カテゴリー:無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

資料
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.08.30

銀無垢のサーモントを作るに当たって、様々なフレームを参考にしたんですけど、そういえばこれもベースの候補にありました。最近手元に戻ってきました。

60年代と思われる、アメリカのサーモントです。これも眉と腕がアルミです。

フロント両端が、タートのアーネルっぽい落ち方をしています。結構珍しいフレームじゃ無いかなと思います。珍しいし、アーネルっぽいということで、デザインのベースにしようかなとかなり悩みましたがやめました。前も書いたと思いますが、色々あって、流行り廃りの激動を生き延びて現代に残ったサーモントといえば、レイバンのクラブマスターなわけですから、それに準ずるようなところからスタートさせました。それがシューロンのロンサーのアルミと、アートクラフトのアルミのサーモントでした。

あのときは特徴的な眉パーツの落ち具合にしか注目していませんでしたが、いまみると各パーツの処理に目が行きます。眉とかテンプルの輪郭がまっすぐはっきりしています。全体として、とてもかっちりした雰囲気に仕上がっているのは、おそらくそのせいです。

特にどうってことも無くて、この振り返りを元に銀無垢のサーモントを改良するってことも無いんですけど。この辺の処理一つでフレーム全体の雰囲気が大きく決定されてしまうものですね。

銀無垢のサーモントの変化
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.08.22

オール銀無垢のサーモントですが、久々に真っさらな状態を見ました。温泉燻しとかしていないので、表面の滑らかさと光沢が果てしないですね。

 

この夏を逃すと、エイジングに時間が掛かるなということで、私も7月の頭くらいから掛け始めています。全然変化が無いなあと思っていましたけど、比べるとちゃんと燻されています。使用2ヶ月未満でこんな感じです。

ブリッジ付近は、もっともっと陰陽の差がついて欲しいところですね。

7月の頭の方はまだいける感じがありましたけど、梅雨明けくらいから流石に鼻パッドは大きいプラスチックパッドに変えないとしんどい感じです。特にカザールみたいな、シリコンパッドの大きい物も使って過ごしています。シリコンは特に良いですね。

とにかく肌身離さずの着用ということで、可視光調光の緑を入れました。起きてから寝るまでの間、みっちり顔面にのせ続けていました。通勤の片道40分の自転車のときも掛けて、こんな感じです。使い始めてから着用しなかった日は、いまのところ眼科さん出張の日の一日だけですね。

リベット付近も、もう一つ変化が欲しいところですね。

全体の小傷もまだまだ足りないくらいで、また変化があれば載せると思います。もうちょい陰陽が出てくると、光沢の荘厳さが薄れてくるはずなんですけど。とりあえずますますの変化が楽しみです。

使い続けるとやっぱり良いですね
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.07.26

925フレーム。お客さんの。もう6年くらいですね。

人によってエイジングの具合が全然違いますね。全体に錦鯉のように燻された、かなりカッコいい変化パターンだと思いました。とくにテンプル先のエイジングの出方が綺麗でした。

ネジ穴はへたることもなくシャキシャキです。まだまだいけます。今回レンズ交換をし、その際にネジ周りをあれこれみました。

レンズ側のネジの受けはAPC(銀、パラジウム、銅の合金)で、テンプル側はステンレスでして、そこで道具としての信頼性を保持しています。硬い素材に変えてあります。特に開閉して締めたり緩んだりを繰り返すテンプル側は、ステンレスパーツの交換可能です。

メガネは細いし薄いし長いしなんなら可動部分もありまして、それと銀無垢の特性を合わせて考えますと、しっかりとした道具として使い続けることが他のアクセサリーよりもおそらくハードモードな代物です。ですけど、このネジ周りの堅牢さのおかげでクリア出来ています。このフレームの佇まいで、それがよく分かりました。

