見た目からは想像がつかないvintage

25.02.11

この見た目で、なぜかフレーム名?ブランド名?は“ROGUE-LOOK”ということで、ならず者でした。

いまの日本であれば、おじいちゃんみたいなメガネと言われると思います。大きめのツートンのセルは、確かにそんなイメージなんですけど。これは一味も二味も違う、いやもっと隠し味だらけで、最早べつの料理レベルでした。それはまさに、優しいおじいちゃんの裏の顔が、それはそれは恐ろしいならず者というくらいに。

レンズの形やリムの処理がカクカクしていてカッコいいとか他にもあれこれありますが、美意識高い最大の隠し味ポイントが垣間見えるのはここかなと思いました。フロントとテンプルの接合部分です。フロント側で、微妙にテンプルとの合口が綺麗に揃うように調節されています。

畳むとよくわかります。底辺が2ミリくらいの、謎の直角三角形が現れました。

正面やちょい斜めからみたときに、智が斜めに上がっているように見えます。ややつり目っぽい感じの演出が入っています。そして、智もテンプルに向かって斜めに削ってあり、フロントから目線がビュンっと上に、さらに奥に気持ちよく抜けるようになっています。普通は鈍重な印象になりがちなフレームに、キャットアイフレーム的な軽快感が加わっています。そういうあれこれを智に込めますと、水平や直角でない智とテンプルとの接合をどうしようかという問題がよく生じます。そこで帳尻合わせとして、あの直角三角形が生まれています。

帳尻合わせが出てくるのであれば、製造のしやすさのことを考えまして、例えば智のつり目感を諦めようという風になりそうですが、それをしなかったことが素晴らしいと思います。全部やっちゃっている、そんなフレームです。

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