ぼちぼち入荷
ヴィンテージのメガネ

21.05.17

晴れた日は自転車で店まで来ておりますが、昨日は雨でしたから地下鉄で行きも帰りも。帰りが19時前でしたが、さすがに地下鉄の東山線は空いていましたね。それぞれの席の端っこ同士が埋まる程度でした。

緊急事態宣言ということで、店をどうしようかなと考えていましたが、この調子なら開けても閉めてもそれなりに一緒だなということで、とりあえず開けます。レストアしたい商品が結局山積みですし、店に居ます。

ティアドロップほど垂れ目感が強くなくて、非常に良いです。例えば服でいうところの肩パット的な、80年代のセルフレームの垂れ目感は相当にコッテリと時代錯誤感を演出してしまうんですけど、これはさほどです。フロントからテンプルに掛けての流れが綺麗で、クリアレッドの色味も合わせてライトな感じが良いです。

それとこれも。アーマーみたいです。バブリーを超えて、何と表現したら良いか分からないですが、とにかく金掛かってるなーってのがビシビシと。各パーツの精度も出ていて綺麗なので、単純に物としてカッコいいですね。

さっきのセルも、このゴツいのもシルエットです。なんでも声に出してみるもので、そういえば最近シルエットにハマったと宣言していたなと。それでこれらがここに集まりました。ありがたい。

これから綺麗にしていきます。

金閣寺
雑記

21.05.14

三島由紀夫ときくと、肉体的にもそうなんでしょうけど精神的にもマッチョな感じがして、そんなに鍛えたら壊れちゃうなぁって思っていたんで避けていました。それに、古本屋に足を運ぶとたまに三島由紀夫コーナーがあって、上級者向けみたいな雰囲気が出ています。それが刷り込まれて、初心者だしお断りかなぁみたいな、妙なハードルの高さを感じて避けていました。

最近のお決まりです。いつものあの番組、100分で名著で「めっちゃ面白いな」と感じてとりあえず買いました。5月は三島由紀夫の金閣寺です。番組で結末を知る前に一旦読み終えておきたいと感じて、木曜日を費やして読み終えました。三島由紀夫は、葉隠入門しか読んだことが無いので、小説は初めてです。

とりあえず政治的なことはよう分からんですか、美とか絶対的なものとかをある程度そのまま字面通りに読んでみました。ただ、あまりにもまっすぐ「金閣寺」と読むと、やや滑稽な気もしてきましたし、100分で名著の2回分の放送を見てある程度予備知識がある状態でしたから、金閣寺を例えば私で言えば眼鏡に置き換えてみたりとか、そんな事をしながら読んでみますと、確かにこれはなんだか凄い小説だなという感じがしてきます。

おちょやんで、天海天海もめっちゃ悲劇的になると「(むしろこれこそ本物の)喜劇や!」みたいなことを言いますし、いまやってる連続ドラマの「コントが始まる」も、それに近いのかなと感じます。本人達は必死で、人生の大きな決断が迫られていて、話の核はグループの解散という悲劇なんでしょうけど、側からみたら喜劇ですね。もちろんそういうドラマ構成なんでしょうけど、あれ面白くてハマりますね。

同じNHKの番組、達人達という対談番組で宮島達男と大川豊の対談の回がありました。気になって大川興業を調べてみると、「一線を越えたものはすべてお笑いだ!」と書いてあります。本当にそうなのかもしれません。基本は、人ごととして笑い飛ばせるのかもしれませんね。では、何が自分では笑い飛ばせないのか、下手するとそれがもとに悲劇になりうるのか、溝口(小説の主人公)にとっての金閣寺のような存在になってしまうのか。何で私にとっては金閣寺じゃなくて眼鏡だったんだっけ?みたいなことを、久しぶりに振り返ってみようかなと思いました。

小説内で溝口(主人公)は、女性の裸体を見た瞬間にブワっと金閣寺に変貌する体験をします。それでいうと私は、幸い一回もブワっと眼鏡に変換された記憶が無いです。まだまだ修行が足りんのか、眼鏡への没入が足りないのか、悲劇に足を踏み入れていないのかどうなんでしょうね。

抜き出すだけでじんわりする箇所も多々でした。個人的には「私の感情はいつも間に合わない。」というのは、凄いわぁってなりました。

ツーポでツインカラー
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

21.05.10

サンプラチナ、ツーポイントのフレームにツインカラーレンズを入れてみました。ツインカラー自体はめちゃくちゃ特別なことでは無いんですけど、出荷数は少ないでしょうね。上が緑の15%、下がピンクの15%です。薄目であれば仄かに分かる程度で、そこまで奇抜な感じにもならないと思います。

ツーポイントだと、さすがに色の切り替わり具合が丸見えです。濃度がともに15%程度だと、どうかな仄かを通り越して分かりにくいかな薄かったかなと心配でしたが、大丈夫ですね。遠目からでも、レンズがとても綺麗だなと分かります。

緑とピンクがマーブルっぽく混ざっているこの感じも良いです。横はいつも通り総手彫りです。

何度も紹介しているオリジナルの、ダンヒルのブリッジを型から起こしたアレです。それにブリッジまで総手彫りです。回数を重ねる毎に、どんどん彫金の精度が出てきていると思われます。今回こそ、最高に美しかったです。多分、次に上がってきた時もおんなじ事を言うんでしょうけどね。