試作
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.07.19

サンプラチナのオーバルフレームです。前回、黄色のセル巻きで同じように作りました。フラットレンズで濃いサングラスにしております。

ポップなセル巻きです。この緑のセル巻きに、サンリオ製品的なかわいさに近いものを感じております。素材や製品の仕上がりとは対極な軽やかさが最高だなぁということで採用しました。ちなみに私はラナバウツ世代です。

ポップさに惹かれたとはいえ、前面に出すぎると掛けづらいよなぁと。今までの反応もそんな感じが多かったです。

そこでこっちもサングラスにしてみました。緑のセル巻きに緑のレンズも良いですね。ヴィンテージのamorのやり方でもあるんですけど、かわいさが薄まっていい感じです。むしろかなり良い気がします。

サングラスだけの使用だと勿体無い気もするので、クリア時のポップさが気にならないのでしたら、調光のグリーンも良さそうです。

僕が銀無垢で再現する理由は大体100個くらいあって
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.06.19

上がアメリカの1920年ごろの。下が現行の銀無垢フレーム。手彫り済み。銀の燻が相まって、下の方がヴィンテージに見えるかもです。そうだと嬉しいです。

上がヴィンテージ、下がサンプラチナによる再現です。ツーポに関しては、強度の問題で銀無垢を諦めています。金張のアップグレードということで、金無垢を少量作りました。

ブリッジのディテールは他のモデルを参考にしておりますが、ざっくり全体の雰囲気の再現としましては、ここを目指していました。アメリカの1930年代のフルビュー、ニューモント型です。

これも上がヴィンテージで下が現行の銀無垢による再現です。上はアメリカの1960年代のアルミのサーモントです。

なんとなく、ここまでのブルバキと銀無垢のメガネの歩みを要約しておこうと思いまして。色々な意味を込めまくっていますけど、あまり書いてこなかった狙いとしましては、アメリカを一つひとつ銀無垢という素材で復刻・再現するというのが初めからありました。

なぜ「アメリカ」を「銀無垢」で、この二つが肝心ですよね。そしてアメリカと言いつつアメリカの「60年代以前」という限定つきなので、そこですね。

 

おそらく色々な物が60年代で分かれるように、メガネも60年代で分かれるとする見方があります。手元に64年のAOのカタログがありますが、特にメタルフレームに関してはまだフルビュー(SAMPSON)が掲載されているくらいですから、60年代までは素朴でまさにロングライフデザインで、そこから先は消費的という見方が出来るかもしれません。カタログでは天地の浅いものが新作っぽく掲載がありますけど、天地深めのフレームも載っています。サーモントでいえば、マルコムモデルも載っています。

ちなみに67年のフランスだったと思いますがプラスチックの度付きが出ます。他にもガラスのレンズの径がデカく出来たりと、レンズも70年代周辺で革新があります。フレームに対してもオプチルという素材の革新がありまして、さまざまな要因から70年代のメガネはおかげで賑やかになります。

話を戻しまして、メガネも何となくデザインの鋳型みたいなものは60年代で決まったのかなと感じています。本当に普遍的な物ほど個性的なんだ、という岡本太郎の言葉を思い出すとなんだかブログの軸がブレてきそうですけど。でもやっぱり70年代以降は、デザインも勢いも激しくて、例えばお客さんの反応としましては「そういう物は仕事にかけられないなあ…」とかあります。その方の人生のなかで普遍的に掛けられないという事態が発生しがちです。そんなわけで、ブルバキもその辺はヴィンテージの存在に頼っています。70年代以降は、どこの国の何がいまのような意味での鋳型となり得るのか判断することが難しいです。

 

なぜ60年代までの、特にアメリカを一つひとつ再現するのかということに対しては、服のアイビーの概念をそのまま転用しました。日本人がアメカジを作ったという話です。本も出ていますね。ロングライフデザイン且つ、日本人が日本を表現する為に適した、前例のある方法としてアメリカを用いました。自分の服がティーシャツジーパンスニーカーのアメカジであることは、もちろんですけどね。

