本筋ではないところ
雑記

21.03.03

この前の本『認識と反省性 ピエール・ブルデューの社会学的思考 磯直樹 法政大学出版局 2020』から抜粋です。本筋ではなくて、準備の部分ですし何ならブルデューの言葉ですら無いんですけど載せておきます。どこまでも先回りされている感覚です。よく使う言葉を基に、自分の思考をも分析の対象として認識が出来ているというのが、プロの技ですね。

「(p.308)…みずからが大衆(mass)を構成する一員にすぎない存在である、と考えたがる人間はだれもいないのであり、したがって、じつのところ大衆(masses)などというものは存在せず、他者を大衆とみなす方法のみが存在するということを、わたしたちは認識し他者に礼をつくすべきなのだ」

マスを敵対視していないと宣言するだけではダメで、マスを想定した時点でその眼差しが、相手にも自分にも向けるそれがアウトということでしょう。大反省。

卵甲
修理とメンテ

21.03.03

前もガラスレンズの枠入れで扱ったフレームです。今回は、お客さんが家で鼻パッドをいじいじしてパッド足を折ってしまったということでした。工場にてレーザー溶接出しています。早くて綺麗です。

よく分からないですけど確かに素人玄人抜きにしてピピッとタッチするくらいでメキッと嫌な音がして折れることもあります。とにかく、パッド足のお触りは難しいです。

今回、着目は別にありましてパッドいい感じじゃないですか?と、そこがメインです。ヴィンテージのフレームですけど、修理で風合いが崩れていないと思いました。どうでしょう。

1回目のお持ち込みの段階で、すでに箱のパッドに取り替え&フルメッキの修理済み品でした。それで今回の修理はそれをもう一回付け直すという、そのままではお客さんにとってはテンションの上がりきらない修理です。なので、ネジ類を全部マイナスに変えて、パッドもそれっぽいのに変えて元のセッティングに近づけておきました。これは擬似鼈甲である卵甲の擬似です。プラスチックパッドの卵甲カラーです。

箱のネジと、眉パーツの固定するネジが既存の修理でプラスに変更された状態で私のところに来ています。私も、物として維持が難しそうであれば積極的にタップ切ったりネジの長さを自前で整えたりしながら、現代の強いネジに変えてしまいがちです。ただし、何となくマイナスネジの方がカッコいいよねという感覚は同じく持っていますので、出来るだけまずマイナスで探し、無ければプラスで直しています。残念ながら、日本はやっぱりプラスネジの方が種類も長さも素材も豊富です。

眉の止めるネジ周りには、AOの場合シリコンのチューブみたいな物がささっています。そういえばツーポの段付きポリカワッシャーがピッタリでした。ちょっとゴツく出っ張りますけど、良さそうなのでこれからそう直します。

パーツメーカーの一般供給品の場合、抱きのパッド・はめ殺しのパッドの種類は少なくプラスチック部分の色味は透明1択です。今回の修理を見まして、それならいっそ箱パッドにしてチタンパッドの装着も良しですし、この卵甲カラーのプラスチックパッドの装着もいいなと思いました。

ただこの卵甲カラーはやや危険です。なにが危険かと申しますと、業界人の私ですら同じ業界の人に「パッド黄色くないっすか?」と言われたことがあります。ですから、汚くて古くて黄色いと思われてしまうこともあります。場所が変わると評価が一変する可能性はありますが、個人的には大好きですね。

念のため
営業案内

21.03.01

今月は眼科さん出張が無くなったので、明日の第1火曜日は通常営業です。念のため。

買いました
雑記

21.02.26

私がその問題を始めて知ったのがおそらく20年くらい前で、確か中学生くらいのとき。他人のお母さんのおにぎり食べられるか問題というものです。

その問題を知ってすぐだったと思います。だから20年くらい前で間違いないです。友達の家でマリオテニス64をやっているときに、その子のおばあちゃんが手作りいなり寿司を出してくれたことがありました。あぁこのことかと。私は試されているんだなと勝手に思って、勢いよく食べた記憶があります。何なら、今までそんなの全く気にしていなかったのに、そんなの言われたら、ちょっとこれから意識しちゃうじゃん…みたいな、ここだけ切り取ると恋心に気付いたときのセリフみたいな感じですね。まあでも知らなくても良いことなんて沢山あるなと思った記憶が残っています。知らない方がスムーズなことなんて沢山ですよね。

ブルデュー関連の本を読んでいます。この前の100分de名著のテキストの中で紹介されていた本です。この部分を読んで、お母さんのおにぎり問題を思い出しました。手造りが一番みたいなことを聞くと、私は頭の中で手造りおにぎりとコンビニおにぎりを同時に差し出しています。

ブルデューのこの辺のはなしとか研究内容が、まさに眼鏡周辺にも当てはまる気がして目が離せないです。

23日の火曜日は休みです
営業案内

21.02.22

明日は休みにします。よろしくお願い致します。

ヘルシー
ヴィンテージのメガネ

21.02.22

セクシーよりヘルシーの時代というのをお客さんから聞きまして、上手いこと言うなぁと思っていましたが、いまのファッション業界のスローガン的な表現なんですね。ユニクロマガジンの新作が並んでいますが、そこに語句でヘルシーが使われており、ヘルシーがキーワードであることを改めて認知しました。

