ローデンの金張りのツーブリッジ等々、ちょっと入りました。あとはモレルとかです。
トロの黒のつや消しは、塗装の剥がれが無く、ノミネジもちゃんと付いています。ブリッジがカッコいいです。でも、それよりも個人的な感動は、一番上のニコンのサーモントです。

眉部分の2段面取りによる立体感と、カットリムの存在感が堪らないです。
そして、これは「TITEX-B」です。チテックスとは、ニコンが1981年に初めてフルチタンでフレームを組んで発売した時の、チタンフレームのカテゴリーを指します。
これの品番が800番代であり、初期のチテックスは480番の品番ですから、ちょっと後のモデルではあります。ですが、ニコンのサーモントのデザイン性と、チタンの加工の精密さに驚きました。全く古さを感じさせません。日本のメガネは、フルチタンのフレーム製造を世界に先駆けて成功させてから、主導権を握り始めます。その辺りの歴史を踏まえて眺めますと、より一層精悍に見えます。
ちなみに、”-B”というのは、チタンにニッケルを薄く巻いて、ロー付けをしやすくしてから組み上げたフレームを指します。当時、チタンのロー付けや複雑な加工、メッキ処理が困難だった為、表面を慣れ親しんだニッケルで覆うことで、前述の加工等々がしやすく、綺麗に仕上がるようにしていたようです。もちろん、”-A”も存在し、そちらは純チタンです。次はチテックスのAを拝見したいですね。
特に、凄く価格が高いとか、その他のヴィンテージ界隈で注目されているとかではありません。今の日本のチタンフレームの礎となったフレームが、結構カッコよくてビックリしたというだけの話です。

参考文献
「福井産地に於けるチタン眼鏡枠開発技術革新史 2014年」