カテゴリー:無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

この組み合わせも、そろそろ終了
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.04.09

SPMの無垢フレームにガラス(1.52)のノンコートレンズです。5月31日にガラス(1.52)の供給が終わるっぽいので、このクラシックな見た目の追求且つアッベ数が高くて使いやすい且つ、ガラスの中では比重が小さく軽いという、良いとこだらけの大運動会状態が実現出来なくなります。非常に残念ですが、まあ仕方がないです。金属の塊とガラスの塊の二つで構成しました、以上、、、こんな感じの潔さと、光学理論との合致が美しかったんですけどね。

情報収集
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.03.12

本日は、開店遅くなってしまいましたが、ひさびさにいい情報があちこちから入ってきました。何だかんだ展示会場に1時間くらいは居ましたから、17時くらいに開けています。16時台にお越しいただいていたらすみません。

ブルバキとしては、これからも無垢物は続けますよ。無垢をやめるときはブルバキも終わるときです。

ちなみに、やはり金無垢ならこの組み合わせで製作可能のようでした。業界のセオリーとしては、貴金属の量を減らす方向にデザインが為されていきます。そうではなく、眼鏡の構造的正しさ、例えば一個智による堅牢な構造、顔幅をカバーする横に広い智、ガラスレンズを積んだとしても重量バランスが崩れにくく尚且つ保持する為の摩擦が失われない幅広の先セル、曲げ点が鮮明になるように掛かる部分が細く絞られたテンプル等々の、銀無垢のオリジナルでも行った、ブルバキの考えるメガネの構造的正しさの具体的表現が維持されながら、同じような質量が金無垢であるのであれば、恐ろしく美しいのだろうなと想像が尽きません。そしてこのブリッジ。

そういったフレームに見合う検眼と加工、その修練をもっと積みたいと、いつもながら気を引き締めて帰ってきました。ネジの締め方であっという間にネジ頭はえぐれますし、何度もフィッティングでクネクネすればすぐに波打ちますから、販売側がこんなにも問われるフレームもなかなかないんだと思います。

停滞の理由
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.03.05

ブリッジは、レンズとレンズを繋いでこそ、それこそ金属の線からブリッジへと昇華します。忘れていました。

それでその出来た物を、どの高さに取り付けるべきなのか…。そういう問題が生まれますよね。難しすぎる。考えられる範囲の幅はレンズの天地分、とりあえず刻みは1ミリピッチというのはやや言い過ぎにしても、それなりの設置可能性が見え始めます。サンプルを作る予算も工場の空きも無いので、決め切らないといけません。お腹痛い。

メガネにしても何にしても、専門のデザイナーというのは怪物ですね。素人は、ブリッジ1つの設置箇所で昨晩から悩んだ訳ですから、ありとあらゆる箇所の造詣を気にし出したら、私ならキーって人格が崩壊しそうです。

定義に戻りまして、私が出来ることは、眼鏡士として光学的な要素の付加とか決定ですから、そのようにしました。フレームとしての美しさではなく、メガネとしての美しさであって、レンズを入れて掛けた姿と不可分です。それはコレクターの観点からのデザインでは到達し難いと思うからです。物が好きな私としては、非常に苦しい選択でした。

まきつるに改造します
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.02.25

メーカーのストックも無いので、一旦、銀無垢もSPMも丸メガネが完売となりました。ありがとうございました。写真は、在庫からまきつるに改造をする予定です。販売が決まりまして、今回はテンプルの全長を指定して特注です。

今年こそ、両素材とも復活の予定です。私の頑張り次第です。

ブリッジ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.02.15

このブリッジを無垢で作るのに、4年も掛かってしまいました。ブルバキとしては3年ですが、その前にサラリーマンを辞めて、東京に居た灰色時代を含めると4年です。このように無垢で再現したいからこそ東京に行ったはずでしたが、結局は全部一人で背負うことになりました。誰も背負たがらないのであれば私からとカッコつけて勇んでみたものの、そこからの3年は非常に大変でした。辛すぎないし、毎日楽しくないわけではありませんでしたが、大変でした。気づけば30歳過ぎた今も大変です。じっと手を見る。

ざっくり今までの人生で、現行品とヴィンテージ品、合わせて10万本いかないくらい見たはずです。それぞれの規模感が分かってしまうので詳細はあれですが、ヴィンテージだけでも6万本は確定です。しかも、その内の何万本かはサラリーマン時代に何遍も見返しています。あの経験が、ブルバキの価値判断の尺度になっていることは間違いありません。

