アーカイブ:9月2018

NHS
ヴィンテージのメガネ

18.09.07

ヴィンテージのメガネ。久々に、自店で販売したメガネを載せた気がします。

NHSです。ナショナルヘルスサービスでウィキペディアがヒットするはずです。イギリスの保険制度のイニシャルです。ヴィンテージフレームのカテゴリーにも使用されていますね。

アメリカ物と違ってナードな感じが少ないです。より一層、日常に馴染むメガネだと思います。普通な感じです。それが物足りないのでは無くて、やっぱりベーシックな物は良いなと感じます。

NHSに関して、観察するかぎりメガネの基本的な作りとしては、フランスよりもアメリカ寄りだと思われます。フロントとテンプルの合わさる部分、合口の作りが滑らかではありません。テンプルの芯も、真っ直ぐ入っていなかったりします。ですが、生地の淡い色合いや透明感で、上手い具合に作りの粗雑さをカバーしている気がします。全体として、何だか良いわけです。

生地は薄く、それゆえ掛けたときのインパクトが薄いのも良いです。生地が薄い分、光が抜けて透明感があります。清潔感の塊みたいなフレームです。

面白い
雑記

18.09.06

紹介していただいた店へ行ってみました。ブルバキから徒歩10分ほど。チェルプさんです。

超合金もどきです。色とか素材とか、突っ込みどころが満載です。他にも、たくさん買っております。

ヴィンテージフレームを再現する云々となったときに、最後の最後でその雰囲気が出切らないのは、国が違うからという直観がありまして、今日で一層強く感じました。例えばこの超合金もどきの気の抜ける感じは、日本人が狙って出せないでしょうね。狙って出したときのあのズレは、どこがどう違うことで生じるのか分かりかねますが、なんか違うわけです。

考えていたことの答えが見つかったような錯覚がして、ついついあれこれ手に取ってしまいました。

考えるヒント
雑記

18.09.05

『考えるヒント3 小林秀雄 文春文庫 p.208〜209(表現について)』

昨日は自宅待機、本日も暇なので久々に読書です。サボっているといえば、反論のしようもなく、そんな感じです。6月後半くらいから記憶が無く今に至っておりまして、一応、その辺くらいから貯めに貯めた、お客さんとの会話からずっと引っかかって頭の中で転がしていたことの答えを探すために、営業中のときは仕事っぽい本を読んでいます。

この写真の項の初出が「昭和25年5月」でして、西暦だと1950年です。今だに通用する、むしろより当てはまるというところに絶望感が漂っています。

音楽を例に書かれています。この構造自体は、他にも当てはまり、メガネに対しても漏れなく当てはまると思います。以下、引用です。

“…作者の表現とする意志に近付いて行く喜びなのです。どういう風に近付いて行くか。これは耳を澄ますより外はない、耳の修錬であって、頭ではどうにもならぬ事であります。現代人は、散文の氾濫のなかにあって、頭脳的錯覚にかけては、皆達人になっております。一方強い刺戟を享楽して感覚の陶酔を求めているので、耳を澄ますという事も難しい事になっている。…”

これは、最近流行った『君たちはどう生きるか』の序盤、「本当の良さ」についての箇所に非常に近いものを感じます。本当とは?良さとは?そもそも本当の良さはあるのか無いのか?考えだすとキリがありません。それを錯覚で逸らすわけです。

忙しさを理由にして、この周辺のことの呈示が疎かになっていたなと、反省しております。錯覚しやすい、惑わしやすい現状を恨むのでは無くて、錯覚それ自体へのアプローチを、ここで出来るように、今後も店作りをしないとダメですね。もうすぐ新栄で一年経ちますが、その時の考えを取り戻した気がします。

惜しい
ヴィンテージのメガネ

18.09.05

入荷品の鼻盛りと枠入れ。

鼻パッドは共色で施されていましたが、あまりにも付き方が弱く、親指で押したらポロッと取れてしまいました。どうせ必要なので、先に、透明のパッドを取り付けております。

フロント裏面、左鼻パッドの土台となるところですが、生地に裂け目がありました。フロント裏面から、ブリッジ内側にかけて立体的にVの字に2ミリずつです。真っ直ぐな亀裂で、全く欠けがなく、生地から匂いも無いです。電動カッターでかすった様な痕跡です。とりあえず、埋めて修正しました。プラスチックの劣化で切れ目が入る場合は、地割れみたいにジグザグに筋が入りますし、元のレンズの圧迫による亀裂であれば、リムの内側に入ります。NOSで届いていますし、生地の劣化は無いと判断してです。劣化であれば、商品からは外します。

鼻盛り部分に切れ目が重なるようにしております。上から、補強を兼ねて押さえつけています。ここまですれば、はち切れることはありません。少々迷いましたが、商品から外すのが、余りにも勿体無いくらい良いデザインでしたので直して出します。パーフェクトでは無いのが惜しいですが、蝶番に緑青もなく、十分に良い状態だとは思います。

 

入荷処理
ヴィンテージのメガネ

18.09.03

9月は暇っぽいので、入荷処理も快調です。

磨いていて気になったフレームのご紹介です。このゴツいフレームが良いです。カザールの600番代に通ずる厳つさです。ただ、装飾が無く、フロントの際からテンプルにかけての流れるようなデザインが、ほどよく軽やかな雰囲気にしています。レンズサイズは54ミリで、ナード臭がプンプンなゴツいフレームというのも珍しいです。

謎のリベット付きです。個人的には、アイビーの中に差し込みたい気がしています。

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