スペイン製
ヴィンテージのメガネ

19.08.20

イレギュラーで少量、日本から仕入れています。上はレイバンのラージメタル風で、下はAOの何とか(忘れました)風です。傾斜は抑えめ、鎧智なので70年代のそのままっぽく、色無しのメガネで掛けるとフニャッとした雰囲気が出てカッコ良さそうです。

ちなみにスペイン製です。久々にお目にかかれましたスペイン製。ドイツやフランスから輸入することが多かったはずですが、当時の日本はスペインからも輸入していたようです。村井が入れていたと聞いていますが、カタログ等で裏取って無いので未だなんとも。

ツーブリッジ、やっぱり流行らなかったですね。ボストン型にトップバーが付いたタイプはそこそこ見かけましたが、ツーブリッジガチ勢は、ブルバキ周辺だけかも。そこが良いですよね。掛けたらすぐに、まあまあの異端になれるんで。

も、そういう時代でしょ
修理とメンテ

19.08.20

アメリカンヴィンテージも、ついに中古店で取り扱われるようになったということで、ヴィンテージメガネの中の一部、アメリカンヴィンテージというカテゴリーが世間様に認知されてきたということでしょう。

それにしても、タートのアーネル、ブラウンとは驚き。それなりな物の中古が、店頭に流れる時代に突入したみたいです。ラッキーアーネルのお持ち込みでした。

しかも、日本で一回触っています。鼻盛りがしてあります。私はほとんど用いない型です。鼻パッドの下半分が浮いており、熱を加えて寄せたり捻ったりしながらベスポジを目指せるタイプが乗せてありました。ただ、24ミリの鼻幅に対して、リムの際から1ミリ内側に鼻パッドがセットされておりまして、寄せても幅が足りないし寄せればパッド面が起きるので鼻に刺さるしで、鼻盛りの意味が薄くなっていましたから、取り替えも同時に行いました。美観が良くないというのも、お客さんと意見が一致しましたので容赦なく交換です。

仕上がりはこんな感じです。中々の乱視で、球面s-4.00に対してc-4.00 ax180くらい乗っかります。簡単に言いますと、レンズの上下が中々分厚いパターンです。

今までは、1.76の両面非球面を使っていたようですが、そもそもレンズサイズ42ミリということ、言うほどレンズの縦幅が無いことを考慮に入れて、1.60にしました。面取りで配慮をすれば、十分リムに収まります。

値段も抑えられ、尚且つアッベ数の良さから、今までよりメガネを使いやすく感じないかな?というのが狙いです。球面値がそんなに大きな量では無いため、そもそも1.76にしても、特に横方向の厚みは1ミリ変わらないと予想されます。この辺の判断、どれを選択するのかはいつも難しいです。

盆前のご注文は全部加工が終わりそうです
修理とメンテ

19.08.20

ようやく、日常が取り戻せそうです。ご注文分は、ほぼ完了です。盆休みに入るのを1日早めたので、加工未処理が多くて大変でした。お待たせしてすみませんでした。

その中でも思い出の一品。物凄く神経尖らせて臨みました。

マット仕上げです。クロムハーツのメガネは、設計も日本では?レンズ幅と鼻幅のバランスがそんな感じです。今回のモデルは、鼻幅が22ミリですから、やや海外のフレーム寄りです。今まで触った中で、一番鼻幅が広いかも。

他の箇所に傷が付けられないマット仕上げ且つ、今回のご依頼者は睫毛が長くてレンズにシパシパ当たるので、高さを出さないといけません。高さを出す鼻盛りチップも存在しますが、パッド面が小さく、フレーム全体の重量を考えると、やや物足りないです。

クロムハーツの金は基本22Kなんですけど、メガネは日本で製造している為なのかパーツの加工上の為か、18Kの刻印でした。総重量は、かなり重めです。

これが、供給品で一番高さが出るパッドです。縦幅が1センチくらいしか無いです。アセテートの太いセル且つ金無垢飾りとなりますと、もう少し配慮をしたいところです。パッド面が広ければ、鼻への圧が分散されて赤くなりにくく、装用感が軽くなります。

