アーカイブ:10月2022

11/1は休みです
営業案内

22.10.31

明日11月1日(火)は、月例の眼科さん出張の為、店は休みます。

Pierre Marly
メガネのはなし

22.10.31

書いたかどうだか忘れてしまったので、ひょっとするともう一回です。

70年代のHOYAの広報誌をずっと見ていまして、フレームの年代がざっくり70年代でちゃんと合っていたなとかあれこれ裏が取れて嬉しかったんですけど、全く知らなくて驚いたのはこれ。ピエール・マーリー(Pierre Marly)のメガネコレクションが日本に来て巡回していたことです。

1975年4月号

Amazonでローラーかけても、メガネ関連の図鑑は10個あるか無いかだと思いますが、そうして集めた図鑑のどれを見てもだいたい海外の図鑑のクレジットでピエール・マーリーに遭遇します。いまいちよく分かっていませんでしたが、コレクターのトップだったんですね。日本にも関わりがあって、しかも実物見られる機会がかつてあったとは。いまはエシロールの博物館にピエール・マーリーコレクションとして収蔵されているみたいです。

愛知は名鉄が会場でした。照明かわいい。

編集後記がすごい良くて沁みます。先を急ぎすぎたので後ろのことが気になってきましたという表現がおしゃれです。

「クラシック、ベイシックなものが、どのように生まれ、育ち、消えていったのか、確かめてみることは、むしろ必要な作業といえるでしょう。」

眩しく感じる
雑記

22.10.30

ツーポフレームではコバを綺麗に見せるために良くやりますけど、フルリムでもやっぱり良いですね。グリーンカラーの濃度10%です。パッと見ただけでは、ほとんど透明です。これは自分の物で、前はガラスの透明が入っていましたけど、プラスチックのカラーに交換です。

正面視で、目の周りはほとんど透明に見えていて、横からみられたときにレンズ下側の頬っぺた辺りとか、度数でグニュグニュなっている部分がほんのり色付きます。

もともとプラスチックレンズなら基本は色を入れる派でしたが、加齢のせいかガラスのクリア(ノンコート)で外出すると眩しいなと感じるようになりまして、10%の濃さでも必須になってしまいました。色に慣れすぎたのか、そういう意味では根性の話なのか。

印象の比較
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.10.30

おまけ分析。一個前のサンプラチナにセル巻きしたフレームについて。

いつものと並べてみました。写真右端の智の比較です。メガネは玉型が一番大事という派閥もあるとは思いますが、個人的には智→ブリッジの順で見ていると思うので、その順に大事に思ってる派閥です。

サンプラチナのレギュラーメンバーから、鼻あて付きを載せました。60年代くらいのメガネまでよく採用されている割智とか爪智とか界隈では呼んでいると思いますが、駒が真ん中でパカっと割れてレンズを挟み込んでいる智です。パカっと割れて開くときに、テンプルもいっしょに挟み込みます。なので、レンズを変えるときは2つのネジを緩めます。それが割智です。ちっさければちいさいほど、レトロでカッコイイです(かなり主観)。

店では、この智で、レンズが40ミリ前後で、ブリッジは一山のタイプ等々の、よりレトロなテイストの物もあります。レンズの形、大きさ、ブリッジの形状等々で、20年代〜60年代くらいまでのどの雰囲気にも振り分けられるんですけど、とりあえずメガネの黎明期っぽい作りなのがこの智です。

写真の撮り方が悪いのか、割智の方が面積が広くてゴツく見えてしまいますが…その辺は実物を確認していただくとして、上からと下からで比較しています。一個智は、L型の塊がまずあって、レンズ留めのネジが収まる部分と、テンプルの駒が収まる部分が切削されています。まさに一個の塊でレンズの保持と開閉機構をテンプルに持たせており、それぞれ独立しているのでレンズを変えるときはネジは一箇所だけ緩めます。

メガネから独立させて、一個智のみに焦点を当てると、デカければデカいほどカッコいい気がします。栄生のトヨタ産業技術記念館に行くと感じますが、工作機械等々の巨大な金属の塊は、もうそれだけでカッコいいです。金属が大きい塊で存在しているというのは、モダンなカッコ良さがある気がします。アクセサリーやジュエリーも大きければ大きいほど、まずはカッコ良いと思っています。身体とか服とか色々なものと相対させたときにどうなんでしょう?みたいな悩みはあるんでしょうけど、とりあえず生物とは異質な物が大きいというのは、畏怖まで感じ無いにせよ違和感を覚えるのは確かです。

