男版
雑記

22.11.11

ビジョメガネを買ったので、バランス良くメガネ男子も買いました。

初版が2005年でした。これももうすぐ20年もの。ビジョメガネが5冊出ていることに対し、メガネ男子は1冊なので、これだから男って生き物は…と思ってしまわなくもないです。

個人的には、2005年となりますと高校生なので色々懐かしく思うんかなと期待して買いましたが、そんなこともなく。くるりと、ピンポンのスマイルくらいしか「あぁ〜!」となりませんでした。情報元がメガネ男子愛好会というmixiのコミュニティでして、サブカル寄りです。そこ詳しいひとは、懐かしいの連発で面白いかもです。メガネ男子名鑑はありますが、白黒で証明写真ほどの大きさです。ビジョメガネのときも書きましたが、旬な人にメガネをかけさせて写真集を作った方が、視覚にパッと訴えかけた方が、時が経った今になって分かることなんですけど資料としては優れている気がしました。あれこれ書くよりも、パッと写真なんですね。ブルバキとしても大いに反省です。インスタも頑張ります。

動く飾り
目のことレンズのこと

22.11.07

ゴルチエです。ヴィンテージメガネの世界に限れば、ある程度の価値が確立した存在になりましたので、カザールとかアメリカンオプティカルとかローデンストックとか、ブルバキが特に何か言わなくても既に伝わっていることが多いと言いますか、言うと逆に購買意欲下がるわーみたいなことになりかねないメガネです。

でもこれは、数あるゴルチエの中でも特に面白いので、レストアするにつれて言いたい欲が止められ無くなったので書きます。

正面は、まさに前回のビジョメガネ的なあの時代の素朴なオーバルメガネです。サイズは52□18で、メガネ界の標準オブ標準サイズです。それはつまりユニクロのMサイズみたいな感覚です。

横がゴルチエらしさ全開でゴツイです。

上から下から横から、様々に撮ってみました。針金がグルっとテンプル上のコマみたいなパーツを経由して1周しています。バネ蝶番を剥き出しの構造にした感じにみえませんか?実際は違いまして、ただテンプル上のコマが動くだけです。バネ等のメガネの機構に対して何も関与していません。純粋に飾りです。でもそれを侮ってはいけなくて、混じりっ気無いただの飾りなんですけど、これは動く飾りなんです。動く飾りは、身に付けるものでは珍しいと思いますし、その動く動力がメガネの腕を開く動作に連動しており、飾りを動かす為だけに何か特別な操作を要していません。自然な動作の中に、“で、なに?”の極みみたいな飾りがついたフレームです。そんなメガネはこれが初めてです。

もう90年代といえども20年以上は経っているわけで、ナイロン系のパーツは取っ替えです。強度もそうですけど黄ばみも気になりますからね。あとは柔軟性が無くなって硬いんです。

鼻パッド変えました。元の物もお渡しできるように保存してありますが、ちょっと表面が滑っています。デッドストックなんですけど、パッドだけが先にダメになっているケースは多いです。使えるっちゃ使えるくらいの状態でしたが外しました。あとは、チタンパッドにするだけでカッコ良さが倍増します。ゴルチエの時代にはまだチタンパッドは存在していなかったはずで、フレームの意図するところからすると、むしろチタンパッドとかの金属の塊の鼻パッドの方が統一感が出てカッコいいです。

このゴルチエはサングラスラインでした。薄い色レンズが入っていましたが、濁っていたので透明に変えております。レンズは特に何の刻印もない、汎用のCRレンズだと思います。

好みの問題ですけど、なんとなく超普通のメガネ然として佇んでいるほうが面白くてカッコいいと思ったので透明にしました。せっかくのナイロールフレームで横と下にレンズのコバが出ますから、濃さ10パーセントくらいの色レンズも良さそうです。それくらいの濃さですと、掛けても正面は普通のメガネに見えて、色が入っていると他人から認識されずらくて、横から見たときにコバが綺麗に発色して気分が良いです。