そんなことをしていますと、やっぱり数本、二桁はいかないです、フレームのある部分1箇所が、群を抜いて素晴らしいなあと思う物が出てきます。その一つが写真のアレです。私的ブリッジのNo.1です。元々は金メッキのフレームでしたから、それを不変な物に変換しただけです。どの角度も素晴らしいですし、ブリッジだけでは機能美を発揮しないのにも関わらず、すでに他の美しさが滲み出ている気がします。立体感、面、細さが肝です。特に立体感の維持でしょう。物の良し悪しは値段では無いと言いたいところですが、値段な部分もありますし、少なくとも製作の難易度とは関係が深いはずです。今回は通常の2.5倍費用がかかりました…。製造のプロが分析すると、なぜ群を抜いていたのかが構造的に理解できるため、それは予期せぬ面白さでした。

ヴィンテージのメガネ屋は何をデザインし得るのか?みたいなことを昨今とくに考えます。基本はヴィンテージだけ粛々と販売するべきですから、何が許されているか?という表現の方が正しそうです。

デザインと装飾の混同を自分なりに解しますと、過去から現在に至るまであらゆるメガネの中から遺したいと感じたものを、より美しく、より丈夫に、朽ちない物に置き換えること。その変換こそがデザインとして許されているような気がしています。あとは全て装飾でしょうから、今回はそれらを一切行いませんでした。ただ、ブルバキにお越し頂いた人は分かると思いますが、私はまあまあ装飾大好き人間ですし、それはまた別の機会に発散させようと動いております。

長々と店で話すようなことを興奮気味に書きました。しかも、もうフレームが出来たような雰囲気で書きましたが、冒頭の通りブリッジしか出来ていないです。フレームは、、、どれくらい作れるのか計算中です。型から起こして片手程度でしょうかね。



レンズ形状変更
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.21

スターリングシルバーと14kのホワイトの組み合わせのメガネ。以前もご紹介しておりますが、その時と違って、レンズ形状を変更しました。レンズ色も、アンバー系にしております。あれこれ悩みに悩んで、70年代のイスラエル製のセルフレームから形をトレースして製作しております。枠無しであれば、多少奇抜な形でも、輪郭が曖昧なのでボヤけます。気づかれにくいです。

枠無しであれば、無理のない範囲でレンズ形状が変えられます。

紫檀
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.02

早くも、先週の展示会注文分が届きました。

腕が紫檀の削り出しです。ローズウッドです。滑らかで、ただただ美しいです。フロントはSPMです。蝶番は一個智のタイプです。相変わらず、面の合わせが綺麗です。木のフレームだと一般的なバネは搭載しておらず、そのおかげで蝶番の作りがミニマルです。正面から見たゴツさがありません。結果として威圧感の無い、上品なフレームになっています。サイズは46□22です。この手のフレームにしては、レンズも小さめなのが良いです。

オーバルのレンズシェイプにローズウッドのテンプルということで、組み合わせとしてはカルティエのバガテルではなくて、オーバルのあれです、あれ。あれは50□21のサイズで、今回の紫檀のフレームよりも2サイズ大きいです。あれの名前が思い出せない…。品名違えど、ヴィンテージカルティエのウッドシリーズに関しては、テンプルは一緒です。例えばバガテルで調べてみると面白いです。それらが存在した時代も良く、まさにゴージャスの極みです。それしか表現のしようがなく、それがまた最高で傑作です。

木のフレームを“やる・やらない”と、しばらく悩んでおりました。お客さんによっては、やらないと申し上げた方もいらっしゃるでしょうし、やるかもくらいに申し上げた方もいらっしゃると思います。結果、良いものが目の前に差し出されましたので、やることにしました。

ちなみに、なぜ逡巡をしていたかといいますと、

①フィッティングの問題

②レンズ枠入れの構造

この二つを気にかけていたからです。つまり、この二つが上手く解決されていることから、取り扱いをはじめた次第です。

 

①に関して。木でもバッファローホーンでも、装用感(フィッティングとは異なります)の向上の為、蝶番にバネを積むのが一般的です。カルティエのバガテル等々もそうでした。先日枠入れした、リガースなんかもそうです。実際には、あれがフィッティングを損なわせているケースもあります。