結局、どうしたかと言いますと、土台を高さ1ミリ残して、その上に縦幅の広いパッドを乗せました。高さ1ミリくらいの地点で、それなりに接地面が稼げるので、そのようにしております。

元のパッドは、レンズ側にかけて入り込むように傾いていますから、それを自然な見栄えになるように、削って磨いてを繰り返して滑らかにしております。

元の鼻パッドもマット仕上げです。鼻盛りは艶ありになってしまいます。ただ、着用すると皮脂が付いてその部分だけテカテカになるので、だったら初めから鼻の部分は光沢を前面に出した方が、清潔に見えます。

仕上がりがトップ画像ということです。ブルーの25%にシルバーミラーです。フレームの色も爽やかなんだけど、飾りはゴージャスという、アンバランスさの妙はヴィンテージフレームには無かったりしますから、良さに溢れていたと思います。

明日から休みます
営業案内

19.08.13

予定を急遽変更しまして、あすから盆休みにします。明日が移動日になってしまった関係で、店も開けられなくなりました。

次は、19日の月曜日に開きます。

レンズ交換
修理とメンテ

19.08.12

はじめましてでした。モンクレール。レンズ変えるのが勿体無いくらいですね。このデザインでミラーレンズで、スーツに短パンでハイソックスみたいな。

確かに、やや現実的ではないのでレンズ交換です。今はレンズ待ちで、ミラー無しのグレーの濃い目で決着です。

実は、持ち込んでもらったのは2回目。これなんですけど、めっちゃくちゃレンズがパツパツにキツくてですね、2週間くらい前に初めて触ったときは外れず…。ただし、レンズとフレームが軋む音がすること、かすかにフレームを捲りあげると隙間が出来る感覚が指先あったので、外れることは間違いないとお伝えしつつ、一か八かでレンズごと温めて均一にフレームが伸びる状態じゃないとレンズが抜けないとお伝えしました。問題は、この初期レンズです。プラレンズにコーティングが掛かっているので、熱するとクラックが入る可能性があります。レンズがダメになる可能性があります。

結局、お客さんの方で他に5店舗くらい回って、どこも手をつけないので戻ってきました。接着剤でくっ付いているとか、外れないレンズとか方々でアレコレ言われたみたいです。何となく、そういう怪しげな分析を聞かされることも予期していましたが…。

クラック入ったらごめんなさいの了承を得てトライ。無事に、無傷で抜けました。接着剤等々が使用されていることはありませんでしたが、レンズの素材がアレでしたね。アクリルレンズで薬研がケバケバなので、リムとの摩擦が強くて一層外れにくくなっていました。

空き時間
メガネのはなし

19.08.12

金土日とバタつきましたが、本日は暇でした。ということで、さらに改良を加えることにしました。

テレビフレームの、テンプル問題です。やっぱり、まだ納得いかず、今日こそ決着をつけてやろうと。もっと美しさが増さないかなと、流れる感じにならんかなというのが狙いです。まだいけるんじゃ無いかと。もっとあるはず。

テンプルの断面がデザインされていないことに気づきました。フロントに対して、テンプルのデザインの配慮や気力が足りないので、注入してみました。フロントとテンプルの接合は上手くいっているので、折角のその流れを止めないように、テンプルにも柔らかさを足します。棒ヤスリで角を落とし、さらにアーチをつけて断面がカマボコ状になるようにしました。リベット付近は、敢えて角を残しております。

先程より、もう少し棒ヤスリの細目で整えております。フロントの重厚感とテレビのアウトラインの角を受けるために、リベット付近は角を残しつつ、目線を収束させるために途中からなだらかに丸みを出しています。

実用面も考慮してではあります。割と納品時のテンプルの厚みがありまして、フィッティングがしにくい状態でした。曲げる・沿わせる等々施しますと生地の偏りが生じやすく、フィッティングの装用感の向上に繋がりにくいわけです。大体手で摘んでいるところで4ミリ、この厚みでスタートしてテンプル先で終わり、そこで大体2.5ミリです。

