金張ゆえに
ヴィンテージのメガネ

23.02.17

さっきのモデルの詳細です。

この、特にブリッジの細い線にプレスの力強い痕跡があるのがとても良いです。金張は材料のときの処理になります。例えばこれがメッキ処理で組み上がり後の工程が予定されている物であれば、こういう痕跡を無くして、綺麗にしてメッキをすることになるんでしょうけどね。

金張の良さとなったときに、光沢の質感とかがまず良さとして上がってきて、基本は高級路線上で語られることと思います。もちろんそうなんですけど、ですがこれは逆に、金張だからこそちょっと荒々しい痕跡が残されています。そういう未処理があるというのは高級とは要素として真逆ですけど、それが現代の感覚からすると良い塩梅って感じます。そんな気がします。

一筆書きで、智から智までメインフレームが形成されています。デザインの面では、視線が切断されない心地良さみたいなのがあると思うんですけど、物的にはロー付け箇所が二箇所減って、折れにくく強度が出る仕組みになっています。そういう賢さみたいな要素もこっそり控え目に、静かにエッセルのフレームは包含していまして、その辺も現代のカッコよさに沿っている気がします。

エッセル
ヴィンテージのメガネ

23.02.17

 

エッセル(ESSEL)です。

いつも通り、ナイロンレールも取り替えました。この時代のフレーム側の溝の精度なのか後処理の具合なのか、とにかくナイロンレールがスッスと入らないことが多くて、未だに取り替えは苦手です。ナイロンレール(細)でも抜け落ちないのでそれでも良いんですけど、玉型のカーブによってはレールにフカフカ感が出るので、頑張ってナイロンレール(太)を入れています。もし同業者で見ている方がいらっしゃいましたら一応(太)が入りますよ、と。極太も、フレーム側は太さが0.01ミリしか変わらないので入るんですけど、レンズ側のレールの太さが変わることの方が要素としては大きくて、その辺はお店ごとに主義があると思うんで。

現代のナイロールフレームと比べて、特にレールの入り口がギザギザでうまく入っていかないんですよね。

当時のナイロンレールを見ると、今よりも断然極太だったりするので、どうやって入れていたのか謎でそれなりにオーパーツです。

おそらくこれ、川勝モデルだと思うんですけど。静岡県知事の。これのラッカー(黒)だと予想しています。

この2〜3年、テレビで拝見するたびに“またエッセル掛けてる”と思って、つい気にして見てしまいます。めっちゃ物持ち良い人だなあと思っていました。それに、掛けた感じもやっぱりカッコいいですね。線が細いのに主張もしっかりある感じが特に。すぐにエッセルだなって分かりましたからね。

これを書こうと思い、下調べで名前で画像検索したところ、予想外にエッセルでは無い他のメガネを掛けていらっしゃる写真ばっかり。物持ちが良いと思っていましたが、僕が気にし始めたこの2〜3年の間に何処かしらのお店で新品で買ったんですかね?ベーシックな眼鏡屋さんなら、もっと最新を提案されるしお客さんもそれを望むし、それを買うよなと考えたり。それともヴィンテージ好きとか?今のところ謎です。

とりあえずブルバキにはお越し頂いて無いですね。

次の日曜日は休みます
営業案内

23.02.10

明後日2023/02/12の日曜日は休みます。

2023/02/07は休みます
営業案内

23.02.06

月例の眼科さん出張のため、明日2/7(火)は店を休みます。

各1のみ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.02.03

金無垢とサンプラチナのコンビフレームですが、各1本限定でおつとめ品にしました。

K18イエローゴールド

K18ローズゴールド

そんなこんなで、さっきの記事ではこれのデザインの基となった1930年代のフレームのことを改めて調べていたんですよね。時代に重きを置いたり、みなさまそれぞれ大事に思う箇所は違うと思いますが、とりあえずブルバキはヴィンテージの眼鏡屋ですけど何よりも質量重視です。

K18ローズゴールド使用部分。ブリッジのネジとワッシャーとナット、鼻パッドと鼻パッドどめのネジを含みます。

製作が2021年の夏で、そもそものきっかけは銀無垢のサーモント(眉がセル、眉が銀無垢ともに)の進捗が無く、それなら他に何か進めたいなあということで、銀無垢で作れなかったブリッジを一度でいいから他の貴金属で拝んでみたいという試みでした。

そこから、もう少しゆっくりゆったり開発が進むのかなと考えていましたら、予期せぬペースであれよあれよと新作として銀無垢のサーモントが2022年中に2型出来上がりまして、ちょっと色々アレなんで、珍しくアレします。店頭でのアレは初めてです。

¥330,000→¥230,000 (税込)

今日も算数
メガネのはなし

23.02.03

金張りの厚みって実際どうなん?ぶ厚いとは言うものの。気になりませんか?