どの様なケースに於いてそれが起こるか。それは、こめかみが張っている場合です。フロントの全幅(メガネ正面からみて端から端まで)は、レンズ幅50ミリくらいのもので約140ミリです。日本人男性の側頭幅の平均は160ミリです。頭部形状が卵型で、顔面から見たときに緩やかに耳までアールがついていれば問題ありません。しかし、こめかみが張っている頭部の場合はテンプルが当たります。テンプルの前部から真ん中あたりで顔に当たり、干渉します。この干渉は、バネがあっても解決出来ません。窮屈さを緩和する程度です。むしろ可変で蝶番が外に開いたときに、テンプルの先が耳の後ろから離れると摩擦が失われますから、メガネが下がりやすくなります。

フレームデザインを重視し、テンプルが真っ直ぐ棒状であり、その先が先細りですと、こめかみで当たってバネが開き、テンプルエンドが耳の裏から逃げやすいです。そして木では、フィッティング向上の為の何かを施しようが無いです。

例えば鼈甲であれば、熱で曲げが出来ますから、テンプルエンドの沿わせ角を増やすことで耳の裏に当てて解決します。バッファローホーンも、実は熱を加えると微かながら曲げることが可能であり、同様に対処します。木の場合は全く曲がりません。テンプル製作時の削り出し方が大変重要になってきます。

今回のフレームに関しては、テンプルエンドが蝶番から1センチ以上内側に入り込んでいます。耳の裏にテンプルエンドが一番最初に当たり、こめかみ部分に干渉しづらくなっています。摩擦も強く生じていることを実感できます。また、アールをつけるために真ん中にかけて3ミリほど細く絞ってあり、干渉時の不快さに対して、さらなる配慮が伺えます。

実際、側頭幅160ミリ、ややこめかみが張り気味の私がかけても、テンプルは耳のうら以外、当たっていませんでした。デザイン・カッコよさ等々を比較すると、もちろんブランドの品に軍配が上がりますが、メガネとしての本質的な美しさに於いては、こちらに分があるんじゃないかなと思います。私ごときがそんなこと言って恐れ多いですけどね。

②に関しては、木の全枠も存在しています。ただし、ブリッジ真ん中に磁石を埋め込んであったり、木のフロントにナイロール枠を取り付けているタイプが多く、レンズをしっかりと保持し、尚且つ出来ればガラスのレンズを搭載したい、となりますと難しいです。そこが気掛かりでした。

今回の様にフロントが金属であれば、レンズ枠入れに関しては悩む必要はありません。素材選択にも影響を及ぼしません。フロントをセル枠の様な雰囲気に変えたい場合は、セル巻き加工をする手も残っています。とにかく、ガラスが枠入れ出来ることが私にとっては大きいですね。

 

つい長くなりましたが、要は、木なんですけど、ある程度ちゃんとしているメガネがありましたよ、ということです。装飾が一切無く、素朴過ぎるかもしれませんね。そこを上品で美しいと捉えて貰えるのか、物足りないとなってしまうのか、それだけです。

参考品
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.10.25

展示会にて、個人的な注目商品です。

枠無しフレームの場合、プラスチックレンズのみ製作可能です。ガラスレンズを入れる余地がありませんから、いっそ、銀無垢特有のバチ先テンプルじゃなくても良いかなと考えてもみましたが、一旦保留にしました。いくらプラスチックレンズで軽くしても、装用感に関わりますからね。

サイドの、この滑らかな凹凸が堪らないです。実際にテンプルの開閉で力が加わりますから、プレスで厚く堅牢にして強くすることの意味は大きいです。尚且つ装飾的であり、最高に良かったです。

925シルバーとK14のホワイトの組み合わせでしたが、前回ご紹介した、同じ素材使いでツーポイントの物より、値段が段違いに上がっています。製作時期に依る違いが大きく、やはり金も銀もいまは相当高いということですね。鼻パッドをK14のホワイトに変更しなくても、標準装備のプラスチック鼻パッドで価格が上回っています…。

 

試作
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.08.05

SPMへの手彫り、テンプルの扁平部分に施しました。切削面の鋭さは、925シルバーより際立っています。美しいです。

 

2年経過
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.08.01

使用中の銀無垢のメガネです。ほぼ毎日使用しています。たまに、金属磨きを施す程度です。8月で2年経過しました。

各パーツ、特に異常なしです。一年目は、小傷が入ったり変化に富んでいましたが、二年目からは小傷が入りきった状態であり、スターリングシルバーがくすむくらいの変化しかありませんでした。ネジ周辺の、金属疲労によるクラックも全くありません。蝶番の合わせは、今でもピタッっときまります。劣化と呼べるような変化は現状ありません。

心情の変化はありまして、二年も経つと、飽きたわけではありませんが、リム周りに手彫りによる彫金を増やしたくなってきました。

 

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