で読むのを諦めていたんだと思います。
そんなことや、その他あれこれ考えました。それにかなり前にも書きましたが、これってメガネ屋がメガネをメガネの方向から喋る時代が終わったのとも似ていますね。もとは、カレー屋さんの言った、カレーをカレーの方向から喋るのは終わったという独白です。
ちなみになぜ、今になって村上春樹さんの小説を読もうと思ったのか。それはちょっと前に書いたエッセイがめちゃくちゃ面白かったからです。心の底から面白かった訳です。そしたら次は、もう決まっているじゃないですか!その人の書く小説を読んで、もっとその人を知りたい、知ろうと努めようとなりますよね。それだけです。その瞬間に、interestの対象になった訳です。前はfunの対象だったから、あっさりバッサリ吟味せずに蓋をしていたのだと思います。
一般的には、エッセイの方がその人らしさが出そうな気もしますが、小説家ですし、小説に全部込めそうな気配がしたので、小説を読もうと決心がつきました。服で言えば、デザイナーが喋ったことを聞いたり読んだりするよりも、服着た方が何となく全体的にザクッと分かりそうな予感がすると思うんですけど、それです。書いていて、いま思いつきましたが料理人と料理の関係もそうですね。ブルバキもそうですね。なら、全部そうか。
この前の大きなかぶのエッセイに、小説へのヒントが書かれていたのも、一から読んでみるにあたって大きな手助けとなりました。第一章だけで、もう一日まるっと、ことあるごとに頭の中で転がしているので、やはり楽しいのでしょう。楽しさの感じ方も、今までの小説とは違うのですね。