アーカイブ:12月2019

習作
ヴィンテージのメガネ

19.12.21

お持ち込みです。これは習作です。届き次第、度付きのレンズで本番です。

そもそもは、デモレンズ無し、ネジ無しです。ネジは現行の1.2ミリのツーポネジで間に合いました。それは海外企画用なので、幸運にもマイナスネジです。残る問題は、レンズシェイプですね。

この前のA.O.のカタログから作ることにしました。トップバーの形状とお客さんの好みと合わせて考慮しまして、S-104にて製作です。ちなみに、この紙ペラのどこを見ても、右レンズの形状見本とも左レンズの形状見本とも記載が無く、今回はS-104を左レンズとしてトレースしました。真っ直ぐなラインが鼻側にきた方がしっくりきそうですよね。隣のとなり、FV-4なんかは逆の右側に真っ直ぐなラインがあり、なんともよく分からんです。

型板を作りました。フレームのトップバーに合わせて、実際には厳密にコピーしたわけでは無いです。レンズ上端と左右を真っ直ぐに手直ししております。上半分は、四角を意識しました。

なんとなく、良さげな予感がします。サイズ指定で42ミリにしています。ちなみに、表記上はブリッジ18ミリですけど、実測(レンズからレンズの距離の最短)は23ミリでした。つまり、FPD65ミリです。

まあ、その通りなんですけど
雑記

19.12.18

この前「ブログからは、何を突き詰めようとしているのか判然としない」というような感じで対面でスパッと言われ、流石に一瞬たじろぎましたね。まあ、でも、そういう風に思うだろうなと、すぐに妙な納得をしました。雑記に一番力を込めている時点で、初めて見たときは意味不明でしょうから。

おそらく、他の業種でも近い悩みがあると思いますが、そもそも眼鏡屋一般というのは、何を突き詰めるのがスタンダードなんでしょうね?やはり検眼でしょうか。そうだと仮定しますと、なんでヴィンテージなの?という問いがいつも頭をもたげます。それを繰り返してしまいます。

この感じは、異性に「どこが好き」と尋ねられて、どこと特定出来ずに全部と言ってしまう感覚に近いんですけど、共感してもらえるかは自信ないです。つまりは、要素で分解せず、全体のまま捉え続けるということなんですけど。そういうときのイメージは多角形では無く、円で捉えていて、多少その円が崩れようが気にしないです。領域の広さと、領域の中に穴が空いていないかくらいは気にしています。

もう少し、商品も載せていきます。

明日は休みます
営業案内

19.12.15

明日、月曜日は休みます。外に挨拶をしに行くことになりました。まだ、色々どうなるか分かりません。

スクラップ&スクラップ
雑記

19.12.13

自分のです。在庫分もありますけどね。銀無垢と金無垢(K14ホワイトのコンビ)のやつです。最後の最後、顔幅などなどの調子をとるときに、「まぁ自分のだし、1.60なら、そうはレンズ割れないだろう」と面倒がって指でクッとしたらパリッとやってしまいました。ナット外してヤットコで曲げをやっとくべきでした。やっぱり、帰るまでが遠足でしたね。

いま、zipFMのフレフレフライデーを聴いていますけど、自爆したこの私こそ、猛烈に応援して欲しい気分です。時間もお金も一瞬で無駄になりました。悲しい。今日は何も生まれずに一日が終わりました。

クロムハーツの”Hellz Bellz”というフレームがいい感じなので、レンズシェイプを元に戻して、それに似せようとしたときに、悲劇は起きています。

天地浅めのレンズ幅広めで、ミラー処理はダメですね。しかもツーポの鏡面加工。上下のギラつきとゴーストで視界がかすみました。さすがにあれこれ試して慣れている私でも、レンズが割れていなかったとしても、うまく使えなかったと思います。

作戦練り直します。

それは階段なのか
雑記

19.12.11

店をはじめて分かりました。一番多い会話の端緒は、ここ始めてどれくらい?かもしれません。例えば、ちょめちょめ原子がちょめちょめ回振動したくらいですとか。それは伸びたり縮んだりして、流れの最中では人生の全体で長く苦しく、いま岸から上がって眺めてみると、それは人生の一部であり一瞬でしたなぁはっはっはっ、みたいな仙人的な返事をするでも無く、それらを妄想に留めて普通に返事します。その私の返答に対して、さらに何かがあった試しがない、相手が腑に落ちた感じとか、納得の相槌とか、若造が所詮そんなもんかとか、それらが無いです。虚無ないし、ふぅ〜んという空気が流れるこの感じは、今日も良い天気ですね、今日も寒いですね、に近いものを感じます。そういうジャブみたいなものだろうと、いまは思っています。

でも、この問いは、個人の心の中で時間をかけて転がすにはもってこいの題材だったりします。店を始めて、そろそろ通算4年になりますが、眼鏡士になったのはいつからだったかなと。例えばこんな風に問いを変化させます。同じようなことを言っているようで、微妙に違います。要は、眼鏡屋を始めたら眼鏡士に自動的になるのかならないのか?そこは本当に不可分なのか?眼鏡士とはなんぞや?資格のことか?とかとか。

