カテゴリー:無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

ブリッジ
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

19.02.15

このブリッジを無垢で作るのに、4年も掛かってしまいました。ブルバキとしては3年ですが、その前にサラリーマンを辞めて、東京に居た灰色時代を含めると4年です。このように無垢で再現したいからこそ東京に行ったはずでしたが、結局は全部一人で背負うことになりました。誰も背負たがらないのであれば私からとカッコつけて勇んでみたものの、そこからの3年は非常に大変でした。辛すぎないし、毎日楽しくないわけではありませんでしたが、大変でした。気づけば30歳過ぎた今も大変です。じっと手を見る。

ざっくり今までの人生で、現行品とヴィンテージ品、合わせて10万本いかないくらい見たはずです。それぞれの規模感が分かってしまうので詳細はあれですが、ヴィンテージだけでも6万本は確定です。しかも、その内の何万本かはサラリーマン時代に何遍も見返しています。あの経験が、ブルバキの価値判断の尺度になっていることは間違いありません。

そんなことをしていますと、やっぱり数本、二桁はいかないです、フレームのある部分1箇所が、群を抜いて素晴らしいなあと思う物が出てきます。その一つが写真のアレです。私的ブリッジのNo.1です。元々は金メッキのフレームでしたから、それを不変な物に変換しただけです。どの角度も素晴らしいですし、ブリッジだけでは機能美を発揮しないのにも関わらず、すでに他の美しさが滲み出ている気がします。立体感、面、細さが肝です。特に立体感の維持でしょう。物の良し悪しは値段では無いと言いたいところですが、値段な部分もありますし、少なくとも製作の難易度とは関係が深いはずです。今回は通常の2.5倍費用がかかりました…。製造のプロが分析すると、なぜ群を抜いていたのかが構造的に理解できるため、それは予期せぬ面白さでした。

ヴィンテージのメガネ屋は何をデザインし得るのか?みたいなことを昨今とくに考えます。基本はヴィンテージだけ粛々と販売するべきですから、何が許されているか?という表現の方が正しそうです。

デザインと装飾の混同を自分なりに解しますと、過去から現在に至るまであらゆるメガネの中から遺したいと感じたものを、より美しく、より丈夫に、朽ちない物に置き換えること。その変換こそがデザインとして許されているような気がしています。あとは全て装飾でしょうから、今回はそれらを一切行いませんでした。ただ、ブルバキにお越し頂いた人は分かると思いますが、私はまあまあ装飾大好き人間ですし、それはまた別の機会に発散させようと動いております。

長々と店で話すようなことを興奮気味に書きました。しかも、もうフレームが出来たような雰囲気で書きましたが、冒頭の通りブリッジしか出来ていないです。フレームは、、、どれくらい作れるのか計算中です。型から起こして片手程度でしょうかね。



レンズ形状変更
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.21

スターリングシルバーと14kのホワイトの組み合わせのメガネ。以前もご紹介しておりますが、その時と違って、レンズ形状を変更しました。レンズ色も、アンバー系にしております。あれこれ悩みに悩んで、70年代のイスラエル製のセルフレームから形をトレースして製作しております。枠無しであれば、多少奇抜な形でも、輪郭が曖昧なのでボヤけます。気づかれにくいです。

枠無しであれば、無理のない範囲でレンズ形状が変えられます。

紫檀
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.11.02

早くも、先週の展示会注文分が届きました。

腕が紫檀の削り出しです。ローズウッドです。滑らかで、ただただ美しいです。フロントはSPMです。蝶番は一個智のタイプです。相変わらず、面の合わせが綺麗です。木のフレームだと一般的なバネは搭載しておらず、そのおかげで蝶番の作りがミニマルです。正面から見たゴツさがありません。結果として威圧感の無い、上品なフレームになっています。サイズは46□22です。この手のフレームにしては、レンズも小さめなのが良いです。

オーバルのレンズシェイプにローズウッドのテンプルということで、組み合わせとしてはカルティエのバガテルではなくて、オーバルのあれです、あれ。あれは50□21のサイズで、今回の紫檀のフレームよりも2サイズ大きいです。あれの名前が思い出せない…。品名違えど、ヴィンテージカルティエのウッドシリーズに関しては、テンプルは一緒です。例えばバガテルで調べてみると面白いです。それらが存在した時代も良く、まさにゴージャスの極みです。それしか表現のしようがなく、それがまた最高で傑作です。

木のフレームを“やる・やらない”と、しばらく悩んでおりました。お客さんによっては、やらないと申し上げた方もいらっしゃるでしょうし、やるかもくらいに申し上げた方もいらっしゃると思います。結果、良いものが目の前に差し出されましたので、やることにしました。

ちなみに、なぜ逡巡をしていたかといいますと、

①フィッティングの問題

②レンズ枠入れの構造

この二つを気にかけていたからです。つまり、この二つが上手く解決されていることから、取り扱いをはじめた次第です。

 

