カテゴリー:修理とメンテ

お持ち込み品
修理とメンテ

17.11.24

レンズの枠入れ依頼でした。ヴィンテージ、増永眼鏡のブローです。

おそらくデッドストックですが、その場合でも、ただレンズを削って入れるだけではありません。少なくとも当店では、ですけど。

レンズサイズが適切かどうかチェックする為に、なんだかんだ眉は外さなくてはなりません。そうしますと、経年変化でプラスチックが縮んでいる分、ネジ穴とのズレが生じます。写真ではわかりにくいですが、ネジ穴で半分くらいの縮みが観察されます。この場合は、ドリルで穴を広げるしかありません。迂闊に眉パーツを外すと、穴あけできない場合は戻せなくなります。

フレームカーブも変更です。眉なし(写真右手)が加工後です。これくらいフレームカーブを落としておけば、綺麗にレンズが入ります。これは度数との兼ね合いもありますが、球面設計なのか非球面設計なのか、この選択にも依存します。いずれにしましても、レンズ、フレームともに負担をかけないようにするには、整えてあげるべきでしょう。

ここまで処理してあれば、今回のようにガラスレンズを入れても、テンプルの開閉で眉とレンズが干渉し、レンズに小さな欠け(チップが入る)とか逆にフレームが欠けるとか、あれこれの問題も生じないと思います。

サーモント、ブローのフレームが、修正しながら枠入れしていると一番時間が掛かるかもしれません。

新パーツ
修理とメンテ

17.11.18

上から

・チタン鼻パッドの大き目が登場(写真右手)

・金色の鼻パッド解禁

・一山用、セルパッド解禁

です。もともと、商品に標準装備されているはずですが、小売店のパーツとして供給が無かったものが、解禁されていました。

些細なことですが、メガネをカッコ良くする手段として鼻パッドを交換することは有効です。個人的に金色のパッドは、やっと交換対応が当店でも出来るようになったので嬉しいです。

一山用のパッドについては、他所のメッキの物に使うと良いかもしれません。剥がれの予防にもなりそうです。SPMや銀無垢の一山に関しては、高さが合わない場合は特注で改造したら良いので、これはあまり出番がなさそうです。とりあえず、グレーのみ用意しておきます。

修理品
修理とメンテ

17.10.16

修理完了です。型直し、歪み直しで済んでいますから、大事には至っていませんでしたが、それなりに時間かかりました。

コマ自体も曲がっています。それもあって稼動部のピンが閉じ切っていませんでした。こういうブロックパーツは、力を込めて曲げると、急にもげたりしますから気をつけなくてはいけないです。

金張りの剥がれもなく、それなりに良い状態だと思います。

修理完了
修理とメンテ

17.10.06

お持ち込み。40年〜50年代くらいのフランス製フレーム。

ネジのサビ。腐食してテンプル開閉時にネジ切れてしまいました。

パーツも器具も無いので、さすがに修理専門のメーカー出しです。

修理後が以下です。

若干、径の大きいリベットを打って、カシメし直しています。ただ、パッと見でわかる大きさの違いはありません。

生地が弱い・細いこともあり、智の上部に亀裂も生じています。それは埋め戻しをして、わからないように処理しています。

元々カシメし直すか、できない場合はコマごと溶接して畳めない状態で使うか?という2択でした。さすがにこの年代、もとの状態となりますと完全に傷が回復することは中々ありませんが、また使ってもらえる状態まで戻ったと思います。

先セルの形状変更
修理とメンテ

17.10.03

999.9のお持ち込み。先セルの欠けが発生しております。

さすがにこの場合は、付け足すことが難しいので、長い方をカットして、お互いの形状を揃える措置を施しました。

取り敢えず、ゲジゲジ部分も滑らかになりましたし、しばらく使ってもらえるようになったと思います。

ジュリウス・タート
修理とメンテ

17.10.01

鼻盛りのお持ち込みです。復刻のタート、ブライアンです。鼻幅を22ミリから18ミリ程度に詰めました。仕上げの磨き前の写真です。これから乾燥させて、明日以降に仕上げていきます。