そこでウィトゲンシュタインが要るわけです。言語ゲームとか、映画の中でも「ふるまいの一致」というキーワードが出ていたはずです。いまの流れを受けると、一体いつから眼鏡士としてふるまうようになったのか?みたいな話です。そもそも眼鏡士のふるまいとは何か?も含まれます。

私個人で言えば、子どもが先日生まれ、皆からお父さんになった実感は?とめちゃくちゃ聞かれますが、子どもが産まれてすぐで父としてのふるまいをした記憶も無いですし、そもそも父としてのふるまいって何だ??みたいなところがやはり未着手ですから、基本は「無い」と即答しています。すると、こいつには人の魂が無いんだな…と思われていそうな気配がいつもするんですけど、そういう、要らん逡巡があるんですよ。嬉しいかどうかで聞いてくれたら、嬉しいで返事出来るのに、みな、なぜ。

少しのらりくらりしましたが、とても大事なことのように思えます。アパレル業界からついに、メガネ店が生まれましたよね。別にそれがどうのこうのは興味が無いんですけど、自分のポジションを確認する機会ではありますからね。

快適なパイナップル
雑記

19.12.10

タイトルで気になったら、観てみてもいいかもしれません。ブルバキもそろそろだなと思ったときは、見ない方がいいでしょうね。

久々に、インスタでカルチャーいいね!が欲しいなあと思いまして、真面目に紹介しても何だし、ややくだけた紹介で載せてみました。結果は、全然よくないね!でした。眼鏡よりもいいね!が少ないです。珍しい。賢そうなカテゴリーのものは、大体無批判的にいいね!が押される傾向にあったのですが、もしかインスタの世界も倦怠感から変化のうねりが生まれようとしているのかもしれませんね。それか、ひょっとしたら本当に洋物のavと思われたかもしれないですね…。まあ、上半身裸だし。一人で見た方が良いのは間違いないんですけど。

これ1本で70分くらいかな、大まかなウィトゲンシュタイン年表が頭に入るので、良い映画でした。

なんとか形には出来ました
修理とメンテ

19.12.10

テンプルの磨きも終わりました。パッと見た予想以上に、クラックは深く、広範囲に及んでいましたね。取り敢えず、思い切って全体を棒ヤスリで慣らしてから、ツヤを出す為の磨きに取りかかりました。

大分やせ細ってしまいました。金具と合わせると、段差が出来てしまいます。さらに、シューティングの芯が、薄っすら見える箇所もあります。今回の救済で最後でしょうね。もう、削る余白は残ってなさそうです。

あれこれやってみて、バフに負けてすぐ生地が溶けるとかはありませんでした。水につけるとネチョネチョするとか。中身は丈夫でした。あと5年くらいいけそうですね。

そういえばの話
修理とメンテ

19.12.08

空き時間でぼちぼち作業中です。大体10年くらい使ったメガネのレストアです。

表面の白化なら序の口なんですけど、細かいひび割れが全面にありまして、そうとう時間をくってます。冒頭の写真は、とりあえずフロントだけ終わりましたの画像報告です。

ここからが、そういえばの話なんですけど、多分メガネだけじゃ無いかな、職人物が使い捨てなの。職人物がすぐ、フルモデルチェンジしちゃうの。今回、それは構造からも言えて、セルを固定する部分がネジでは無くて、はめ殺しでした。取り外し不可で、例えば黒のセル部分だけを取り換えるという思想がフレームに宿っていないことを意味します。それでめちゃくちゃ時間かかりました。でも、それで磨けないというのも癪なので、何とかしました。

もともと、メタルの部分はシャーリング加工がしてあったんですけど、セルを磨く時に一緒にツルっとしちゃいました。やろうと思えば、ここから番手の高いヤスリで表面をなぞると、ある程度マットな質感が戻るはずです。セルのところどころに、バフが入りきらずに完璧にピカピカに出来なかった箇所があります。その為、ややムラがあるので、メタル部分はピカピカで清潔感あっても良いのかなと思って、磨いたままにしています。

今週で、テンプルを磨ききる予定です。

鼻盛り
修理とメンテ

19.12.08

エフェクターの鼻盛り。触ってみて、改めて随所に気の利いた意匠が施されたフレームだなと感じました。フィッティングがめちゃくちゃ難しいんですけど、手を加えれば、しっかりと下がらず掛けられます。

鼻側の溝に汚れが溜まっているなと思っていたのが、実際は溝セルでした。つまり、サイズが緩くてレンズがガタついたので、専用の両面テープで埋める処置がされていたということです。

個人的には溝セルは極力回避したい派です。なぜ耳側では無くて、両眼とも目立つ鼻側にテープを貼ったのか分かりかねますが、除去しました。写真は鼻盛り後、テープ除去後です。

ちなみに、レンズがガタつくということは、おそらくレンズサイズを-0.10ミリ程度小さくし過ぎたという話なんですけど、それくらいならフレームを縮めれば済みます。

完成はこんな感じでした
雑記

19.12.08

金無垢のツーポイント、仕上がりました。それにしても堅かったです。曲がらないので、調子とるのに苦労しました。これくらいの時代になると、曲がったり破損といったあれこれを気にせず、ガシガシ使えそうです。

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