カテゴリー:ヴィンテージのメガネ

カザール
ヴィンテージのメガネ

18.06.01

カザール感が抑え目なメガネです。でもカザールです。

女性で、化粧品等々付きやすいですから、コーティングは超撥水系の機能重視で。緑の反射光です。

カザールは、90年代に入りますと、SPXに似たよく分からない樹脂が使われていたりします。加工となると、レンズサイズはアセテートと同じで加工すれば良いです。

問題は鼻盛りの時でして、オプチルに似た反応をします。チップがくっつかない時があります。今回は、アセテートのようでして、無事に乗せることが出来ました。良かったよかった。

ダブルグラデーション
ヴィンテージのメガネ

18.05.25

レンズカラーを、見本染色で特注しました。アリアーテトレスのダブルグラデーション(50/20)でも良さそうですが、万全を期して見本染色にしました。通常のグラデーションレンズと異なり、下半分に色味が残っています。通常のグラデーションは、下半分が透明です。

左の見本とほぼ同じです。毎度驚きます。

 

ダンヒルのオプチルです。ディオール、プレイボーイ等々とライセンス元が同じことから、70年から80年代にかけて、ブランドは違えど似たようなフレームがたくさんあります。メガネにするのであれば、金手のオプチルの方が、こちらとしては助かります。素材に形状記憶性があり、温めるとふにゃふにゃになって、そのまま置くと元の形に戻っています。腕までオールオプチルですと、頭部形状に合わせる時に、微妙な調節がしにくいです。

レンズサイズ+0.55㎜位でした。つっぱらず、ガタつかず、なかなか良いサイズを狙えたと思います。

テレビ
ヴィンテージのメガネ

18.05.17

久々に苦労しました。60年後半のテレビジョンカットのフレームです。

ガラスのノンコート、平面のG-15を積んでいます。あす、もう少し手直しして完成です。

フレームの溝が妙に深く、レンズを小さくすればガタつきますし、0.1でも大きければ入らない状況でしたので、苦労しました。度付きで、もう少しレンズに厚みがあれば、、、という感じです。加工する立場からも、嫌がられる要素があるので、昨今は見なくなった形なのかもしれません。製作も大変であることは間違いないです。だからこそ、テレビ型は魅力的です。

 

鼻盛りは、いつもとは逆で取り外しをしました。

かけた時のゴツゴツ感は消えたはずです。

掛け位置が下がって正しい位置に、またレンズを入れて眼が見えなくなり、ちゃんとカッコいい感じが醸し出されました。

お客さんのメガネ
ヴィンテージのメガネ

18.05.10

70年代のドイツ。AOのサングラス風に仕上げました。フォレストの50パーセントのカラーにしております。

入荷したて、全くレストア出来ていない状態から決めていただいたので恐縮です。この個体自体、全体のくすみはもちろん、リムが熱でよれていたり、薬研がガタガタだったりと、直す箇所が多々でした。加えて鼻盛りが必要です。修正で何時間かけたから分からないほど時間かけました。

初来店の方です。ある程度ヴィンテージの状況をフルビューなりタートなり調べてご来店して下さりました。その上で、目の前の商品をしっかりと見ていただけたのは大変嬉しかったです。枠入れ前、下準備の時間のかけ甲斐もありました。

特に、右のリムがうねっていて大変でした。歪みを削ぎ落として、その後にヤスリとバフがけです。

型直しもありますので、本番のレンズを入れる前にCR-39のクリアをちょっときつめに入れています。レンズをはめたまま暖めて、薬研を整える為でもあります。

熱でプラスチックレンズが割れるのは、生地とコーティングの熱膨張率の違いから起こるコーティングのヒビ割れです。CR-39のコーティング無しであれば、レンズを入れたままヒーターにかざしても割れません。レンズ自体も柔らかくなりません。

やはり裏面マルチのコーティングです。ガラスレンズにコーティングがかけられたのが、日本は1967年からですから、70年代もノンコートのレンズは一般的だったのでは無いかと考察しております。なので、それっぽい雰囲気が出るようにコーティングも選定しております。

ブラックウッド追加
ヴィンテージのメガネ

18.05.02

下段の、薄い茶色と黒のストライプの木目のフレームが入りました。日本のストックから。レンズサイズ、鼻盛りの形式から60年中頃かと思われます。

サイズが46□20-145ですから、腕の長さもゆとりがあって良いです。平均的な日本人の男ならば、ジャストサイズだと思います。

以前紹介した、上段のフレームと比べますと、木目が美しく際立っているのがわかります。

大きい四角の眼鏡
ヴィンテージのメガネ

18.04.30

イギリスから、30本くらいフレームが届いております。ようやくレストアに着手です。

まずは、自分が気になる一本から。レンズサイズからすると、70年代に入っているかもしれませんが、作りからすると60年中頃の線もあります。フランス製です。薄い青を入れました。

