平成手前
ヴィンテージのメガネ

21.06.06

おそらく、平成レトロ手前と思われます。実売期間としては重なることも大いにあったと思われます。

ケントの溝安全枠です。現代だとワイヤーリムとかカッコよく言いますけど、80年代後半ごろのポパイの広告で、白山眼鏡の似たようなオリジナルフレームが溝安全枠と宣伝されていました。溝は見た目通りで、安全枠の安全は、踏んでもレンズが逃げて割れにくいというところから命名されているみたいです。何周も回って、安全枠というカテゴリー名がカッコいい気がします。

横がカッコいいですね。1世代30年と言いますが、まさにコレのチタン版が今のヨーロッパ系のフレームだなという感じでして、何でも30年くらいで1周回るんだなと物からも分かりますね。

抗う
雑記

21.06.06

久々に時間論です。帯見ても、カバーの裏見ても、「エレガンス!最高!」みたいな雰囲気が漂っていまして、例えば数学で「エレガント」な解法みたいなエレガント系賞賛のときは、本当にすらすら分かりやすい明瞭さを伴っています。ところてんを食べるときの感覚に近いですね。なので、そんな心持ちで挑んだところ、結構??が多くて戸惑いました。まあまあ噛まないとダメでしたね。式を使わないというポリシーが本に貫かれておりまして、それのおかげで読みやすい方もおられるのでしょうが、個人的にはそのせいなのか6章くらいまでフワフワしちゃいました。

この本よりも10年くらい前に、日本で出版された本があります。結論はほとんど一緒だと思われます。正直、「時間は存在しない(以後カルロ本)」の理解のためにこの「時間はどこで生まれるのか(以後橋元本)」を参照しまくりました。カルロ本は、専門家として時空に作用する要素として重力の考察があります。ただ、橋元本の相対論の理解がないと、「ごめん、その前に速く動くと時の流れが遅くなるってことに、まだうんって首を縦に振ってないんだわ」という感情が噴出して、この辺でギブアップしてしまいそうになります。エントロピーの部分の理解にも、橋元本の赤玉と白玉の交換の図が大いに役立ちました。

カルロ本の訳者あとがきにある通り、マクロな時間の源泉が、ある数学の非可換性のみで確保出来るのでは?という考察は、理解度50パーセントながらおぉーってなりました。

カルロさんも橋元さんも、マクタガートの時間系列A・B・CのA・Bは実存しなくて、Cだけあるよねって主義です。サイエンス的にはAもBも無いって言われても、現にいま私の心にたぎるAの時間はどうしてくれるわけっていう心の落ち着かせ方は微妙に異なります。ですが、ざっくりな理解ではあんまり変わらない気がします。それはエントロピーの増大と意志が鍵になっているという主張はおおよそ一緒なはずです。

カルロ本と橋元本では正反対な題名なんですけどね。橋元本で始めに引用される、マクタガートの分類を適用すれば、どの時間が存在しないのか、そしてどの時間がそれでも尚、生まれてくるのかというのが分かります。

橋元本の初版が2006年です。カルロ本(日本語版)は2019年ですから、少なくとも13年ほど、この「あってC系列くらいだわ」という派閥が存在しているということに安心しております。私が橋元本を始めて読んだのがおそらく2010年ごろです。ブルバキを始めるときには、橋元本のエントロピー増大が云々それに抗う意志が云々みたいなことが、頭の片隅にありました。今はサンプラチナもやってますけど、とくにブルバキを始めるにあたり銀無垢がどうしても外せなかったことは、この辺に関係しています。当時は、普遍性とか言っていた気がします。

この5年で、ヤフオクだけでは無くてメルカリやら何やらも普通になりましたし、なんならebayも普通になりつつあります。頻繁な売り買い・物の出し入れでエントロピーの増大に抗うってのも一つの方法ですし、基本はそれが推奨された行為なんでしょうけどね。でもやっぱり動かないっていうのを何とか作りたいなぁという気持ちは今もちゃんとありまして、今年もなんか作ります。

明日は出張で店にいません
営業案内

21.05.31

定例の眼科さん出張で店にいません。また水曜日以降にお待ちしております。

智残し
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

21.05.28

サンプラチナの手彫り例です。今回の見所は、彫金箇所です。

例えば刺青では乳首が入る・入らないで、関東関西の流派があるらしいとは聞いたことがあります。ネット検索してみると、それっぽくヒットはしますがいまいち確信が掴めないので、あくまでらしいで留めておきます。

そんな感じで、智を残してみました。いつも総彫のときは「山・智・腕」と彫金の指示を出しているので、今回は「山・腕」です。正面の煌めきを抑えるということで、このようにしてみました。柄は菱松です。

さっぱりして良いですね。価格が、智を含む・含まないでそんなに変わらないので、手彫りの費用を抑えるというよりは、サッパリさせるかコッテリ埋め尽くしたいか、それで悩んで頂ければと思います。