飾りの動きは、インスタに載せます。

ぐへへぐふふ
雑記

22.11.06

まさか2022年の今頃になって、この写真集を買うと誰が予想できたか。急にその存在を思い出しまして、とりあえず全巻買いました。ビジョメガネです。

ざっくり2000年〜2010年までの雰囲気が、メガネと服の感じが分かります。メガネを提供する眼鏡屋側に主権があったのか、メガネのバリエーションが豊富です。バリエーションが豊富だけど、天地幅が狭いのは通底していて、ついこの間までこんな感じだったなと懐かしくなります。

色々あるご時世、もうこういう企画は通らないんですかね。メガネの資料としてかなり優れていますし、ファッションと連携した資料として捉えると一層稀有な気がします。しかも、当時どなたが旬だったのかも分かります。今まで収集してきたメガネ図鑑、会報、企業広告等々のどれよりも、世相を反映したメガネの資料だったので、改めて感動しました。助平心を隠すために長い文章を書いているわけではなくて、エロ本の上に少年誌を置いてレジに行く的なことではなくて、他にない資料になっているのでぜひ見てみて欲しいその一心だけです。もしあるとしても、たしかに全く無いとは言い切れませんから、それは限りなく透明に近い助平心でしょう。

そもそもコンセプトがブレていなくて、ビジョメガネに水着は無いですからね。そのお陰で、おそらく意図せず、メガネの優れた歴史的資料になっていると思います。それは私が30代半ばで、自分の記憶や思い出が重なるだけの話であって、20代前半の人が見たら全然違う感想なのかもしれないですね。メガネ細い!とか、今もこの人テレビでてるねーみたいな。

歴代ヒストリーのページを1枚見ても、錚々たるメンツです。写真集を買って知りましたが、全員載っていません。例えば宮崎あおいは載っていません。残念です。長谷川京子も載っていません。残念です。個人的な心情です。

全5巻の表紙だけ。とりあえずメガネがほぼ細い。

あと、見ていて思いましたが細いフレームは、瞳孔中心がレンズの真ん中より鼻側(内側)にだいたい置かれます。レンズの耳側の余白が多いです。そうしますとアニメのキャラクターぽく、かわいい感じになりますね。細いからキリッと強い印象だけ足されるかと思っていましたけど。かわいいのバランスがそこで取れていたんですね。

若干の内斜視はかわいいみたいな話が巷にはありますが、そういうのに近いものを感じました。ディズニーキャラクターとか、最近よく見ていていつも思いますがアンパンマンのドキンちゃんとか。鼻側の白眼が無いですからね。

明日は13時から開けます
営業案内

22.11.04

明日11月5日(土)は13時から開けます。

本べっ甲
ヴィンテージのメガネ

22.11.02

本べっ甲です。兆番金具からすると、イギリスかフランスか。ヴィンテージです。

軽さ、柄の感じからおそらく本べっ甲だろうなと予想しつつも、磨いてみないとという感じでした。これくらいのかすれで光沢が甘く、かと言って使用していないので等高線のような斑紋が出てない状態は、まだ疑う余地ありだと思っています。

面を整えるために、ちょっとヤスリをかけました。たまたまですけど、等高線のような斑紋が浮き出てきました。亀の甲羅が大きくなるメカニズムによる、独特なモヤモヤ模様です。プラスチックやバッファローホーンでは出ません。

また、ネットでは確認できない判別として、臭いがあります。製品としては臭わないんですけど、ヤスって粉状になるとフワッと香ります。亀を育てたときの、水槽のあの臭いがします。水槽のあの臭いは、亀由来だったんですね。

短い経歴のなかで、今のところ本べっ甲ですよと言われているもので、おそらく本べっ甲ではなかったケースは今のところゼロでして、意外にやさしい世界です。とか言いつつやっぱり運がいいだけで、べっ甲となると古美術の世界に入りかかるわけで、魑魅魍魎の険しい世界なのかもしれません。

綺麗にするとこんな感じ。光沢の出具合、ヌメヌメ感がよく写っているのでこのアングルで載せてみました。

サイズが50□22で、べっ甲界ではレンズが小さめです。古の政治家っぽさが無いです。

日本のべっ甲フレームでは見かけない意匠があります。耳側の側面をスパッと切り落としてポリゴン感を与えつつ、フロント面と側面の間をなだらかに磨き落としています。

このアングルが見やすいかもです。その処理によって側面に、スタッズみたいな凸が出来ています。べっ甲で遊びがちょっと効いているのがいいですね。日本のべっ甲のヴィンテージでは見かけないです。