後世の資料の為にと思いまして、電動カッターで切断しようと思っていました。ところが、気づけばこんなところに切断面が…というのでインスタにも載せております。ヤスリで整えて、バフで面を綺麗にしました。

母材、銀ロウ、ニッケル、金の順番に層状になっているので、上の写真で爪くらいの薄さに見えている層が全て金とは限らないでしょうね。また、メッキと違って取り上げる箇所によって厚みも異なり、一定ではありませんので。とりあえず母材との境目ははっきりと写せました。

そういえば、重さを計ったことがありませんでした。ネジ無し、パッドはカシメなのでそのままにして、7.4グラムでした。

刻印があり、“AO 1/10-12KGF”とあります。結局、どれくらいの金(24金換算)を使っているんでしょうね。計算してみます。

またまた70年代のHOYAニュースから。これに則って計算すると…

0.37g(24金換算)

となります。ちなみに、金は1㎤あたり19.32gですから、体積だと

0.01915㎤

になりまして、これは一辺が0.2675㎝の立方体です。つまり、一辺が2.7㎜のサイコロをイメージすればよく、それかちょっとデカめの鼻くそ(すみません)くらいの大きさということになります。改めて、金って物凄く延びるんですね。これは1/10の厚みの算出なので、70年代頭の1/20や、70年代後半の1/30の厚みになれば、それに準じて少なく・軽く・小さくなります。

 

脱構築って言いまくると思います
雑記

23.02.01

これは面白いです。読み終わって、いまはもう一巡の最中です。ちょうど、脱構築とか言いてえなぁって思っていたときでした。

デリダを筆頭に、現代思想の流れが把握できます。現代ということで、まだまだこなれたサラサラした読み物が少ないイメージです。例えばヴィンテージなアリストテレスとかは、一般教養的な読み物がたくさんあるイメージですけど。素人には大変ありがたい本です。

原本までいかなくとも、ややハードモードな各人の読み物にあたっていないため、本当にデリダはこんな感じなのかなぁとか思わなくも無いんです。ただ、いっそのこと千葉雅也さんの考えの本と読んでしまえば、それでとりあえず済みます。内容が豊かなので、細かいことは気にならなくなります。

脱構築欲は半分冗談の半分本気でして、職人vs工業製品とか、現代の製品vsヴィンテージ品とか、大手vs個人とか。この2、3年のブルバキは、つまり脱構築したかったんだなと。

弁証法的に、二項対立の末に一つ上のステージに上がれれば良いんですけど。どうやら、ただの退行か堂々巡りのことって多いですよね。前にも同じ議論があったっぽいなぁとか。手のぬくもりって言いますけど、工業規格満たしていないのでそれはそれで安全性のぬくもりが足りないなぁとか。表裏とか陰陽だと、どうも物足りないんです。対立というスタートラインは、スタートした瞬間に振り返ったときに、すでに消えていないといけないわけですね。んー、難しそうです。

 

実験
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.01.29

昨日インスタに載せた、湯の素による温泉燻しです。これ面白いかも。

以前に使った銀黒とは別に、硫黄系の燻液も売っていますけど、温泉燻しの方が簡単にムラが出て、茶色や青色のグラデーションを付加できる気がします。確かにこのムラが、真っ黒にならずに茶色や青色で止まる感じが自然です。あれこれ燻して飽きたら、風呂に入れて本来の楽しみ方に還れば良いですしね。

サーモントもやり直してみました。

 

湯温をあげて、まさにお風呂くらいにしつつ、薬品の量を少なめにしたらこんな感じ。茶色〜金色みたいな、不思議な色合いになりました。私自身は元々エイジングガチ勢(真っ新から薬品を使わずに燻す派)でしたけど、この二つの感じはカッコいいと思いました。通常の使用では、まずこういった変化にはならないので、これはこれで銀無垢ならではの表現として良い感じですね。

いずれも定着の仕方は普通で、指で10回くらいゴシゴシすると落ち始めます。

デカめ銀無垢パッドは、金型は出来ているみたいなので、おそらくもうすぐです。

ずっとレイアウト変更をしていました
雑記

23.01.25

店のレイアウト変えようブームがきていました。ここに移って以来、初めてデカい水屋箪笥を一つ動かしました。

大きいものを一つでも動かすと、結構雰囲気が変わるものですね。自動的に中くらいのものも小さいものも、連鎖して細かく変える必要が出てくるので。何から何まで気になってしまって、ひさびさに自分の店を隅々まで見た気分です。

一昨年くらい前から、棚の移動は考えていました。動かすならもう一つ二つ理由があると効果が高いだろうなあと、それの方が単なる自分の思いつきに留まらないからより良いだろうなあと、思いついたタイミングで、とりあえずは動かさないことを正当化した結果、今の今までレイアウト変更が先延ばしになりました。もっと早くやるべきでしたね。ちなみに最後は、お客さんとの会話がきっかけで変えました。現代のヘビー論みたいな。

物の見え方も、動線もいい感じです。おかげで、他のお店みたいに綺麗にメガネが撮れるようになりました。

レイアウト変更に時間を割いていまして、ブログの一番上が算数のまま1週間以上経ってましたね。念のため、メガネ屋です。

50パーセントオフ、50パーセント増量
雑記

23.01.17

月一回、50%オフセールをやるお店が、来月から値段を下げずに月一回50パーセント増量キャンペーンをしますと。そういう上手い躱し方もあるんですね、妙に感心してしまいました。ストリートでとんちに出くわしました。

元々が半額セールなので微妙にバレていて、後継のキャンペーンが二倍増量じゃ無いから、半額よりかはお値打ちじゃ無いのは分かる。でも後継は何割引きなんだ???とりあえず値上げなんだろうなみたいな雰囲気が漂っていました。この切り返しは、パッとどれくらい値上がりするのか分かりにくいのも、なかなか優れています。

元々が30%オフで、後継キャンペーンが30%増量とかだったら、全く気づかれ無かったかもですね。

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