カテゴリー:修理とメンテ

修理完了
修理とメンテ

17.10.06

お持ち込み。40年〜50年代くらいのフランス製フレーム。

ネジのサビ。腐食してテンプル開閉時にネジ切れてしまいました。

パーツも器具も無いので、さすがに修理専門のメーカー出しです。

修理後が以下です。

若干、径の大きいリベットを打って、カシメし直しています。ただ、パッと見でわかる大きさの違いはありません。

生地が弱い・細いこともあり、智の上部に亀裂も生じています。それは埋め戻しをして、わからないように処理しています。

元々カシメし直すか、できない場合はコマごと溶接して畳めない状態で使うか?という2択でした。さすがにこの年代、もとの状態となりますと完全に傷が回復することは中々ありませんが、また使ってもらえる状態まで戻ったと思います。

先セルの形状変更
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17.10.03

999.9のお持ち込み。先セルの欠けが発生しております。

さすがにこの場合は、付け足すことが難しいので、長い方をカットして、お互いの形状を揃える措置を施しました。

取り敢えず、ゲジゲジ部分も滑らかになりましたし、しばらく使ってもらえるようになったと思います。

ジュリウス・タート
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17.10.01

鼻盛りのお持ち込みです。復刻のタート、ブライアンです。鼻幅を22ミリから18ミリ程度に詰めました。仕上げの磨き前の写真です。これから乾燥させて、明日以降に仕上げていきます。

レンズサイズ46ミリ、鼻幅22ミリです。FPD68ミリなので、目ん玉に対してワンサイズアップくらいです。窮屈な感じもなく、程よいです。

日本人男の鼻幅の平均は、だいたい18ミリなので、目に着目したサイズ感はバッチリだとしても、鼻幅に着目したサイズ感は開き過ぎといったところでしょうか。販売しているお店はどうしてるんでしょうかね。その辺フォローしているといいですけどね。そうしないと、ただ高いだけになってしまいますから。

鼻盛りして土台を作ることも大事ですが、当然フロントも小さいので側頭幅はちゃんと開いてあげないと、ツルツル下がります。結構フィッティングの難度は高めです。

あとは、ガラスのノンコートのレンズを入れれば、ほぼ当時の風合いを出せると思います。

修理途中
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17.06.10

お客さんのメガネ。なんだかんだ申し訳ないことに、珍しく忙しいので纏まった時間が取れずでした。ようやく、修理のメドがつきそうです。

AOのブローです。今回は、両テンプルの亀裂がお題です。ヒビならまだしも、亀裂で隙間が空いてしまっているので、付くかどうか微妙なラインでした。

亀裂以外にも、細かなクラックが沢山入っています。

とりあえず、最終磨きの手前まで漕ぎ着けています。実際は、この段階まで2回ほど到達していたのですが、溶着が甘かったりバフの磨きで溶けたりで、2回失敗しています。

明日以降に、最終磨きの再チャレンジです。

このくっつき具合ですと、今度はいけそうです。

手間を掛けたらその分、愛着が湧くなんて言われたら、なんとしてでも使える状態にはしないとですね。修理は意地です。

鼻盛り
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17.05.22

メガネフレームの傾斜が強く、お客さんの頬に当たるので、鼻盛りをしました。傾斜を取ってレンズを起こして解決しようとも思ったのですが、プラス度数が強く、乱視もそれなりにありまして、傾斜がちゃんと5度くらい無いと手元が見辛くなると判断し、鼻盛りにしました。