フロントがほぼフラットです。現代の度付きのレンズとなりますと、凸も凹もベースカーブ3くらいでしょうか。フラットレンズが似合うフレームかどうかイマイチ判断がつかないので、デモレンズとして3カーブを入れました。温めつつカーブをつけますけど、パキッたらおしまいです。

横もカッコいいです。

11/1は休みです
営業案内

22.10.31

明日11月1日(火)は、月例の眼科さん出張の為、店は休みます。

Pierre Marly
メガネのはなし

22.10.31

書いたかどうだか忘れてしまったので、ひょっとするともう一回です。

70年代のHOYAの広報誌をずっと見ていまして、フレームの年代がざっくり70年代でちゃんと合っていたなとかあれこれ裏が取れて嬉しかったんですけど、全く知らなくて驚いたのはこれ。ピエール・マーリー(Pierre Marly)のメガネコレクションが日本に来て巡回していたことです。

1975年4月号

Amazonでローラーかけても、メガネ関連の図鑑は10個あるか無いかだと思いますが、そうして集めた図鑑のどれを見てもだいたい海外の図鑑のクレジットでピエール・マーリーに遭遇します。いまいちよく分かっていませんでしたが、コレクターのトップだったんですね。日本にも関わりがあって、しかも実物見られる機会がかつてあったとは。いまはエシロールの博物館にピエール・マーリーコレクションとして収蔵されているみたいです。

愛知は名鉄が会場でした。照明かわいい。

編集後記がすごい良くて沁みます。先を急ぎすぎたので後ろのことが気になってきましたという表現がおしゃれです。

「クラシック、ベイシックなものが、どのように生まれ、育ち、消えていったのか、確かめてみることは、むしろ必要な作業といえるでしょう。」

眩しく感じる
雑記

22.10.30

ツーポフレームではコバを綺麗に見せるために良くやりますけど、フルリムでもやっぱり良いですね。グリーンカラーの濃度10%です。パッと見ただけでは、ほとんど透明です。これは自分の物で、前はガラスの透明が入っていましたけど、プラスチックのカラーに交換です。

正面視で、目の周りはほとんど透明に見えていて、横からみられたときにレンズ下側の頬っぺた辺りとか、度数でグニュグニュなっている部分がほんのり色付きます。

もともとプラスチックレンズなら基本は色を入れる派でしたが、加齢のせいかガラスのクリア(ノンコート)で外出すると眩しいなと感じるようになりまして、10%の濃さでも必須になってしまいました。色に慣れすぎたのか、そういう意味では根性の話なのか。

印象の比較
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.10.30

おまけ分析。一個前のサンプラチナにセル巻きしたフレームについて。

いつものと並べてみました。写真右端の智の比較です。メガネは玉型が一番大事という派閥もあるとは思いますが、個人的には智→ブリッジの順で見ていると思うので、その順に大事に思ってる派閥です。

サンプラチナのレギュラーメンバーから、鼻あて付きを載せました。60年代くらいのメガネまでよく採用されている割智とか爪智とか界隈では呼んでいると思いますが、駒が真ん中でパカっと割れてレンズを挟み込んでいる智です。パカっと割れて開くときに、テンプルもいっしょに挟み込みます。なので、レンズを変えるときは2つのネジを緩めます。それが割智です。ちっさければちいさいほど、レトロでカッコイイです(かなり主観)。

店では、この智で、レンズが40ミリ前後で、ブリッジは一山のタイプ等々の、よりレトロなテイストの物もあります。レンズの形、大きさ、ブリッジの形状等々で、20年代〜60年代くらいまでのどの雰囲気にも振り分けられるんですけど、とりあえずメガネの黎明期っぽい作りなのがこの智です。

写真の撮り方が悪いのか、割智の方が面積が広くてゴツく見えてしまいますが…その辺は実物を確認していただくとして、上からと下からで比較しています。一個智は、L型の塊がまずあって、レンズ留めのネジが収まる部分と、テンプルの駒が収まる部分が切削されています。まさに一個の塊でレンズの保持と開閉機構をテンプルに持たせており、それぞれ独立しているのでレンズを変えるときはネジは一箇所だけ緩めます。