紙ヤスリが大変で、ここからが気合です。まずは#600です。この時点で曲面の豊かさが滲み出てきました。光の当たり方が変わります。

ややピンボケ気味ですが、紙ヤスリが終わりました。この辺りから、良い予感が止まらなくなってワクワクし始めます。あとはバフです。最低でも目の細かさで2種です。

完成後。表面のトロッと感が激増です。
未処理のフレーム。反射の違いで、表面の水々しさがこれほど違います。
完成後。あのとき見たベンツ感が漸くちょっと出ました。
未処理のフレーム。フロントの丸みに対して、テンプルの偏平な部分が目立ちます。テンプルから伸びた目線が、フロントに向けて収束しません。不可逆となっており、滑らかさ足りません。

ということで、何とか完成しました。とりあえず今日は4時間ほどかかったので、これからどうしよっかなーという感じです。このペースだと、木曜日の休みに1本ずつ仕上げるみたいな感じになるので、10月過ぎまで休み無くなるなぁという。もう、そしたら秋ですね。

ちなみにあの残した角、いい感じです。ただ全体に丸みをつけるだけではつまらないですし、角を残しておいた方が今のヴィンテージメガネ界隈はアレなんで。

あ、ピルクルですね。

結局、全体の狙いや作り上げたい印象を保持しながら、その為の細部のブラッシュアップということになりましたが、セルは難しいですね。常に3次元で、どっかで固定するというような分析を許さない感じでした。

明日も15時から
営業案内

19.08.09

検眼が続きますね。明日もそれくらいから店開けます。よろしくお願いします。

金曜日は15時から
営業案内

19.08.08

いつも通り諸事情で、検眼なんですけど、15時から開けます。

オリジナルのセルフレーム、見れば見るほどテンプルの部分が気になり始めて、結局自分で修正をしています。大トロの炙りみたいな、この店でちょい足しです。

およそ一本あたり1.5〜2.0時間は掛かるので、今のところ2本しか修正出来ず。今週は、修理やら何やらで進まず。なので仕上がり見本を見てもらいながら選んで頂いています。店の照明の変更もあって、思った以上に完成品を作れなかったです。フロントの変更はありません。

盆ウィークは、15日(木)〜18日(日)まで休業の予定です。またアナウンスします。

金土休みです
営業案内

19.08.01

金曜日、休みます。土曜日も休みます。土曜日は、岡崎の花火に行きます。綺麗で大っきいものが好きで、花火は年1回くらいは見ておきたいので。

ということで、また日曜日に。

今日も店には居まして、ウェイファーラーのネジ抜いてました。

テレビフレームについて
メガネのはなし

19.07.31

昨日のテレビフレームについて。

おそらく、ご説明の順番としましては

・やらないとか言いつつ、結局セルフレームに手を出した経緯

・テレビフレームの狙い

・商品の詳細説明(なんでイギリスか、なんでヴィンテージアセテートか等)

だと思います。上から順番にいきます。

おいブルバキ、結局セルフレーム作ってんじゃん!

というお叱りについて、はいその通りです。もはやヴィンテージ&シルバー眼鏡のブルバキでは無いですね。ヴィンテージ&シルバー&SPM &セルのオリジナル眼鏡ほか大体全部ということで、ほぼ手を出しています。タピオカやりつつカキ氷もやって、さらに食パンもやるみたいな感じです。

経緯としましては、昨年の夏に遡ります。まだ、新栄から名駅まで歩いて帰っていたときのことです。栄のトップカメラ周辺の交差点で、ベンツが信号待ちをしていました。私は車には詳しくないので、車種は分かりません、ただベンツとだけ認識しております。セダンです。名古屋の栄ですと、特に珍しくもありません。私も、いつも通り眺めていたと思います。ただ、ちょうどその頃はデザイン云々が個人的に引っかかっていた時代でして、直近で外車のデザインの連続性とその滑らかさについて話をした後でしたから、妙に気になって眺めていました。

いつもよりじっくりと観察していますと、突然ワッと感動したことがあったんです。それは、後ろの去り姿がめちゃくちゃ美しいということでした。その後、何台も何台も名古屋駅まで歩きながら比較したので間違い無いはずです、あれこれの車よりも後ろが美しいです。どう美しいか?それは空気の動きではないかなと、何となく感じました。