①に関して。木でもバッファローホーンでも、装用感(フィッティングとは異なります)の向上の為、蝶番にバネを積むのが一般的です。カルティエのバガテル等々もそうでした。先日枠入れした、リガースなんかもそうです。実際には、あれがフィッティングを損なわせているケースもあります。

どの様なケースに於いてそれが起こるか。それは、こめかみが張っている場合です。フロントの全幅(メガネ正面からみて端から端まで)は、レンズ幅50ミリくらいのもので約140ミリです。日本人男性の側頭幅の平均は160ミリです。頭部形状が卵型で、顔面から見たときに緩やかに耳までアールがついていれば問題ありません。しかし、こめかみが張っている頭部の場合はテンプルが当たります。テンプルの前部から真ん中あたりで顔に当たり、干渉します。この干渉は、バネがあっても解決出来ません。窮屈さを緩和する程度です。むしろ可変で蝶番が外に開いたときに、テンプルの先が耳の後ろから離れると摩擦が失われますから、メガネが下がりやすくなります。

フレームデザインを重視し、テンプルが真っ直ぐ棒状であり、その先が先細りですと、こめかみで当たってバネが開き、テンプルエンドが耳の裏から逃げやすいです。そして木では、フィッティング向上の為の何かを施しようが無いです。

例えば鼈甲であれば、熱で曲げが出来ますから、テンプルエンドの沿わせ角を増やすことで耳の裏に当てて解決します。バッファローホーンも、実は熱を加えると微かながら曲げることが可能であり、同様に対処します。木の場合は全く曲がりません。テンプル製作時の削り出し方が大変重要になってきます。

今回のフレームに関しては、テンプルエンドが蝶番から1センチ以上内側に入り込んでいます。耳の裏にテンプルエンドが一番最初に当たり、こめかみ部分に干渉しづらくなっています。摩擦も強く生じていることを実感できます。また、アールをつけるために真ん中にかけて3ミリほど細く絞ってあり、干渉時の不快さに対して、さらなる配慮が伺えます。

実際、側頭幅160ミリ、ややこめかみが張り気味の私がかけても、テンプルは耳のうら以外、当たっていませんでした。デザイン・カッコよさ等々を比較すると、もちろんブランドの品に軍配が上がりますが、メガネとしての本質的な美しさに於いては、こちらに分があるんじゃないかなと思います。私ごときがそんなこと言って恐れ多いですけどね。

②に関しては、木の全枠も存在しています。ただし、ブリッジ真ん中に磁石を埋め込んであったり、木のフロントにナイロール枠を取り付けているタイプが多く、レンズをしっかりと保持し、尚且つ出来ればガラスのレンズを搭載したい、となりますと難しいです。そこが気掛かりでした。

今回の様にフロントが金属であれば、レンズ枠入れに関しては悩む必要はありません。素材選択にも影響を及ぼしません。フロントをセル枠の様な雰囲気に変えたい場合は、セル巻き加工をする手も残っています。とにかく、ガラスが枠入れ出来ることが私にとっては大きいですね。

 

つい長くなりましたが、要は、木なんですけど、ある程度ちゃんとしているメガネがありましたよ、ということです。装飾が一切無く、素朴過ぎるかもしれませんね。そこを上品で美しいと捉えて貰えるのか、物足りないとなってしまうのか、それだけです。

参考品
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.10.25

展示会にて、個人的な注目商品です。

枠無しフレームの場合、プラスチックレンズのみ製作可能です。ガラスレンズを入れる余地がありませんから、いっそ、銀無垢特有のバチ先テンプルじゃなくても良いかなと考えてもみましたが、一旦保留にしました。いくらプラスチックレンズで軽くしても、装用感に関わりますからね。

サイドの、この滑らかな凹凸が堪らないです。実際にテンプルの開閉で力が加わりますから、プレスで厚く堅牢にして強くすることの意味は大きいです。尚且つ装飾的であり、最高に良かったです。

925シルバーとK14のホワイトの組み合わせでしたが、前回ご紹介した、同じ素材使いでツーポイントの物より、値段が段違いに上がっています。製作時期に依る違いが大きく、やはり金も銀もいまは相当高いということですね。鼻パッドをK14のホワイトに変更しなくても、標準装備のプラスチック鼻パッドで価格が上回っています…。

 

試作
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.08.05

SPMへの手彫り、テンプルの扁平部分に施しました。切削面の鋭さは、925シルバーより際立っています。美しいです。

 

2年経過
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.08.01

使用中の銀無垢のメガネです。ほぼ毎日使用しています。たまに、金属磨きを施す程度です。8月で2年経過しました。

各パーツ、特に異常なしです。一年目は、小傷が入ったり変化に富んでいましたが、二年目からは小傷が入りきった状態であり、スターリングシルバーがくすむくらいの変化しかありませんでした。ネジ周辺の、金属疲労によるクラックも全くありません。蝶番の合わせは、今でもピタッっときまります。劣化と呼べるような変化は現状ありません。

心情の変化はありまして、二年も経つと、飽きたわけではありませんが、リム周りに手彫りによる彫金を増やしたくなってきました。

 

