薄々感じていましたが、ゴールデンウィークに完全に露呈しました。いよいよ、店内で待つ時の椅子が足りていないです。
ということで、重い腰を上げて買ってみました。背中のアールが心地よいです。一昨日から置いています。これの年代は分かりかねますが、デザインが産まれたのは60年ぴったりだそうです。脚から脚へとしなやかに延びる、曲木の曲線に惚れました。スペースエイジ感があります。
肘かけが破損しておりますので、直しました。元々はビニール素材で釘留めをしておりましたが、ここはこだわって皮籐で巻いてみることにしました。ここ最近、鼻盛りが続いているので気晴らしです。

はじめは、解けたのを糸で留めてありました。何とかしようとした形跡がありました。長く大事に使っていたことが伺えます。

反対は巻きが生きています。年代的に、プラチックとか樹脂の地位がそんなに低くなかったのでしょう。拘っていないとかではなく、肘かけ部分だけ樹脂が使用されています。塩ビみたいなテープで、終端は釘留めしてあります。

そもそもこれが皮籐という名称であると知るところからスタートでした。

水に浸けます。張りがあって、曲げてもピンと真っ直ぐになる皮籐も、水が染み渡ると癖付けが出来るくらいにしなやかさを得ます。それで巻くだけです。

終端の処理は、巻き込ませて引っ張ります。木工用ボンドを噛ませて、緩み留めもしておきます。目一杯引っ張っても、全然ちぎれる様子が無いです。あとは、乾燥すれば締め付けが一層強くなり、一層しっかりとするみたいです。明日が楽しみです。
メガネもそうですが、修理は面白いです。長く大事に使っていると、物の特性みたいなものが滲み出てくる気がします。それを観察して、実際に触れることが今は何よりも楽しいです。やれる範囲の様相であれば、ジャンル問わずに節操なく修理に挑戦していたりします。