実際に空気の動きを観測した訳ではありません。ただ、ボディが反射する街路灯の光が、車が移動するにつれてニュルニュルニュルーっと、滑かにボディを伝ってテールランプまで移動します。夜が粘度を増して、ベッタリと纏わりついたようでした。それで、ボディがキラキラでトロトロと水気があるように見えたんです。乗っている自分は確認できない、一切を観測者に差し出した、一つ上の美しい水々しさみたいな感じで、それがとても豊かでいいなと思いました。また、そこを配慮してるんだなと。そして、そういう眼鏡が欲しいなと強く感じた訳です。それは同時に眼鏡で実現できるのか?という問いの発生でもあります。

この、ベンツにゅるにゅる観測事件前から、作ってみたいセルフレームが実は存在していました。ただ、なぜブルバキのセルフレーム一発目がそれなのかとか、ビスポークとかなんとか、かっこいい響きが巷で耳に入るような時代に、個々人に対してオーダーメイドの楽しさを取り去った挙句に、このフレームを買っていただくことへの意味はあるのか無いのかみたいな懊悩とか、あとはセルは皆んなやってるから、うちはやらないっすねーみたいな事をカッコつけて喋った後だなぁという後悔とか、色々混ざり合って億劫になっていた訳です。

その悩みは、ベンツにゅるにゅる観測事件が全て解決してくれました。解決と言いますか、積極的な無視です。それというのも、作りたいなとキープしていたフレームと、そのにゅるにゅるの美しさが似ていたからです。まさにこれだ!となったからには、止めるわけにはいきません。

これほど前述でベンツ後ろ!とか書いといて、元ネタのバックショットがアルバムに無い…。ということで横の写真です。テレビジョンカットのフレームなんですけど、リムの外も削りを入れて、尚且つテンプルに向けて、平面では無く曲面で滑かに収束させております。そして、この元ネタの残念なところは、テンプルが元々の物では無くて、USSかなんかを無理やり駒を広げて差し込んでいます。フロントの収束を受けて、テンプルをどう処理したら気持ちの良い流れを作れるのか?元ネタに、それの答えはありません。ベンツで言えば、終端にはテールランプがあって、怪しく艶めかしく光っているわけですが、それをメガネに置き換えるにはどうしたら良いのか、これが気になって気になって仕方が無かったのです。何故私があのベンツのにゅるにゅるを美しいと感じたのか、またあのにゅるにゅるを元ネタとなるフレームに見出したのか、理由は分かりません。好きに理由は無いというのがこの世界には公理として存在していますから。であれば、このメガネを再編成しながら作ったときに、言葉では表現出来ない、だけど判った!というより何となく掴めた!くらいの感覚が得られるのか、そしてその物は、眼鏡として、まだちゃんとカッコいいのか、そこを迷いが介在する隙もなく、確かめたいと思いました。そしてそれには、しっかりと体積が稼げて曲面の表現が上手くできるセルを用いないと不可能な為、セルにも手を出した次第です。

本当は制作に関して、1回目のサンプル完成の後に色々また煩悶がありましたが、それはブログでは割愛します。因みにスペインで解決出来ました。

石像の股間の布の彫刻、アジア人が息でフーフーしがち事例というのがありまして、それに対してのスペイン人ガイドの回答のお陰で悩みから立ち直れました。それを単なる不敬と捉えず、彫刻の素晴らしさと基本観察ポイントそのものという転換をして分かりやすく解説してくださったお陰で、その後の自由行動でプラド美術館でお腹いっぱい彫刻を見てあれこれの差を学ぶことが出来、克服しました。それは店頭で時間があれば。

テレビフレームのねらい

まずは前述の感動を再現してみたいということ。あと強いて言えばですね、テレビジョンフレームがあんまりヴィンテージで出てこないから作りたいというのが挙げられます。

仕入れの値段で、例えば40年代50年代のフレームより、よっぽど高かったりします。この辺が、ヨーロッパと日本の価値観の違いでしょうね。出数が少ない中で特にしっくりくる物となると一層少なくなりますから、それも作った理由です。セルのフレームで、サーファー感の少ない、ダンディでコートとかにも合うサングラスを作りたいとかも考えていたかもです。この前の、ゴダールの勝手にしやがれでも、やっぱり男女問わずダンディ系のサングラスって良いなあって思いましたしね。そういうのが好きなんです。