一個智も、もちろんメガネのパーツですからメガネに引き戻して考えたときに、大きければ大きいほどめがね全体としてカッコいいのかというのは???でして、いつまでも悩める議題です。スーツの肩パットみたいな感じで、智が大きく張り出すとメガネも力強いマッチョな雰囲気になるので、現代の傾向としては智は小さくするべきなんでしょうけど、一個智の美学としては大きくありたいということで、ここで矛盾が生じます。その相克のおかげで三者三様であれこれプロダクトが生まれるのかなとも思っています。フィッティング的にも、智は大きくあって欲しいですね。

横で比較すると分かりやすいかも。どちらもテンプルが細い部類に入ると思いますが、割智の方はも一つ華奢な感じがします。よくある表現としてはカッコ良さのベクトルが違うとかありますけど、本当にそんな感じです。

たまには気分を変えたいということで、すでに購入して頂いたフレームに巻くことも可能です。私も、銀無垢の一山のラウンドに巻いてみようか悩み中です。ちなみにカクカクした玉型はセル巻き出来ないのでごめんなさい。

セル巻きの新色
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.10.30

展示会IOFTの注文分が届きました。サンプラチナにセル巻きです。

黄色なんですけど、クリアイエローで下のサンプラチナの光沢が合わさってゴールドっぽく見えます。

つづいて緑です。キウイっぽい緑です。

緑も黄色も、インテリアでいうところの昭和レトロポップみがありました。羽根が緑で、土台がメタルの扇風機を良いなあと見るその感覚に近い、良い緑と黄色でした。確かに80年代のフレームで、ハッキリと記憶にあるのはジョンレノン(メガネのライン名)の丸メガネで、大きい丸にこれと同じような黄色のセル巻きが施してあるものです。他にも、仕入れのときにピックしない物の中に、安価なサングラスで元気なカラーのセル巻きが施してあるのを何度も見ています。七宝塗装でボストン型に赤とかピンクを乗せていたり。そういう色々な物に共通してあったであろうあの年代のポップさが今回のセル巻きにはあるなぁと、あの年代に生まれたばかりであの年代にまだ自我が芽生えていなかったであろう人間が申しております。

メガネの横の部分を智と言いますけど、今回は普段ブルバキで置いてあるのとは違うタイプのフレームに、緑と黄色のセル巻きをしました。今回の品番はMI-444で、3年くらい前にテンプルが紫檀の削り出しに改造されたモデルを一度入荷したことがあります。ヴィンテージのメガネ界隈からしたらレンズが大きめかもしれませんが、それが極端に小さいだけかもしれなくて、46□22というサイズは普通の大きさかちょい小さめくらいです。それでMI-444の智は堅い雰囲気の一個智、テンプル側のコマまで含めればスパルタ智です。

よく分からない用語を使うと上みたいな感じですが、セル巻きの色とその雰囲気に応じて、ベースとなるフレームの雰囲気を合わせてみたということで、80年代の雰囲気のまんまアップデートしてみました。

もし、こういう元気なカラーの当時物のフレームがあったとして、年代的にフレームの大きさは例えば50□18とか52□16という感じで真ん中が詰まった雰囲気のフレームだったりします。また、80年代であればおそらく智の作りはヨロイの形式で作られることが多いと思います。何だかんだ忠実な80年代の再現というよりは、いまの感覚から80年代に1歩2歩ズラしたくらいな感じです。

おすすめが刺さる
雑記

22.10.25

初版が1992年ということで、本が出たときには著者はまだ40歳くらいでこの達観に至っていると思うとめちゃくちゃヘコみます。そして文章が、なんかとても良いんですよね。

NHKの理想的本箱で紹介されていた本です。あの番組の映像の帯がかなり良いですよね。あんなん見たら、全部面白そうで全部自分にフィットすると思ってしまいます。

将来が見えているか見えていないかで言えば、一回も見えたことが無いんですけどね。そもそも昔から将来を考えたことが無くて、見ようとか見たいとは思ったことが無いんですけど、番組を見て中身が気になって買いました。

番組内で、2皿目の“季節の野菜のエチュベ”が出てきましてインゲンの緑とトマトの赤がすごく綺麗だなと思ったんですよね。真ん中の白の根菜系?も、蜜芋みたいな感じに透き通っていて。野菜だけのお皿を見て、食べてみたいなあと思ったのは初めてかもしれません。なんせ、好きな食べ物がカスタードとチョコの人間なものでして。それで、料理はすぐに食べに行くことが出来ませんから、まず本を読んでみようということになりました。