これから度付きのサングラスにしていきます。

今日も磨いております
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17.03.08

現行のローデンストック。私がメガネ業界に入る前に買った物を、今は父が使っております。

さすがに4年くらい使用しており、こまめに洗浄をしていないので白化が進んでおります。

スライドバネ蝶番のローダフレックスも固着しております。

磨きと、超音波洗浄で、ほぼ元どおりになりました。

自分の仕事を、直接家族や親戚に届けることが出来るのはいいもんだなと思い始めました。

生地の縮みとフィッティングについて
修理とメンテ

17.02.25

アセテートでもセルロイドでも、時間とともに縮みが起こります。デッドストックでも縮みます。

シューティングの芯が金属素材なので、中だけが突き出した感じになってしまいます。

わかりにくいですが、0.3ミリくらい芯が飛び出しております。その為、開きが狭くなることがあります。

削り後です。横から見たときの隙間で比べるとわかりやすいです。

(下に見える白っぽい筋が隙間です。テーブルの銀が見えております。)

削る前、蝶番が閉じ切らずに隙間があります。

削り後。ピタッと蝶番の隙間が埋まりました。

上から比べると、開きの差がわかります。

日本人の平均からいって、開かないと試着すら出来ないな、という狭すぎるときはあらかじめ開きをします。

いずれにしましても、フィッティングの際は開きます。もちろん、熱でプラスチックを曲げるわけですが、それで開きが足りないときの話です。逆反りさせて掛けさせる方法もありますが、見栄えが良く無いので削って開いております。

フィッティングだけでも是非お越しください。ヴィンテージの60年代以前ですと、とりあえず開かないと、どうしようも無いでしょうね。レンズが小さいので、フロントで稼げる横幅が少ない為です。

メガネの修理 大手術2
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17.02.12

続き。プラスチックの接着です。問題は、眉部分がそもそもプラスチックの薄い部分ですので、溶剤で生地を溶かした際に、力を加えて完全に接着することが出来ないことです。

透明なプラ板を上から貼り付けて、溝埋めに使用しております。ただ、生地が弱っているせいか本来の亀裂とは別の箇所にクラックが入ってしまいます。何度やっても出来るので、ある程度接着できている状態で磨きに入ります。7割くらいで、壊れるまで使いきって頂く感じですね。無念です。

磨きをした状態。写真では分かりにくいですが、ものすごく薄い筋が見えるのと、右眉に関しては、接着を繰り返すうちに生地が痩せて若干の凹凸が出来ています。遠目では分からないレベルには仕上げをしております。

型崩れは慎重に直します。テンプルの開きは、男の側頭幅の平均が160ミリなので、155ミリくらいにヤスリで駒部分を削り、開きを増やして終了です。無理矢理顔にかけると、結局眉部分に負担が掛かり、またパキッと割れる可能性があります。

とりあえず、一夏はいける状態までに戻せた感じですね。

メガネの修理 大手術1
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17.02.12

お持ち込みの修理のご依頼です。AOのマルコムXモデルです。デッドストックではないので、そちらのフルレストアです。もしデッドストックならば、なかなかの値段でしょうね。

(2/20追記。メガネ屋さん、鯖江の何でも直しまっせ的なところも断られて問い合わせて頂いたそうです。修理に対して冷たいのはあるあるですね…)

鼻パッドの交換と、眉部分の亀裂2箇所の接着修理、ガラスレンズサイズ調節…。大手術です。

鼻パッドは、この頃のAOですとハトメ式です。現行では同じパッドがありません。他で間に合わせるしかありません。

分かりにくいですが、上がコマの写真、下は切り取り後です。穴が小さいので、ドリルで穴をそれなりに広げて、カシメの鼻パッドを入れます。

クリーニングも同時に行っていますので、メタル部分のレストアは割と早めに終わりました。鼻パッドのアーム部分の穴が小さかったのが救いです。カシメのもので対応出来ました。鼻パッドを綺麗にするだけで、メガネがシャキッとしますね。

次は、プラスチックの接着です。ここからが勝負です。

作業完了
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17.01.12

ネジが開かないメガネ。レンズの嵌め込み完了しました。プラスチックのフラットレンズ、ハードコーティングで反射バチバチです。もちろん、リムのカーブをフラットに修正してから枠入れしております。

ネジが開かなくても、レンズ入れられますよ。

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