詳細

長くなりすぎたので、詳細といいつつパパッと。

何でイギリスで製作したのか。それも色々あったんですけど、そもそもコレは海外で作ってみたいというのは念頭にありました。作ってみたいと言いますか、海外でしか、あの流動体のようなフレームは難しいかなと。立体の把握の仕方が、日本と他所とで大きく違うことが最大の理由です。ミクロな部分の精緻さをキープしながら全体に拡大していくのと、マクロの全体の雰囲気をキープしながら、ミクロを細かくチューニングしていくのと、そういう違いを感じております。今回のケースでは、絶対に全体の雰囲気を保持しないと崩れてしまうと感じて、外で作れないかなと思っていたらそういえば…というのでイギリスに決まりました。フランスの手があれば、フランスだったかもしれません。

サンプルを2回制作し、特に1回目のサンプルは、フレームの半分を原形の無いほど削って送り返しておりまして、こうだよこうっ!と、相当に修正の指示をしました。おそらくファ××ンジャ×プと思われたに違いありません。

ヴィンテージアセテートの使用については、独特の軽やかさが出るかなと。それが一番です。柄の入り方とか色味とか光沢とか、やっぱり違いがありまして、元ネタに近づくかなと考えて採用しました。各カラー、一本ずつしかフレームとして取れないというのも魅力なんですけどね。

また、フレームの形そのものも、個人的には変わらず好きだと言えるであろう代物でしたから、継続性にフォーカスも当てていまして、全体の半分は現行の生地で制作しております。それも予想を越えて良いです。やや柄の入り方が曖昧で、ヴィンテージに近い雰囲気はしっかり出ています。納得感はありました。言い換えるとこれも良いよね感です。

正面は、ブラウン管テレビっぽくなるように削りこみを入れる一方で、裏はテンプルにかけて収束するように、また、リムの上下は斜めに削ってテンプル終端に向けて目線の移動を促すようにしております。斜めに削り過ぎると、リムの薬研が露出しますから、そういう内と外から二方向の削りはやりたく無いんでしょうけど、ここを強く指摘しギリギリまで攻めさせました。おそらくこのときにフ×ッキ×ジ×ップと思われているかなと。でももう、作りたいが勝ってしまい、ここは譲れずワガママを一発かましました。本当に少量で大変なことをさせてしまったと萎縮しつつ、でもお陰さまでいい感じだなとほっこりです。

ちなみに、8ミリ生地です。リムに削りを入れてボリュームダウンしているので、重厚感のある迫力があるのに、軽やかさも出てます。生地が厚いことの良さとはそういう事だと思っていまして、厚い生地でレンズをくり抜いてそれで終わりというのは、なんだか流行りのステーキと同じです。厚ければ厚いほど美味いみたいな。それも美味いけど、いま私が敢えてでもやるべきは、8ミリという幅、体積を、どれほどダイナミックに手を加えたか、そのままでは重たい印象の物に、どれだけ軽やかになるような、反対の印象を付け加えることが出来たか、おそらくそういうことでして、それを大事にしてみました。

その甲斐もあり、テレビフレームは基本的に濃い色のレンズから瞳が透けて見えないようにするのが常套手段だったりしますが、真正面から捉えると大人しい四角いメガネに見えます。よって、色無しでもカッコよく着用出来ます。それは予期せぬ成果でしたね。

インスタで、湾岸戦争くらいの米兵のメガネっぽいというコメントを頂いていましたが、本当にそうだと思います。そうも見える、そうで無い見方も沢山ある、つまりお得です。

いざ出来上がってみると、まだ何かベンツのにゅるにゅるに近づくためにやれることがあると感じます。感じるだけで、具体的にはどこをどうすると、頭に浮かばないので、それは完成したということだと思います。ぜひぜひご覧下さい。

_170831bk

pageTopLink