本はコンパクトで180ページくらいなんですけど、値段が1,800円+税で実は一瞬たじろいでいます。恥ずかしながら。でもエイっと勢いで買ってみて良かったです。とりあえず2回読みました。料理の本ですけど確かに料理に限らず読みこめまして、本の帯で幅さんが“仕事”としているのも納得でした。

カザールではない
ヴィンテージのメガネ

22.10.25

ディオールです。オプチル素材のディオールで、オムでは無くてムッシュでした。

素材の軽さを活かした、肉厚の迫力満点のフレームでした。オブジェの観点で、もっと造形がすごくて見ていて気分がいいオプチルのディオールも沢山あるんですけど、気負いなく掛けられそうな感じのギリギリでここまでカッコいいフレームは無かったなと今でも思っています。オプチルカッコいい部門、歴代1位です。

オプチルは、古いとやってみないとわからない度が高まっています。特性上温めていない状態が一番切れやすいので、ゆるゆるのレンズだとしても温めてトロトロにしてレンズを外します。今回も無事にレンズが入っていますが、レンズが入るとよりカッコ良いですよね。

先にサボる
雑記

22.10.19

せっかくなので国立博物館に行きました。メガネの展示会の前に、昼に到着してすぐ行っています。国宝を見れた満足度と上野はピカソはやってるわ岡本太郎もやってるわの誘惑で、なんかもう美術館のはしごをして、そのままメガネ見ないで帰ろうかなと一瞬頭をよぎりました。それだとただの観光ですし、展示会会場で行われる16時の近視抑制の現状のセミナーを予約していたので、迷いを断ち切りメガネも見に行っています。メガネは、セル巻きの色味で新色があったのでそれを少し入荷予定です。80年代のジョンレノンというメガネにあった、あの色味でいい感じでした。届いた時に載せます。

前載せたアレです。ペンタックスのパピリオ2です。これじゃ無くても、国宝展行くなら双眼鏡がオススメです。大げさに、5000兆倍楽しめます。塗料の残り具合とか、めっちゃ見えます。一番驚きだったのが、全体が茶色く色が抜けている一見ほとんど何も見えないような掛け軸でも、双眼鏡で拡大してみるとわずかな色とか模様とか重なり具合がハッキリくっきりと分かります。絵が浮かび上がってきます。孔雀だったか?鋭い眼差しがこちらに返ってきてドキリとします。これには本当に驚きましたし、感動しました。絵にも双眼鏡にも。日本刀も、あの刃のモヤモヤの模様の名前を思い出せませんが、それぞれのテクスチャーの違いが如実になりますね。

遠くからでも、あれもなんて言うんですかね、ステータスみたいな端書がサッと読めるので時短です。便利で良いですね。もっと早く鑑賞に双眼鏡を導入すれば良かったと思いました。まわりは単眼鏡のひとの方が多かった気がしますが、拡大のみならず立体感を得るということで両眼視の双眼鏡をオススメします。

水曜日休みます
営業案内

22.10.18

10月19日(水)は休みます。メガネの展示会に行きます。

追いシナボン
雑記

22.10.17

今度は自分で買いました。しばらく名古屋飛ばしが続きそうなので。

多分20年くらい前に、小学校高学年か中学生のときに親が買ってきてくれたのを食べて衝撃を受け、広くシナモンというものに開かれた人生になりました。名古屋の栄のどっかにあったんですよね。とにかくシナモンなら何でも好きになったのは、このシナボンのお陰です。

美味しかったです。イベント期間内とのことで即リピートだったんですけど、20年で記憶が美化されていました。記憶のシナボンはもっと甘かった気がして、三島由紀夫の金閣寺を真似すれば、「現実のシナボンは、こんなにも甘く無いものか」と、実は感じてしまいました。空想のシナボンは、この世で一番甘い物でしたが、過去1年くらい振り返ってみてもっと甘い物があった気がしています。でも多分、結構甘くて皆は食が進まないのか、あの6コパックのうち4コは私が追憶とともに吸収しました。

この20年間、どのシナモンロールを食べてもあの少年時代に食べたシナボンを越えられないと嘆いていましたが、それぞれ個性があったといいますか、甲乙付け難かったんですね。過剰に美化されたシナボンによるシナモンロール測度によってそれぞれのシナモンロールを測っていたことを反省しています。

金閣寺 三島由紀夫

過去というのは、こうも簡単に意図せず無意識に美化されてしまうものかと実感することになりましたし、20年も温めて美化したものに向き合う機会が訪れるとは思っていなかったので、そのこと自体には強烈に感動しました。

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