各種試してみました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

21.05.26

クラウンガラスの単層コートが再び使えるということで、ガラス熱が上がってきています。

あらゆるパターンを見て、比較して検討したいでしょうから、宣言下で暇なんで準備してみました。まずは銀無垢で。ガラスの単層コートと、プラスチック(CR39)のノンコートで比較です。レンズの質感の比較が出来ます。ノンコートと比べたときの、単層コートの青白さも確認出来ます。彫金有無による風合いの変化も比較も出来ます。

調子が上がってきてしまい、久々にサンプラチナのフレームにもガラスレンズを組んでみました。テンプルエンドがバチ状になっておらず、重量バランスや摩擦の観点からガラスを積むべきかどうか悩みどころです。とりあえずお客さんの度数等々の条件次第なんですかね。あと最後は、今回サンプルを作ってみましたから、それを掛けてみたときの何だかイケそう感があるか無いかで決めて頂ければと思います。

これも、同じレンズ形状・サイズです。屈折率の違い→比重の違いによる重みの差を体感してもらえるようになっています。ガラスの屈折率1.52と1.60です。コートはそれぞれ単層コートとマルチコートで反射光の色味の違いが確認できます。これも彫金の有無も比較できます。

あとは、フラットのガラス(1.52)の見本ですね。これはノンコート可能です。見本もノンコートです。同じラウンドだと、レンズ形状で柔らかい雰囲気を持たせるか、パリッとピリッとした空気感を持たせるか、違いがよく分かるのですけどね。とりあえず八角形のフレームに積んじゃっていますが、反射のギラツキ具合がよく分かると思います。

多分、いまの眼鏡の観点からは結構どうでも良いことでしょうけど。無垢のフレームにガラスレンズを積んで有機物を排除した“塊”の眼鏡を畳むときの「カチャカチャ」という響きが良かったりします。耳触りがよくて、何となく所有欲を満たしてくれます。

頑固一徹系
ヴィンテージのメガネ

21.05.25

擬似鼈甲あつかいのセルロイドフレームです。面の作り方とか、テンプルの仕上げとか、そのまんま同じような作りです。

金具も金メッキでそれっぽくしてあります。

セルロイドも、めっちゃ綺麗です。この前の、本鼈甲と並べてみます。光沢の違い、光の反射具合が上手く撮れたと思います。

本鼈甲がトロッとしているのに対して、セルロイドはカラッとしています。光沢、反射の具合なんですけど、何となく分かりますでしょうか?

ちなみに、上はガラスの単層コート、下はプラスチックで白色反射光のコーティングのものです。

買って頂いた方が仰っていて、なるほどそうだなと思いましたが、そろそろあの日本の文豪があんな感じだから、あんな眼鏡してみようとか、そういうのカッコいいよねとか生まれても良さそうですね。その辺って、まだまだ全然カルティベートされていませんね。

土日休みます
営業案内

21.05.21

荷物がよく分からない状況です。その荷物ってのが、よりによって新しいヒーター何ですけどね。

ということで、基本何も出来ないので明日も明後日も休みます。緊急事態宣言中ですし、いろいろ諦めました。ごめんなさい。

参考値
目のことレンズのこと

21.05.21

もう何年も前に、ガラスレンズは各屈折率で比重が異なってくるので、レンズの選定はむずかしいですなぁみたいなことを書いた気がします。例えば屈折率をあげたことで縁厚が削れますが、比重を加味しますと本当に軽くなったんかな問題が立ち込めてきます。しかも盲点なのが、凹レンズの中心厚(一番薄いところ)が要素として入ってきます。度数によっては屈折率を上げた時に、縁厚は薄くなっても設計上中心厚は増すなんて事も起こり得るからです。さてさて。

ブルバキさんの目がテン!ということで、実際に擦り分けてみました。ガラスの球面設計で、1.70と1.52です。

  • FPD70(48□22) 天地38.5ミリ
  • PD 右:35.0ミリ 左:34.0ミリ
  • 高さ 右:中心より2ミリアップ 左:中心より3ミリアップ
  • 度数 右:s-5.25 c-0.75 ax180 左:s-4.50 c-1.00 ax165

ざっくりどういう状況かと説明します。度数は、そこそこ強めです。ピントが20センチくらいで合っている眼です。たとえば、風呂は眼鏡なくても入れる程度の近視です。それぞれのお店でどういう方針かは分からないですが、どうなんですかね、セット料金からちょっと増額してプラスチックの屈折率1.67とか1.74とかの薄型レンズを勧めるお店もあるんじゃ無いでしょうか?そういう度数です。

FPDとかPDとかは、フレームの右目も左目も(特に右目側)それぞれ真ん中付近にレンズの焦点があることが読み取れます。加工するとぐるっとレンズの厚い部分が都合よくカットされて、割とそもそも縁は薄く、つまり軽く出来るセッティングであるということを意味します。