テンプルは芯なしです。この年代でシューティングが入っていないのは、久しぶりか初めて見たかもしれません。綺麗ですが、フィッティングは苦労します。

精緻さはありませんが、粗雑さが良い方に働く場合もあります。蝶番のカクカクした感じは、野暮ったさを消していて良いです。

時代が進み、どんどんデコラティブになると、その極みがカザールという感じでしょうね。607のレジェンドと比較すると、蝶番のカクカク具合や、形状に近さを感じます。

大きいスクエアフレームは、全く流行る兆しがありませんが、結構好きで集めています。それこそ、カザールまでいくとやり過ぎと感じてしまう場合は、このフレームならしっくりくると思います。ツーブリッジのメガネに類似した、ナードな感じが演出できます。

在庫品
ヴィンテージのメガネ

18.04.25

初期レンズが紫色で、妖艶過ぎましたので変えました。グレーの濃度50%、ハードコートです。ミラーでは無いです。

やや濃度を落とす代わりに、レンズ形状をフラットにして不気味さが残るようにしております。ただ、昨今の細長いサングラス(レンズは目が見えないくらい濃い)の潮流からしますと、レイバンG-15の濃い緑を用いまして、それなりに怪しくしても良かったなと思いました。後悔はしておりませんが、それくらいのすり寄せはしてみても良かったかもしれません。

良い感じでした
ヴィンテージのメガネ

18.04.23

度付きのサングラスです。

カラーは、度なしレンズ専門メーカーから取り寄せた色を元に、レンズ工場で特注しました。業界では見本染色と言いますが、割と普通なことです。プラスチック片でも、それに準ずるものであれば、近似色を作り出せます。

通常の度付きレンズで実現可能な青の色味ですと、濃度50パーセントが限界です。薄っすら目が透けて見えます。今回のオーダーは、ポータークラシックさんが打ち出している感じで、小さいレンズの丸いメガネに、目が寄って見えるくらいの濃い色という事でした。透かすと薄く見えますが、これで大体濃度80パーセント以上です。

タート枠入れ
ヴィンテージのメガネ

18.04.18

無事に完了しました。クラウンガラス、ノンコート、クリアです。3プリズムずつベースインしております。内側が相当分厚いので、多めに面取りを施し、チップが入らないように、また美観を損なわないようにしております。鼻盛り済みです。

 

一応、デスク作業メイン用です。

近方の輻輳不全でした。AC/A比が1.5△/+1.00ですから、ピント調節に伴う目の寄せが全然起こりません。それだけではありませんが、あれこれ重なって目が寄らない、調節反応が弱いという症状です。遠方も遠視性倒乱視ですから、調節が頻発して疲れやすいタイプです。

測定と、理論と、仮枠での実感から、思い切ってレンズに組み込める最大のプリズムの値を処方です。こういう方は、遠近両用となるとフランクリンバイフォーカルの出番です。累進レンズが難しいタイプの方です。

お持ち込みのタートでした。半世紀以上前のタートに、最新の光学理論が詰め込まれているというのが堪りません。やりきった感があります。

開き調整
ヴィンテージのメガネ

18.04.14

タートのお持ち込み。店では取り扱い無いです。そう言う意味では専門外ですけど、メガネとしては専門なので承ります。

上の写真は、ヤスリを入れて開きを増やした後です。フロント幅140ミリ程度ですから、少なくとも日本人、男性の平均で160ミリはテンプルの開きを増やさないといけません。

左蝶番の開き前です。写真は小さくてわかりにくいですが、テンプルの先しかフロントに当たっていません。そもそも当時は綺麗に仕上げてはいませんし、そこが復刻と当時物の構造としての大きな違いです。掛けたときの粗野だけど収まりの良い柔らかな雰囲気が醸し出される秘訣だったりします。

蝶番の左右が変わってしまっていますが、右の開き後です。あとは、熱を加えて適宜テンプルにアールを付け、掛け心地をさらに良くします。

開くと同時に、開閉部分が面で当たるようには修正します。元々の状態が、テンプル先だけでフロントと接しており、開閉を繰り返すとテンプル側のプラスチックが欠ける可能性がある為です。ただし、前述の荒々しい良さみたいな要素は残さないといけませんから、そこも配慮しています。

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