お客さんのメガネです。上の写真は、レストア後です。20年くらい使い続けたオリバーピープルです。おそらく、最近限定モデルと称して、または復刻モデルとして出ているものと同じ型です。ただし、こちらの方がカーキのセルとアンティークゴールドの組み合わせで渋いです。また、クリップオンのレンズカラーが、かなり遊びが効いています。リムがアセテートなので、縮みも無くテンプルとの隙間が生じず、ガタつきもなくて良好です。かなりグッときます。
①セルの磨き
②フレームの再メッキ
③クリップオンのレンズ交換
④先セル交換
⑤クリップオンカバーの交換
をしております。
①に関しては、表面がくすんでいるだけで問題なしです。本当に劣化しているときは、アセテートの場合、ビネガーシンドロームと呼ばれる酸っぱい匂いがします。あとは、水が浮き上がってきます。
②に関して。あまり知られていないかもしれませんが、メガネは再メッキ出来ます。綺麗に出来ます。
元々は、アンティークゴールドのメッキでしたが、剥がれて銀色の地金が見えております。
メッキ後。見事に全体が復活しました。
③レンズに関して。今回の紫のカラーは、現行のレンズメーカー共通のカラーパレットに無いモノでした。ただ、これもあまり知られていないかもしれませんが、プラスチックレンズは特注でどんなカラーでも作れます。
見分けが付かないほど同じように染めています。日本のメーカーは凄いですね。今回はサングラス感を大事にする為、ハードコートにして白の反射光まで再現しました。
④ちょっと前の記事をご参照下さい。
⑤黄ばんでいるので、こちらも交換です。④での写真の黄色の虫みたいなのが交換したシリコンチューブです。
今回もお持ち込みでのご依頼でした。もちろん、大歓迎です。メガネだって、長く使ってあげたら良いですよね。その為には、ある程度直しがきく素材のメガネということになってくると、ちょっと良いメガネということになるのでしょう。あとは、わたしたちメガネ業界人の姿勢も大事になってきますね。修理を試す前から、お断りするケースも多いでしょうから。