次の10日と11日も休みます
営業案内

21.05.08

休みは来週の月曜日と火曜日ですね。先に、火曜日は月例の眼科さん出張です。

月曜日は、ゴールデンウィーク前にポカして納期が延びてしまった分のレンズが届くので、それに取り組みたいので休みます。

つぎの土日休みです
営業案内

21.05.07

この土日、8と9は休みます。

久々に岡潔です
雑記

21.05.07

岡潔で読んだことないのあるなくらいの感覚で購入しました。講演録でした、68年69年あたりの。小中高大とあれこれ講演されているようですが、凄いですねどの回も内容はほとんど変わらないですから、大人でもポカーンで小学生はもっとポカーン連発でしょう。そんなこともないのか、子どもの柔らかい心の方がスッと馴染むのか。どっちなんでしょうね。

そういう私もポカーン連発だったんですけど、毎回ポイントは同じなはずで、自然科学で何でも全部分かると思うなよと、そこ大事だぞと、そういうことを伝えておるのだと思われます。それを、自然科学(数学も自然科学のうち)の権威である私(岡潔)が述べておりますというところが旨味です。

この多変数〜はフェイントです。数学の偉い人が書いた、あれこれ数値化して覗いた日本の低さを憂いている本では無いです。

オール甲へのガラス枠入れ
メガネのはなし

21.04.27

2年くらい前に手に入れた、オール甲のフレームです。ちゃんと使っていたのは、実質1ヶ月ほどで、あとはぼちぼちでした。自分は、無垢の手彫りのピッカピカや、面白い系の眼鏡がやっぱり好きなんですね。

ところが年度が変わり、いわゆる普通の眼鏡が要るようになりました。一旦、普通とは何か?とかそういうのは置いておいて。普通のが。そこでさらに突っぱねることも出来たんでしょうけど。前出の二村ヒトシさんの本でいうところの「心の穴」を想うと、普通も要るなとなりまして、この4月からはよく使っています。タイミングが合えば、皆さんにべっ甲の経年変化を見て頂けるかもしれませんね。

それで、せっかくなので初めてオール甲のフレームに、ガラスレンズの枠入れをしてみました。そもそもの件数が少ない上に、リム切れ等々が怖いのが重なり、さすがにべっ甲にガラスの枠入れは実績0でした。ということで、自分ので実験です。

どちらの素材も、全然弾力性が無いのでやっぱり怖いですね。思ったよりは、スルッと入りました。

もっと早く読んでおけばなぁ
雑記

21.04.27

店の配置換えも終わり、ようやくあれこれの余裕が出来てきた次第です。店の、カッコつければ理念みたいなものはもちろん変わっていないんですけど、方針みたいなものは変わりました。それは年始の、ディスタンクシオンに触れてからの懺悔ともちろん関係があります。方針が変われば具体的な展開等々も芋づる式に変わらなければいけませんから、片付けも兼ねてレイアウトも変えてみました。

余裕が出てきたので、久々に本読みました。國分功一郎さんの本は、文章からここまで人間の心を読み取ってしまうのねと、ただただ驚きです。変な感想になりますが、凄い人って凄いわーってなりました。自分に近い相談なんかは、一緒に助言をもらっているのかそれとも何となく怒られているのか、そんな気分になれます。

その國分功一郎さんの本では、各相談の末尾に処方箋的な感じで推薦図書が提示されます。そこに、二村ヒトシさんの本が何度か提案されていたのでそれも読んでみました。特に女性向けに書かれた本の方が、こういう滅多にない読み物の幅が広がりそうな気配のする機会には良いじゃろと思いまして、それにしました。そりゃまぁ、もちろん、「二村ヒトシ」という名前だけでも、ねぇ、、、興味が湧きました。

この本は、それこそ店を始める前に読んでおくべきだったなと、それくらい感動しました。なんか、恋愛とか超えて全部に当てはまりそうです。ディスタンクシオンの実践編という感じでした。これも、凄い人は凄いわーってなりました。

凄い人から色々なことを吸収しないといけないので、これからも!?作品を拝見しようと思います。

グーパンチ
ヴィンテージのメガネ

21.04.26

グーパンチお持ち込み。ボストンのような、微妙にティアドロップのような、なんとも言えないレンズシェイプも魅力です。

グーパンチは何度も同じことを言いますが、傑作中の傑作です。最高です。作りと見た目のシンクロが醍醐味です。

この握りは、本当にレンズ留めとしてリムを握っている構造になっています。その握らせ方も凝っていまして、見える部分は丸く切削し、自転車のように棒を握っている演出になっています。

レンズ側の見えない部分は四角に切削しています。そのおかげで、握りこぶしをリムに差し込んだあと、テンプル全体が回転しないような仕組みになっております。物としても相当優れた作りです。

前出のゴルチエもそうですが、80年代後半から90年代にかけての、このクスッとさせる眼鏡の類はどれも最高ですね。何となくですが、マルジェラの眼鏡よりマルジェラっぽくありませんかね。

フォーク大
ヴィンテージのメガネ

21.04.26

ゴルチエのフォークの大バージョンです。前は、全部メタルのフォーク小を載せたと思います。フォーク大は、もう眼鏡として溶け込むことを諦めて、潔くただただフォークです。

食いしん坊って感じです。

フロントがセルのタイプも存在するはずです。これも含めた、よく見たらふざけているタイプのフレームって良いですね。なんだか平和です。

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