そして、2010年ごろからメガネの流行が段々とアメリカぽくなり、そしてヴィンテージに、、、という流れの中でブルバキが出来て、銀無垢のフレームを色々な方に見てもらえているのかなと思います。もしいまが2000年代の頭だったら、もっとマニア扱いだったか、レトロですねだけで終わっていたかもしれません。

なぜ銀無垢で?と聞かれますと、もちろん一番は好きだからなんですけど、自明な理由はさておき、まあでも文章が長くなったのでまた今度にしておきます。あれこれ理由はありますが、さっきのアメリカの流れに即した理由となりますと、その辺はメタルサーモントが出来たときに、チラッと書いた記憶があります。

しょうがないことではありますが、メガネに対しての眼差しがTシャツ・ロンTとほぼ同じという現実があります。悲しいですけど。ヘイローの元に意匠を乗せることで十分なわけです。そこまで解っていても諦めきれなくて、メガネも銀も好きなので、だから作るしか無かったんですよね。

彫金例
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.06.11

ボシュロムのダイヤ柄、手彫りで再現です。

サンプラチナの一山で、この紡錘形のテンプルに彫るのは2例目かと。

めっちゃ美しいです。

サンプラチナ38ミリのラウンド、ケーブルテンプルに改造(直付け)で、手彫りです。

ヴィンテージにハマるキッカケを思い返してみますと、現代では出来ない手仕事の手間だったりロストテクノロジーだったりと、あれこれ現代では再現不能かつ到達不可能だったりと、そういう点に惹かれてハマることが多いと思います。

メガネに関してはむしろヴィンテージよりもギュウギュウに手仕事の技巧を詰め込むことが出来るんじゃないかというくらいあれこれ出来ます。令和も5年ですけど。やれるうちにやっておきたいですよね。

何度も載せている、彫金見本です。手彫りで再現しているのは、このボシュロムのダイヤ柄です。多分20年代や30年代のアメリカの金張フレームの中で、一番複雑な模様かなと。この柄はやはり強烈で、どの模様よりもヴィンテージに近づくかなと感じます。前回載せた、アール・デコな平行四辺形の柄は、手彫りしても現代っぽい感覚が芽生えましたからね。

新パターン
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.06.09

彫金欲が再燃です。あれも彫りたいこれも彫りたい。

一昨年の銀無垢サーモントの開発決定から昨年末にかけての2連発新作完成まで、なかなか身動き取れなかったです。そこが一段落つきまして今年はどうしようかなと考えていた矢先に、年明けからポツポツと彫金の依頼を頂いておりました。それを眺めていたり、お客さんにお渡ししたときのリアクションを拝見しまして、自分も彫金欲が再燃した次第です。やっぱり彫金だなと。無垢の金属の塊、迫力とボリュームというムーブメントがこの2年ありましたけど、それが落ち着いて精緻で美しいの方に、またまた傾倒してきています。

 

ということで、彫金パターンの新ネタです。試しに作ってみました。

トップ画像では分からなかったはずです。今回は控えめに、フロント側は何も彫らずに、横だけでこっそり工芸性を足してみました。工芸性を足すんですけど、今までは唐草模様やヴィンテージのダイヤ柄でしたり、精緻な柄を入れて華やかさだったりたおやかさを足すことを試みることが多かったんですけど、その美しくて柔らかい感じがあまり付加されないような柄を選んでみました。素材と形状と柄と、三位一体でめちゃくちゃ堅い雰囲気でパキッとしてカッコいいです。基盤みたいな、直線的でいまにも線に沿って光が走り抜けるような、そんな雰囲気がカッコいいです。

このネタ自体はずっと寝かしていまして、ただそのときはテンプルが真っ直ぐで起伏のない物が店頭にありませんでした。潔い平面が用意できるフレームが、銀無垢もサンプラチナもありませんでした。構造のこともそうですし、この柄にたいしてはプレスの模様くらいが丁度良いのかなという考えもありました。手彫りで角がバリバリに立ったときに、果たしてカッコいいのか?みたいな不安があって躊躇していたわけです。