ヘルシーかどうかは分かりかねますが、80年代のスポーティー(死語?)でエネルギッシュ(死語?)な雰囲気を足したい気分は依然ありまして、そんな感じのフレームが片付けしていましたら出てきましたので載せておきます。横の白とピンクのラインが、インテリア界隈の「昭和レトロポップ」に通ずるところでして、アクティブなヘルシーさがある気がします。それか、歯磨き粉のアクアフレッシュ感、クリア感が全開な気がします。

ほんとうに大事なのは、ヘルシーよりたのしーですよね。はい、スベりました。以上です。

あの頃のあれは何だったのか
雑記

21.02.20

面とか曲面とか角とかの話に今週はなりまして、なるほどなぁと教わったことが多かった週でした。

それで、そういえばなんですけどそれに近い話というのは中学校のときに習っています。連立一次方程式というやつです。

あれは、計算問題として捉えれば非常に味気無いんですけど、実際、なんとか法の二つで解けます的な習い方しかしませんし、ほんとうはもう少しコク深いです。

あれは、平面上に平行でない2直線があって、それはどこかで交わりますなぁそれが無性に知りたいですなぁという、そんな話に置き換えられます。

じわじわ記憶が蘇ってきたと思いますが、答えの書き方は例えば (x,y)=(○,△)みたいな形式です。ただの表記の問題ですから、嫌であればx,yを横と縦に呼び変えても問題はないです。

平面上で横と縦が決まれば、そうです点を示します。私も18歳過ぎて気づけたんで、数学科を目指した人間としては遅すぎるとは思いますが、ここが面白くて、平面(2次元)の中で1次元(直線)と1次元(直線)が交わると、点(0次元)が生まれます。

そうなりますと、なんとなく想像を働かせまして、空間(3次元)に二つの平面(ともに2次元)があって、交わるとなにが生まれるかといえば、やっぱり直線(1次元)が生まれます。

雑なスケッチ載せておきます。交わる箇所に(青)直線があります。交わっている感が欲しくて描きました。手元で簡単に実現させたければ、折り紙の要領で紙を畳むと、そこに線が生まれます。それです。

なんとなくダラダラ書いてみましたが、もう少し雑に言えば、条件を課す毎に次元が下がるという話でして、直線を見るにしても点を見るにしても、どんな制約が潜んでいるのかみたいなこと考えると、一度見たものでももう一回見るのが面白くなったりします。自由な線とか表現としてカッコ良くて憧れますが、制約でしかない線と言い切るのもストイックでカッコ良さそうです。

ヴィンテージの眼鏡の世界では、どうやら角というのがキーワードですが、どの2平面によって成されるのかというのを探しながら眺めると乙でしょうね。

明日は14時ごろ開けます
営業案内

21.02.16

色々はっきりしてなくてすみません。14時ごろには店に居るはずです。野暮用で12時ぴったりには開けられないことだけが確定しています。

初お持ち込み
修理とメンテ

21.02.16

ギュパールのお持ち込み。電話でもフラットレンズ入れれますか的なお問い合わせ増えたんで、そろそろかなと思っていましたが何だかんだようやくです。

ガラスのフラット入れています。削りの粗なのかフラットのプラスチックを入れる際の加熱のし過ぎでたるくなったのか、今回のお持ち込みは初めからリム周りがふにゃっとなっていたので、その辺も修正をしています。

リムのぐるりは#600からスタートして整えています。それで、角を残した磨き云々が大事みたいな話のはずなので、フロント面の歪みもサッと取っています。なんて言えばいいのか表現に困りますが、xyzの軸を意識して磨いてこんな感じです。ここからバフをかけて艶を出し、パコッと枠入れするとトップの写真のようになります。

ヴィンテージ手前
ヴィンテージのメガネ

21.02.16

認識か言い方の違いだけで、ヴィンテージのセカンドハンドなのか型落ちの中古なのか、なんとも形容しがたい時代の999.9です。あと10年経てば、確実にヴィンテージのカテゴリーに入るのでしょう。

初期の頃とは伺っていますが、ツーリング以前・以降みたいなところは私は分からないです。それ抜きにしましても、チタンをゴリゴリ削って作られたおそろしく存在感を放つフレームでした。

リムの部分です。フランスの50年代のamorと同じ構造でフルチタンです。わたしには聴こえます、工場の悲鳴が。よく作ったなぁのため息が止まりません。

リムのネジを開くと、微妙に隙間が開いてくれます。これがレンズのサイズを見るときに助かります。閉じがピッチリ過ぎると、チタンみたいな素材は広げたときにメキッといきそうですからね。

リムがこんなにも分厚いチタンとなりますと、天地幅が時代を反映して浅めというのもあり、レンズが歪んでしまいます。それか上とか下の溝が抜けるとか。ということで球面-3.00位というのも考慮して、あのレンズの設計の場合はカーブ深めだよねというので勘で収まりました。カーブ指定云々もありますが、本当に必要なとき以外は、お値段高くなりますしレンズが高いとハッピー感が減るので、今回はピリッと勘を効かせてみた次第です。

これはお持ち込みだったんですけど、見て触って久々に欲しくなっちゃうパターンでした。

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