今回、屈折率1.70は比重(2.99)です。屈折率1.52は比重(2.41)でした。プラスチックレンズは、だいたいどの屈折率も比重は(1.30)付近でして、ガラスはプラスチックの2倍くらい重いというのはここからきているのだと思います。

右レンズ同士、向かって左が屈折率1.70で右が1.52です。写真上が、ともに右耳側の縁です。FPDとPDの関係から、仕上がりが自然に薄くなることが読み取れますが、実際に比較するとこれくらいの厚みでこれくらいの差です。だいたい、面取りのさじ加減もあるのでなんとも言えませんが、1.70で3.2ミリ1.52で4.2ミリでした。さぁ、ここで重さを比較してみます。

1.70の右レンズ
1.70の左レンズ
1.52の右レンズ
1.52の左レンズ

私の予想は、1.52が2割くらい軽いかなと思っていました。そこまでの差は生じませんでしたが、やはりペアで1.52のほうが軽い結果となりました!!縁の厚いレンズの方が軽いという結果です!!左レンズだけで比べると、もちろん1.70の方が縁は薄いのですが、重さは色々あって一緒なんですね。右は、これも色々あって1.52の方が中心厚が薄いとかその辺もおそらく合わさって、軽かったです。

ガラスの特色や利点の一つとして、薄く出来るというポイントがありますが、薄く出来るということで留めなくてはなりません。これが軽くするために縁を薄くする、つまり屈折率を上げるとなると、そうならないケースがあるわけです。今回の条件では、見事にそうでした。ひょっとすると、s-8.00くらいなら(風呂入るのに眼鏡が欲しいくらいの近視)、やっぱり薄型で縁の少ない屈折率1.70の方が軽いという結果だったのかもしれません。

ということで薄くすることと軽くすることの分裂は、比重の差によって生じます。それは実際に加工してみるまで分からないということになります。

ちなみに表題を参考値としましたのは、秤が家庭用の食品用なので。金地金じゃ無いので、、まぁ、、、その辺はいつの日か設備を整えます。一応説明書見る限りは、計量精度(±0.2グラム)です。今回の差では、いずれにせよ1.52の方が軽いという結果になります。ちなみにちなみに風防無いので、閉め切って息を止めて計測しています。

さすがにもったいない
修理とメンテ

21.05.21

この前の引き上げ品の中に、未修理品が1本ありました。あずかって、修理できずに店でほかることになったのか、見積もり伝えて高いからそれなら要らねと、店で廃棄しといてになったのかは分からないですけど、そういうものが含まれていることは多々あります。

それで今回、一瞬のためらいの後、修理して中古の特価品にしようと決めたのは、それがゴルチエだったんですよね。壊れ方も、バキッと変なところで折れたとかではなく、ただのパーツ同士のロー離れです。

最近は人気も落ち着いてきたように思いますが、一つの地位を築いたので値段がそこまで下がらないです。そもそも各パーツの型代等を考えますと、もう一回今の時代に復活させるのは難しいなあと思いますし、それらを言い訳にして再生させてみました。トップの写真は修理後です。

遠目は分からないくらい綺麗にレーザー溶接されています。部分塗装もしております。

裏は、やや変色も含めて修理跡が残ります。

上からはこんな感じです。次に壊れていなかった左テンプルの様子も載せておきます。

ここまでは工場で直してもらい、ここからは店内での作業です。


すでに鼻盛りしてありますが、張り付けタイプでやや見た目が美しく無いので取り替えです。

ベースごと削り落として、新しく載せ替えました。

あとは、先セルが緑青の付着で汚れているので取り替えしました。残念ながら黄色が無いので、明るいオレンジ色にしてみました。

これで、肌に触れる部分は新品になりましたし、全体の見栄えも綺麗に復活したと思います。金属の腐食が無ければ、ある程度綺麗に戻せます。

よく観察しますと、細かいメッキの剥がれもありましたが、風合いが変わりすぎるのを懸念し、今回はそのままです。時計で言うリダンすべきかどうか、あれに近い感覚だと思います。私の場合は半々で、今回は再メッキしませんでした。

復活
目のことレンズのこと

21.05.19

ガラス1.52、復活しました。ノンコートはやっぱり無いですけど、単層コートは復活です。青白い反射光です。最高です。

最近はダンヒルのツーポ推しでしたけど、ガラスの1.52が使えるのであれば銀無垢のフルリムをやっぱり推したいところです。銀とガラスだけの眼鏡って、素材の響きでもうカッコいい感じしませんか。なんかもうね、こんな嬉しいことは滅多に無いですね。

ブルバキでガラス1.52が復活し、ヒーターは謎に壊れ、星野源と新垣結衣が結婚する、感情がぐわングわんする1日でした。

_170831bk

pageTopLink