これがネタ元です。実は80年代のフレームの何かではなくて、30年代の金張フレームの柄を手彫りで再現しています。アール・デコもその前後らしいので、それを踏まえますとその極致みたいな柄だなぁと思えてきます。

寝かさずに、もっと早く手彫りで再現すればよかったですね。めっちゃカッコいい且つ、キラキラとエレガントな感じが殆ど付加されないので、どんなときも掛けやすそうです。でも手彫りで自分だけ工芸性を味わってこっそり嬉しいみたいな。そんな感じに仕上がりました。

初の試み
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.06.02

サンプラチナのメガネをサングラス化してみました。フラットレンズのハードコート、フォレストの85パーセントでこんな感じです。

色レンズで35パーセントくらいの濃さまでは提案をしておりましたが、目が見えないくらいの濃いレンズの提案は、そう言えばありませんでした。

黄色のセル巻きに緑のレンズということで、ちょっと派手でやや面白いサングラスになるかと思いきや、けっこうカッコいいサングラスとなりました。

黄色のセル巻きがゴールドっぽく見えます。金に緑のレンズということで、結果的にレイバンを踏襲する形になりました。それでカッチョいいサングラスになったかもです。ジャケットに合いそうなサングラスです。

フラットレンズはカッコいいんですけど、そうで無くても良いかもですね。調光のグリーンがあるので、それにしといたら一日中かつ全天候いけますし、美観に全振りするのではなくて、少し使い易さに振っても良さそうです。

 

取り付け例
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.05.31

銀無垢の鼻パッド(大)を、銀無垢のサーモントに装着してみました。そもそもの鼻パッド(大)の開発は、この銀無垢のサーモントに付随して行われておりましたが、色々あって納品が別れた次第です。

パッドの面積が増して、体積が増して、眉毛パーツの銀塊の存在感と張り合う感じがようやく出てきました。

実際に装用するとなりますと、さらにもう一声、パッド面が大きいと安心です。現時点での最大面積は今回のパッド(大)ということですから、何かしらのブレークスルーがあるまでは、プラスチックのパッドで使用して頂き、その時が来るのを待つということもあり得そうです。

現時点では、プラスチック素材で箱の取り付けタイプなら、もっと大きい鼻パッドがあります。こういう時のために箱にしています。

有色の鼻パッドに替えてみました。この鼻パッドの大きさに見覚えがある方もいらっしゃるかもしれません。80年代くらいまで、まだまだガラスのレンズが使われていた時代のフレームは、これくらい大きい鼻パッドがついています。今でも汎用品のパーツとして、黄色の他にクリアも、ドデカ鼻パッドの供給があります。

特に緑のレンズだからということもあると思いますが、鼈甲風の黄色の鼻パッドのレトロ感が足されて、全体がとても良い雰囲気です。

これも装用感が良かったです。透明部分が、体温で変形し始める特殊樹脂です。黄色より縦幅が1ミリ短いですけど、顔の形に沿うためピタッとズレにくい感じがしました。取り付け方が箱の鼻パッドなら、こういうのも汎用品であります。

今年の目玉
無垢のメガネ(925silver,サンプラチナ,木)

23.05.26

加工依頼を立て続けに頂いていた上に、先週は子どもから感染したノロなのかロタなのか、その辺の胃腸風邪とやらを今年も拾いまして、何だかんだで今という感じです。昨年もなかなかでしたけど、今年も1日の嘔吐回数の記録をさらに更新しました。

本当は先週末に届いておりましたが、そういうアクシデントもありまして、いまご紹介です。銀無垢の鼻パッド、今できる最大面積が届きました。お待たせしました。

トップの画像は、大小並べて撮りました。結構デカイです。

重さは0.3グラムの増加です。パッドの面積は、ざっくり楕円だと仮定して1.28倍となります。

一応重さも1.2倍とはなりましたが、フレームの総重量に対して0.3グラムの増加と考えますと、微々たる量の増加です。例えば30(g)×0.01が0.3(g)ですからね。

そうしますと、面積が1.28倍になったことの恩恵の方がデカイと考えられます。

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