レンズサイズ46ミリ、鼻幅22ミリです。FPD68ミリなので、目ん玉に対してワンサイズアップくらいです。窮屈な感じもなく、程よいです。

日本人男の鼻幅の平均は、だいたい18ミリなので、目に着目したサイズ感はバッチリだとしても、鼻幅に着目したサイズ感は開き過ぎといったところでしょうか。販売しているお店はどうしてるんでしょうかね。その辺フォローしているといいですけどね。そうしないと、ただ高いだけになってしまいますから。

鼻盛りして土台を作ることも大事ですが、当然フロントも小さいので側頭幅はちゃんと開いてあげないと、ツルツル下がります。結構フィッティングの難度は高めです。

あとは、ガラスのノンコートのレンズを入れれば、ほぼ当時の風合いを出せると思います。

修理途中
修理とメンテ

17.06.10

お客さんのメガネ。なんだかんだ申し訳ないことに、珍しく忙しいので纏まった時間が取れずでした。ようやく、修理のメドがつきそうです。

AOのブローです。今回は、両テンプルの亀裂がお題です。ヒビならまだしも、亀裂で隙間が空いてしまっているので、付くかどうか微妙なラインでした。

亀裂以外にも、細かなクラックが沢山入っています。

とりあえず、最終磨きの手前まで漕ぎ着けています。実際は、この段階まで2回ほど到達していたのですが、溶着が甘かったりバフの磨きで溶けたりで、2回失敗しています。

明日以降に、最終磨きの再チャレンジです。

このくっつき具合ですと、今度はいけそうです。

手間を掛けたらその分、愛着が湧くなんて言われたら、なんとしてでも使える状態にはしないとですね。修理は意地です。

鼻盛り
修理とメンテ

17.05.22

メガネフレームの傾斜が強く、お客さんの頬に当たるので、鼻盛りをしました。傾斜を取ってレンズを起こして解決しようとも思ったのですが、プラス度数が強く、乱視もそれなりにありまして、傾斜がちゃんと5度くらい無いと手元が見辛くなると判断し、鼻盛りにしました。

これから度付きのサングラスにしていきます。

今日も磨いております
修理とメンテ

17.03.08

現行のローデンストック。私がメガネ業界に入る前に買った物を、今は父が使っております。

さすがに4年くらい使用しており、こまめに洗浄をしていないので白化が進んでおります。

スライドバネ蝶番のローダフレックスも固着しております。

磨きと、超音波洗浄で、ほぼ元どおりになりました。

自分の仕事を、直接家族や親戚に届けることが出来るのはいいもんだなと思い始めました。

生地の縮みとフィッティングについて
修理とメンテ

17.02.25

アセテートでもセルロイドでも、時間とともに縮みが起こります。デッドストックでも縮みます。

シューティングの芯が金属素材なので、中だけが突き出した感じになってしまいます。

わかりにくいですが、0.3ミリくらい芯が飛び出しております。その為、開きが狭くなることがあります。

削り後です。横から見たときの隙間で比べるとわかりやすいです。

(下に見える白っぽい筋が隙間です。テーブルの銀が見えております。)

削る前、蝶番が閉じ切らずに隙間があります。

削り後。ピタッと蝶番の隙間が埋まりました。

上から比べると、開きの差がわかります。

日本人の平均からいって、開かないと試着すら出来ないな、という狭すぎるときはあらかじめ開きをします。

いずれにしましても、フィッティングの際は開きます。もちろん、熱でプラスチックを曲げるわけですが、それで開きが足りないときの話です。逆反りさせて掛けさせる方法もありますが、見栄えが良く無いので削って開いております。

フィッティングだけでも是非お越しください。ヴィンテージの60年代以前ですと、とりあえず開かないと、どうしようも無いでしょうね。レンズが小さいので、フロントで稼げる横幅が少ない為です。

_170831bk

pageTopLink