ついにここにも運び込まれましたね。ジャックマリーマージュです。
色々コンテクストがありますけど、そこに怖気付かずに物を見て触って、直接感じるべきことは、要は日本製のアセテートフレームということです。ここはひとつメガネ屋としてドシッと構えまして、フィッティング上、鼻盛りが必要であればいつも通り取り付けを行います。
取り付け前。モデルによっては、鼻盛りパッドが散斑で本体と共色だったりします。そうしますと、流石に鼻盛りは勿体ないなあと思うところです。今回は、透明のバージョンでしたので、そこは未練なく着手出来ました。
鼻盛りが終わりました。総重量がなかなかありますから、鼻の乗り具合は重要かもしれないですね。例え幅が合っており、オリジナルで下げ止まっていたとしても、もとのパッド面が小さいため圧を感じるのであれば、交換するのも手でしょうね。
カッコ良さの感覚としましては、車のレクサスとか新型のクラウンに近いものを感じました。元々のフレンチヴィンテージのクラウンパントは、角が立ってパキパキで、あれはあれで物の質量が際立ってカッコいいんですけどね。いま作るとなったときに値段なりのゴージャス感が欲しいなとなりますと、エレガントな感じも欲しいよねということになりまして、そうしますと曲線の優美さの出番なんでしょう。そういう、直線的な質量の表現と曲線的な流動体のような表現と、対極の融合が一つのフレームの中で起こっているように感じました。
ここからは余談で。触ったときの勘だけの話ですけど、クロムハーツのメガネと工場が一緒なのかなと思いました。いまはブルバキとして川下の産業に従事しておりますから、本当に触った時に感じた何となくの感想なんですけど。
作りがどうとかいうよりも、例えばメガネに対しての目の付け所が一緒な気がします。この前の話みたいに、ラグジュアリーなメガネを作るとなったときに、着手としては細部の作りからコツコツと積み上げるということになるんでしょうけど、その細部の組み合わせと言いますか、メガネに向ける視線が同じな気がします。同じ目線の違う表現みたいな。もちろん企画の会社が違うんですけど。製造が一部重なるとか、人間で言うところの癖が似ている感じがしたんですよね。まあ気のせいですね。
どちらのブランドのフレームも、是非他所の店頭で見てみると面白いですよ。