70年代のドイツ。AOのサングラス風に仕上げました。フォレストの50パーセントのカラーにしております。
入荷したて、全くレストア出来ていない状態から決めていただいたので恐縮です。この個体自体、全体のくすみはもちろん、リムが熱でよれていたり、薬研がガタガタだったりと、直す箇所が多々でした。加えて鼻盛りが必要です。修正で何時間かけたから分からないほど時間かけました。
初来店の方です。ある程度ヴィンテージの状況をフルビューなりタートなり調べてご来店して下さりました。その上で、目の前の商品をしっかりと見ていただけたのは大変嬉しかったです。枠入れ前、下準備の時間のかけ甲斐もありました。
特に、右のリムがうねっていて大変でした。歪みを削ぎ落として、その後にヤスリとバフがけです。
型直しもありますので、本番のレンズを入れる前にCR-39のクリアをちょっときつめに入れています。レンズをはめたまま暖めて、薬研を整える為でもあります。
熱でプラスチックレンズが割れるのは、生地とコーティングの熱膨張率の違いから起こるコーティングのヒビ割れです。CR-39のコーティング無しであれば、レンズを入れたままヒーターにかざしても割れません。レンズ自体も柔らかくなりません。
やはり裏面マルチのコーティングです。ガラスレンズにコーティングがかけられたのが、日本は1967年からですから、70年代もノンコートのレンズは一般的だったのでは無いかと考察しております。なので、それっぽい雰囲気が出るようにコーティングも選定しております。