メガネから独立させて、一個智のみに焦点を当てると、デカければデカいほどカッコいい気がします。栄生のトヨタ産業技術記念館に行くと感じますが、工作機械等々の巨大な金属の塊は、もうそれだけでカッコいいです。金属が大きい塊で存在しているというのは、モダンなカッコ良さがある気がします。アクセサリーやジュエリーも大きければ大きいほど、まずはカッコ良いと思っています。身体とか服とか色々なものと相対させたときにどうなんでしょう?みたいな悩みはあるんでしょうけど、とりあえず生物とは異質な物が大きいというのは、畏怖まで感じ無いにせよ違和感を覚えるのは確かです。

一個智も、もちろんメガネのパーツですからメガネに引き戻して考えたときに、大きければ大きいほどめがね全体としてカッコいいのかというのは???でして、いつまでも悩める議題です。スーツの肩パットみたいな感じで、智が大きく張り出すとメガネも力強いマッチョな雰囲気になるので、現代の傾向としては智は小さくするべきなんでしょうけど、一個智の美学としては大きくありたいということで、ここで矛盾が生じます。その相克のおかげで三者三様であれこれプロダクトが生まれるのかなとも思っています。フィッティング的にも、智は大きくあって欲しいですね。

横で比較すると分かりやすいかも。どちらもテンプルが細い部類に入ると思いますが、割智の方はも一つ華奢な感じがします。よくある表現としてはカッコ良さのベクトルが違うとかありますけど、本当にそんな感じです。

たまには気分を変えたいということで、すでに購入して頂いたフレームに巻くことも可能です。私も、銀無垢の一山のラウンドに巻いてみようか悩み中です。ちなみにカクカクした玉型はセル巻き出来ないのでごめんなさい。

セル巻きの新色
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

22.10.30

展示会IOFTの注文分が届きました。サンプラチナにセル巻きです。

黄色なんですけど、クリアイエローで下のサンプラチナの光沢が合わさってゴールドっぽく見えます。

つづいて緑です。キウイっぽい緑です。

緑も黄色も、インテリアでいうところの昭和レトロポップみがありました。羽根が緑で、土台がメタルの扇風機を良いなあと見るその感覚に近い、良い緑と黄色でした。確かに80年代のフレームで、ハッキリと記憶にあるのはジョンレノン(メガネのライン名)の丸メガネで、大きい丸にこれと同じような黄色のセル巻きが施してあるものです。他にも、仕入れのときにピックしない物の中に、安価なサングラスで元気なカラーのセル巻きが施してあるのを何度も見ています。七宝塗装でボストン型に赤とかピンクを乗せていたり。そういう色々な物に共通してあったであろうあの年代のポップさが今回のセル巻きにはあるなぁと、あの年代に生まれたばかりであの年代にまだ自我が芽生えていなかったであろう人間が申しております。

メガネの横の部分を智と言いますけど、今回は普段ブルバキで置いてあるのとは違うタイプのフレームに、緑と黄色のセル巻きをしました。今回の品番はMI-444で、3年くらい前にテンプルが紫檀の削り出しに改造されたモデルを一度入荷したことがあります。ヴィンテージのメガネ界隈からしたらレンズが大きめかもしれませんが、それが極端に小さいだけかもしれなくて、46□22というサイズは普通の大きさかちょい小さめくらいです。それでMI-444の智は堅い雰囲気の一個智、テンプル側のコマまで含めればスパルタ智です。

よく分からない用語を使うと上みたいな感じですが、セル巻きの色とその雰囲気に応じて、ベースとなるフレームの雰囲気を合わせてみたということで、80年代の雰囲気のまんまアップデートしてみました。

もし、こういう元気なカラーの当時物のフレームがあったとして、年代的にフレームの大きさは例えば50□18とか52□16という感じで真ん中が詰まった雰囲気のフレームだったりします。また、80年代であればおそらく智の作りはヨロイの形式で作られることが多いと思います。何だかんだ忠実な80年代の再現というよりは、いまの感覚から80年代に1歩2歩ズラしたくらいな感じです。

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