次回未定
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.07.19

ラウンド40ミリのSPMは、おかげさまで店頭も工場も在庫が無くなりました。ありがとうございました。次回入荷は未定です。

ちなみに、ラウンド38ミリSPMも店頭のみ、ラウンド40ミリの925シルバーも店頭のみとなりました。そもそもの製造数が片手くらいというのもありますが、思った以上にペースが早かったです。老いも若きも、美しい物がやっぱり好きですね。安心しました。

明日も引き続き、店は休みです。夜だけ開けるということもありません。ご注意ください。

矯正
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.06.15

SPMの無垢のメガネです。お客さんの度数を入れ終わりました。テンプルが細く、顔に対して粘らないので、低度数で重みは出なさそうでしたが、念のためプラスチックのレンズを入れました。

 

裸眼で視力0.5前後は出る方です。主訴は無く、度数の処方の狙いとしては、視力の矯正は二の次です。今回の狙いは、姿勢の矯正です。

主訴は無いと言いましたが、実際にはありまして、「高校生くらいから、本を読むと字が傾いて見える」という訴えがありました。

傾いて見えるという訴えから、廻旋斜位または上下と水平斜位の組み合わせ等々の原因が考えられます。近方のみ生じるということから、調節と輻輳および両眼視の質の低下が疑われます。また、高校生くらいから生じたということで、先天的ではありませんから、頑張れば治せるかもしれないという希望があります。あくまで希望でありまして、なかなか辛く大変だとは思います。

処方値とプリズム量を決め、仮枠で試しました。本を読み始めて1分ぐらいは、いつも通り首が傾いていました。ただ、1分後、本の位置と姿勢を正したときに首が真っ直ぐに戻りました。本人としては読み続けて違和感があったので、首を傾けたつもりであったかもしれませんが、それによって真っ直ぐに戻りました。ここまで顕著な反応は初めて見ましたので、驚きと感動です。視力の値だけでは、視覚が健康かどうかは一般には判りかねるという話です。

せっかく良いフレームを買って頂きました。そうなりますと、出来るだけ掛け続けたくなるものです。さらに掛けることに意味が加われば、メガネとして一層愛着が湧きます。今日の鉢の話にも通じますが、例えば伊達メガネも、個人的には大歓迎です。まず掛けることに慣れていたり、掛けていないけど憧れているだけでも、処方する側としては大変助かります。デザインも機能です。

レンズ変更
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.06.05

何度もしつこい、あのスターリングシルバーのメガネです。レンズの形を変えてみました。カラーは、ブラウンの25パーセントです。

レンズの形が変え放題と申しましたが、ブリッジ幅が16ミリでした。レンズの形や色、または瞳孔間距離等々を加味しますと、ある程度良さそうな形は制限されてきます。

今回は、私の瞳孔間距離65ミリに合うようにしました。これが、おおよそ日本人の男の平均的な値です。よってレンズサイズ49ミリにしてあります。ツーポイントは、ネジが視界に入って気になりやすいので、そもそも程よくレンズが大きい方が良いでしょうね。

初期の細長い、カッコいい感じも残したかったので、横に潰した八角形にしてみました。思った以上に良くなったと思います。

ロジウムのかかっていないK14のホワイトゴールドは、やや黄味がかっていますので、ブラウンのレンズと相性が良いですね。

無理やり、手持ちのCR-39で加工しました。最後の最後に気が緩み、レンズ縁が欠けていますが、本番はちゃんとします。

カラーレンズ入れました
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

18.06.05

スターリングシルバーのメガネ、在庫品です。サンプルです。銀無垢のフレームに、25%のグリーンレンズを入れました。想像以上に良いです。

流石に、お客さんで銀無垢で色を入れるという話は今のところ無いです。サングラスでは無い、掛けっぱなしで一日中いられるような濃さのレンズを入れるのは、銀無垢でも良いですね。

カラーレンズの場合は、濃茶でセル巻きさせると一層良いかもしれないですね。

プレスの柄が入っています。今年は、銀無垢のラインが動くかどうか分からなくなってきましたし、手彫りの彫金が煌きすぎて、身に付けるとなると派手という認識で嫌がられる傾向にあるので、違いを比較出来るように仕入れました。プレスだと、大分落ち着いた感じです。

個人的な考えですが、これくらいの物になりますと、いつまでもファッションの中で違和感であって欲しいとは考えています。ファッションとして、現段階でドンピシャではまっていれば、いつかは廃れますから。なので私は、ビッカビカに煌めいたほうが好きです。美しいことは、やり過ぎればアンファッションとして認知されますし、その美しさとファッション性が離れるポイントが、一番楽しい気がしてきました。

あとはそうですね、心地よい音楽を聴く、素晴らしい絵を見る、雄大な景色を眺める等々、美しいなあと感じるタイミングは多々ありますが、その感情と直結させたいというのもあります。

つまり、身に付ける物はカッコよさという尺度を用いて、その他諸々は美しさを尺度にするという分離を、極力美しさという尺度で統合したいという、突き詰めたところで特に何も無さそうなことを気にかけています。

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